俺はドラマの撮影終わりに久々に歩いて帰った。
家に向かう道の途中、花名に飛鳥、かなにお土産のケーキを買い、少し歩くと目の前にカミキがいた。
「何の用だ。」
「特に用なんて無いですよ。まぁ貴方のせいで全てやり直しになりましたけど。」
「自業自得じゃないのか?」
「自分の価値を高める為の行為がいけない理由は無いはずですが?」
「やり方を間違えたんだろ?」
「その人の生の方は死の瞬間に移る。
僕はその価値が自分に移す方法を知っている。
その為の行為だ。」
「なら、今の常識とお前の思考の相違だな。
今の生の価値は死に際ではない。
生き長らえることだ。
認めたくは無いがお前の命の価値も俺の命の価値も同じはずだ。
少なくともこの国に置いては。
違いは逮捕歴と知名度。
カミキ、お前の言う生の価値は知名度しか無いのか?」
「知名度は生の価値の副産物でしか無い。
あの時のターゲットだった星野アイは生きながらにして僕からはある種の神のような価値を……重みを持った人間に見えた。
そんな存在を殺せたなら僕の価値はどれだけ重くなっただろうか?
君も今や同等以上の価値を持つじゃないか?
僕の考える価値の意味はわかるんじゃないか?」
「お前はいつまであのクズ親に囚われるんだ?
お前の親はクズだったが故に牢屋の中で死を迎えた。
年齢も俺たちは30を越えたんだ。親の事を乗り越えて立派に国の為、人の為に生きて見たらどうだ?今のお前の価値を俺は自殺しないといけないそうです程度にしか感じ無いぞ?
そもそもなぜ俺に接触を図った。
あの時の賢かったお前なら
直接手を出さずに影から血を加えると思ったんだがな?
今のお前は本当に生きているのか?
既に心は死んでいるんじゃないのか?
目に生気を感じ無いぞ?
あの時は闇色ではあったが生気はあったぞ。」
「お前に何が分かる。
僕の生きる価値を奪ったお前に何が分かる。
いっその事お前が俺を殺してくれれば色々と諦めは着くんだがな。
白崎遥輝。
次はお前だ。
すぐには無理だ。
でもいずれは」
そう言ってカミキヒカルは再び裏路地へ消えていった。
俺はケーキを持って帰るとかなが家に居た。
あの日以降かなはかなりの頻度で遊びに来るようになった。
俺は1人でソファーに座ると花名が隣に座り
「何かあったの?」
と聞いてきた。
「今日、カミキヒカルにあった。
顔は直接合わせてないが会話をした。
あいつは近い内に死ぬ事になる。
社会的な意味で。
もしかしたら俺もしくはアイかその子供のアクアとルビーを巻き込む可能性がある。
俺に何が出来るのか考えた。
でもまだ…当分答えは出ないと思える。
どうなるのか、どうするべきなのか、考えないとな。」
と言うと俺は寝ていたらしい。
花名の膝枕で。