ストーンマン拾ったんで魔改造するです!   作:ヤトラ

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ちょっとしたDASHコラボ要素あり。


【第2章その3】

 

 戦法というものは、満遍なく戦える汎用性を求めたり自分の得意に特化したりと、持ち主の個性が良く出るものである。

 勿論強いバトルチップや技を使えることがベストだが、何事にも組み合わせというものがあり、組み合わせ次第で強弱がハッキリと出てくる。

 レアなバトルチップも使いようだし、当たらなければ宝の持ち腐れ。戦うネットナビを最高のタイミングで送信するのが、オペレーターの腕の見せ所なのだ。

 

 綾小路やいとには、小学生ではあるが飛び級できる程の知力がある。お金持ち故にレアチップも豊富(提供:ヒグレ屋)。

 そこに、同じ小さな背丈でありながらクリームランド有数のネットバトラーであるストンナの指導で得た技量を加えたことで、オペレートの腕前はグーンと上昇した。

 

 かと言って、スネークマンの籠城戦及び『カモンスネーク』を最大限に活かすコンボを相手に満足に戦えるかといえば……そうでもなく。

 

「ぜぇ……ぜぇ……」

 

『ギ、ギリギリ勝てましたね……』

 

 高レアなバトルチップ『ゼウスハンマー』による一発逆転が無ければ負けた。

 フロートユニットで飛行できるグライドに穴パネルは通じず、逆に安全地帯となった穴パネルの上に逃げ込んでからの神の鉄槌。ブレイク性能を持つ強烈な一撃にスネークマンは壺ごとデリートされてしまった。

 

「ふぅ……楽しめましたわ……」

 

『いやはや、ツボが無ければ即デリートでしたな』

 

 PET内で復活したスネークマンが冷や汗をかく。高レアなバトルチップをそこそこに使い熟すグライドとやいとのコンビネーションは中々だった。

 ミリオネアとしては知力と実力を持って突破してくれた事の方が嬉しく、程よい恍惚と熱気を味わえて満足していた。スネークマンは少々冷や汗をかいていたが。

 

「お疲れ! 良いネットバトルだったぜ!」

 

「スネークマンすげーなぁ。キングマンとは違ったガチガチ感っつーか」

 

「開始と同時に空く穴パネルが厄介やな、スネークマン自身の常備能力(パッシブ)かいな?」

 

「復活が早いよ3人とも」

 

 やいととミリオネア夫人を囲んでネットナビ考察に入り始めた男子3人を呆れたように見るメイルと、その隣で同意するように頷くチサオであった。

 

『そういえばミリオネア夫人、もし黒幕について何か知っていたら教えてくれませんか?』

 

「構いませんわ。なんでも呪いの力をより使いやすくする為に、この先の研究所の電脳を乗っ取るつもりのようです」

 

 グライドが勝った事を喜ぶ最中、ロックちゃんから問われると彼女はあっさりと話しだす。

 

「呪いって女体化とパンダ化? 使いやすくってどういうことなんだろ?」

 

「呪いの泉は女体化(ニャンニーチュアン)パンダ化(シャンマオニーチュアン)以外にも色々あるネ。老師の研究所はその泉の立ち入りを禁止する為の施設でもあるのヨ」

 

「えー、枯れてるってみゆきさんから聞いていたのに他にもあるのー?」

 

「呪いが解けても次はクロブタにされるってオチにならねぇよな、オレのガッツマン……」

 

「乗っ取るつもりならなんで光熱斗とロックちゃんをおびき出そうしてんねん」

 

「オレはただロックマンの呪いを解いて欲しいだけなんだけどなぁ」

 

 謎が謎を呼ぶ黒幕の目的。しかしそれを一気に解決する手段を―――ミリオネア夫人が既に打っていた。

 

「それなら心配無用よ。オフィシャルに通報済ですので

 

『出所が怪しい商談が来たらオフィシャルに相談。これが良い商売人というものです』

 

『やっぱりそういうことか』

 

 唐突なカミングアウトに周囲が目を点にした直後、新たなネットナビがプラグインしてきた。

 

