君は完璧で究極のゲッター   作:凍結する人

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 ――私は嘘吐き。
 考えるより前に、その場にあったことを言う。みんなが満足できることを言う。
 自分にとって、何が本当で何が嘘かもよく分からなくなるくらいだ。
 
 いや、私にとっては本気(マジ)な話、本当も嘘もさほど変わりないのかもしれない。
 なぜならば。
 
 『進化 進化 進化せよ 果てなく 終わりなく 戦い続けろ』

 あの日あの時、私に刻まれた――いや、植え付けられた。
 あの光景。
 幼い脳髄を焼き尽くすどころか、ぐちゃぐちゃにかき混ぜた。
 
 あの夢に比べれば、この世に今ある何もかも――


私はそう欲張りなゲッター

「ゲッタァァァァアア! トマホゥゥゥゥク!!」

 

 星野アイ。いや、今やゲッター線の力を解放して、新たなるゲッター、ゲッターI(アイ)となった彼女は、迫り来る蟲の大群を、光の斧で斬り伏せ続けていた。

 蟲のサイズは最低でも20m、大きいものは100mを超す。アイそのままに、人間サイズのゲッターI(アイ)と比べれば、襲い来る津波の如く強大で険しいものだ。

 しかし、その津波は、津波が放つ光線の束は、ゲッター(アイ)に傷一つつけること敵わず。

 逆に、アイがまるでステージマイクのように軽々と持ち、振り回すトマホーク――ゲッターエネルギーで象られた巨斧を受けて、ずんばらりと割れ、爆発する。

 

「まだまだいくよー!」

 

 それでも止まぬ蟲の群れに、I(アイ)は思い切りトマホークを真後ろに振りかぶり。

 

「トマホゥゥゥゥク! ブゥゥウメランッ!!」

 

 群れへと投げつけ、モーセの如くその波を真っ二つに断ち割った。

 断ち切られたこと、あるいは斧が放つ衝撃、そしてまたあるいは斧が放つゲッターエネルギーの波濤に耐えきれず、次々と爆発する蟲。

 

 しかし、それでも。アイの頭上にあるワープホールからは、蟲が湧き出続けていた。

 

『……おのれ、ゲッター。おのれ、ゲッターロボ!』

 

 そして、蟲たちが時折放つ声は、段々とある一個人の存在を表すようになる。

 アンドロメダ流国 軍師、諸葛孔明。

 

『貴様は存在してはいけないのだ! この宇宙の安寧のために!』

「どうして?」

 

 その叫びに、I(アイ)は問い返した。

 まるで、ファンサのための質疑応答をするかのごとくあっさりと。

 

『決まっている! その強大な力は宇宙にとっての呪いなのだ!』

「なんで?」

『お前たちのような存在が、幾多の星を侵略し、大勢を殺し、宇宙を喰らい続けている!』

「そんなの、私知らないよ」

『この地球でさえもだ! 貴様ら人類はゲッター線により爬虫人類を踏みつけ、のうのうと生きているではないか!』

「こっちからしたら、何も知らないのにただ向こうから喧嘩売られたんだよ? 普通はまず話し合わない?」

 

 怒気に満ち、ゲッターへの恨みと憎しみに凝り固まっているような孔明に対し、アイはまるで、のらりくらりとやり過ごすかのように、曖昧な答えを返していく。

 そうした方が、向こうの目的や侵略理由を聞き出せるからだ。

 いい加減なように見えて、その目の開き具合、顔の角度すら計算している、星野アイの天才性の発露であった。

 

『いずれお前たちは宇宙に出る! ゲッターとともに!』

「それは、早乙女博士は宇宙開発のためにゲッターを作ったんだもん、当たり前でしょ」

『それが破滅を齎すのだ! 進化の為と嘯き、無辜の民草を殺し尽くし! 生存闘争という名目で星1つを腐らせ、肥やしと為す! これ以上の傲慢があるものか!』

 

 孔明の怒りに比例するかのごとく、ワープホールは段々と大きくなる。今や、上空数キロを覆い尽くすが如しだ。

 その端々から怒涛のように湧き出てくる蟲、蟲、蟲。

 I(アイ)はそれを、ときにビームで消し飛ばし、トマホークでかち割り、果てはパンチ、キックでゲッター線を振りまいて消し飛ばしながら。

 彼女にとって一番知りたいことを聞き出しにかかった・

 

