岸辺露伴は動かない  ──曹柱石の女──   作:初心者なの

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日刊ランキングに入ったぞ、ざまあみろッ!
生まれてこの方……ランキングに入れてこんなうれしかったことはないよ!
どきなッ!小僧!

ありがとう……ありがとう……


蛇足編 1ー2 ──坂湯村──

 

 押しかけアイドルが露伴の家にやってきてから約一ヶ月。

 露伴はC県S市坂湯村にやってきていた──。

 

「ここが『坂湯村』か……まあ連絡はいってると思うが、一応()()くらいしておくか」

 

 そう呟いた露伴は、映画のあらすじを口に出して整理つつ監督の元へと足を運ぶ。

 

「……自分の「容姿」にとことん「自信」のない女が、なぜか()()にある怪しい病院で整形を受ける……。ん? ああ、あいつが「監督」か」

 

 露伴は、今日撮影する映画の監督──五反田泰志を見つける。しかし露伴が声をかけようとすると、先に気づいた五反田が挨拶を始める。

 

「おお! あんたが「岸辺露伴」か! 本物はやっぱ「風格」あるなぁ……おっと、映画監督の五反田泰志だ。今日はよろしく頼む」

 

「ああ、こちらこそよろしく頼むよ……まあ、映画撮影の「見学」とちょっとした「取材」だけだがな」

 

「はっ……まあその見学とちょっとした取材だけで、()()()()の名前使えるんなら安いもんさ」

 

「使うのは映画に対しての「感想」だろ? ……言っておくけど、ぼくは「忖度」なんてしないからな。忌憚のない意見を述べさせてもらうよ」

 

 それを聞いた五反田は、不敵に笑って言った。

 

「そりゃあ()()。宣伝にもこう書けるぜ……「あの岸辺露伴が大絶賛!」ってな」

 

 

 

 

 その後、露伴は近くにいたスタッフに案内され、楽屋に来ていた。今日の出演者に知り合いが多い、と伝わっていたためだ。

 この楽屋には子供しかいないと聞いていたが、念のためノックをする。そうすれば、中から「どうぞー」と癇に障る声が聞こえてきた。それを聞いた露伴は、ため息をつきながら扉を開ける。

 

また君か……というか星野アイ、君は今日他の「予定」があったんじゃあないのか?」

 

「もー、話聞いてなかったの? 今日は撮影ないけど、頑張って予定開けたんだよ? 露伴先生「一日」しか滞在しないっていうから……」

 

「ったく……なんでぼくに会いに来るんだか。まあ君が来てなかったら、それはそれで腹立たしいが」

 

 それを聞いたアイは、ニヤニヤしながら言う。

 

「私に会いたかった、って言えばいいのに〜〜」

 

「会いたいィ〜〜ッ!? 自惚れるなよ。ぼくは「漫画家」だぞ、「ベビーシッター」じゃあない! いいか? ぼくが腹立たしく思ってるのは()()じゃあない。ぼくが腹立たしく思ってるのはなァ……君がいなかったら、まるでぼくが「子守り」しに来たみたいじゃあないかって事だよ! ぼくは今日、取材をしにきたんだ。決して! 子守りをするために来たんじゃあないッ!!」

 

「また怒ってる……冗談なのに

 

 そんなやり取りを横目に見ながら、近くにいた二人の子供がヒソヒソと話し始める。

 

あの人またキレてる……

まあ、気難しそうな人だしな……てか、サイン貰っときたいんだけど俺

え……アクア読んでるのアレ……

……まあ、今は読めてないけどな

 

 二人がそんな事を話していると、もう一人の子供──有馬かなが話しかけてくる。

 

「ちょっとあんたたち! なに話してるのよ」

 

「いや、サイン貰っとこうかなって……」

 

「あっ、聞いて! お兄ちゃんあいつの()()()欲しがってるんだけど! ありえなくない!? まあ? 私もママが読んでるから、一応1()()()()()までは読んだけど……」

 

「は? あんた『岸辺露伴』知らないの!? あの岸辺露伴よ!? 『ピンクダークの少年』よ!? 色んな国で出版されてるのよ!?」

 

 有馬のまるで露伴を()()()()()()()()()()()態度に、ルビーとアクアは驚く。さっきまでの自分たちへの見下した態度とは、あまりにも違っていたからだ。

 

「なんか、さっきまでの私たちへの態度と全然違くない?」

 

「そりゃそうよ。岸辺露伴といえば、自ら率先して表に出てくるタイプじゃないけど、それでも芸能界への「影響力」がそこそこあるわ。ただの「一漫画家が」よ。そりゃあ、流石の私だって繋がり持ちたいわよ」

 

「うわ……仕事のことばっかじゃん。やっぱり私この子のことキラーイ」

 

「コイツ……さっきも私のこと「重曹を舐める」とかなんとか言ってきたし、ムカつくわね……普通にファンだから欲しいって理由もあるわよ。……そうだ! こんなことしてる場合じゃない。あんたたちと違って、私は()じゃないの! サイン貰っとかないと!」

 

いやだから俺もサイン……

 

()()()()()()()()()

 

 三人の会話に、そんな声が割り込んでくる。露伴の声だ。アクアと有馬の手には、()()()()()()サイン入り色紙が収まっていた。アイとのやり取りを切り上げ、書いたらしい。ちなみにルビーの手にはなかった。

