転生したら幼馴染がスライムになっていた件   作:皐月の王

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前書きにて報告です!
リィンのスキル無限竜に『竜之炉心』を追加しました!それにより一話にも追加してます!

ご了承くださいませm(_ _)m!


ゴブリンの村との出会い

陽の光に眩しさを覚えながらも深呼吸を行うリィン。久々の外の空気を吸い込み吐き出す。暖かさを感じならが翼を広げる。転生して洞窟での生活。飛ぶのに十分な広さがあったと言えど意識的な窮屈さはあった。初めて天井が無い場所での翼の展開でもある。

 

「〜〜〜くうぅう!!」

 

背伸びをしながら大きい一対の翼ともう一対の小さめの翼を伸ばす。本人はただそのつもりだけであったが、隣に居たリムルはその姿に見惚れていた。魔力感知で昼間のように見えてはいたが、実際陽の光の下で見るリィンの姿は印象が異なり、翼も相まって言葉が出なかった。

 

「洞窟の時は違和感は少しだけあったけど、やっぱり外に出てからだと景色の見える低さは少しあるね。転生前より縮んでいるよね」

 

当人のリィンは身長が縮んでいる事に改めてガックリ来ながらも、試しと言わんばかりに翼を羽ばたかせ、空中に浮かび上がる。一回の羽ばたきで100m上空へ上昇してしまう。

 

「わっ!?あっ!!」

 

あまりの事で驚き声が漏れるが。上空から見た景色に言葉が出なかった。普通に生きていれば見ることの無い空の景色。その絶景が人では無いことと異世界に来たことを再度実感させられる。それと同時に

 

《告、スキル『飛行』と『浮遊』を獲得しました。二つを統合しエクストラスキル『空中機動』に進化しました》

 

と言う声が聞こえた。

 

「空中機動……。これで、制空権は取れるという事かな」

 

『おーい!降りてこいよー!自分だけズルいだろ!』

 

リムルの念話が飛んできて我に戻るリィン。そう言われて地上に戻る際に

 

(確かに、ここ景色はリムルにも見せたいな)

 

そう思うと笑みが零れてくるのを感じながらも地上に舞い戻る。降りてくる姿をリムルは言葉が出ずに見ていた。陽光に照らされた大きな翼と小さな翼。白い髪と爪と鱗と尻尾のある少女。幻想的な光景であり、その人物が自身が片思いし続けてきた人物で人物のお通夜に参列して、その末にその帰りに死ぬことになった幼馴染の女性の転生体。否応なく見惚れるしか無かった。

 

「戻ったよリムル。リムル?どうしたの?」

 

「え!?いや、何でもない!」

 

「そう?それじゃあ」

 

リィンはリムルを抱き抱える。

 

「お、おい!?何をするんだよ!?」

 

「何ってせっかくだもんね、空の旅ご招待なんてね!」

 

そのまま翼を広げる羽ばたき上昇する。遥か上空に上がり周りを一望出来る所まで行き、早過ぎない速度で飛び始める。空中から見る光景はリムルを感動させた。

 

「すげぇ!すげぇよ!空飛んでる!なぁ!すごいなリィン!!」

 

「いい景色だよね、空の世界。気持ちもいいし」

 

「ああ、本当にいい景色だ……」

 

抱き抱えられる状態で空を飛んでいるのは言うまでもない。そして、僅かでも確実にある感触がリムルには伝わる。それもそのはずリィンはリムルを落とさないようにしっかりと抱き抱えているのだから。

 

「そ、そろそろ降りて村とか探そうぜ!」

 

「うん?まぁ、いいけどどうしたの?酔った?」

 

「いや、そんなこと無いぜ!とりあえず、な?降りようぜ!」

 

リィンは言われるまま降りる。リムルも大地へゆっくりと降ろされる。

 

(や、やばかった……!心臓なんて無いけど、心臓が破裂するかと思った!)

 

リムルはプヨプヨと跳ねながら心を落ち着かせていた。リィンはリィンんで

 

(空の旅楽しんでくれたかな?楽しそうな反応してたし、喜んでいたら良いなぁ)

 

と思っていたのであった。

 

地上に降り、進み出した。そしてリムルの発声の練習やリィンが自身のスキルを試したりして数日後のタイミングでリィンとリムルは気づいた。

 

「何か俺達避けられてね?」

 

「だよね。洞窟の時は結構な頻度で襲われてたのにね」

 

二人(?)の周囲100m以内に魔物が入ってくることは無くある意味平和な日々を過ごしていた。

 

(いくら何でも避けられすぎなような気がする。そんなに自分達の気配が強いの?)

