やっぱり異邦人だよな
日本に戻ってきた時、MAKOTOは、強くその事を感じていた。
アメリカへ行った時も、自分は異邦人だと感じた。本来、異邦人とは、日本人ではない異国の人間を指す言葉だと思うが、異世界から来た人というイメージで、外国人という言葉より好きだった。
MAKOTOは色白で彫りの深い顔立ちのため、見た目でアジア特有の差別的な言葉をかけられる事はあまり無かったが、それでも言葉や人種の壁は大きかった。中々自分の居場所が無い中、音楽やダンスに傾倒していった。特にHIPHOPの世界は様々なバックグラウンドの人間が集まる。仲間が増えていって、自分の居場所ができそうになった矢先、父親の転勤が決まった。日本に戻れる事を大喜びしている両親に、アメリカに残りたいとは言えなかった。
久しぶりの日本は、故郷というより外国でしかなく、自分だけが浮いてると感じた。引っ越しの作業は、業者と母親がやってくれて、邪魔になるだけだったので、暇つぶしに音楽を聞きながら散歩してたら、段々とワクワクしてきた。新しい環境で新しい出会いが待ってるかもしれない、そんな事を考えてたら、いつの間にか迷子になってしまった。
RIKUKIに声をかけられた時、独特のヤンキー弁がよくわからなくて、困ってしまった。英語で話かけられた時は、試されてるのかと思って、思わず逃げてしまった。後で考えると心配してくれてたのかもしれない。逃げ出して申し訳なかったなと思った。
SHOTAにアメリカから来たのかって聞かれた時もドキっとした。でも、SHOTAはお構い無しに距離を詰めてきて、面白かった。一緒に銭湯へ行って、裸の付き合いなんて初めてだったけど、すっかり意気投合した。閉鎖的な日本と比べて自由な国のイメージが強いアメリカに憧れていると言っていたけど、十分SHOTAは自由だと思う。
SHOTAのチームとRIKUKIのチームはライバル関係にあるらしい。SHOTAとRIKUKIのバイブスはどこか似てるのに、なんで対抗してるんだろう?今度行くイベントで何か、仲良くなれるキッカケがあればいいのに。
そんな事を思いながらイベントに参加したら、早速、RYUSUKEの変装が見破られて、SHOTAとLEONが言い合いを始めた。でも、俺は、ステージが気になって、気が付いたら一番前まで行ってしまった。Jの歌声はすごくて、惹き込まれた。RICKYのステージングはカッコ良くて、ラップにぶち上がった。
結局、RICKYに見つかってしまい、SHOTAとLEONのイザコザもあって、ドラゴンガーディアンズが来てる事が観衆にばれて大騒ぎになった。そのせいで警察にも見つかりそうになって、慌てて逃げだすハメになった。
でも、おかげでドラゴンガーディアンズとクレイジードッグズの面子が一同に会す機会となった。
ケンカが起きるかと思ったけど、LEONがちゃんと話してくれた事でSHOTAの誤解が解けた。緊張が解けた頃合いを見て、RICKYにさっきのラップすごかったって言ったら、すっかり音楽の話になって盛り上がった。歌とダンスをアメリカでやってたと言うと、次は一緒にやろうぜと誘われた。先に仲間に誘ってくれたドラゴンガーディアンズの事を気にしてたら、みんなで一緒にやればいい!と簡単に言われた。
SHOTAは面食らってたけど、SHUNは乗り気だった。なんだか、楽しくなりそうだ。Jと一緒に歌ったら、どんな感じになるんだろう。
自分の居場所をようやく見つけられたのかもしれない…
これからが楽しみだ。
END