 ロックちゃん達の前に現れたのは、ザックリ言うなら青緑色のネットナビだった。

 

 チョイナ風魔法使いと言うべきか、ネットナビにしては珍しく長い袖のような腕を持ち、足回りは太極図が記された薄く長い装甲版で覆われている。

 顔は黄色い嘴のマスクで口元を隠しているが、その鋭い視線が印象の悪さを物語っている……しかし頭の皿が気になって仕方ない

 

『えっと……カッパ?』

 

『まぁカッパをモチーフにしたネットナビなんだがな』

 

(自分で解説するんだ……)

 

 聞いておいてなんだけど律儀なネットナビなんだなと思うロールであった。

 

『えっと、お前は誰だ!?』

 

『オレの名はメガウォーター・S。悔しいが先程お前達が会ったバスターロッド・Gの仲間だ。悔しいが』

 

(二度言ったでガスな……)

 

 ネットナビなのに眉間に思いっ切り皺を寄せる程、言うのが悔しかったみたいだ……。

 

「あら、アナタは気づいてらっしゃったようね? あのサルとブタは気づいてなさそうだったのに」

 

『一般人に募集する時点でアウトだろ常識的に考えて』

 

(確かに……)

 

 ナルシー・ヒデとビデオマンが特殊だっただけでツッコミどころが多すぎる内容だった。

 

『まぁ通報に関しては問題ない、オフィシャルに先手を打ったからな』

 

『先手だと?』

 

『今頃オフィシャルは大騒ぎになっているだろうな……あるナビ1体を犠牲に』

 

『ま、まさかプク……?』

 

『おっと話はココまでだ。オレの目的はコレ(・・)の処理なものでな』

 

 そう言うとメガウォーター・Sはある物……赤い文字で「呪」と書かれた、火の点いた導火線を伸ばす黒い球体を取り出し始めた。

 

「ちょ、それどう見ても呪いエネルギーを詰め込んだボム系チップやないかい!」

 

『その通り、ブタ野郎が試作品と言う名で押しつけられた失敗作ヤーズ・ニーチュアン・ボムだ!』

 

「やーず・にーちゅあん?」

 

『大昔、鴨子(アヒル)が溺れた泉があったらしい。以来その泉で溺れた者はアヒルになってしまう、ノロイテキイズミー』

 

「……アヒルって溺れるんでちゅか?」

 

「チサオ、気にしちゃいけないところなんだよ」

 

 8歳児には難しいかもしれねぇな……と遠い目をする兄デカオ(11歳)であった。

 

『ぶっちゃけ失敗作故か爆発寸前だ! 誰でも良いから呪いを受けろオレの身の安全の為に!』

 

『アナタも大概アレな性格してるわね!?』

 

 大きく放り投げて解き放たれた呪い爆弾! それを避けようと慌てふためくネットナビ達!

 

『グワーッ!?』

 

「グ、グライドーッ!?」

 

 結果、グライドが爆発に呑まれてしまった! どうせこんなオチだと思った!

 

 白い煙が晴れて姿を現したのは―――どこかで見たような目つきの悪い、小さな鳥型ロボットだった。

 

「ぐ、ぐらいど……?」

 

『―――絶望って言葉を知ってっか? 今の事を言うのさ、クケッ!』

 

『ダメだこりゃ』

 

 自分だって呪いを受けた直後は変な事を言っていたんだぞパンダガッツマン。

 

『大丈夫プクよグライド、どうせこれも時間経過で―――』

 

『スマンがそれはブタ野郎が持つワクチンが無いと解けんぞ』

 

『クケーッ!』

 

『ど、どうどう! グライどうどう!』

 

 メガウォーター・Sの問題発言にブチ切れたグライド・シタッパーだが、ロックちゃんが落ち着かせようと抱き上げ……柔らかいものが頭に覆い被さったことでスンっと静かになるのだった。

 

「ならそのワクチンを寄越しなさいよ! ゼニーならたんまりあるわ!」

 

「ついでにロックちゃんも治せ!」

 

そうかワクチンで身代金請求もありか……とにかくブタ野郎でないと無理だ。この先の研究所ゲート前で封鎖作業に取り掛かっているからそこで会え』

 

