艦これ2 〜影の反攻〜   作:蒼海 輪斗

3 / 16
呉鎮守府に影の艦隊が侵攻する。十六夜たちは呉鎮守府を守り通せるのだろうか…
(轟沈描写あり)


第二話 第二次鎮守府正面海域海戦

鎮守府正面海域

 

 呉鎮守府の精鋭艦隊”第七艦隊”が正面海域へと向かっていた。影の艦隊の偵察機”影の彩雲”が哨戒中の偵察艇震洋に発見されたからだ。

 

出羽      「こちら第七艦隊旗艦出羽!現在鎮守府正面海域に向けて航行中!今のところ敵影はありません!」

 

 第七艦隊の旗艦である出羽が、無線で栗林に連絡する。

 

栗林      「分かりました。震洋偵察艇の情報によりますと敵機は艦上機だったので空母がいる可能性があります。十分に上空警戒を行ってください。」

 

出羽      「了解!!」

 

 出羽がそう言って無線を切る。今のところまだ敵艦の姿はみえないが、潜水艦が潜んでいる可能性もあるので十六夜たち駆逐艦は逆探にも目を配りながら航行していた。

 

大永      「まさか提督がいない状況で侵攻をしてくるなんて予想外でした…。」

 

曙       「そんなことないかもよ。クソ提督が撃墜されて行方不明になってる情報は少なからず影の艦隊にも届いているはず。クソ提督がいない今を好機とみて侵攻してきたんでしょうね…」

 

 曙がそう大永に言う。

 

大永      「あら、少しは分析力が上がったみたいね。褒めてあげるわ。」

 

曙       「あんたは一言余計よ!!」

 

 まだ完全に仲直りしたわけではないだろうが、以前よりも大永は曙のことを悪く言わなくなった。少しづつ心が通い合っているのだろう。

 

十六夜     「もぉ〜、こんな時にケンカしないでくださいよ!!」

 

立春      「お姉さまの言う通りですよ!!」

 

馬見ヶ崎    「あまりケンカは良くないと思うんですけど…」

 

 すでに前線に出ているというのに、めちゃくちゃだ。緊張感のかけらもない。

 

 すると、

 

曙       「対潜電探に感あり!潜水艦よ!!」

 

 曙が叫んだ。とうとう影の艦隊の潜水艦を発見したのだ。おそらく影の艦隊の潜水空母”潜母700型”だろう。

 

十六夜     「さーて、やりましょうか〜!」

 

 十六夜が対潜爆雷”五式爆雷”を取り出す。十六夜たちは姿がみえない敵を睨み据えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府正面海域 海中

 

 影の艦隊の潜母700型が潜航している。もちろん一隻だけではない。八隻がいる。指揮艦なのだろうか。そのうち一隻が昼間にも関わらず赤帯を浮かべている。(影の艦隊は赤帯を浮かべると戦闘力が格段に上昇する。夜戦時に浮かぶことが多い)

 

潜母700型e 「コレヨリ敵勢力圏内ニ侵入ス。敵勢力圏内ニ侵入、浮上後準備デキ次第艦載機ノ発艦準備ヲ開始セヨ。」

 

 潜母700型のElite(エリート)が残りの七隻に命令をだす。

 

 

 

 

 

 その時

 

 

 

 一隻の潜母700型の脇で爆発を起きた。

 

潜母700型  「!!?」

 

 八隻の潜母700型はとっさに回避したが、そのうち二隻が爆発に巻き込まれた。

 

潜母700型  「がああああああああああああああああああああああああ!!?」

 

 そのまま二隻の潜母700型は轟沈していった。

 

潜母700型e  「キタカ…。」

 

 潜母700型のEliteが目を光らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十六夜     「初弾命中!!敵潜水艦二隻撃沈確認!!」

 

 潜水艦の撃沈を確認した十六夜が即座に報告する。

 

曙       「結構削ったわね。このまま攻撃を続行するわよ。」

 

 さらに続けて爆雷を投下する。爆雷が炸裂し、いくつもの水柱が上がる。

 