 

リィンはふと疑問を覚えた。森の魔物は自分達を避けている。100m圏内から入ってこないことに違和感しか無く、ふと、リィンは魔力感知の視点を切り替えて自分とリムルを見た。

 

(うっわ……何これ……こんなオーラ的なものをダダ漏れで歩いてたの?魔素が垂れ流しだったとしたら勿体ないなぁ……いや、私の場合は『竜之炉心』の効力で魔素の生成速度が早いからその分の余剰分を放出してたのが不味いのかな。とりあえず引っ込めるようにしよ!その次いでに翼とか角とか鱗とかも何とかしよ!)

 

引っ込めるように意識を向ける。余剰で放出していた魔素を体内で留めて循環させ、翼とか諸々も引っ込めることが出来た。外見だけは普通の人の少女である。

 

そんな事をしたタイミングで眼前に人型の魔物が30程度現れた。

 

「ゴブリンか何か異世界らしくなっ……。リィン翼とか角は?」

 

「え?今言うこと?まー、引っ込めたかな。あんまりビビらせないように」

 

「あー、そういえばリィンは竜人だもんなぁ」

 

リムルはそう言って納得する。依然としてリムルの魔素はオーラとして出しっぱなしである。リィンは今の状態でもゴブリンを脅威として本能が見ていなかった。理性で警戒はしていた。

 

「強き者達よ……。コノ先に何か用事がおありですか?」

 

『喋てきたな』

 

『そうだね。言葉が通じるなら話してみてもいいんじゃない?』

 

リィンは未来視をしてどうなるか分かっている状態で言ってみた。子鬼族とリムルには悪いが試しで見た未来が少し面白かった故である。

 

「ええと……初めまして!俺はスライムのリムルという」

 

リムルの発する思念が強すぎて、平伏するゴブリン。

 

「貴方様の力は十分に分かりました!どうか声を鎮めてください!」

 

リムルが「えぇ」と困惑しながらゴブリンを見ている隣で笑いを堪えているリィン。

 

「リムル、思念……強すぎだよ……!」

 

「そ、そうか!すまんな、まだ調整が上手く出来なくてな。で?俺に何か用?」

 

リムルは小声になりながらバンダナをつけたゴブリンに事情を聞く。

 

「強力な魔物の気配が二つしたので警戒に来た次第です。内一つは我々が来る前に気配が消えたのですが……」

 

その言葉を聞いてリムルは

 

「強い気配って俺達以外に居ないよな?そんなヤツ。なぁ?」

 

「う、うん!」

 

リムルとリィンに確認を取る、リィンもそれに頷く。が

 

「ご冗談を!そのようなお姿をされていても、我々は騙されませんぞ!」

 

「と言ってもなぁ……リィンの事じゃないのか?翼と角消してるし」

 

「そのようなお姿と言われているからリムルの方じゃない?」

 

リムルは頭にハテナを浮かべながらリィンを見ていた。そんな中ゴブリンが

 

「強き者よ、貴方達にお願いがあるのですが」

 

「「?」」

 

二人は案内されるままゴブリンの村に行き、話を聞く。二人は丁重に扱われて、村の村長と会うこととなる。

 

「何だかヴェルドラの鼻息で吹き飛びそうな村だな」

 

「ゴブリンの村何だから仕方ないよ」

 

村の感想を村長が来るまでにこっそりと話す。

 

「お待たせしました。お客人」

 

来たのは見るからに老齢のゴブリンだった。

 

「ああ、いやいや。それほど待ってません。お気遣いなく」

 

「こちからこそ、ご丁寧にありがとうございます」

 

二人は人間時代に培った営業スマイルを発動し対応する。

 

「それで、私達にお願いとはなんでしょうか?」

 

リィンが村長に尋ねる。村長は話し始める。曰く、最近彼等が信仰する神が居なくなった事。それにより魔物が活発化して活動をするようになり、この地に侵攻してくることが増えてきたということである。

 

『なぁ、リィン。神って』

 

『ヴェルドラの事じゃないかな?』

 

『だよな、時期的にも合うし。魔物避けになっていたんだな閉じ込められた状態で』

 

『まぁ、ヴェルドラが居たら手を出そうとは思わないよね。封じ込められていたけど』

 

ヴェルドラが居たら文句が飛んできそうなことを念話でやり取りをしながら話の続きを聞く。

 

「我々も応戦したのですが戦力に厳しく……」

 

「そこでそこで貴方様に……」

 

「力を貸して欲しいと。しかし、自分はスライムですし、かと言って彼女だけを戦わせるのも……。期待されているような働きは出来ないと思うのですが?」

 

