最強と謳われ畏れられた超魔神皇という前世持ちの現役JCは、ダンジョンが存在する現代日本で人間生活を謳歌する   作:華洛

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第28話 罠

 

「空間系魔術を使用出来るなら、割と簡単です

あ、術式を公開しましょうか?」

 

“空間系の魔術自体がは、最高難易度なんだよなあ”

“術式の公開は止めた方がいい”

“下手に公開したら、ハイエナが特許申請して使えなくなるよ!”

“ご安心下さい。そのような無作法者が出るようでしたら〆ますので”

“大事になつたら面倒くさいので、公開するなら然るべき手順をとるべきかと”

 

 大した術式じゃあないんだけどなあ。

 指定されたAとBの場所を繋ぐだけという簡易的な空間系魔術だ。

 コメント欄では、公開しない方が良いという声が圧倒的だったので、視聴者さん達の言葉に従い公開は見送ろう。

 

『炎と煙が消えます』

 

「早くない? まだ10分も経ってないよ」

 

『ダンジョンですから』

 

「あ、そうですか」

 

 そう言われたら、何も反論が出来ない。

 クエビコが言ったとおりに炎と煙は消えていく。

 視界が良好になったので、辺りを見回すと、要塞型マシンがあった場所には、巨大な穴が空いている。部品が爆発で飛んだ影響したと思うけど、周りにも穴が空いている。

 

 奥の方に青い模様が入った紅い扉が出現していた。

 あの扉の先は、セーフティルームになっていて、その奥がマンダラになる。

 セーフティルームの扉を開けて、セーフティルームへと入った。

 

「ここがダンジョン深層とマンダラ上層を繋ぐセーフティルームになってます

見ての通り、椅子とテーブルしかない簡素な場所です。

ダンジョンで疲れた体を休めるマッサージチェアも、仮眠するためのベッドもありません。

冷蔵庫ぐらい置いてくれてて、エナジードリンクぐらいは常設しておいて欲しいですよね」

 

“まあ、ダンジョン最深部、だからなあ”

“今まで誰も到達しなかったってのもあるだろう”

“エナドレ置いても、到達者がいないから賞味期限切れになる可能性大”

“LANちゃん、もし置いてても、怪しくて飲む気にはならせなくない?”

 

「いやー、毒を盛るということはないと思います。

アレはそういう間接的な嫌がらせじゃあなくて、前回みたいな直接的な嫌がらせをするタイプだと感じたから、あったら飲むかなあ

仮に毒を盛られても、その毒の耐性を得られるから、どっちにしろ問題はないです」

 

 性格は死んでいるけど、アレがするならてこずりそうな強敵を配置するとか、厭らしい特性を持つモンスターを配置するとか、そっち系の嫌がらせをしてくるタイプだ。

 アレは言うならRPGラスボスみたいなもの。

 ラスボスがいるダンジョンとかに落ちている物は、プレイヤーの強化できたり、最強武器だったりするので、用意されている物は信頼はしないけど、使うぐらいはしても良いかなレベルの信用はあった。

 

「ま、ここにこれ以上居ても面白みもなにもないので、さっさとマンダラへ突入したいと思います!」

 

 マンダラへ続く青い模様が入った黒色の扉を開けた。

 扉の先にあったの真っ白な世界。

 前方が確認できないぐらい、ものすごく吹雪いている。

 開けた扉から勢いよく吹雪いてきたので、慌てて扉を閉めた。

 

「く、クエビコ! マンダラの場所がおかしいのだけれどっ

前回は温かい草原だったよね。

なのに、なんてせ今回は真冬の北海道の降雪警報が出るぐらいに吹雪いてるのさ」

 

『どうやらマンダラ入り口は、ランダムで変更されるようですね』

 

「変更って――。別階層とかじゃあなくて?」

 

『……そういえば前回言ってませんでしたね。

マンダラは上層・中層・下層ともに全部1階層のみとなってます。

その1階層は、ゲームでいうところのオープンワールドレベルの広大さ。

今回は運悪く吹雪いているエリアに出たみたいですね。

どうしますか? 向こうは天候最悪のようですし、一度撤退するのもありでしょう』

 

「――このまま行くよ。下手に退いたら、次からは似たような環境下ばかりに出入り口を設定しそうだもの」

 

 とはいえ、私は防寒着も雪の中を歩くための装備も持っていない。

 そうなると先程の360度のバリアを張って、魔力で翼を作って飛行するしかないか。

 バリア内なら魔力循環を制禦することで、温度調整することはできる。

 大きく深呼吸を一度して、覚悟を決めて扉を開けた。

 さっきと同じく物凄く吹雪いている。

 ――急ぎ360度バリアを展開すると、背中に魔力の翼を創り出し、マンダラへと飛翔した。

 

「ごめんなさい。

吹雪いていて面白みがないですよね。

せめて景色でも見せることができたら良かったんですけど――」

 

“天候だから仕方ない”

“無茶だけはしないでください!”

“見渡せど一面、白一色だな”

“白すぎてそこが森か平原かする見る限りわからないなあ”

“……ところで気のせいか。なんか、雪がバリアを侵食してきているような”

“そうか? 特に変わりないきがするが”

“いえ、少し待ってください。映像を突き合わせて確認したところ、バリアの厚みが先程から少しずつ削られてきてます!”

 

 え、マジで?

 バリアを見てみると、確かに雪がバリアを侵食して薄くなってきていた。

 指摘されるまで、私が気が付かなかった?

 もしかして……この雪って天然ものじゃあなくて、誰かの意図した人工物?

 思考の沼に嵌っていると、バリア内に雪が侵入してきた。

 

「――ちょっと対策を練るために、深層セーフティー、ルーム、――……へ」

 

 あれ? セーフティルームの方角ってどっちだった?

 方向が分からなくなった。

 索敵用の魔術を使用してみたが、全くの無反応。

 

――パリッン――

 

 バリアが脆いガラスのように砕け散ると、吹雪いている雪が全身を包む。

 背中で造っていた魔力の翼も、雪に一瞬で包まれ霧散した。

 ヤバイ。これは、落ちる――ッ。

 身体全体に対物理ショック用の魔術を展開するものの、雪が当たる度に削られていく感覚に襲われた。

 膨大な魔力があるから落下するまでは、きっと、たぶん、保ってくれると信じるしかない!

 上下左右がもはや把握できない形となった私は、魔力の翼を奪われ、地面へと落下した。

 

 ……あり、えない。

 地面に激突したまでの落下時間を考えて、この程度の高さで、地面に落ちたからと言って、意識が――遠のく――ハズ――きっと――なにか――術――が……。

 

 雪の中に埋もれながら、意識が、遠のいていった。

 

 

 

 

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