「そんなに強くなるの? 私達って」

『その通りだ……我らにとって悪夢というべき存在、『ゲッターエンペラー』がすべてを覆い尽くすその前に!! 我らは貴様らの進化をここで断つ!!』

 

 ゲッターエンペラー。

 その一言を聞いて、I(アイ)の中ですべてが繋がった。

 

「そう、いうんだ」

『なに?』

「あれ、そういう名前なんだね、うん。私、名前覚えにくいから、忘れちゃっててさ」

『……何を言っている』

 

「私も見たよ。あなたと同じ光景を。夢の中で」

 

 それは、まだ物心もついていない赤ん坊が急激な大気変動に晒され、両親たちとともに死の間際にあった時。

 突如破裂し膨らんだ、巨大なエネルギーの波をまともに受け取ってしまった時に、見せられた夢。

 

 星々の海を往く、無数の、那由他すら超えるほどに数多く存在するゲッター戦艦。

 その中枢にあり、ひたすらに巨大化してすべてを飲み込んでいく、3つのマシン。

 それが合体した時、ビッグバンを引き起こすほどのゲッター線が溢れ出て、それが彼らを、ゲッターを更に進化させていく――

 

 それは、隼人にも竜馬にも、早乙女博士にすら話していないこと。

 嘘をついて、隠して()()()いること。

 自分たちの未来に、間違いなく待ち受ける光景。

 すでに完成が運命付けられている巨大な特異点。

 

 ゲッターエンペラー。

 

『……何故それを知っている』

「それはね、私が特別、というか。そういうものにされちゃったからかなー」

 

 その姿と景色で脳髄を、いや、己のすべてをかき混ぜられたアイは、もはや普通の人間ではなかった。

 普通の人間のように笑ったり泣いたり、誰かを愛したりすることはできなくなっていた。

 

 何故ならその時、アイには自分の運命がわかったから。

 自分はおそらく、この存在をこの宇宙に生み出す為の1ピースとして、選ばれた存在なのだと理解したのだ。

 早乙女研究所に拾われたその時には、もうすべて。

 

 こうして今戦っていることすらも、驚くようなことではなかったのだ。

 この日が来るのは、わかっていたのだから。

 

「……あれが、嘘なら良かったなぁ」

 

 そう、それが嘘ならばよかった。ただの夢ならばよかった。

 でも。アイドルになって、いくら嘘をついても。

 子供を産んでもなおアイドルを続けて、嘘を重ねても。

 幸せだという、嘘を本当にしようとして。

 それをついに成し遂げつつあったとしても。

 

 あの『本当』を嘘にはできなかった。

 できなかったから、今があるのだ。

 そして今から、アイはI(アイ)として。本当のことを本当に行うことしか、もはや出来ないのだ。

 

「ねえ。あなたもそう。あなたも私と同じで、ここに導かれているの。だって、あなただって生命なんだから」

『何をふざけたことを……』

「私と違って、そして殆どの生命と同じように、あなたは自分の運命を知らなかっただけ」

『その運命を覆すために、我らは戦っているのだ!!』

 

 アイの、超然として達観した、乾いた論理を孔明は否定しにかかるが。

 

「違うよ。運命に従うのも、抗うのも全部、運命の内」

『なに……!?』

 

「すべては最初から、決まってるんだ。ほらね」

 

 その瞬間。ワープホールが()()()

 

『ば、馬鹿な! なぜここが分かったのだ!? ゲッター艦隊がっ……お、おのれっ!!』

 

 どうやら、その向こう。未来の世界の彼ら、アンドロメダ流国は今、とんでもない状況になっているらしい。

 きっと、未来の世界のゲッターロボたちが襲いかかり、その艦隊が星を潰し始めて、あの時一瞬見た、太っちょの男の人のような指揮官が笑っているはずだ。

 孔明の慌ただしい様子からそれを聞き取って、I(アイ)は僅かに微笑んだ。

 

 旅立ちの時が、来ようとしている。

 

「……竜馬さん、おりょうさんと仲良くね。拓馬くん、だっけ。と、うちの子たちが、なかよしになれたらいいな」

 

 この世界において、ゲッターの敵となったのは、恐竜帝国唯一つのみだった。

 そのせいか、ゲッター線の開発の進歩は、他の世界よりもやや遅い。ゲッターロボGを通り越して、真ゲッターロボこそ生まれたものの。

 その先にあるもの――ゲッターロボアーク、ゲッター天、ゲッター聖ドラゴン――その他無限に存在する、ゲッターエンペラーに至る過程としてのゲッターロボが生まれる可能性は極めて低い。

