最強と謳われ畏れられた超魔神皇という前世持ちの現役JCは、ダンジョンが存在する現代日本で人間生活を謳歌する   作:華洛

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第1章 ダンジョン
第1話 マンダラ1階層【1】


 

「LANでーす。本日は、深層の先にある未知なる世界・マンダラを探索していきます!!」

 

 私……京極蘭は、銀色の浮かんでいる球体・クエビコにピースをしながら言った。

 太陽が燦々が輝く、草原に佇む私に対してクエビコは非情な言葉を発する。

 

『現在の同時接続数――0人』

 

「はいはい。どうせ私は過疎配信者ですよーだ。でも、深層をソロで突破したんだから、少しぐらいは興味を持ってくれる人がいても良いと思わない?」

 

『チャンネルに対して編集疑惑と詐称疑惑がネットの海に広がっている為でしょう』

 

「……全部真実なんだけどなぁ」

 

『以前から提案してます。対策としては、その仮面を取って身分証明できる物を開示することがチャンネル登録を増やす手っ取り早い方法です』

 

「身バレは困るからイヤ」

 

 クエビコの提案に対して私は手を振りながら答えた。

 【現役女子中学生による生ダンジョン配信チャンネル】

 それがチャンネルの名称だ。私はちゃんと現役女子中学生だし、生ダンジョン配信も嘘じゃあない。

 配信し始めた時は、ちょっとは接続数はあったんだ。……それでも二桁だったけど。

 でも、ダンジョンにいるモンスターと戦うと、見る人は減っていき、今では1名でも見てくれる人がいれば嬉しいって感じになっている。

 

 理由は明白。私が強すぎたからだ。

 

 ゴッドオーク。ミスリルドラゴン。マスターリッチ。魔王。魔神。竜王などなど。

 その内の1体でもが、もしもダンジョンから地上に出たら現代兵器のほとんど効かず、対モンスターを生業にしている人達が纏まっても勝つことは難しい為、世界が滅びる可能性が高いと言われるモンスター達。

 私はそれらを苦戦すること無く――――圧倒して斃した。

 で、十代のガキが伝説級のモンスターを斃せる訳がないだろっという事で、編集や詐称疑惑が持ち上がり、今では過疎配信者。

 

『用語ミスです。今で「は」過疎配信者ではなく、今「も」過疎配信者では?』

 

 クエビコが私の心を読んで余計なツッコミをしてきたけど無視だ。無視。

 私がここまで強いのには理由がある。

 それは、私がライトノベルであるよくある転生者だからだ。

 

 前世の私は魔王・魔神を越えた存在として畏れ慄かれていた存在・超魔神皇とかいう、あまりにも中二病過ぎて痛々しい者だった。

 もう黒歴史でしかない。

 私がこう思うのは、あくまで前世での記憶は知識となっていて、超魔神皇が経験した出来事は小説や漫画で読む物語みたいなもので、自分自身であったという事は希薄だった。

 今の私は、前世で痛々しい中二病ネーム超魔神皇とか名乗っていた存在では無く、現役女子中学生兼陰陽師見習い兼ダンジョン配信&探索者、京極蘭だとハッキリ言える。

 

『属性過多では?』

 

 そんな事は無い。――……ないよね?

 超魔神皇が転生した先は、地球の日本。怪異や魔物を退治する事が生業の陰陽師の家の子供へ転生。

 優しくも厳しいお母さん。公務員で忙しいためか、あまり家にいないけど私を大事にしてくれるお父さん。

 陰陽師として家のためか、前世があるためか、或いは両方か。多少のちょっとしたトラブルはあったものの、私は健やかに育った。

 

 トラブルを経験している内に分かった事がある。

 私は前世から力をほぼ全て持って転生していたようで、地上に出てくる怪異やモンスター程度では、力をほとんど発散できないってことだった。

 発散できない力は、少しずつ溜まり、ボールペンを握っただけで潰してしまうまでになった。

 このままでは日常に支障が出ると判断した私は、発散場所として、世界に108ヶ所あるとされるダンジョンの1つへと潜ることにした。

 ダンジョンなら力を抑えること無く発揮しても問題無いと考えたからだ。

 結果としては大成功。

 力を発揮することで日常生活で溜め込むことになるストレスや力の一部を発揮する事ができるようになった。

 ――――因みに、お父さんやお母さんには内緒である。

 

 強者との戦いを求め下へ下へと向かっている途中で、深層1階で私は宝箱からクエビコを見つけた。

 宝箱から出した時は、

 

『私はオブザーバー。観察と傍聴するモノ』

 

 と、自己紹介をしてきた。

 ダンジョン産の存在のためか、無駄にダンジョンの知識が豊富であったこと、案山子のように見て聞くだけの存在だったこと、オブザーバーと呼ぶのは役職名みたいでイヤだったもあり、私が「クエビコ」と名付けた。

 どうやらクエビコは、本来なら電波の関係で不可能な配信を、地上の機器をハッキングして出来るようで、本人にも何故か分からないようだったけど、配信をしなければいけないと言う使命があるようで、軽い気持ちで受け入れた。

 

『私の使命はダンジョン探索者を配信すること。なのですが、まさかここまで過疎とは思いませんでした』

 

「わ、悪かったなぁ。人気ゼロの過疎配信者で!」

 

『仮面はともかくとして、スカートからのぞくスパッツを脱いで見ては? 現役JCのパンチラでもすれば視聴者が増えます』

 

「イヤだから! 探索するときは本当はズボンが良いのに、クエビコが強く押すから仕方なくスカート穿いてるんだからね。と、言うか女子中学生をJCで訳さないでっ。なんだかイヤらしく感じる」

 

『スパッツを脱ぐのが駄目なら、いっそスクール水着とかで配信するのも有りでは? 攻撃こそ最大の防御とか脳筋が信条のLANには、衣服とか関係ないですよね』

 

「ダンジョンをスク水を着て探索と配信するって変態じゃない。変態だよ。見たら直ぐに逃げるレベルでヤバイ奴だよ」

 

 溜息を吐きながらクエビコの案を拒否した。

 

 

 

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