ギャル&パンツァー/ガールズ&パンツァー:サイドストーリー「青師団高校編」 作:ミハイル・シュパーギン
聖グロリアーナ女学院の学園艦。
「如何なさいました、ダージリン様?」
考え込む表情のダージリンに問いかけるアッサム。
「今日の練習試合の事、考えていたのだけど…」
「ひょっとしてエル隊長の事でしょうか?」
「察しがいいわねオレンジペコ。何か思い詰めていた感じというか…」
「そう言えば表情がどこか暗かったように思います」
それから数日後。
青師団高校戦車道チームが使う一室にて。
「アルタ、どうしてあのチャンスをふいにしたの?」
エルに問い詰められてアルタは緊張した面持ちで弁明する。
「ちゃ、ちゃんと作戦通りに、隊長達が引き付けている間に私は、敵フラッグ車の後ろから忍び寄り、十分に近づいてから射撃しました。ですが…何分チャーチルは硬くて…」
今話題となっているのは、昨日行われたセントグロリアーナ女学院との練習試合の反省会だ。
「砲弾が斜めから入ったんじゃないの?」
「は、はい」
「それじゃあの重装甲に弾かれるわよ。前にも言った筈よ?」
「そ、それは…確かに…そう、ですが…」
「ですが、何?」
エルの目つきがより鋭くなり、いらいらしたように目の前を左右に行ったり来たりするので、アルタもそれに比例して萎縮していってしまう。
「その…相手に気付かれたので、それで急いで…」
エルが拳をテーブルに叩きつけたので、何人か驚いて体を一瞬びくりと震わせた。
「向こうが撃ち返してくるまで数秒あるんだから、その間に照準を修正出来たでしょ!?」
その時1人の隊員が挙手した。
「隊長!1年生のエレナ、意見具申!」
「何?エレナ」
エレナは立ち上がると、
「隊長はアルタ先輩への当たりがきつ過ぎる気がします!」
「エ、エレナ…」
隣に座っている同じ1年生がエレナの袖を引っ張ったが、物怖じしない性格のエレナは友達に肩をすくめて見せた。
「大丈夫よガリシア」
「エレナ、これははあなたに関係ない…」
「待ちなエル」
今まで静観していたバスクが間に入る。「まあエレナも、言いたいこと分かるけど、意見はそこまでにしておきな」
「は…分かりました副隊長」
エレナは大人しく席に着いた。
バスクは腕組みしたままエルに体を向ける。
「エル、アルタはベストを尽くしてるよ」
「でもこれじゃ予選リーグを突破出来ないわよ!」
バスクはエルの目を覗き込んだ。
「…あんた、目が血走ってるよ」
「今ふざけてる場合じゃ…」
「エル、ちょっと休もうか」
それから隊員達に、「みんな、今日はおしまい。聖グロとの練習試合は、上々だったと思うよ」
反省会を終わらせたバスクは、目配せでヴィリディアナとトリスターナに、まだしょげているアルタをカバーするよう合図すると、自分はエルの背中を押して隣の休憩室に移動した。
続く