妖精に惚れた白兎   作:排他的経済水域

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3話

「どういうことなんだい!?君!!!」

 

「僕に言われても…」

 

「本当にやかましい女だな、貴様は」

 

アルフィアは頭を抑えながら、不満を漏らす

 

「喧しくもなるさ!なんでこんな沢山のスキルがあるんだい!!なんで君は都市外にいたのにLv5になってるんだい!!なんでエルフでもないのに!魔法を二種類も取得しているんだい!分からないことが多すぎで僕は喧しくなってるんだよ!!」

 

オラリオの外にいるLv5以上の戦力はほとんど居ない…テラスキュラや学区などの例外はあるもののそれは例外中の例外…オラリオの外ではLv2やLv3すら英雄として扱われる。

その中でLv5…しかも弱冠14にしての英雄候補…ヘスティアが叫びたくなるのも無理はないだろう。

 

「そ、そんなにおかしいんですが?僕?」

 

ヘスティアとアルフィアの顔を見ながらベルが不安そうにつぶやく。

 

「いや?スキルは多い方だろうが、ステイタスに関してはおかしくない」

 

アルフィアは顔色ひとつ変えずに淡々と喋る

 

「はぁ!!!?おかしいよ!君たちが持っていた手紙に書いてあったけど!君は昔オラリオで最強の魔導師だったんだろう!普通の参考にはならないよ!」

 

ヘスティアはそれに反論するが、アルフィアに取り合うつもりはない。

 

「うるさいぞ、乳娘。弱いならともかく強いなら問題はなかろう。」

 

「う、うんその通りではあるんだけど…」

 

「まぁいい、ベル、今日はダンジョンに行ってみろ。下層までならソロで問題なかろう。」

 

「はい!わかりました!!じゃあ行ってきます!」

 

「夜までには帰ってこい」

 

そのまま、ベルは教会を後にする。

 

「さて神ヘスティア」

 

「ん?なんだい?」

 

初めての敬称呼びにヘスティアは首を傾げる。

 

「ベルは確かに異常だ」

 

「…!」

 

「あいつはな…前世の記憶があるらしい」

 

「前世?…有り得ないと思うよ?魂は必ず生まれ変わる…でも魂の記憶が残ることは有り得ない」

 

魂は巡る。これは神の中では常識だ。しかし前世の記憶がある者など下界にはいない…これも神の中の常識だ。

 

「ああ、狒狒爺もそう言っていた。だが実際ベルは私に細かく話してくれた前世で何をしたのか…をな、そしてスキルとして発現させた。」

 

「…でも「だがそんなことはどうでもいい。」

 

有り得ない…そう言おうとするがアルフィアが遮る。

 

「え?」

 

「あいつはその前に私に向かって英雄になると言ってきたのだ。ならばそちらの方が重要だ。私はあいつを育てる。最後にして最強…黒竜を倒し得る英雄に」

 

アルフィアは絶対にベルを最強の英雄に育てる、そう宣言した。

 

「邪魔はしないよ、もちろん…でもベル君は僕の眷属…家族だ。」

 

「…」

 

「だから絶対に死んで欲しくないし、出来れば傷ついてすら欲しくない」

 

「でもそれは無理なんだろう?」

 

「…ああ」

 

冒険者は死ぬ。オラリオに生きててこれを知らないものはいない。

 

「なら君が守ってあげてくれ、アルフィア君」

 

「お前に言われなくてもやる。」

 

アルフィアはヘスティアの頭を軽く叩く。

 

「いて!何するんだい!」

 

「掃除をするぞ、ここは汚すぎる。」

 

アルフィアが周りを見ながら、掃除を提案する。

 

「…うう、そんなことは…」

 

「やるぞ?」

 

提案では無い…命令だとヘスティアは悟った。

 

「は、はーい」

 

立ち上がり掃除の道具を用意するヘスティアを見ながら、アルフィアは軽く思った。

 

(この神がいいと言ったゼウスは正解だな)

 

だがアルフィアがそれをヘスティアに言うことは無いだろう。

 

 

 

 

 

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