ギャル&パンツァー/ガールズ&パンツァー:サイドストーリー「青師団高校編」   作:ミハイル・シュパーギン

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第6話:摩擦

聖グロリアーナ女学院の学園艦。

 

「如何なさいました、ダージリン様?」

 

考え込む表情のダージリンに問いかけるアッサム。

 

「今日の練習試合の事、考えていたのだけど…」

「ひょっとしてエル隊長の事でしょうか?」

「察しがいいわねオレンジペコ。何か思い詰めていた感じというか…」

「そう言えば表情がどこか暗かったように思います」

 

 

それから数日後。

青師団高校戦車道チームが使う一室にて。

 

「アルタ、どうしてあのチャンスをふいにしたの?」

 

エルに問い詰められてアルタは緊張した面持ちで弁明する。

 

「ちゃ、ちゃんと作戦通りに、隊長達が引き付けている間に私は、敵フラッグ車の後ろから忍び寄り、十分に近づいてから射撃しました。ですが…何分チャーチルは硬くて…」

 

今話題となっているのは、昨日行われたセントグロリアーナ女学院との練習試合の反省会だ。

 

「砲弾が斜めから入ったんじゃないの?」

「は、はい」

「それじゃあの重装甲に弾かれるわよ。前にも言った筈よ?」

「そ、それは…確かに…そう、ですが…」

「ですが、何?」

 

エルの目つきがより鋭くなり、いらいらしたように目の前を左右に行ったり来たりするので、アルタもそれに比例して萎縮していってしまう。

 

「その…相手に気付かれたので、それで急いで…」

 

エルが拳をテーブルに叩きつけたので、何人か驚いて体を一瞬びくりと震わせた。

 

「向こうが撃ち返してくるまで数秒あるんだから、その間に照準を修正出来たでしょ!?」

 

その時1人の隊員が挙手した。

 

「隊長!1年生のエレナ、意見具申!」

「何?エレナ」

 

エレナは立ち上がると、

 

「隊長はアルタ先輩への当たりがきつ過ぎる気がします!」

「エ、エレナ…」

 

隣に座っている同じ1年生がエレナの袖を引っ張ったが、物怖じしない性格のエレナは友達に肩をすくめて見せた。

 

「大丈夫よガリシア」

「エレナ、これははあなたに関係ない…」

「待ちなエル」

 

今まで静観していたバスクが間に入る。「まあエレナも、言いたいこと分かるけど、意見はそこまでにしておきな」

 

「は…分かりました副隊長」

 

エレナは大人しく席に着いた。

 

バスクは腕組みしたままエルに体を向ける。

 

「エル、アルタはベストを尽くしてるよ」

「でもこれじゃ予選リーグを突破出来ないわよ!」

 

バスクはエルの目を覗き込んだ。

 

「…あんた、目が血走ってるよ」

「今ふざけてる場合じゃ…」

「エル、ちょっと休もうか」

 

それから隊員達に、「みんな、今日はおしまい。聖グロとの練習試合は、上々だったと思うよ」

 

反省会を終わらせたバスクは、目配せでヴィリディアナとトリスターナに、まだしょげているアルタをカバーするよう合図すると、自分はエルの背中を押して隣の休憩室に移動した。

 

 

続く

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