妖精に惚れた白兎   作:排他的経済水域

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不定期更新につき気分次第で沢山書いたり書かなかったりすると思います


第1話

「僕と!結婚して下さい!」

 

これが冒険者の都市(オラリオ)に来た僕があの人に初めて言った言葉だ。

 

「バカか貴様は」

 

その言葉を発した後、僕は背後から義母から拳骨を貰った。

神速で放たれた拳は僕の脳天に直撃し僕の頭を地面へと打ち付けた。

 

「うちのバカ息子がすまん、エルフの娘よ」

 

「い、いえ…」

 

「ではな…ほら、行くぞ…ベル」

 

先程までの元気な姿は完全に消えうせ、銀髪の母親に少年は引きずられていった。

 

「なんだったの?あれ」

 

親子がいなくなった後、私の隣にいたアリーゼがようやく口を開いた。

 

「わ、分かりません…」

 

「おやおや、あんないたいけな男の子を誑かすとは…エルフ様も隅に置けませんなぁ〜」

 

「なっ!輝夜!訂正しなさい!私は誑かしてなどいない!」

 

「まぁまぁ、いいじゃねぇか、輝夜…冒険者なんてしてると出会いもクソもねぇんだ…男の1人や2人誑かしても誰も文句は言わねぇよ」

 

「なっ!ライラまで!何度でも言いますが、私は誑かしてなどいない!」

 

「照れんなよ〜リオン…分かるぜお前ああいう感じの男が好みなんだな」

 

リューの肩を軽く叩きながら、ライラが茶化す。

 

「違うと「まぁいいじゃない!どっちでも!さっ!今日のパトロールを続けるわよ!」アリーゼまで!何度でも言う!私は誑かしてなどいなーい!!!」

 

昼下がりのオラリオに不満を叫ぶエルフの声が響いた。

 

 

 

ーー

 

「馬鹿者め…」

 

「だって…好きだと思ったら…すぐに告白しろっておじいちゃんが…」

 

「あの狒狒爺の好々爺め…またベルの教育に悪いことを…」

 

息子の言い訳に母親はそれを教えた爺に怒りを覚える。

 

「帰ったらもう一度折檻だな…」

 

「お、おじいちゃん死んじゃうよ…」

 

伯父の命を心配し、息子が恐怖を覚えながら止めようとする。

 

「あの爺は殺しても死なん、それに私が本気で殺そうとすればさすがにザルドも止めるだろう」

 

ザルドの話になり、ベルは村に残った剣の師匠を思い出す。

 

「ザルドおじさんも来れば良かったのにね」

 

「あの男は7年前の1件で顔が割れていると言っただろう…私の代わりにな。」

 

「…そうなんだよね」

 

7年前の1件…闇派閥(イヴィルス)に手を貸してオラリオを恐怖に陥れたという話…それをベルはここに来る前に話された。許されないことをしたんだとも思っている。

 

「まぁ私もほとんどお尋ね者みたいなものだ…顔を知られているのは一部だろうから問題は無いだろうがな…」

 

母親の冗談2割本気8割の言葉がベルを引かせる。

 

「そ、そんなこと…」

 

「強者とは自然と敵を作るものだ…作りたくなくてもな」

 

母親が今生き残っていて、自分に恨みを持っているかもしれない、現オラリオ2大最強派閥の4人を思い出す。

 

「まぁ襲われたところで返り討ちに「僕が守るよ」

 

その言葉を遮るように息子が話す…今度は真剣に母親の目を見て…

 

「…ベル」

 

先程の冗談では無い…この子は本気で私を守るために世界を敵に回すだろうと母親は知っていた。

 

「母さんがもし襲われることがあったら僕が守るよ」

 

絶対の決意。最後の英雄になろうとしている少年が目の前にいる。

そのことを母親は少し実感する。

 

「生意気な息子め」

 

「痛いっ!」

 

だが、まだ未熟なのも知っていた母親は息子の頭も軽く叩く。

 

「まだLv5の貴様では勝てん。良くて相打ちだぞ」

 

「は、はい…もっと強くなります」

 

明確な事実を言われ、ベルが少し竦む。

 

「さて…まずはファミリアを見つけなくてはな…好々爺が言っていた女神を探すぞ、ベル」

 

「は、はい!アルフィアお母さん!!」

 

これがオラリオに最強の親子…

Lv8とLv5の親子が来た…最初の日の会話である。

 




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