 

「隼人さんは。いい加減に山咲さんと籍入れたほうがいいんじゃないかな。弁慶さんも……そのうちいい出会いあるよ、きっと」

 

 だからこそ、エンペラーに至るための起爆剤が必要だった。

 だからこそ、エンペラーに届くための敵が必要だった。

 

「早乙女博士は、もうお年寄りなんだから隠居しててよ。ミチルさんと元気くんがあとは頑張ってくれるから」

 

 起爆剤の布石は、ニューヨークにおいてただ一人生き残った赤子。

 敵の布石は、恐竜帝国が発掘したオーパーツ、という名の未来から堕ちてきたUFO。

 

「號さん、翔さん、剴さん。もう、離れてくれているかな。巻き込まれたらどうなるか分からないから、心配だな」

 

 それらは今、この世界に姿を表し、ぶつかり合っている。

 それはすなわち、進化の始まり。

 

「社長。社長が誘ってくれたアイドルの仕事、結構楽しかったよ。奥さんと一緒に、うちの子の面倒沢山見てくれたよね。ありがと」

 

 そして、過去の世界のゲッターI(アイ)と、未来の世界のゲッター艦隊がワープホールを通じて邂逅する。

 ここより無限永劫に続く、戦いの幕開けを告げる儀式。

 

「高峰、ニノちゃん、渡辺。ほんとはもっと、皆と仲良くしたかったなぁ。流石に竜馬さんが言うような殴り合いはしたくないけどねー。一度、ちゃんと皆と話、したかった」

 

 恐竜帝国との決戦で、神なるゲッターが現れた時から、止まっていた進化が動き出す。

 動き出したら往くも往かぬもなく、全ては流れ出して止まらない。

 もう、元には戻れない。

 

「……アクア。なんかどこかの監督さんに気に入られてたよね。役者さん、目指していいんじゃ、ないかな。多分いいと思う。あと、女の子にモテそうなの、嬉しい半分、心配半分、か、な」

 

 だからアイは、さっきも、嘘をついたのだ。

 愛することを理解したと。

 愛するもののために戦い続けることを覚悟したと。

 本当はまだ、よくわからない――いや、分かりかけてはいるけれど、何かが足りないようで、だけど。

 皆に心配をかけたくなかった。

 こんな自分のことを好きでいてくれる、沢山の人達に。

 

「ルビーは甘えん坊なの、卒業したほうがいいぞー。そしたら素敵なアイドルになれるよ。先輩として、ママとして、保証して、あげるから」

 

 さあ、言いたいことは全部、言い終わった。

 ――旅立ちの時だ。

 

『おのれ……こうなればっ……!!』

 

 ワープホールが再び揺れる。そして今度は、蟲の群れではなく単一の、しかし果てしなく巨大ななにかの先端が現れた。

 それは、アンドロメダ流国の母船、その先端。

 未来時空でゲッターに打ちのめされた彼らは、もはや自ら諸共に、過去の地球を押し潰しにかかったのだ。

 

「…………」

 

 それに対し、ゲッターI(アイ)はただ目を閉じ、ゆっくりと深呼吸して。

 己の中に、20年間溜まり続けた、無限に等しいゲッター線を、ゲッターエネルギーを、全て解放する準備にかかった。

 そうすれば、ワープホールごと彼らを消し去る事ができるだろう。地球上殆どを、ゲッター線で包み込むのと引き換えに。

 

「……あぁ、これで終わりかぁ」

 

 アイの心中は、それで全てだった。

 怖くなるわけでも、嫌がるわけでもなかった。

 最初から、こうなることは分かっていたのだから。

 そして。自分がこうすれば、他の大切な人たちが、何かを失うこともないし、道を分かつこともないのだから。

 

 だけど、ワクワクすることもまた、できなかった。

 例えば尋常でない精神力を持つ「超越者」(メシア)ならば、そう感じることもあるだろうが。

 

 アイは、そうなれなかった。

 人間として、地下の研究室から地上へと連れ出され。

 その嘘つきの才能を見出した弱小プロダクションの社長から、芸能界に引きずり出され。

 そこで起こる悲喜こもごもを見ながら、子供を作り、そして産み。

 20歳まで生きてきたアイは。

 

「……これで、終わり……」

 

