一般サイコパス、あの人に転生する。   作:クライザー二世

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天才子役有馬かな

 

 

流石にひどい演技だったから苦言を呈されたよ。

あの時の監督の目は忘れられそうにないわ。

あんな目にしたのは私だけど。

 

 

「有馬…お前は一体どうしたんだよ…大丈

夫か」

 

アクアが心配して来てくれた。

 

「大丈夫よ。どうせ最終話だから好きに

演技しようと思ってね」

 

「好きにって・・・・お前、この企画に恨み

でもあるのかと思ったぞ」

 

「私もあんな演技アウトだと思ったけど、一度で

いいからああいう風に演技なんてこんな物で

いいだろ、という態度で演技を舐め腐った様な

演技をしてみたかったのよ。」

 

「お前・・・・今日甘のファンに知られ

たら刺されるぞ」

 

アクアも私のふざけまくった演技には否定的ね。

まあ、あんな演技なら否定されるのもしゃあない

わね。

 

さて、お遊びはここまでにして本気で演技します

かね。役者有馬かなの最後の舞台。

こんなしょっぱいドラマだけど天才子役の

本気の演技で観てる奴らを魅了してあげるわ。

 

 

 

 

 

 

 

「それでも 光はあるから」

 

 

 

 

 

 

 

周りが私の演技に魅了されてるのが手に取る

様にわかるわ。

 

まあ私としてはそれなりに出し切れたしまあまあ

満足してるわ。

 

監督からも褒められたわよ。

 

 

 

 

 

 

 

それから私は、最後にやるべき事をやろうと

したわ。

 

 

私は今まで愛用してきたベレー帽を地面に叩き

つけるかの様に脱ぎ捨てた。

 

 

 

 

 

「おい有馬、何してるんだ?」

 

アクアがやってきて私に話しかけた。

 

「ああ、アクアか。私は今日で役者辞める

から役者だった自分との決別の儀式をね。

謂わば役者有馬かなの葬式みたいな物よ。」

 

私はベレー帽にマッチで火を付けた。

 

「お、おい!」

 

「大丈夫よ消火器も用意してるから」

 

ちゃんともしもの時の為に消火器も用意した。

 

「お前何で役者辞めるんだよ・・・お前なら

もっと出来るだろ」

 

「本当はまだ人気がある内に辞めたかった

けどお母さんがうるさいから仕方なく

続けたのよ。惜しまれてる間に辞めるのが

華じゃないのよ。」

「ベレー帽を燃やしたのも役者としての

私を供養する為の葬式みたいな物よ。」

 

「お前はそれで満足なのか?」

 

「完全にとは言わないけど、及第点ではあるよ。

それにさっさと芸能界からも引退したい

からね。芸能界のしがらみとかしんどいし。」

 

そう言いながらも私は酒を取り出して

ベレー帽の燃えかすに振り掛けた。

 

「何で酒を掛けてるんだ?」

 

「一昔のドラマとかで墓に酒を掛けるのが

あったじゃん。やってみたかったのよ。」

 

「これで役者有馬かなは死んだ。後はただの

有馬かなとして第二の人生を謳歌するわ。」

 

「じゃあなアクア。また会おうな。」

 

私は片付けを終えて後にした。

 

 

さあて、役者辞めたら何をしようかな?

 

 

 

 

 

 

 

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