ガチ恋勢の恋模様〜傍観者的に大変そうだなぁって思いましたまる〜 作:色月 茉夜
あ、そうだ。まだ1話や試し書き程度しか書けてない小説をTwitterにあげようと思うのですがもし興味があればフォローしてみてください。後書きにID書いときます。
ガチまる30話、投稿します。
「うわ‥すっげぇ。ライブスタジオってこんな感じになっているんだ」
オリジナル曲が完成し、いよいよ発表となったある日のこと。僕とバヤは京都に来ていた。なんでもせっかくの発表だから音響やステージも最高なものにしようという大空からの計らいで彼がよくお世話になっているというこのライブスタジオを借り切ってくれたのだ。
ちなみに僕はサポート報酬という名のただのおまけだ。バヤだけでなく僕の旅費まで出してくれた。いやもう感謝しかないよね。
「あ、おーい。ツマキ」
ステージの上にいた男が僕に気付き手を振る。暗くて見にくいが、多分大空だ。男と話していたのはスタジオのスタッフだろうか、彼に書類を渡されるとバタバタと裏へと出て行く。ステージの柵を軽々と超えると男は僕の方に歩いてくる。
「よっ、対面は初めてだよな。海野大空だ」
「あ、僕はツマキ‥じゃなくて本名の方がいい?」
「いいよ、別に。俺だって本名じゃねーし。じゃあ変わらずツマキって呼ぶなー」
「ん、ありがと大空」
海野大空という男は画面越しとはまた違った印象だった。背は185cmとかなり高く本人曰く『平均体重余裕で越えたデブ』とのことだったがそこまで太っているようには見えなかった。どちらかと言うとがっしりした体型すら思える。
顔はまあうん、僕が言うのもアレだがイケメンってわけではない。だがバヤとは違った男らしさというイメージを与えられる。青のキャップと合わせてヤンチャな男性って感じだ。
「そう言えば、肝心のリンは?」
「リンユウくんなら、トイレに駆け込んだよ」
「は?調子悪いん?」
「いや、新幹線の中でお弁当3つも食べたからお腹壊したみたい」
「アホかアイツは」
『ツマさんツマさん!これめっちゃうまいぜ!』と駅弁を大量に買い込んだバヤだったが、大食いし過ぎて新幹線を降りる頃には死んだ目をしていたのだった。
大空と少し話しているとスタジオのドアが開く。
「ふぅ、ツマさんお待たせ〜」
お腹をさすりながら僕の元に歩いてくるバヤ。僕が視線で大空を見ると、目が合い頷く大空。そして。
「リン、正座」
「え?あ、やっほー海野っち」
「正座」
「いや、あの」
「正座」
「‥はい」
スタジオで土下座したのはバヤが初めてかもしれない。僕はそんなくだらないことを考えながら、彼らを見ていた。
「よし、告知オッケー!行くぞリン」
「よっしゃ、いつでもいいよ海野っち」
そして。
「みんな配信に来てくれてありがとう!」
「俺らのコラボ曲楽しんで行ってくれよ!」
彼らのコラボ曲発表配信は。
「「SKY GREEN」」
同時接続、略して同接1000人。つまり同じ配信を見ているリスナーが1000人。
Eleven Studio最高記録をマークした瞬間だった。