魔法祖父ソルグランド ~TS転生した祖父は魔法少女の孫娘を見守る~   作:永島ひろあき

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天雷 天炎

 ヒノカミヒメの提案したエゼキド監査軍の本拠地攻略作戦は、フェアリヘイムはもちろん地球各国でも極めて大きな話題となったのは、言うまでもないだろう。

 六十年余りにもなろうかという、魔物という災害を終わらせることが出来るかもしれないのだ。今や地球人類では、魔物災害を知らない世代の方がずっと少なくなっている。

 

 ナラカ・コーラル攻略よりも更に重要かつ責任重大なこの作戦は、提案したのがこれまで存在を知られずにいたヒノカミヒメだったこともあり、慎重論が大きく幅を利かせている。

 せめてソルグランドの口から語られていたなら、これまでの活躍の甲斐もあって十倍くらいは地球各国から信用されたろうに。

 

 それでも、ヒノカミヒメとソルグランドの製造元であるヤオヨロズの夜羽音からの保証とヒノカミヒメの提出したデータの解析が進められ、本当に魔物共の根を絶てるかもしれないと分かるにつれて、人々は静かに熱狂し始めていた。

 そしてエゼキド監査軍の本拠地、機械化惑星ツイノエへの奇襲に関して、重要視されたものが二つある。

 

 一つは移動方法。同じ天の川銀河に属しているとはいえ、ツイノエと地球間の距離は光年単位となる。これを解消するには瞬時に空間を超越するワープが必須だ。

 このワープ機関の開発には魔物の転移技術、フェアリヘイムの次元間移動技術、そして地球の神々が有する数多の神話、逸話の中から有用と見做された技術や道具が、秘かにヤオヨロズを通じて提供された。

 

 これまで地球の技術発展が神々の後押しによって異常なほど進んだように、今回のワープ技術の開発についても、カジンが人類との邂逅以前から開発を進めていたこともあり、行きと帰りだけ使えればいいと割り切ったことで、完成は目前となっている。

 重要視されたもう一つの要素は当然ながら、攻略可能な戦力の確保であった。

 ヒノカミヒメの基本スペックはソルグランドの二倍前後──厳密にはヒノカミヒメの方が本来のスペックなのだが──とコクウが報告したこと、魔物少女達がいよいよ腹を括ってか積極的な協力姿勢を見せたことが、大きく評価されている。

 

 とはいえナラカ・コーラルとは比較にならない数と質の魔物が、本拠地の防衛についていることは想像に難くなく、場合によってはラグナラクの存在も考慮しなければならない。

 また魔物とは異なる未知の防衛兵器が配備されている可能性も、決してないわけではない。

 絶対に失敗を許されない為、数よりも質を優先した部隊編成を行い、星間規模の首狩り戦術を実行する為の超精鋭部隊を作り上げること。

 これが人類側の目下の目標だった。

 

 ワープ装置の開発と製造、稼働実験、半ば片道切符覚悟の敵本拠地襲撃に耐え得る覚悟と実力を持つ精鋭の選抜と、人類も妖精もこれまで以上の多忙を約束された日々を送ることとなる。

 その裏で真上大我は夜な夜な新たな器との接続と相性を確かめ、エゼキド監査軍側もボイドリアの再調整と次世代兵器の開発、既存兵器の生産調整、戦力配置の見直しと、どちらも休む暇もない時間を過ごしている。

 

 そんな中、惑星ナザンではナラカ・コーラル戦後、心境の変化を迎えた魔物少女達が、ヒノカミヒメ監視の下、ある程度の自由を許されて活動範囲が広がっている。

 ソルグランドが居なくなった後もヨモツヘグイまがいの神饌による餌付けは継続されていて、彼女達は存在そのものがより地球側に近く、より強力に作り替えられていた。

 

