Dr.Stone_聖 作:MaxCoffee好き
一つ質問しよう。
『君は何でも出来る才能が持ったとしてどう生きる?』
才を持った義務として社会貢献する?それとも我欲に走り私腹を肥やすか?等々と色んな答えがあるだろう。結局何を言いたいのかというと『どんな風に生まれ持った才を使うかはそいつ次第で別に誰かに指図を受けて行うのはノらない』だろう?そうは思わないか?
散々ご高説を説いているが私の答えとしては『そこそこ楽しくノれる人生を送れればいい』だ。
だからこそ__
「麒麟寺聖様ですね。私は七海財閥の執事兼コックを務めさせて貰っているフランソワと申します」
こういった人生を劇的に変化を及ぼすスパイスは要らない。
フランソワと名乗る執事に強制的に案内された場所は神奈川県の某所で如何にも大金持ちが住んでますと言わんばかりの豪華絢爛な装飾が施されている建物の中にある客室にてスカウトした理由を話す前に手渡されたのは雇用主だけが書かれている契約書を手渡された。
「えっと?どういうことですか?」
「これは我が七海財閥雇用契約書ですが?」
う~ん、流石は天下の海運王七海財閥といった感じか。世間一般の就職先としてはSSR級ものだが、私のモットーは『そこそこ楽しくノれる人生を送れればいい』だ。仮に就職したとして、割り振られるだろう仕事内容は海運以外の事業拡大するために忙しなく働かされるだろう。
何せどこかの馬鹿記者のせいで御大層な肩書きとともに一時期は休みがない程にテレビ番組に出演する日々を過ごしたのだ。.....思い出したらむかむかして来た今度あったら一発ぶん殴ってやる。
ふぅ、今は目の前のことに集中しないと、だ。
「誠に申し訳ないのですが、七海財閥に雇われる気はサラサラありません。帰りの車を出して頂けないでしょうか」
「ふむ。どんな好条件でもですか?」
「はい」
「...仕方がないですね。とても我が七海財閥に欲しいのですが、今回は諦めるとしましょう」
『今回は』って、また何時かスカウトしに来るのか。二度と関わりたくないんだが...
閑話休題
翌日、私は昨日のことを思い返していた。今までも直接お偉いさんがやって来てスカウトしに来ることはあったが、七海財閥のような上流階級からスカウトは初めてで驚いた。しかも男性か女性かは分からないが執事のフランソワや七海邸にいた全従業員見目麗しい容姿で芸能界に居ても可笑しくはない顔面偏差値の高さだった。
「あ、あの!麒麟寺さん」
オドオドと頬を赤らめ私の通う学校の制服を着た男子生徒に話し掛けられた。私に話を掛けた理由は想像がつく。
「君のこと知らないし、誰かと付き合うなんて考えてないから」
自慢をするようで恐縮はしないが生まれてから一切美容らしい美容をして来てないにも関わらず。私の容姿は周りの人から見て美人に見えるようで、一日に最低一回は告白してくる。なので告白する間もなく断れた男子生徒の脇を過ぎ学校へと歩を進めると。
「また燕の石像が落ちている」
話は変わるが、ここ最近世界各地で燕の石像が発見されている。しかも今にも動きそうな位に精巧な石像が何十個もだ。そのことに動物学者や石像アーティストといった有識者に意見を募っても手掛かりらしいものを掴めず。全くもって分からず仕舞いとニュースで毎日報じられている。
そんなことを考えていると電気屋のショーウィンドウに置かれているテレビの画面にメンタリスト浅霧幻がゲストで呼ばれた特番が流れていた。
《さぁ!さぁ!この後登場するのは霊長類最強高校生獅子王司君で~~す!》
ぷしゅと白い煙を上げて出てくるタイミングでソレは起きた。間欠泉から勢いよく熱湯が噴出するが如く青がかった緑色の光が視界に飛び込んで行き、治まった瞬間には私を含む周囲の人間は石像と化した。
それは他の人間もそうだが、あまりの超常的出来事に反応出来なかった。石化している私は今現在思考しているが他の人はしているのかは分からない。確認しようにも身動きすることが出来ないのでそんなことはどうでもいい。
まずはこの石化が人間が築いてきた科学で解くことが可能かが問題だ。こんなことが出来るのは『宇宙人の技術説』ぐらいだと思う。他に『どっかの国の兵器の暴発説』や『新種のウィルス説』とかも考えられるが、もし仮に兵器の暴発だとしたらあまりにも馬鹿すぎる。一歩ミスを犯したら自分たちに返ってくる可能性があるのだから、どっかの国の兵器の暴発説は無し。
新種のウィルスも少し考えればこれもあり得ない。人類石化現象が起こる前に見られた燕の石像は私たち人間が石化したものと同じで元々は生きている燕な訳で、その中に燕以外の鳥類がいないのも可笑しいし、燕と人間の共通項は私が気付いてないだけかもしれないがこれといって無い筈。
