ガチ恋勢の恋模様〜傍観者的に大変そうだなぁって思いましたまる〜 作:色月 茉夜
12月に入りそろそろ布団が僕を離してくれなくなったある日。
「ここは、"君と共に歩く日々に〜"がいいんじゃないか?」
『いや、リズムを考えたら"君がいる日々に〜"の方がいいだろ?』
「あ、そっか。さすが海野っち」
『じゃあ、次の部分だけど‥』
真剣な顔でノートに向き合う2人に、若干の躊躇いを孕みつつ僕は手を上げる。
「あのー」
『「ん?なんだツマさん(マツキ)?」』
「うん───何で僕はこの場にいるのかな?」
リンユウ、海野大空、一般人。
アーティスト、アーティスト、一般人。
謎の異物が存在する謎過ぎる空間がそこにはあった。
遡ること前日。
"俺、リンユウと海野大空でオリジナル曲作ります!"
バヤの宣言はド深夜にも関わらずSNS上を駆け抜け、朝になる頃にはEleven Studio一番の話題となっていた。早速その日の昼から作詞作曲が始まるとのことだったが、ここで枠主のゆきりんがアシスト‥いや僕にとっては迷惑極まりない一言を足した。
『それなら、ツマキぃも参加しなよ!なんてったってツマキぃはユウの初めてのオリジナル曲を作るのサポートしたんだよ!』
‥いや、してねぇっすよ!?そりゃ歌詞のアイデア出したり仮歌を聞いて感想言うぐらいはしたけど、それがサポートになるはずがない。慌てて否定しようとするが。
『おっ、そうだなっ!じゃあツマさん、明日ウチ来てくれよ!よろしくっ!』
そう言ってさっさと枠を出て行ってしまうバヤ。もうその後は大変だった。リンユウとはどういう関係なんだとかめちゃくちゃ問い詰められるし、ツマキ=リンユウの彼女説とかも出された。あの子が彼氏‥うっ、ちょっと吐き気が。
そんな感じでinバヤ家。大空の前じゃリンユウって呼ばなきゃいけないから、うっかり名前を出さないように神経使ってめっちゃ疲れる。パソコンに映る大空と、チラリと映るオシャレな部屋。何というか1歳しか離れてないのに大人だぁってなる。
「Aメロはもう少しゆっくりと」
『いや疾走感も欲しいな』
音楽に真剣に向き合う2人を横目に僕はお茶とお菓子を食らう。いやはやホントに、何で呼ばれたんだろうね。
そして、僕が暇過ぎてうとうとしてきた瞬間───それが起きた。
「だーかーらっ!この歌は俺がメインのはずだろ!海野っちのパートそんなに増やしたら俺が歌う場所なくなるだろ!」
『お前より俺の方が歌唱力あるからサポートしてやってるんじゃねぇか!嫌なら歌わなくていい!』
「上等だっ!誰がアンタなんかと‥」
『こっちもお前がどうしてもって言うから力貸してやってんのに‥』
あー。
えー。
うん。
あの。
何かいきなり喧嘩が始まったんですが。
え、何故。