潜母700型  「があああああああああああああああああああああああ!!?」

 

 潜母700型の悲鳴があたりにこだます。しかし、Eliteの潜母700型は軽々と爆雷攻撃を避けていった。

 

潜母700型e  「コノ程度デEliteデアル我々ヲ沈メルコトハデキナイ…。今度ハコチラカライクゾ!!」

 

 言うが早いか、潜母700型Eliteは頭部に搭載した大型の魚雷…影の回天を発射させる。発射された影の回天は、高速で水中を航行していく。

 

十六夜     「!?回天!!」

 

 十六夜は回天が発射されたことにいち早く気づいたようだ。声を上げる。

 

出羽      「各艦、回避行動!!」

 

 出羽の指示に従い、第七艦隊が回避行動をとる。しかし、影の艦隊の回天は発射された本体と意思を共用することができるため、破壊するか潜母700型の指示がある限り影の回天は第七艦隊を追い続ける。

 

出羽      「十六夜ちゃんたちは敵潜の制圧を!!私達は回天を破壊するわよ!!」

 

 超大和型戦艦である出羽や重巡である馬見ヶ崎はある程度は魚雷に耐えられる装甲を持っている。空母である大永も史実のミッドウェー海戦の反省から建造された大型空母であるため水雷耐性はある。

 そこで出羽は速度のでる対潜に特化した駆逐艦である十六夜たちに潜母700型Eliteの制圧を命じたのだ。

 

十六夜     「分かりました!!立春!行こっ!!」

 

立春      「はいお姉さま!」

 

曙       「さあ、あの空母もどきを撃沈するわよ!!」

 

 対潜電探に反応がある場所にありったけの爆雷を打ち込む。次々と爆雷が炸裂し、幾多もの水柱が上がる。だが、ここまで攻撃しても潜母700型Eliteに傷一つ与えることができなかった。

 

潜母700型e  「他ノ潜母共ト一緒ニスルナ…。我々ハ誇リ高キElite艦隊ナノダ。」

 

十六夜      「あ〜も〜!!逆探に声が入ってきてうるさ〜〜〜〜〜〜い!!」

 

 どうやら逆探に潜母700型Eliteの声が入ってきたようだ。十六夜がうるさがっている。

 

出羽      「(こいつはなかなか、手強そうね…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府正面海域沖

 

響       「ハープーン発射始め!!」

 

 響が侵攻してくる影の艦隊の戦艦群に向けて、対艦ミサイルハープーンを発射した。

 

 放たれたハープーンは、海上すれすれを高速で飛翔していく。

 

戦艦百十型   「!!? なんだあれは…!!」

 

 艦隊に到達したハープーンは、戦艦百十型に容赦なく襲いかかっていく。

 

 

 

 ハープーンが命中し、次々と爆発音が響く。

 

戦艦百十型   「ぐあああああああああああああああああああああああああああ!!?」

 

 いくら超大和型戦艦だった戦艦百十型も、ハープーン対艦ミサイルには敵わなかったようだ。黒煙を吹きながら、ゆっくりと戦艦百十型は沈んでいく。

 

戦艦百十型e  「なんなんだあの兵器は!!?」

 

戦艦七十型e  「まあ慌てるな。破壊力はあるが、あれだけ大型ならそんなに攻撃はこないはずだ。」

 

 戦艦七十型Eliteが慌てる艦隊を鎮める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦艦七十型Eliteの言う通り、これ以上ハープーンが飛んでくることはなかった。響の艤装のハープーン発射装置は四連装だ。先程の攻撃でハープーンを四発発射したため、対艦ミサイルは底をついてしまった。いや、トマホーク巡航ミサイルは残っているが、距離が近すぎて今は使い物にならない。

 

響       「くっ、もう遠距離攻撃はできない…」

 

 響がなにか考えがないか考えているとき、上空に影の彩雲が飛行していることに気づかなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空母十一型e   「みつけたわ…。」

 

戦艦七十型e   「そうか、攻撃隊発艦だ。提督はあの艦娘に対して懸念を抱いている。早いうちに沈めておいたほうがいい。」

 

