一等星より輝く光たれ 作:区星
異性の誕生日に何をプレゼントするか、もちろん恋人関係ならある程度理解し合っているだろうから迷いこそすれど何を送るかの選択肢に困ることはないだろう。では上司と部下のような関係だとどうなるか、変に凝ったものを送って引かれたくもないが何も渡さないのは礼儀としてアレだ。
つまるところヒカリの誕生日が1週間後ぐらい(7月27日)なのに特に何も決まってない。
大手通販サイト、コペルニクス*1で漁ってみたものの特に思いつくわけでもなく………。いやまじで困ったぞ。
「数少ない友人に聞くかぁ………」
…………
……
「そんでウチに相談した、と」
鬼灯一羽、いちシュガ限界民筆頭にして大手Vtuber事務所、わっつらいぶの3期生である。コラボや大型企画、凸待ちや逆凸企画などでお世話になっており、もちろん俺やシュガーちゃんは頭が上がらない存在である。
「ウチからアドバイスするとしたら、もちろん憎からず思ってる人のプレゼントならなんでも嬉しいやろうけど、髪留めとかええんとちゃうかな」
そんな彼女から帰ってきた答えは意外なものだった。髪留めか、確かにプレゼントとしては大きくカネのかからない上サイズ感で迷惑もかからない、気に入らないなら使わなくてもいい。………今憎からずって言った?
「憎からずねぇ……」
確かに時折妙な目で見られることが最近増えた気はするが…………
転生バレから異性コラボをすると若干不機嫌になったりするが…………
まさかヒカリに限って優しくしただけで惚れるとかそんな少女漫画みたいなこと、ないよね?
「まあ、あんたが中学生に手を出すようなロリコンじゃないのはわかっとるし、不思議な感覚になるのもわかるんやけど
あんたを慕ってくれてるあの子を裏切るようなことしたらウチ、縁切るで」
はい、気をつけます。お世話になっている人間に縁を切られたとなると相当やりにくくなるので、はい。
「あ、後ウチに相談に乗ってもらったとかは言わんほうがええで、女は他の女の影出されるの嫌いやしな」
そういうもんなのか、まあそうだろうな。彼氏への誕プレを男友達と買いに行きましたってすっげぇアレだし。
〜〜〜〜〜
コペルニクスでポチポチと検索してると黒い薔薇をあしらった髪留めが目に留まった。金色の髪に映えそうなので購入。
3日ほどして届いたのでいい感じに包んで、誕生日当日に事務所に持って行く。
ちょうど夏休み中だったのでお昼ぐらいにヒカリを迎えに行って、配信の準備を手伝う。誕生日記念の凸待ちをするらしい。がんばれ
………………
…………
……
凸待ちを終わらせて配信を終えたヒカリに声をかける。
「お疲れ様、誕生日プレゼントだ」
ヒカリの表情がパッと明るくなった。
「社長。ありがとうございます、あの、開けていいですか?」
「いいぞ、まあ大したものでもないが」
本当に2000円ぐらいのちょっとしたブランド品である。
「大人っぽくていいよ、すごい素敵」
ヒカリは髪留めをゆっくりと持ち上げながらクルクルと回して観察している。
「まあ似合わないとかでアレだったらしまっといてくれていいぞ、嵩張らないしな」
髪を伸ばしたら似合うんじゃないかな、映えそうではある。
「それで社長、これだけですか?」
ん?
「食事行きませんか?」
ちょっと待って
「帰り道にサイ◯あるじゃないですか、そこ寄りましょうよ」
「お母さんに連絡とかは……」
「ケーキは準備してあるからそれは食べれるようにしてねと言われたので大丈夫だよ。社長と一緒に誕生日の晩餐を食べたいな〜だめ?」
ええいこいつめすっかり慣れよって、仕方ない。
結局エスカルゴやピザ、ミラノ風ドリア、辛味チキンなどサ◯ゼの定番メニュー食い尽くしパーティーみたいになってしまい、俺が8割ぐらい食べてる。
奥に座ったら隣に座られたしで、緊張して味よくわかんなくなったし散々だった、楽しかったけど。
〜〜〜〜〜
えへへ、社長を自分から誘ってお食事デートに連れて行っちゃった。まあ奢らせちゃったけど私まだ未成年だし仕方ないよね。
そう言えば社長からもらった黒薔薇の花言葉を調べてなかった、どれどれ…………
『あなたは私のもの』『決して滅びることのない愛』
…………絶対これ社長のことだから調べずに選んだよね…………
でも……私もあなたの全部が欲しいって願ってしまったしお似合いなのかも………
カミキヒカルの誕生日は推しの子の登場人物にしては珍しく公開されてます
なのでこうやって誕生日のイベントが描けるわけですね