 ナラカ・コーラル攻略に集められたソルブレイズやブレイブローズら魔法少女達は、一旦、それぞれが故郷に戻ってナラカ・コーラル攻略戦の貴重な戦訓やデータを共有し、初の星間航行と宇宙空間での戦闘によって疲弊した心身を癒すよう命じられている。

 魔物の活動が惑星ナザンに集中し、地球とフェアリヘイムがラグナラク戦後、かつてない平穏に包まれているからこそだ。その間に地球とフェアリヘイムは先延ばしにされていた復興計画を、エゼキドの本拠地ツイノエ攻略と並行して進められていた。

 

 こういった情勢の変化は情報を統制したところで、どうしたって知れ渡ってしまうもので、地球の一般市民の間でも大きなことが分かり、さらにもっと大きなことが、起きようとしていると噂されている。

 そうした情勢の変化は地球で過ごす大我にもひしひしと感じられて、夜羽音から実情を知らされているから、つい口を滑らせてしまいそうだった。

 

 エゼキド監査軍、創造主アンテンラ、機械化惑星ツイノエ。

 ナラカ・コーラル攻略によって得られた情報があまりに膨大過ぎて、正直なところ、各国の首脳部も持て余し気味かもしれない。

 そんな中でも多くの人々にとって日常と呼べる時間は過ぎて行くもので、夜羽音と秘かに特訓を重ねている大我にも、それは同じだった。彼は表向きには一般人であるから。

 

「それにしてもお爺ちゃんが元気になってよかったよ、本当に」

 

 建て直した家の居間で、大我は一時的に帰省していた燦と一緒に炬燵に入っていた。燦を連れてきた娘夫婦と妻は買い出しに出かけていて、今は孫娘の二人きりだ。

 惑星ナザンで大我が目を覚まし、無事に退院したという報告を受けて、燦はソルグランドとの別れに消沈しきった心が幾分か上向きになっていた。

 こうして炬燵を囲み、蜜柑の筋を取っている姿を見ると、一緒に魔物に襲われて倒壊した家屋の下敷きになった過去が、なにかの間違いだったような気さえしてくる。

 

「俺も目を開けたら病院のベッドの上だったからなあ。ひょっとしたら一番驚いたのは俺だったかもしれないな」

 

 大我としてはソルグランドとしてボイドリアとの相討ちを狙ったのが、最後の記憶だったのだ。それが目を開けたら実は生きていて、地球の病院に居たのだから、びっくり仰天したという他ない。

 

「へへ、でも、本当に良かった。あの時、私が守れなかった所為で、お爺ちゃんが大変な眼に遭っちゃったから、ずっと心配していたの」

 

 おおよそ一年前、二人で家に居たところを魔物の襲撃に遭い、燦の変身と迎撃が間に合わず、大我は大怪我を負う結果となってしまった。

 それ以来、燦の心に残り続ける後悔と非力な自分への怒り、魔物への憎しみは大我の快復によって大きく救われている。

 それでも燦の心の中に、あの日の後悔の痕が黒々と刻まれて、消えずにいる。

 可愛い孫娘の笑顔の奥に滲む負い目に気付いて、悲しげに目を伏せた。それを燦に気付かれるよりも速く、孫娘に心配されて喜ぶ祖父を演じ、笑って見せる。

 

「そんなに心配して貰っていたんなら、俺は幸せ者だな。こうして無事に退院できたし、なにより燦が怪我をしていない方がよっぽど嬉しいよ。ここ最近は魔物の出現も減っているんだろう? お前がこうして顔を見せに来てくれているわけだしな」

 

 魔物の出現頻度が減っているのは事実だ。出現頻度の話題は口にしても問題はないが、ソルグランドについては意図的に口にするのを避けた。

 ソルグランドは日本のみならず世界中を飛び回って活躍したこともあるし、知名度はかなりものなので、表向きは大我が知っていてもおかしくはない。

 

 だが燦はソルグランドが死んでしまったと誤解しているわけだから、その名前を口にすればいたずらに動揺させてしまうのは分かり切っている。

 大我からすると自分自身が相手になるのだが、孫娘や親しかった魔法少女の心をむだに傷つけやがって、と文句の一つも言いたいところであった。おかげでこうして言葉一つ、口にするのにも慎重に選ばなければならないのだから。

 

(ううむ、やっぱり夜羽音さんかヒノカミヒメを通じて、ソルグランドが復活の準備中と伝えてもらった方がいいんじゃないか? その方が魔法少女達の士気もあがるのでは?)

