一等星より輝く光たれ   作:区星

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タイトルの割にアイは出て来ません


11話 アイとヒカリ

 私、神木ヒカリが『ヒカリ』と名乗りバーチャルとリアルと兼ねるアイドル活動を始めて3ヶ月ほど経った。

 

 その間にうっかり息抜きのはずの社長とのプラネタリウムデート?で自分の中のガチ恋勢を呼び起こしてしまうという特大アクシデントがあったが気にしないことにする。思い出すだけで顔が熱いよ……。

 

 そんな社長が謎のアイドルグループのチケットを持ってきたのは6月頭のことだった。

 

「B小町のライブ見に行かないか?参考になると思ってな」

 

「なんでよくわからない地下アイドルのライブを見に行かないといけないんです?それだったらわっつらいぶの周年特番でも見返す方がパフォーマンスの参考に……」

 

 嘘である、よくわからないアイドルのライブに行くよりはダンスだったりトレーニングをしたいだけである。

 

「バーチャルだけでライブするならそうかもな、だけどお前はバーチャリアルアイドルだ。現実でもライブする、というか1周年めどにさせるし、それに…………B小町は今一番話題の地下アイドルだ、センターのアイのパフォーマンスは圧巻らしい」

 

 一番話題の地下アイドル……社長ってそういうのに興味なさそうだけどやっぱり私のために情報収集してくれているのだろうか。

 

「一見の価値はありそうだ、と俺は思う」

 

「一緒について行ってくれるならいいですよ」

 

「勿論、一人で行かせるなんてありえないだろ」

 

 こういうところがガチ恋勢を発生させるところじゃないかな、思わず目を逸らしてしまう。

 

〜〜〜〜〜

 

 B小町、最近話題の地下アイドル。推しの子の主要人物の一人である星野アイが所属するアイドルグループである。

 そんなB小町のチケットがようやく行ける日程で手に入ったのでヒカリの承諾を得て彼女と一緒にライブを見に行くことにした。

 

「楽しみだな、今話題の地下アイドル」

 

「社長がそういうなら私も楽しみです」

 

………………

 

…………

 

……

 

 

「社長、アレがアイですか?」

 

 どうしてだろう

 

 なんだかこのアイは

 

 怖くない

 

「……………」

 

 俺の知ってるアイは少なくともステージの上では完璧で究極のアイドルだったはず、じゃあ何が違う?俺か?それとも…………。

 

「社長?」

 

 ヒカリが心配して声をかけてくれている。

 

「いや何、何かが違う、そんな気がしてな。気のせいだと思うんだが…………」

 

〜〜〜〜〜

 

 B小町のライブが始まった、サインはBという曲らしい

 

 少々しゃくだが私なりに学べることを学んで行こうと思う

 

「社長、アレがアイですか?」

 

 一番目立つセンターの黒髪の美少女、こう書くと嫉妬してそうで嫌だが美少女なのは間違いないので。を指さして聞くが返事が帰って来ない。

 

「社長?」

 

 社長の顔を覗き込むとそこにいつもの飄々としてて頼り甲斐のある社長の顔ではなく、顔中に?を浮かべたおじさんがいた。

 

「いや何、何かが違う、そんな気がしてな。気のせいだと思うんだが…………いやでも違うんだよな、なんかこう、うーん?」

 

 違うと言われてB小町の方に視線を戻す、確かにアイのパフォーマンスは地下アイドルにしてはかなり高いレベルに達しているように見える。ただ、それだけ、とも感じるが。

 

 他の曲も聞きながら考えていく、社長がB小町にわざわざこだわった理由、そして今のパフォーマンスに違和感を感じている理由、なぜ私をここにつれて来たのか…………。

 

………………

 

…………

 

……

 

「…………わかったかもしれない」

 

 おそらくだけどなんらかの理由で本来のパフォーマンスのB小町を社長は知っていて、それが私に見せるに値するものだった、だから私にB小町を見せることでパフォーマンスの向上に繋げようとした。しかし実際のB小町のパフォーマンスは想定を下回っていた。

 

 こう考えるとかつて話していた理想のアイドル像、嘘吐きとも繋がるような気がする。B小町のセンター、アイ。彼女のパフォーマンスはそれに一番近く感じられた。もっとも、完成したパフォーマンスには遠かったが。

 

「社長、何か私に言うべきこと、ありますよね?」

 

「思ったより思ったよりだった、時間の無駄とは言わんがすまんな」

 

「そうじゃないです、もっと大事なこと、ありますよね。何か私に隠してること、B小町をわざわざ私に見せたかった理由」

 

〜〜〜〜〜

 

 しばらくの無言からヒカリが帰って来たと思ったら

 

「社長、何か私に言うべきこと、ありますよね?」

 

「そうじゃないです、もっと大事なこと、ありますよね。何か私に隠してること、B小町をわざわざ私に見せたかった理由」

 

 そう問いただされた、おかしいな。不自然なことなんてなにも……

 

 先程の言動だ、間違いない。

 

「ははは、今一番話題のアイドルだし一見の価値はあると思ったからだが」

 

「じゃあなんでパフォーマンスに違和感を感じてるんです?本当のこと言ってください、一回こっそり見に行ったりしてるんじゃないんですか?それとも何かそれ以上に秘密にしたいことが………」

 

 げ、終わりの二択じゃん、これは………

 

「一回も行ったことはないよ!これが初見!」

 

「え!?」

 

「これ以上の話は事務所帰ってからするから、それまではちょっとだけ口を閉じてて欲しい、必ず話すから」

 

 人生30年とちょっとやって来て転生バレ寸前なのよろしくない、よろしくは無いんだけど致命的すぎてどうしょうもないかも。




オリ主「あっれぇ?星野アイってこんなに輝いてないもんだっけ、おっかしいなぁ」
ヒカリ「どうして初見のはずなのにそんな反応になるんです……?アレレおっかしいぞ〜」

ヒカリ「私に黙ってこっそりアイドルの応援してたか何か隠し事ありますね!全部吐いてください」
オリ主「終わりです」
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