だからこそ考えられるのが宇宙人の技術説が高い。
......と思考をぶん回して来た訳だが段々と意識が薄れつつある。眠気とかそういったものではなく、こうなんていうか気力が薄れて意識を喪失仕掛けているが正しいだろう。
ぶっちゃけここで意識を飛ばすのは容易いが、飛ばして再度意識が戻るかどうか分からない。
これから石化復活するまで意識を飛ばさぬよう保ち続けるのは100%地獄なのは考えるまでもない。要するに何もない空間に放り込まれて、ただひたすら石化から復活するまで待つなんて気は狂うに決まっている。
ただ思うのは訳の分からぬまま意識を飛ばし死ぬよりかは気が狂ってた方がまだノれる。
閑話休題
はてさてあれからどれくらい経っただろうか。今が西暦何年で何月なのかは分からないがそろそろ気が狂いかけている。何せしっこの匂いが...って。
「あれ?」
人がコーラを飲んでゲップするぐらいの自然さで私は石化からの復活を果たしていた。ここで復活した喜びで動いてはいけない。自分が復活したのだから他の誰かが何とかしてくれるだろうといった石化前の思考を一旦排し、ゆっくりと起き上がり自身の肉体に張り付いている石片をなるべく割らないように剥がし、私が倒れていた体勢を枠取って現場保存を行う。その次に石片も立派な石化現象を解く為に必要な証拠なので、壊れないように地面に埋めて自分だけが分かる目印しを残す。
「とりあえず現場と石片を保存したから、次は...」
はぁ、と深いため息を吐く。再度、異常事態だから自堕落になってはいけないと頭では分かってはいるが。ここから一人で『衣・住・食』を整えていかねばならないことに、どうしても頭を抱えてしまう。
「いや、分かっているんだけどさ。今はモットーである『そこそこ楽しくノれる人生を送れればいい』を封印して人類石化復活の為に邁進して行かないといけないのはさ」
ブツブツと愚痴を数分間垂れ流した後、私は気合を入れる為に両手で頬をパチンと叩いて行動し始める。
まず行ったのは物を作るにも物を切ったり、彫ったりするにもまず道具_『石器』が必要だ。最初にデッカイ岩に適当な石を落としたり、石同士ぶつけ合って打製石器を作る。ただ切れ味は最悪なのでここから刃先を岩を砥石に見立てて磨製石器にする。......特段性能が変わる訳ではないのが磨製石器の方が人間が使う道具ぽさがあったから磨製石器にする為に研磨した。
次に取り掛かるのは衣服か食料の確保...と、行きたい所だが。『狩猟』に取り掛かった方が幾分か楽になるのだ。獲った後の解体は楽ではないけど。
「この原始的世界で作る罠としては、これぐらいのが限界かな」
非力な女性が原始的世界で槍を振り回して捕まえられる訳がないので、漫画やアニメとかで見る罠と言えばコレ!のイメージが強い間接型の罠を設置した。
この罠は獲物がスネア_輪っかが罠発動のトリガーな為、獲物が通る道を見定めないといけない上級者向けの罠だが、この原始的世界では人間というものを知る動物なんざ数千年前に亡くなっているから動物が通る道を見定める必要はない。野生動物が罠に引っかかるまでの間に拠点場所の確保や紐と弓っぽい木を材料に作った火起こし器でコップと器などといった今後生活を送る上で欠かせないものを作る。
そうこうしているうちに罠を仕掛けたところに行く道中、動物の鳴き声が近づくにつれて大きくなっていた。そのことに思わず口角が上へ緩み、駆け足で罠へと向かう。
到着した私の前には必死に抜けだそうと懸命に動く野生動物_鹿が見事に引っ掛かっていた。ここからは血生臭い解体作業に取り掛かった。
「はあぁ、何とか原始的世界一日目で『衣・住・食』を揃えられたぁ」
解体した鹿の皮を色々と加工し手に入れた『衣』、偶然にも復活地点近くにあった洞窟という雨水を凌げる『住』、罠で獲った鹿肉や自生していた果実やキノコ、湧き水の発見などいった『食』を運良く一日にして手に入れたのだ。
もし仮に一般人だったら葉っぱ服を衣として、木々の下を住とし、そこら辺に生えている山菜を食にするという生活を送るだろう。
そこは腐っても『
「ま、しばらくしたら私以外にも復活する人も出てくるかもしれないし、それまでには生活基盤を整えないとねぇ。その後はその人に任せて『そこそこ楽しくノれる人生を送れればいい』さ」
PersonFile.①
麒麟寺聖(きりんじ ひじり)
才能★★★★★
知識★★★★
やる気★
幼い頃から見ただけで人並み以上をこなし、物覚えもとてつもなく優れているが、如何せんやる気がなく。人類石化現象といった緊急時かつ自分しか出来ない状態に陥らないとやる気が出ないぐうたら者。
そして少しでも誰かに任せられそうだと分かると、サボって楽な方へと進んでしまう。