 

 ソルグランドの復活について、かん口令が敷かれているのは、魔物側が戦略を情報収集に切り替えている点を鑑みて、万が一の情報漏洩を恐れている為だ。

 ボイドリアを圧倒するヒノカミヒメだけでもエゼキドの足を鈍らせるのに十分な抑止力だが、そこにソルグランドの復活も重なれば警戒を深めるのは目に見えている。そうなれば本拠を襲撃する際にも、支障が出る可能性が高い。

 

(万が一を考えれば黙っている方がいいにしても、燦にこういう暗い表情をさせたくはねえんだが、世の中、ままならねえなあ)

 

 大我は内心をおくびにも出さず、自分で剥いた蜜柑を口に放り込んだ。常温の蜜柑は甘い果汁を口の中に広げた。

 

「それでお前はいつまでこっちに居られそうなんだ? 四月になればお前も三年生になって、高校受験を考えないといけなくなるな。それまで魔物が今みたいに、いや、もっと大人しくしていたらいいがなあ」

 

 もし大我がソルグランドとしての記憶を取り戻さなかったら、このセリフを心から口にしていただろう。

 だが今となっては、ヒノカミヒメの活躍によりエゼキドの本拠地に殴り込みをかける算段を整えているのを知っている。魔物が大人しくなるどころか、活動を停止させる段階に来ているのを、本当は知っているのだ。

 祖父の内心を知らず、燦は愁いを帯びた表情の上に、新たな決意の色を塗って、力強く大我へと言葉を返す。

 

「大丈夫、絶対に大丈夫だよ。あんまり、詳しく言えないのけど、魔物が二度と襲ってこないようにするために、私達、凄く頑張っているから」

 

 燦は一般人と思っている祖父には言えない事が多すぎて、言葉を選びながらだが、揺るがぬ決意を感じさせる強い語気で語った。

 ワールドランカーであるソルブレイズこと燦は、ツイノエ攻略に向けたメンバーに選ばれている。作戦参加については志願制だが、燦は当然のように参加を申請していた。

 実情を知る大我は燦が遠い宇宙にあるツイノエでの戦いに、身を投じる覚悟があるのだと察し、臍を噛みそうになるのを必死に隠し通した。

 

 ここまで燦に覚悟を固めさせたのは、おおよそ一年前、自分が燦の傍らで大怪我を負ってしまったせいに違いないのだから。

 だが大我がソルグランドにならなかったら、多くの魔法少女達に救いの手が届かず、魔物による被害は日本と世界の各地で広がっていただろうし、最初の魔物少女フォビドゥンを倒すのにも多くの犠牲を強いられた。

 大我が怪我を負わなければ燦の心が暗く沈むことなく、大我が怪我を負えばソルグランドが誕生して魔物との戦いが好転する。なんと残酷な“もしも”だろうか。

 

「そうか、お前はずっと魔法少女として頑張ってきた。これまでも今もたくさんの子供が頑張ってくれているが、これからの子供たちは魔法少女になる必要の無い世の中になって欲しいと、心から願っているよ。お前も魔法少女にならずに済む未来が、すぐにやって来ると良いな」

 

「うん、うん、そうだね。魔物と戦う為に魔法少女が居るんだから、魔法少女が必要ないってことは魔物が居ないってことなんだから。だから、うん。私もそんな未来が来るように戦うよ」

 

 この時、“そんな未来が来るように戦うよ”という燦の言葉に、大我が心底から同意し、俺も戦うと心の中で呟いていたのを、燦は知る由も無かった。

 

