(かなりジパング要素あり)
鎮守府正面海域
高速で影の艦隊の艦上攻撃機流星が、編隊を組んで飛行している。
影の流星 「我、間モナク雷撃地点ニ到達。雷撃地点マデ5マイルホド。」
影の流星が飛行している先には、響がいた。127mm速射砲を構えている。
影の流星 「タカガ一門ノ砲デ何ガデキル?」
どうやら空母十一型から発艦してきた攻撃隊は、響について知らないようだ。大したことないと思い込み、接近する。
響 「座標確認。1-7-4-2。砲撃開始!」
響の声とともに、127mm速射砲が火を吹いた。
影の流星 「!!?」
速射砲弾が一機の影の流星に命中し、影の流星は炎上しながら撃墜された。
影の流星 「ナッ!!?」
さらに速射砲弾が発射される。雷撃高度をとっていた雷撃隊は、速射砲弾の格好の的となり次々と撃墜されていった。
影の彗星 「ナッ…」
上空でその様子をみていた影の彗星艦爆は驚愕する。
空母十一型e 「やっぱりただの艦娘じゃないってことね…。上等よ…!!」
空母十一型Eliteは、速射砲の脅威に気がついたようだ。速射砲の射程圏外を飛行している影の彗星に急降下爆撃を命じた。
影の彗星 「我、突撃ス…」
影の彗星が響に向かって、急降下爆撃を行うべく急降下を開始した。
響 「無駄だよ。」
すると響は背部のVLSから、シースパローを発射した。発射されたシースパローはまっすぐ彗星艦爆に向かっていく。
影の彗星 「ナッ…!!?」
シースパローは影の彗星に直撃した。
空母十一型e 「あれが提督の仰っていた新兵器か…」
響はさらにシースパローを発射していく。急降下爆撃を行っていた影の彗星は影の流星と同様に、響の前では格好の的となった。
空母十一型e 「くそっ。振り切れっ!!」
空母十一型は全機に全力で回避するように指示をだした。しかし、所詮影の艦隊といえどレシプロ機である。攻撃隊は音速を超えるミサイルから逃れられず、次々と撃墜されていった。
とうとう攻撃隊は彗星艦爆一機を残すのみとなり、全機が撃墜されてしまった。
空母十一型e 「せめて一発だけでもお見舞いしてやる!!」
残った影の彗星がシースパローの合間をなんとかくぐり抜け、爆撃の射程圏内に捉えた。
影の彗星 「500kg爆弾ノ爆撃ヲ喰ラウガイイ!!」
彗星艦爆が爆弾を投下する。すると、遅れて彗星艦爆にシースパローが命中した。しかし、投下された爆弾は黒煙を切り裂き、響に向かっていく。
響 「CIWS起動!!」
響がCIWSを起動させる。CIWSが高速で銃弾を発射する。しかし、直上で投下されたためか、なかなか当たらない。
響 「くっ…」
だんだんと爆弾が近づいてくる。このままでは直撃してしまう。
響 「最大船速!!」
響はCIWSでの迎撃を諦め、最大船速で回避する。ついに爆弾が響の真横で着弾、炸裂した。
響 「うっ…」
命中こそしなかったものの、至近弾だったためある程度損傷を受けた。
響 「(艤装は大したこと無い…。トマホークも無事だしレーダーも大丈夫そう。)」
艤装の安全を確認し、響は安堵する。すると無線が入った。
栗林 『響さん、そっちは大丈夫ですか?』
響 「栗林さん。うん、なんとか大丈夫。でも敵はおそらくまた反復攻撃を仕掛けてくると思う。」
栗林 『やっぱりそうですね…。響さん、トマホーク巡航ミサイルは残ってますか?』
響 「トマホークならまだあるよ。」
栗林 『それでは、これ以上被害が広がらないように…』
栗林は言い放った。
栗林 『トマホークで敵旗艦、空母十一型を撃沈してください。』
影の艦隊 機動部隊中心部
戦艦七十型e 「第二次攻撃の用意は進んでるか?」
空母十一型e 「ええ、でもかなり損傷が激しい…。相手は単艦だったと言うのに…」
重巡二十一型e 「それが、影浦提督の仰っていたあの艦娘ですか…。」
戦艦七十型e 「そのとおりだ。この艦載機の損傷具合からして、かなりの防空能力がある。先程こちらに攻撃を仕掛けてきたあの砲弾も間違いなく新兵器だ。戦艦ですら、一発で沈める力を持つ。…はっきり言って、危険な相手だ。」
鎮守府正面海域
響 「トマホーク発射用意…」
響が背部に背負っているVLSの発射扉が静かに開く。
響 「トマホーク、攻撃開始!!」