『あ、逃げたでガス』

 

 一瞬ゼニーに眩みかけたが、メガウォーター・Sはそれだけ言ってプラグアウトしてしまった。逃げ足はバスターロッド・Gと同じ速さらしい。

 

『アヒル化グライドのインパクトが強すぎたプク』

 

『我々もああなるのだろうか……』

 

 この流れだと自分達も呪いに……バブルマンとキングマンどころかオペレーターであるチサオとトラキチも気が滅入ってしまう。

 

『が、頑張って皆の呪いを解こうよ! 封鎖するってことは老師さんも閉じ込められているかもしれないし、早く行こっ!』

 

 ここぞとばかりにエールを送って元気づけようとするロールちゃん。その健気さが男性陣の心を癒してくれる……。

 それにロールの言う通り、メガウォーター・Sの言うブタ野郎なるネットナビが研究所を封鎖しようとしているなら、それを阻止しなければ呪いを解く手掛かりが途絶えることになる。

 

 つまり!

 

「頑張って植物油の材料を集めよう! 皆手伝ってくれ!」

 

『ボク達の呪いを解く為にも!』

 

 熱斗とロックちゃんの掛け声に大勢の声が上がる。特にパンダガッツマン・グライドシタッパーも被害者なのでその意気込みは強い。

 

「……アヒルスネークマン」

 

『ややこしくなるので御止めになってくださいミリオネア夫人』

 

 ミリオネア夫人の本気だか冗談だか解らない発言に苦笑いするしかない運転手であった……。

 

 

 

▼ミリオネア夫人とスネークマンが仲間に加わった!

 

 

 

―――

 

『お~う、お帰りメガちゃ~ん』

 

『そのCV(コエ)でメガちゃん呼びは止めろややこしくなる』

 

『声優ネタが解る人じゃないと伝わらねぇぜ~?』

 

『所でヤーズ・ニーチュアン・ボムの威力はどうだったよ?』

 

『見事にアヒルになったわ! 爆発寸前で危うくオレがアヒルになるところだったぞヴァカめ!』

 

『上等、上等! これなら……グヘヘヘヘ』

 

『そのキショい顔はブタ野郎だけで十分だ、折角のイケメン寄りが台無しだろ』

 

『余計なお世話だっつーの……そういやさっきお客ナビが来てたぜ』

 

『ん? 次の刺客は現地調達だとストームのヤツが言っていたが、ソイツか?』

 

『それがビックリ驚天動地、なんと―――』

 

 

 

『マジか!? ていうかいいのかそれ!?』

 




◆ジャスミンのポイント交換所

~第二ゲート前の仮設テントにて~

 沢山働いた者にはご褒美をあげちゃう! 労働ポイントの総数に合わせて豪華景品をゲット!

※ミリオネア夫人加入後

「ご苦労様です。こちらは労働に応じた対価を支払っているわ。さぁ、あくせく働き交換なさい」

「私が何をしているかですって? そこの薬屋曰く『看板娘ならぬ看板夫人』とのことです。 まぁ植物油の美容オイル待ちで暇なんですが」

「中々いいお茶ですわね。運転手、茶菓子を用意なさい―――ん? 運転手さん居たのですって。こう見えても執事としても優秀なんですのよ、彼」


~ジャスミンのノートPC電脳にて~

 ネットワークでワクチンデータ・第二ゲート付近で薬の材料を採取して豪華景品と交換しよう!
 特別アイテム「植物オイル」を交換すると次のイベントに進めるよ!

※スネークマン加入後

『こちらは植物やワクチンを景品に交換いたしております。鐚一文優遇するつもりはないのでご容赦くださいませ』

『ミリオネア夫人の執事ナビとして計算は得意なのです。この電脳算盤でパチパチっと……お客様、個人の趣向は自由であるべきです。電脳算盤なんて古いものを、なんて思いませぬよう……』

『しかしアヒル……アヒル、なのでしょうか? どこかで見た事のあるようなトリロボットに見えますな。不思議とグライド氏に縁があるようにも見えますし……まぁ些細な事ですね』
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