 

 多少の議論と紆余曲折はあれど、人類と妖精はツイノエ攻略を決定し、ナラカ・コーラル攻略を上回る熱意と覚悟、そしてあらゆるリソースを吐き出して作戦の立案に取り掛かった。

 今回も移動拠点となるザンエイには、惑星ナザンの衛星軌道上で製造されたワープ機関と付随する新装備の組み込みが完了していた。既に複数回のワープテストが行われて、回数を重ねるごとに精度を上げている。

 カジンらはザンエイに自分達の本体と言える量子サーバーを搭載し、ツイノエ攻略に向かう魔法少女達を全力で支援し、命運を共にする覚悟を示した。

 

『ヒノカミヒメ、君の固有魔法とザンエイの同調は完了した。これで君の発動した固有魔法はザンエイに対して他者への支援ではなく、君自身への強化と等しい効果を発揮する』

 

 ザンエイの中枢部に設置された量子サーバーの前で、カジンとヒノカミヒメが言葉を交わしていた。幾何学模様のある水晶版を思わせる量子サーバーは、高さ二十メートル、横幅三メートル、厚さは一メートルほど。

 これ一つ、いや、一欠けらだけでも、地球上に存在する全てのコンピューターを上回る演算能力を持つという。

 

「一時的にザンエイを私の神殿と見做し、固有魔法の影響を深める。これで少しはツイノエへの襲撃の成功率を高められましょう」

 

 ヒノカミヒメの持つ権能、あるいは神通力については今でも固有魔法の一種として認識されている。

 そして彼女の宇宙を自在に渡る天津甕星(あまつみかぼし)の権能の他、各神話群から提供された神器や権能の力をザンエイに反映させることが可能となる。

 元々ザンエイには核兵器の集中砲火にも耐える堅牢なバリアがあり、装甲も地球上のどんな合金よりも堅固で、ナノマシンによる迅速な修理機能も備わっている。

 そこにヒノカミヒメの神通力が加わり、半神器と化すことで、更なる強化が施されるのだ。

 

『ソルグランドがフォビドゥン達にナザンへと招き寄せられてきた時には、まさか魔物達の本拠地に攻め込むほどに事態が好転するとは、考えてもいなかった。どれだけ計算を重ねてもその可能性の解を見出せなかったのだ。ザンエイをもってしても、休眠状態のラグナラクを道連れにするまでが限界だった』

 

 淡々としているが、肉声だったならどれだけの感情が込められていたか分からないカジンの言葉に、ヒノカミヒメは数秒の沈黙を待ってから答えた。

 

「すべてはソルグランド様のご尽力の賜物です。私などはあの方の苦労も、努力も、苦痛も、恐怖も、ただ全てをまどろみながら眺め、横取りするような卑しい真似をしただけに過ぎません。

 あの方の悲願でもあり、私の存在理由でもある魔物の根絶。それを成し遂げなければ恥を雪げもしない。その為には、カジン殿、なにとぞお力添えくださいますよう、お願い申し上げます」

 

 深く腰を折って頭を下げるヒノカミヒメに、カジンは心と熱のこもった言葉で返した。この時ほど、肉の身体を手放したのを、悔やんだことはなかった。

 

『カジンの残る全てを費やして、君達に協力する。我々が“私”になったのは、それが唯一の生存の道だったからではない。いつか、我々の故郷を踏みにじり、歴史も、文化も奪った魔物達に一矢報いる時を迎える為の、悪あがきだった。時間稼ぎに過ぎなかったと言い換えてもいい。君達がその悪あがきに“実”を与えてくれた。感謝しているのは我々の方だ。助力を求めるべきなのも、我々の方だ。どうか魔物を、アンテンラという災いの主を絶って欲しい』

 

「この私を生み出した方々に誓って、必ずや」

 

 ザンエイの神殿化、遺書をしたため終えた魔法少女とマジカルドールの部隊編成が終わり、どれだけの敵が待ち構えているかも分からないエゼキド監査軍の本拠地ツイノエ攻略作戦は幕を開ける。

