結束バンドに入る前の高一のぼっちが、高二(5巻)のぼっちに夢で会う話。
いつのまにか学校やクラスでも受け入れられてる高二ぼっち。
中学のころ夢見た日々に、ぼっちが辿りついていることを祝福したくなったので書きました。
誰もわたしを知らない高校に進級して。
高校デビューしようとしてはや1ヶ月。
今日はひと目でバンドやってるつて格好してきた!
だからきっと誰かに話しかけられるはず!
電車の席に座り、一息ついて目を閉じる。
遅くまで準備してきた眠気が・・・
乗り過ごさないようにしないとな・・・
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ふと気づくと、電車にはわたしの他には『ひとり』しかいなかった。
ピンクのジャージに猫背。
病的に色白な肌に長すぎる前髪。
いつも朝に見る姿だ。
鏡?
電車の対面に私こと『ひとり』がいた。
いやこれ絶対夢でしょ。
「もしかして・・・バンド好きアピール1回目?! 懐かしいな・・・」
ボソボソとわたしの格好を見て独り言をつぶやいていた。
自分に話しかけられるのは変な感じがする。
声が小さくて聞き取りにくいなぁ。
「懐かしい・・・ってどういう・・・?」
「うわ、しゃべった! マイナーバンドのグッズ持ち込んだのは1年以上前だから懐かしい・・・」
一年以上って高二って設定なのかな。
こっちのわたしは未来から来たってこと?
わたしの夢にしてはユーモアがあるな。
試しに、このバンド好きアピールの結果も聞いてみようかな。
「バンドに入って、学校の人気者になれた・・・?」
「(バンドはともかく『文化祭ダイブ』『ヒッピー先輩』・・・うん、知名度はバツグンだし)なれたよ」
「なれたんだ!」
信憑性は何もないけど幸先はいいな!
「人気者ってことはもちろんクラスには馴染めたよね?」
「(喜多ちゃんの人望おかげってのも大いにあるけど)クラスメイトにバンドの慰労会を開いてもらったよ」
「ま、眩しすぎる・・・っ」
「あとね、ライブハウスでバイトしてる」
「バ、バ、ババババイト?!」
そんなのはわたしじゃない?!
ドヤ顔が腹立つ。
あ、これは夢だからこんな有り得ない話になってるんだ。
自分に甘いわたしが描いた都合のいい夢。
「違うよ」
強い口調で否定された。
『後藤ひとり』らしくない確信の宿った眼差し。
「これは夢だけど・・・
『結束バンド』に入ってからの日々は夢じゃないよ。
大変だったけど・・・
今も大変だけど、夢じゃなくて夢みたいな日々が始まるよ」
語る『わたし』の顔は満足そうだった。
そうかな・・・
そうなったらいいな。
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「んはっ!」
寝てた!
良かった!
降りる駅だ。
バタバタとホームに転がりでる。
背後でプシューとドアが閉まった。
すごくいい夢を見てた気がする。
学校で話しかけられるといいなぁ。
おしまい!
ぼっち・ざ・ろっく、ぼっちちゃんの日々に栄光あれ!