ガチ恋勢の恋模様〜傍観者的に大変そうだなぁって思いましたまる〜 作:色月 茉夜
ガチまる27話、投稿します。
『それで大空ってばね』
『おい!それをバラすのはやめろって、マイ!』
例によって舞香、というかゆきりんの深夜配信。以前はバヤのリスナーばかりだったが、今は若干メンバーが変わっていた。
『へぇー、大空くんってそんなことするんだぁ』
『レンレンまで!やめてくれよー!』
ゆきりん枠でいじられているのは、件の人の大空くん。トップ配信者の1人のはずだが、今はゆきりんの掌の上で遊ばれていた。
舞香に聞いたところ、大空くんはバヤのお姉さんがマネージャーをしておりその繋がりでバヤ自身とも仲がいいらしい。舞香は最初はそこまで興味はなく、バヤの仲良しの彼に挨拶に行こうという軽い気持ちで配信に行ったようだがそこで意気投合。今ではお互いの枠に行き来する仲になっていた。
『つまきぃー!起きてる?』
「起きてるよー」
『起きているなら大空と話しなよ!ユウの友達同士なんだから』
友達同士って言われても僕にとってはほぼほぼ関わりのないすごい人ってイメージなのだが。
「あー、うん。じゃあ大空って呼んでいい?」
『おう、じゃあ俺もツマキって呼ぶな』
実は彼は僕やバヤよりも1個年上。正確には早生まれの1個上。だから夏生まれの僕はともかく4月上旬が誕生日のバヤとは3日程しか変わらないのだ。
彼───じゃなくて大空は、話していて気持ちのいい男だった。盛り上げるのが得意で、いじりもいじられもボケもツッコミもできる。自枠ならともかく、人の枠でもこれだけ盛り上げられるのは素直にすごい。それでいながら枠主のゆきりんが空気にならないように立ち回る。なんだこの完璧超人は、と嫉妬すら起きない人だった。
容姿自体は多分そこまでかっこいいわけではない。だがイケメンなどステータスに勝るバヤに対し、自分の力を高めて人気を獲得する彼はどこか好感が持てるところがあった。
強いて彼の、というか彼の枠の弱点を挙げるならばだ。
『ねぇ、大空。そんな女のリクエストじゃなくて私のリクエスト歌ってよ』
『は?ギフトアイテムも投げてないくせに要求してんじゃないわよ』
『そっちこそ盛り上げもしてないくせに!』
『なんですって!』
『喧嘩しないでくれ!2人ともリクエスト歌うから』
彼のリスナーはちょっと‥いや、かなり民度が悪い。内心に秘めているものは多少あるとはいえ一応統制が取れているバヤの枠とは違い、彼の枠は独占的なリスナーが8割を占めていた。
実際、大空自身にも"女好き"やら"リスナーに手を出してる"などそれなりに黒い噂はあるんだけどね。まあそんな噂で僕の価値観左右されたくないし興味ないけど。
そんなことを考えているとまたゆきりんに名前を呼ばれる。
『聞いてるの、ツマキぃ』
「聞いてるって。で、何発表って」
元から今日のゆきりんの配信には行くつもりだったが、配信開始10分前に彼女からレインが届いていた。
Mai:まちゅ、今日の配信は絶対来てね。発表があるの。
その内容が割と気になって配信に来たが、2時間近く経ってもその話はしてなかった。そろそろ深夜3時。明日休みとはいえそろそろ寝たいのだが。
『ちょっと待っててね。そろそろ来るはず‥あっ!来た』
ゆきりんがそう言った途端に入室音が響く。そして。
『悪い、ゆきりんっ!遅くなったな』
『遅いよ、ユウ』
『ごめんごめんて』
そこに現れたのはバヤだった。突然のトップ配信者の登場にテンションが上がるリスナーたち。それにしても、ゆきりんが待っていたのはバヤだったのか。
『どうする?ユウ。発表できる?』
『なんならゆきりんからするか?』
『できるか』
『冗談だって。よし、発表するぞ』
『俺、リンユウと海野大空でオリジナル曲作ります!』
それは、リンユウにとってまたとないチャンスだった。
◯登場人物
海野 大空【Daia Umino】
本名:??
職業:Eleven Studio専属配信者、シンガーソングダンサー
年齢:25
誕生日:3月下旬
容姿:身長185cm、ややぽっちゃり、長い蒼髪を後ろでポニーテールにしている、ヘビースモーカー
好きな食べ物:マンゴー、強めの酒
嫌いな食べ物:カクテル系(甘すぎて嫌い)