 

 

 機械化惑星ツイノエ。

 エゼキド監査軍の本隊あるいは母星から遠く離れた、監査軍運用の為だけに作り出された、金属の星である。

 ナラカ・コーラルのような巨大要塞建造に際し、ある程度は参考にされつつも、こちらは完全に無機物という違いがある。

 この中心にアンテンラの意識は存在し、最新最強の兵器であるボイドリアは改修を受けている。

 

 監査軍の発足以来、数多の星々を監査し、時に反抗勢力の襲撃を受けながらも、その全てを退け、難攻不落を誇ってきたのがこのツイノエだ。攻撃を受ける度に改善し、改良し、より強固に作り替えられてきたこの冷たい金属の星に、その日、新たな襲撃者がやってきた。

 光でも年単位の時間を必要とする遠方から、科学と神通力が複雑に絡み合ったワープ技術により、瞬き一つよりも短い時間でザンエイがツイノエの防空圏内ギリギリに出現したのである。

 

 ワープ直前まで加速し続けていたザンエイは巨大な砲弾と化して、世界中の神話に語られる盾や鎧の守りを纏いながら、一直線にツイノエへと向かい続ける。

 星々から届く光を受けて、青紫色に輝く不格好な機械の星に突き進むザンエイの艦首には、ヒノカミヒメの姿があった。

 急速に接近してくるザンエイに反応し、ツイノエ全体が青白い光に包み込まれる。

 シンプルなエネルギータイプのバリアが何重にも重ねられ、超新星爆発にも耐える強固な守りが形となった。

 

「さしずめ地球対エゼキドといったところでしょうか。いざ、参らん、異郷の悪鬼共! 異国の貴き神々より借り受けた威光にて挨拶申し上げる。

 かしこみかしこみ申す──一つ目の巨人(サイクロプス)たる閃光(ステロペス)よ、稲妻(アルゲス)よ、雷鳴(ブロンテス)よ、我が手の内に集いてゼウスの威光を知らしめたまえ──天借・祁螺宇退須(ミメーシス・ケラウノス)

 

 ヒノカミヒメがツイノエに向けて左の手刀を向けるのと同時に、辺り一帯の宙域を暴力的に白々と染め上げる雷霆が生じた。

 『ケラウノス』とはギリシャ神話における主神ゼウスの威光そのものでもある雷だ。ヒノカミヒメが口にした閃光、稲妻、雷鳴の三体のサイクロプスが作ったとも、戦神アテナと鍛冶神ヘパイストスが鍛えた、とも伝わっている。

 

 本来のケラウノスの威力たるや、一度放てば世界を焼き尽くし、全力で放てば宇宙そのものを破壊する、ギリシャ神話における最強の武器だ。

 まさに全能の神ゼウスの格を示す品である。

 もちろん、ヒノカミヒメの放ったそれは、彼女でも扱えるようにダウングレードしたものだが、それでもどんな魔法少女も及ばないほどの破壊力で、ツイノエのバリアを激しく打ち、凄まじい負荷を与える。

 模倣品とはいえケラウノスに耐えるツイノエのバリアこそ、評価するべきかもしれないが、ヒノカミヒメは全く容赦というものを持ち合わせていなかった。

 

「天意をもって悪鬼羅刹を莽草の如く苦も無く滅ぼす──『天滅之無羅苦莽剣』」

 

 ヒノカミヒメがこれまで溜め込んでいた神気を解放し、頭上に掲げた両手に光り輝く両刃の直剣が形作られる。

 今もなおミメーシス・ケラウノスとツイノエのバリアが激しい攻防を繰り広げている最中に、天滅之無羅苦莽剣が振り下ろされ、同時に発生した膨大な黄金の光がツイノエを飲み込む。

 それはまるで新たな太陽が産声を上げた瞬間のようだった。




駆け足気味かな? 最終決戦です。
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