VLSから炎が上がり、”トマホーク巡航ミサイル”が姿を現した。そのままトマホークは翼を展開し、高速で影の艦隊の空母機動部隊へと飛翔していった。
影の艦隊 機動部隊中心
空母十一型e 「間もなく第二次攻撃隊でれるわ。」
重巡二十一型e 「偵察機の情報によると、先程から敵艦は損傷したためか、機関を停止しているようです。」
戦艦七十型e 「ならやつに気を使う必要はなくなったな。奴らはこれで袋のネズミだろう。フフフ…」
空母十一型Eliteと戦艦七十型Eliteが勝利を確信した。
その時、
重巡二十一型 「!!左舷より高速で飛行する物体が!!」
戦艦七十型e 「なんだと!?」
戦艦七十型Eliteが重巡二十一型が指さした方角を見る。それは、高速で接近するトマホークだった。
機動部隊中心部に侵入したトマホークは、まっすぐ空母十一型Eliteに接近する。
空母十一型e 「あれは…一体…」
トマホークはそのまま空母十一型Eliteへと直撃した。大爆発が起きる。
空母十一型e 「ぐああああああああああああああああああああああああああああ!!?」
空母十一型Eliteの断末魔があたりに響く。さらに艦載機の発艦準備をしていたため、爆弾や魚雷に次々と引火、爆発が止まらず、そのまま黒煙を上げながら爆沈していった。
戦艦七十型e 「なん…だと…」
戦艦七十型Eliteが呆然と立ち尽くす。
戦艦七十型e 「旗艦損失…、撤退だ…。」
戦艦七十型Eliteが残存艦隊にそう命令した。
レーダーで確認していた響は、栗林に敵空母の撃沈を報告した。
響 「空母十一型Elite、撃沈確実です。」
栗林 『…分かりました。艦隊は戦闘行動を終了。帰投してください。』
響 「了解…」
鎮守府正面海域
潜母700型e 「キ、旗艦損失…!?」
第七艦隊と戦闘を継続していた潜母700型Eliteが旗艦撃沈の報告を聞き、驚愕する。今すぐに撤退せよと命令がくだされる。
潜母700型e 「艦隊帰投。タダチニ撤退セヨ…」
潜母700型Eliteが、各地にて戦闘を継続していた潜母700型たちに撤退命令を出す。
同じ頃、十六夜たち第七艦隊にも撤退命令がくだされていた。
出羽 「撤退、ですか?」
栗林 『先程、トマホーク巡航ミサイルでの敵旗艦撃沈を確認しました。敵艦隊の撤退を確認されているため、鎮守府に帰投してください。』
出羽 「了解しました…」
出羽が返事をした。そして第七艦隊に命じる。
出羽 「ただちに現海域より離脱、鎮守府に帰投します。」
十六夜 「えっ、なんでですか!?」
出羽 「敵旗艦を撃沈したことにより、敵艦隊が撤退を開始したとのことです。栗林補佐官からは追撃はせずに早急に撤退せよとのことです。」
大永 「そういうことね。じゃあ撤退したほうがいいわね。これ以上無理してダメージを受ける必要もないですしね。」
十六夜 「じゃあ早く鎮守府に帰投しましょう!」
そうして、その日の戦いは終わり、十六夜たち艦娘は呉鎮守府に帰投するのであった。
その日の夜
提督室で栗林は元帥に電話をかけて、戦果報告、被害報告をおこなっていた。
栗林 「駆逐艦一隻損失…。覚悟はしていました。しかし、戦闘ではなく、遠征中、潜水艦による襲撃は予想していませんでした。これは僕の責任です。申し訳ございません。」
元帥 『そんなに気に病まないでくれ。君は十分やってくれた。広島湾の対潜警備を怠っていたのは、我々海軍省だ。君の責任ではない。』
栗林 「しかし…」
元帥 『君は蒼海提督がいない中よくやってくれた。君の戦果を海軍大臣に報告すれば、喜んでくださるだろう。今君は、呉鎮守府の提督だ。明日、海軍省に来てもらいたい。大事な会議があるんだ。明日のヒトサンマルマルに大会議室でまっているよ。』
元帥はそう言い残し、電話をきった。
栗林 「…………。」
栗林が黙っていると、長門が入ってきた。
長門 「栗林補佐、駆逐艦雷の除籍が完了しました。」
栗林 「わかりました…。僕は明日、海軍省へ向かうことになりましたので、明日は鎮守府をお願いしてもいいですか?」
長門 「そうですか。わかりました。任せてください。」
長門がそう答えると、栗林は深々と軍帽をかぶって、部屋を後にした。
次回 第二十一次海軍国防会議
次回からは海軍省編です。