空母十一型e   「そうね。…航空隊発艦!!」

 

 空母十一型Eliteが弓を引き、艦載機を発艦させる。放たれた矢は、急速に影の烈風、影の彗星艦爆、影の流星艦攻に変わっていく。

 影の艦隊の航空隊は、まっすぐ攻撃地点へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響       「!?対空レーダーに感あり…。まさか…」

 

 レーダーにより響は航空隊の接近は察知した。周りは誰もおらず、響しかいない。つまり単艦状態だ。

 いくらロックオン可能標的数200を超える護衛艦とはいえ、数の暴力で攻撃されたら全ての攻撃には対応できない。ましてやまだ響は護衛艦艤装に完全に慣れたわけでもないのだ。

 

響       「(…司令官が戻ってくるまで、沈むわけにはいかない…!)」

 

 響は背部のミサイル発射装置、VLSの発射扉を開く。そして艦対空ミサイルシースパローを発射していく。シースパローは影の艦隊の航空隊を撃滅せんと、飛翔していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

影の流星    「我、間モナク攻撃地点ニ到達ス。」

 

 影の流星が空母十一型Eliteに打電する。流星の上空には、彗星艦爆が飛行している。

 

空母十一型e   「そのまま飛行。攻撃地点に到達でき次第攻撃を行え。」

 

影の流星    「了解シt」

 

 突然、爆発音とともに流星艦攻との通信が切れた。

 

空母十一型   「!?なんだ…。」

 

 空母十一型が慌てて上空を飛行している彗星艦爆へと意識を移す。すると、目の前には、火を吹いて落ちていく流星艦攻の姿があった。

 

空母十一型   「一体何が起こっている?」

 

 空母十一型は、シースパローによって航空隊が撃墜されていってることを理解できていなかった。

 

響       「護衛艦の名は伊達じゃないよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広島湾

 

 二隻のタンカーが二人の艦娘と一緒に航行している。(タンカー護衛作戦中)呉鎮守府の艦娘の雷と電だ。

 

雷       「あと少しで遠征任務も終了ね。終わったら早く呉鎮守府に戻らないとね。電。」

 

電       「はいなのです。」

 

 二人は影の艦隊が呉鎮守府に侵攻する前から遠征にでていたため、現在呉鎮守府が影の艦隊によって侵攻されていることなど知る由もない。

 

タンカー乗組員 「呉鎮守府の子のおかげで安全に航行できましたね。」

 

タンカー船長  「ああ、そうだな。最近は影の艦隊の潜水艦の目撃が多いって聞いてたからな。今回の航海で鉢合わせしなくてよかった。」

 

タンカー乗組員 「ええ、そうですね。」

 

 船橋で船長と乗組員たちがそう話していた。その時、

 

見張員     「ん?なんだあれ…」

 

 見張員が海面から出ている潜望鏡を発見したのだった…。

 

 

 

 

 

潜母700型  「射角ヨシ、鋭角ヨシ、魚雷発射!!」

 

 海中に潜んでいた潜母700型が魚雷を発射した。発射された魚雷はなんとまっすぐ雷に向けて放たれたのだ。

 

 

 

見張員     「船長!!魚雷です!!」

 

タンカー船長  「なんだと!?取舵一杯〜〜〜〜!!!急げ〜!!」

 

 タンカーが突然回避行動をとったのに気が付き、雷が海面に目をやる。すると、自身の目の前に直撃寸前の魚雷が目に写った。

 

雷       「えっ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魚雷が炸裂し、巨大な水柱が上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 水柱が晴れたころには、雷の姿は海中にあった。

 

 

 少しずつ光が薄れ、体が沈んでいく。

 

雷       「(私、沈んだの…?)」

 

 海面に向かって手をのばす。だが、その手を握ってくれる人はいない。

 

雷       「(司令官…どこ…?もう声が聞こえないわ…)」

 

 

 雷は、そのまま海の中へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   艦娘轟沈 LOST

 

 

 

 

次回   反撃開始




まさかの雷が轟沈…。
次回、呉鎮守府の逆襲が始まる…。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。