ガチ恋勢の恋模様〜傍観者的に大変そうだなぁって思いましたまる〜 作:色月 茉夜
ガチまる26話、投稿します。
それは、俺がゲームを始めて1年が経った時だった。
Nori:なぁ、聞いたか!スターレジェンドついにリリースだってよ!
ギルメンの1人が言っているのは、超有名ゲーム会社の新作オンラインゲーム。グラフィック、ストーリー、そしてあらゆる設定、そのどれもが斬新だとかなりの噂だった。
Tetsu:なんだよノリ、今更知ったのかよ。そんなのとっくにみんな知ってるよ。
Nori:なんだよテツ!知ってるなら教えてくれてもいいだろ!
Airi:テっくんが教える訳ないでしょ。ノーちゃんも自分で調べなきゃ。
Nori:アイリちゃんまでー!
俺たちが所属しているギルドのメンバーは6人。斧使いのTetsu、槍使いのNori、ヒーラーのAiri、弓使いの俺ことLuca、魔法使いのツーことTsumaki、そして。
Tetsu:そういうこと。で、どうするギルド長。俺ら"飛翔の森猫"も参戦するよな?
Osa:もちろんにゃ。にゃーたちも行くちゃ。
猫語でそう言うのは、ギルド長にして大剣使いのOsa。(鎧でほとんど見えないが)可愛いアバターに対し、中身は俺の親父の本名秋彦だ。ツーに聞いたが俺がセンスのカケラもないと一刀両断した禍々しいオーラの剣と鎧はめちゃくちゃやり込んだ人しかゲットできないアイテムだったらしい。やっぱりセンスねぇ。
Airi:ツマくんも行くよね?
Tsumaki:あー、うん多分。
Nori:多分ってなんだよ!俺ら6人で行かなきゃ意味ないだろ!
Tetsu:あー、そのことなんだが。おいギルド長、俺から言っていいか?
Osa:‥悪いにゃ、テツ。
Tetsu:あいよ。新作なんだが───ルカは連れていけない。
Tsumaki:‥え?
最初に声を上げたのはツー。一方名前を呼ばれた俺は一切声を上げない。なぜならわかっているから。
新しいゲームは成人以上しかできないことに。
なんでも多少のグロテスク表現があるらしく全年齢ではリリースできなかった、とゲーム概要に書いてあった。俺は自分で調べて知っていたが、テツと親父以外の他のメンバーは知らなかったらしい。ツー同様に声を上げる。
Tetsu:‥というわけだ。だから未成年のルカは連れて行けない。
Tsumaki:そんな‥。
Airi:あー。ルールなら、仕方ないか。
Nori:別にルカなら大丈夫そうな気がするけどなぁ。
動揺するツーとは逆にアイリとノリは仕方のない理由を理解しているようだった。俺自身別に気にしていないんだしツーが気にする必要ないんだけどな。
Osa:ルカには悪いが、しばらくは向こうに専念することになると思う。
Luca:別に。ソロで適当にやるさ。
Tetsu:さて、話も済んだところで!狩りにでも行こうか!
テツの宣言で、6人での狩りが始まる。だが。
Tsumaki:‥‥。
ツーは集中していないのか、何度もやられて親父に怒られていた。
その日も俺はゲームにログインしようとしていた。親父はついにリリースされたゲームの方に行くらしく楽しそうに部屋に戻って行った。戻る前に何度も俺に謝っていたが本当に俺は気にしていなかった。
適当にデイリーでもしようかと思った時だった。
Tsumaki:あ、ルカ。こんばんはー。
そこに居たのはツーだった。釣りでもしているのか海のエリアにいる。いやそんなことどうでもいい。
Luca:はぁ‥何をしてるんだキミは。
Tsumaki:何をしてるとはご挨拶だなぁ。別にいつも通りログインしただけだよ。
Luca:茶化すな。今日は親父たちと向こうのゲーム行く話だっただろ?
Tsumaki:そうだよ?
Luca:早く行け。
Tsumaki:えー、やだ。
Luca:行け。
Tsumaki:やだ。
Luca:はぁ‥何でだ。何でここにいるんだ。
俺がそう打った後、一瞬メッセージが止まる。そして。
Tsumaki:僕がそうしたいから。
帰って来たのは答えになっていない答え。その答えに俺が感じたのは、嬉しさでも安らぎでも喜びでもなく───ただの呆れ。
Luca:‥勝手にしろ。
Tsumaki:ん、勝手にする。
Luca:バーカ。
Tsumaki:えー。で、どうするルカ?狩り行く?
Luca:‥行く。
たった2人。たった2人のギルドは今日ものんびり日々が送られる。そこにあるのは、恋でも友情でも違う───ただの仲良しの2人だった。