 

「サインくらい「SPECIAL THANX」!!」

 

 そう言ってニヤリと笑う露伴に、アイが突っかかる。

 

「なーんか……私の時と対応、違くない?」

 

「ふん、君もわかるだろ……ぼく()「ファン」には優しいんだよ」

 

「いや私もファンなんだけど……」

 

「そーいやそんなこと言ってたな……ま、君には()()()()()の対応でちょうどいいだろ。「特別扱い」ってやつだぞ、喜べよ」

 

 それを聞いたアイは、むくれて言う。

 

()()()()()()くれたっていいじゃん……」

 

「わかった、わかった……ほら! これでいいか。撮影の前に、現場をちょっと見て回りたいからな……ぼくはもう行くぞ」

 

 そう言って、サインを手渡されて喜ぶアイを見た後、露伴は楽屋を後にするのだった……。

 

なんか私だけサイン貰えないのは、仲間外れみたいでムカつく……

 

 

 

 

 ──数分後。

 露伴は、撮影現場を見学しながらさっきの出来事を思い出す。

 

「見たか? ルビーとかいうヤツの「顔」! 自分だけサイン()()()()()()とわかったときの「顔」! ぼくが優しいのは、ぼくの「読者」だけなんだよ……。というか、あいつも星野アイとおんなじ所で()()()()か……「血は争えない」ってヤツなのかねェ……」

 

 そう言っていた時だった。

 

(というか……あの双子、やっぱり「オタ芸」踊ってたヤツらだよなあ。やっぱり()()ある気はするんだが……どこかで隙を見て使()()か? だがなァ……一応()()()の子供だしな……。それに『ヘブンズ・ドアー』だと、「見抜いてやった」って感じがしないしなあ)

 

 あの双子について思い出す。露伴がそんなことを考えていると、スタッフや演者がやってくる。どうやら撮影が始まるようだった。

 

 

 

 

「──お疲れ様でしたー!」

 

 そんなスタッフの掛け声とともに、今日の撮影が終わる。撮影中にも()()あったが、なんとか無事に終了し、例の病院に行ってみるかと露伴が考えていた時だった。

 

「行くんでしょ? 病院」

 

 アイが背後から声をかける。後ろには、三人子供がいた。

 

ちょっと、なんで私まで……

「いいじゃん! 心霊スポット。楽しそうじゃん!」

いや、俺も別に……

「お兄ちゃんうるさい!」

うるさいのはお前だろ……

 

 三人が騒ぎ立てる。

 

「オイオイ……コイツらもついて来るのか……ガキの「面倒」みるためにきたんじゃあないんだがなァ……」

 

「まーまー」

 

 アイに宥められ、まあ()()()は大して期待もしてなかったしな、と考えた露伴は病院への道を()()()()()確認する。その足はすでに病院へと向かっていた。

 

「……まあいい。なになに……病院へは『4つ』の曲がり角を含む「つづら折り」の道がある。かかる時間は歩いて「15分」ほど……。なるほどなあ……まあそんなには掛からなさそうだ。」

 

「あ! もう歩き始めてる! 一声ぐらい掛けてよー」

 

 そう言うと、アイも言い争っている子供たちに声をかけ、露伴のあとを追うのだった。

 

 

 

 

 ──約三十分後。

 露伴たちは、()()()()()()()を歩いていた。大して収穫は得られなかったな、と考える露伴。強いて言うのであれば、つづら折りの最初の曲がり角にあった()()が気になる程度であった。

 『4()』という数字に嫌なものを感じたのか、心の中で無意識に曲がり角を数えながら坂を下る。

 

(1……)

 

「まあ、大したものはなかったな……どこの田舎にもある「診療所」って感じの場所だった」

 

「そー言わずに! 私は結構楽しめたよ?」

 

 アイがそう返す。

 

(2……)

 

「ぼくにとっては、あんまり参考にできそうなかったけどな」

 

「えー。参考になるかどうかじゃなくて、「楽しい」かどうかで考えて欲しいんだけどなー」

 

 二人の後ろでは、子供たちがジャンケンをしていた。

 

(3……)

 

「……確かに最近、自然に触れてなかったからな。そういう意味では良かったかもしれないが……」

 

「ね! よかったでしょ?」

 

 そう楽しそうにするアイ。

 

(4……4つめか……嫌な数字だな……)

 

 しばし沈黙する二人。子供たちの声だけが、響いていた。

 

(5……)

 

「5? おい、なんだかおかしくないか? ぼくの数え間違いか?」

 

 露伴の頬に、冷や汗が流れる。なんだか嫌な()()がした。最初に来たときに見た()()が妙に目に付く。

 

「そう? なにか変なことあった?」

 

 特に何も考えていなさそうに、アイが答える。やはり数え間違いか? その露伴の考えは、次で覆される。

 そこには、6つ目の曲がり角があった。

 流石に全員、『()()()()()()()()』と気付く。

 

「なあ、この「道」さっきも通らなかったか?」

 

 嫌に地蔵が目立っていた。

 

To Be Continued……




日刊ランキング入っててびっくりしました。感想評価ありがとうございます。
てか自分のだけ毛色違いすぎない?これほんとに推しの子か?

ちなみに原作知ってる?

  • どっちも知ってる
  • 推しの子だけ
  • 岸辺露伴だけ
  • どっちも知らない
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