生まれてこの方……ランキングに入れてこんなうれしかったことはないよ!
どきなッ!小僧!
ありがとう……ありがとう……
押しかけアイドルが露伴の家にやってきてから約一ヶ月。
露伴はC県S市坂湯村にやってきていた──。
「ここが『坂湯村』か……まあ連絡はいってると思うが、一応
そう呟いた露伴は、映画のあらすじを口に出して整理つつ監督の元へと足を運ぶ。
「……自分の「容姿」にとことん「自信」のない女が、なぜか
露伴は、今日撮影する映画の監督──五反田泰志を見つける。しかし露伴が声をかけようとすると、先に気づいた五反田が挨拶を始める。
「おお! あんたが「岸辺露伴」か! 本物はやっぱ「風格」あるなぁ……おっと、映画監督の五反田泰志だ。今日はよろしく頼む」
「ああ、こちらこそよろしく頼むよ……まあ、映画撮影の「見学」とちょっとした「取材」だけだがな」
「はっ……まあその見学とちょっとした取材だけで、
「使うのは映画に対しての「感想」だろ? ……言っておくけど、ぼくは「忖度」なんてしないからな。忌憚のない意見を述べさせてもらうよ」
それを聞いた五反田は、不敵に笑って言った。
「そりゃあ
*
その後、露伴は近くにいたスタッフに案内され、楽屋に来ていた。今日の出演者に知り合いが多い、と伝わっていたためだ。
この楽屋には子供しかいないと聞いていたが、念のためノックをする。そうすれば、中から「どうぞー」と癇に障る声が聞こえてきた。それを聞いた露伴は、ため息をつきながら扉を開ける。
「また君か……というか星野アイ、君は今日他の「予定」があったんじゃあないのか?」
「もー、話聞いてなかったの? 今日は撮影ないけど、頑張って予定開けたんだよ? 露伴先生「一日」しか滞在しないっていうから……」
「ったく……なんでぼくに会いに来るんだか。まあ君が来てなかったら、それはそれで腹立たしいが」
それを聞いたアイは、ニヤニヤしながら言う。
「私に会いたかった、って言えばいいのに〜〜」
「会いたいィ〜〜ッ!? 自惚れるなよ。ぼくは「漫画家」だぞ、「ベビーシッター」じゃあない! いいか? ぼくが腹立たしく思ってるのは
「また怒ってる……冗談なのに」
そんなやり取りを横目に見ながら、近くにいた二人の子供がヒソヒソと話し始める。
「あの人またキレてる……」
「まあ、気難しそうな人だしな……てか、サイン貰っときたいんだけど俺」
「え……アクア読んでるのアレ……」
「……まあ、今は読めてないけどな」
二人がそんな事を話していると、もう一人の子供──有馬かなが話しかけてくる。
「ちょっとあんたたち! なに話してるのよ」
「いや、サイン貰っとこうかなって……」
「あっ、聞いて! お兄ちゃんあいつの
「は? あんた『岸辺露伴』知らないの!? あの岸辺露伴よ!? 『ピンクダークの少年』よ!? 色んな国で出版されてるのよ!?」
有馬のまるで露伴を
「なんか、さっきまでの私たちへの態度と全然違くない?」
「そりゃそうよ。岸辺露伴といえば、自ら率先して表に出てくるタイプじゃないけど、それでも芸能界への「影響力」がそこそこあるわ。ただの「一漫画家が」よ。そりゃあ、流石の私だって繋がり持ちたいわよ」
「うわ……仕事のことばっかじゃん。やっぱり私この子のことキラーイ」
「コイツ……さっきも私のこと「重曹を舐める」とかなんとか言ってきたし、ムカつくわね……普通にファンだから欲しいって理由もあるわよ。……そうだ! こんなことしてる場合じゃない。あんたたちと違って、私は
「いやだから俺もサイン……」
「『
三人の会話に、そんな声が割り込んでくる。露伴の声だ。アクアと有馬の手には、
「サインくらい「SPECIAL THANX」!!」
そう言ってニヤリと笑う露伴に、アイが突っかかる。
「なーんか……私の時と対応、違くない?」
「ふん、君もわかるだろ……ぼく
「いや私もファンなんだけど……」
「そーいやそんなこと言ってたな……ま、君には
それを聞いたアイは、むくれて言う。
「
「わかった、わかった……ほら! これでいいか。撮影の前に、現場をちょっと見て回りたいからな……ぼくはもう行くぞ」
そう言って、サインを手渡されて喜ぶアイを見た後、露伴は楽屋を後にするのだった……。
「なんか私だけサイン貰えないのは、仲間外れみたいでムカつく……」
*
──数分後。
露伴は、撮影現場を見学しながらさっきの出来事を思い出す。
「見たか? ルビーとかいうヤツの「顔」! 自分だけサイン
そう言っていた時だった。
(というか……あの双子、やっぱり「オタ芸」踊ってたヤツらだよなあ。やっぱり
あの双子について思い出す。露伴がそんなことを考えていると、スタッフや演者がやってくる。どうやら撮影が始まるようだった。
*
「──お疲れ様でしたー!」
そんなスタッフの掛け声とともに、今日の撮影が終わる。撮影中にも
「行くんでしょ? 病院」
アイが背後から声をかける。後ろには、三人子供がいた。
「ちょっと、なんで私まで……」
「いいじゃん! 心霊スポット。楽しそうじゃん!」
「いや、俺も別に……」
「お兄ちゃんうるさい!」
「うるさいのはお前だろ……」
三人が騒ぎ立てる。
「オイオイ……コイツらもついて来るのか……ガキの「面倒」みるためにきたんじゃあないんだがなァ……」
「まーまー」
アイに宥められ、まあ
「……まあいい。なになに……病院へは『4つ』の曲がり角を含む「つづら折り」の道がある。かかる時間は歩いて「15分」ほど……。なるほどなあ……まあそんなには掛からなさそうだ。」
「あ! もう歩き始めてる! 一声ぐらい掛けてよー」
そう言うと、アイも言い争っている子供たちに声をかけ、露伴のあとを追うのだった。
*
──約三十分後。
露伴たちは、
『
(1……)
「まあ、大したものはなかったな……どこの田舎にもある「診療所」って感じの場所だった」
「そー言わずに! 私は結構楽しめたよ?」
アイがそう返す。
(2……)
「ぼくにとっては、あんまり参考にできそうなかったけどな」
「えー。参考になるかどうかじゃなくて、「楽しい」かどうかで考えて欲しいんだけどなー」
二人の後ろでは、子供たちがジャンケンをしていた。
(3……)
「……確かに最近、自然に触れてなかったからな。そういう意味では良かったかもしれないが……」
「ね! よかったでしょ?」
そう楽しそうにするアイ。
(4……4つめか……嫌な数字だな……)
しばし沈黙する二人。子供たちの声だけが、響いていた。
(5……)
「5? おい、なんだかおかしくないか? ぼくの数え間違いか?」
露伴の頬に、冷や汗が流れる。なんだか嫌な
「そう? なにか変なことあった?」
特に何も考えていなさそうに、アイが答える。やはり数え間違いか? その露伴の考えは、次で覆される。
そこには、6つ目の曲がり角があった。
流石に全員、『
「なあ、この「道」さっきも通らなかったか?」
嫌に地蔵が目立っていた。
日刊ランキング入っててびっくりしました。感想評価ありがとうございます。
てか自分のだけ毛色違いすぎない?これほんとに推しの子か?
ちなみに原作知ってる?
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どっちも知ってる
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推しの子だけ
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岸辺露伴だけ
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どっちも知らない