 ゆっくりと空へ広げた腕と手が、震えだした。

 落ち着いているはずの心臓が、バクバクと鼓動を鳴らした。

 その息も、段々と荒くなっていく。

 

「……終わり……なんて……」

 

 そして。ゲッターI(アイ)となってから、常に爛々と輝き続けてきた、瞳に宿す双星が。

 瞳孔を濡らす涙によって、光を滲ませてしまっていた。

 

 

「……やだよ……いや、だ……」

 

 だけど、ステージはもう始まっている。観客は揃い、カメラは回りだして、音楽だって流れ出している。

 そうしたら、もう『嘘』をつくしか、ない――

 そう、『嘘』は私の得意技――ううん、私の存在、そのものが――

 

 

「なぁにしょぼくれてやがんだ、アイッ!!!」

 

「え、えっ!?」

 

 そんなアイの眼前に、飛び込んで来たのは――青い戦闘機。

 ネオゲッターロボを構成する分離機、ネオイーグル号。先程の戦闘で中破しながらも、ゲッターI(アイ)の戦う高高度までやって来たのだ。

 そして、叫ぶは。かつて帝王ゴールを倒した男、一文字號だった。

 

「お前一人でやろうとしてんじゃねえ! せっかくの大勝負だ、俺たちにもやらせろっ!!」

「で、でもっ……そんなボロボロのゲットマシンじゃ、何もっ……」

 

 その熱い叫びに、アイは戸惑いながら反駁するが。

 

「そうかも知れねえがな。お前に伝えたい事があるって奴がいてよ。わざわざ連れてきてやったぜ」

「え……?」

 

 その瞬間、アイは涙で潤んだ目を、大きく見開いた。

 ネオイーグル号のキャノピーの奥に。

 目に入れたって痛くない、可愛い可愛い自分の子供がいたのだから。

 

「おら、ガキンチョども! お前らもこいつのガキなら、これくらいでいつまでも目ぇ回してんじゃねえ! さっさと言っちまえ!」

 

 そして、二人は號にしがみつきながら。

 ネオイーグル号のマイクを通して、思いっきり。

 アイに向けて。自分たちの『母』(推しの子)に向けて、叫んだ。

 家を出ていったアイに、言えなかったことを。

 今まで言葉にしていなかった、だけど一度は伝えたい、自分たちの気持ちを。

 

「アイっ!」

「ママっ!!」

「ぼ、く、もっ!!」

「わたし、もっ!」

 

「「 あ な た を ず っ と 愛 し て る !! 」」

 

 

「………!!!」

 

「「 だ か ら 、 ず っ と 一 緒 に い よ う !! 」」

 

 瞬間。アイの脳髄から、ぐちゃぐちゃが吹っ飛んだ。生まれてからずっと、アイを掻き混ぜて支配していたものが、消えてなくなった。

 いいや、消えたわけではないのだろう。 だけど、振り切ることは出来た。

 それ以上に『本当』なものが、目の前にあったからだ。

 

「……アクア……ルビー……!」

 

 アイは、さっき二人に語った、『愛している』という嘘が、あっという間に本当になっていくのを感じた。

 当然である。愛とは一方通行では不完全なのだ。

 親が子を愛し、子も親を愛する。それでこそ、親子の愛は完成する。

 

 愛することを知らないアイは、それでもアイなりに二人を愛そうと願い。二人は()()()()()から、アイのことを愛していた。

 そんな三人だから。ここに愛を完成させることができたのだ。

 

 ――そう、だから。

 

「……うちの子……きゃわわ……尊い……マジすこっ……宇宙一『 愛 し て る 』!! ずっと一緒だよ!! ふたりともっ!!!」

 

 世界の運命も、自分の幸せも、アイドルも、そしてゲッターも。何もかもひっくるめて全部手に入れる。

 

 私は、そう、欲張りな――アイドル(ゲッター)なのだから!

 

 その瞬間。アイを中心に、ゲッター線の(STORM)が吹き荒れた。

 ネオイーグル号、そしてそれについてきた、翔のネオジャガー号、剴のネオベアー号も当然、それに包み込まれてしまうのだが。

 

 

「これは……!!」

「あの時と同じだ……ゲッターが自分の身体のように……!」

「へへ……やっぱりな。親子が離れ離れになるなんざ、誰が認めようがこの俺が認めねぇ! 行くぞぉ、翔、剴!」

 

 しかしそれは、3機の戦闘機を吹き飛ばすことなく、その傷を直し、そして新たな姿へと変質させていく。

 プラズマエネルギーを使い、ゲッター線を使わぬはずの、ネオゲッター。しかし今、ゲッター線は彼らをも認めた。

 

 自分たちと同じ、同胞(ゲッター)とした。

 

「ゲッタァァアアアアアア!!」

「「「チェエエエエエンジッ!!」」」

 

 三人ともに叫び、イーグル、ジャガー、ベアーが合わさり。

 現れたのは新たなるネオゲッター、煩悩を超越して進化した、平等性智を表わす一柱!

