実は僕……すごく耳がいいんです〜乙女ゲームで感情のない人形と嫌われていた悪役令嬢、実は重度のあがり症だった〜【改訂版】   作:花河相

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 母上と一緒に馬車に向かった後、すぐに馬車に乗ったのだが……僕は開始早々ミスを犯し、母上の機嫌を少し損ねてしまった。

 馬車に乗るとき、母上が「一人で乗るの不安だわ。手を貸してくれる?」とエスコートするように言われた。

 

 だが身長差と体重差があり、危険と判断。「身長差と体重差があるので一人で乗った方が安全では?」と気を使って言ったのだが、どうやら怒らせてしまったらしく、無言で笑顔を向けられた。

 

 恐怖を感じ、すぐに謝罪をしてエスコートをしたおかげで母上はすぐに機嫌を戻し事なきを得たが。

 僕と母上は二人馬車に乗ると……出発した。

 

 だが、ここまでの流れでいくつか気になることができたので母上に質問した。

 

「母上、二つほど聞きたいことがございまして。よろしいですか?」

「何かしら?」

「まず最初に、今日はどういった予定なのですか?」

 

 一つ目はこの微妙な時間をどうするのだろう?

 現在11時半を回ったところ。昼食を食べるには少し早すぎる。

 

「お腹も減っているし、アレンもお勉強頑張ったからね。お昼食べに行きましょう。その後お買い物ね」

 

 ご飯を食べてから買い物に行く。

 なら、当初予定していたアレイシアの贈り物選びも手伝ってもらおう。

 

 

「わかりました。実は、ご存知かと思いますが,アレイシア嬢と3日後にお茶会の約束がありまして、贈り物を選びたいので手伝っていただけると。僕は女性が好む物がわからなくて」

「わかったわ。アレンの物を買う予定だったからそのついででいいかしらね」

「はい……それで、二つ目なんですが……何故僕と母上の二人きりなのですか?」

 

 確かウェルを誘っていたはずだ。

 それなのに、何故かいないんだ。

 

「一週間シンがアレンにつきっきりだったから、キアンの仕事忙しくてなってしまって。キアンがウェルにも手伝って欲しいって言っていたからよ。だから、今日は私とアレンの二人よ」

 

『ドクン……ドク……ドクン』

 

 ……嘘だな。

 どこからが嘘か分からないけど、僕と二人なのは何か別の意図がありそうだ。

 そう考えていると母上は「だからね」と言って言葉を続ける。

 

「今日はアレンが私をエスコートしてね!」

「……わかりました母上。不出来の身でありますが誠心誠意努めたいと思います」

「うふふ、別に体裁を整える必要はないわ。そこまで深く考えなくても平気よ。気軽にしてくれればいいわ。私と貴方二人だけなんだから」

「……はい」

 

 多分母上は何か企んでいる。

 理由なしにこんなことはしないだろう。でも、何か聞き返すと墓穴を掘るかもしれないので黙って従うことにした。

 もちろん細心の注意を払って。

 

 

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