「ははは、ご謙遜を。ただのスライムに、そこまでの妖気(オーラ)は出せませんよ。さぞや名を馳せる魔物なのでしょう?」

 

妖気(オーラ)?」

 

その言葉が出た瞬間リィンは笑いを堪え始める。そしてリムルが魔力感知の視点を切り替えて気づく。そして、リィンの妖気が全く漏れ出てないことに気づく。

 

『お、おま!リィン!気づいていたな!?』

 

『違和感持ったら自分はどうなのか見ない方が……!ぷっぷっ!』

 

リムルはカチンときて、粘糸と鋼糸を使いリィンを縛り上げる。ミノムシのように徹底的に縛り上げていた。

 

「え!?ちょ!?何するのさ!」

 

「黙ってた仕返しだ!少しは反省しろよな!」

 

目の前で起こっている事に理解が追いつかないゴブリンを尻目に妖気を引っ込めながら

 

「流石は村長。お前達は見所があるな!」

 

そう言いながらリムルは

 

『そう言えば洞窟の三人組よく気づかなかったな。大丈夫か?』

 

『洞窟の魔素の濃度が高くて気づかなかっただけじゃないかな?』

 

『なるほどな……』

 

縛り上げられている状態でも念話の時には普通に話している二人。

 

「お願いがあるのですが、よろしいでしょうか?」

 

「そうだったな。言ってみてくれ」

 

ゴブリンたちの話を聞くと、東の地より来た牙狼族押し寄せて戦いになり、ゴブリンの戦士が多数討死したという。名持ちの守護者的な戦士も居たが、健闘虚しく討死。周辺にもゴブリンの村はあるものの、実質的にこの村は見捨てられたも同然の扱いであった。

 

「牙狼族は100匹程度……」

 

「こっちの戦力は?」

 

リムルが尋ねると、村長は弱々しく

 

「戦えるのは雌も含めて60匹程……」

 

「絶望的な戦力差だね……」

 

重い空気が場を支配する。リムルは

 

「名持ちの戦士は負けると分かってて挑んだのか?」

 

「いえ、この情報は……その戦士が命懸けで入手したものです。戦士は私の息子で、コレの兄です」

 

バンダナをつけたゴブリンを見ながら村長のゴブリンは頭を下げながら話す。

 

「そうか……悪い事を聞いた」

 

リムルはリィンの方を見て念話で確認をとる。

 

『なぁ、リィン……俺さ」

 

『助けたいんでしょ?悟は頼まれ事に弱いしね。小学校、中学校で何度助けたか……』

 

『うぅっ……その節はお世話になりました』

 

リィンは微笑みながら

 

『だからこそ、そんな悟だから私も手伝ったし好きになったんだけどね』

 

『え?』

 

最後に何を言ったのか聞きそびれてしまったリムル。リィンは静かに笑顔を浮かべて言う。

 

『だから、今回も付き合うよ。何があっても悟にリムルについて行くからやりたいように行こ!』

 

『ああ、ありがとう!』

 

リィンの言葉を聞き、リムルは糸を解除する。リィンは難なく着地する。そして、リムルとリィンは村長とバンダナのゴブリンを見据える。

 

「村長、一つ確認したい。俺達がこの村を助けるなら、その見返りは何だ?お前達は俺達に何を差し出してくれる?」

 

沈黙が場を支配する。リムルの意図をリィンは理解して何も言わない。見返り自体は本当は求めていない。ただ、体裁を整えているに過ぎないと。

 

「わ、我々の忠誠を捧げます!我らに守護をお与えください!さすればリムル様、リィン様に忠誠を誓いましょう!」

 

二人のゴブリンは土下座をしてお願いをしてくる。

 

その直後、外で狼の咆哮が聞こえた。村はその咆哮を聞き、恐怖に支配される。村長とバンダナのゴブリンも外に出て落ち着くように言うが意味を成さない。

 

そこに

 

「ビビる必要はない」

 

「これから退ける相手だよ」

 

リムルとリィンが並びゴブリンを見据える。

 

「で、では……」

 

リムルとリィンは視線を交わして言う。

 

「お前達のその願い」

 

「暴風竜・ヴェルドラに代わって」

 

リィンは一対の大きい主翼と小さい副翼、尻尾、角を出し、竜人の姿となる。そして宣言するように

 

「リムル=テンペストと」

 

「リィン=テンペストが」

 

ゴブリン達の前で宣言する。

 

「「聞き届けよう!!」」

 

それを聞いたゴブリンが涙を流しながら平伏し

 

「ありがとうございます!我々はリムル様、リィン様の忠実な下僕でございます!!」

 

こうして二人はゴブリン達の守護者となった。

 




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