 

 ネオゲッターロボ タラク!!

 

「ちょ、子供載せたまま合体しちゃった!? アクア、ルビー、ふたりとも無事!? 生きてる!?」

「う、うぅぅ……ママ、たすけ、おえぇえええ」

「だぁ、このガキゲロ吐きやがった!? 汚えなコラぁ!」

「ルビーはこんなだけど、こっちは無事……うぷ」

「全く、騒がしい……」

「まあいいんじゃない? 張り詰めてるよりはさ」

 

 そして、2つとなったゲッターは、共に、この世へと姿を表しつつある巨艦へ向かい合う。

 そこにはもはや悲壮感も、虚無感も存在しなかった。

 

「分かってんな、アイ!」

「うん!」

「運命だとか、過去も未来も、そんなもん知ったこっちゃねえ! 俺たちの未来は、今ここにいる俺たちの手で切り拓くんだ!!!」

 

 ネオゲッタータラクの両掌が合わさり、そしてゆっくりと離れていくその間に、黄金色の光球が生まれ!

 

「いいか、翔、剴! 3つの力を1つにするんだ!」

「「おう!!」」

 

「アクア、ルビー! 一緒にやろう、私達家族で一緒に……行こう!!」

「うんっ!! いっしょにやっつけよ!」

「誰がなんと言おうが、僕らは家族だっ!!」

 

 放たれるは、新たなる必殺の一撃!!

 

「ストナァァアアアア!! サァァァアンシャイィィイイイイイイン!!」

 

 圧縮されたゲッターエネルギーが雷光に変わり、そして槍のような形で放たれる。

 そして、その突き進む先に仁王立つ、ゲッターI(アイ)にぶち当たり!

 

「はぁぁああああぁぁぁああああ!!!!!」

 

 そのままI(アイ)と共に、敵へめがけて突き進む!

 そう、これこそゲッター究極の必殺技――

 

 ス ト ナ ー サ ン シ ャ イ ン ス パ ー ク !!

 

『ゲッター!! おのれ、ゲッター!! 貴様はなぜ、何故人類を選ぶのだ!!』

 

 孔明最後の恨み節と共に、小さな太陽の直撃を受けた巨大母船は、ワープホールごと崩れ去る。

 そして、全ての力を使い果たしたゲッターI(アイ)もまた、ネオゲッタータラクの掌の中に降り立ち、へなへなと座り込んで。

 吹き荒れる風の中、子どもたちに向かって、本当の輝く笑顔で笑うのだった。

 

 

 

 ――そして、一部始終をビルの上で見ていた、彼らもまた。

 

「……俺たちは。いや、あいつらはまた、ゲッター線に選ばれたってところか」

「さてな。選ばれたんじゃなく、()()()()のかもしれんぞ」

「選ばせたぁ?」

「そっちの方が、アイらしいと思わんか? アイドルとは、自分を誰かに選ばせるものだからな」

 

 自分たちの娘のような、大切な存在とその家族が失われなかったことに、心から安堵し。

 

「だが、連中もこれで終わらせるつもりはないだろうな。次の戦いは、また近くにあるかもしれん」

「まあ、大丈夫だろうよ。なにせこの地球には……ゲッターチームと、星野一家がいるんだぜ」

 

 號が切り拓き、アイが作った、無限の未来に希望を馳せたのだった。

 

 




お疲れ様でした。今作は以上で完結となります。
色々と勢いで書いてしまいましたが、推しの子を読んで、『家族』として成立する星野アイ・アクア・ルビーの三者の姿を見てみたかった、と思ったので、こういう形の〆になりました。
真ゲッターロボ対ネオゲッターロボの方も、あのあとUFOがあるということは流国出るのかな、エンペラーまで行くのかな、なんて思いがあったので、こうして形にしてみました。
両者の作品のファンの皆様に、楽しんで頂けるような物を書けたのならば、これに勝る喜びはありません。

お読み頂き、ありがとうございました。
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