ストーンマン拾ったんで魔改造するです!   作:ヤトラ

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活動報告の登録ありがとうございます。
全て出せるかは解りませんが、どれも個性的でリメイクしたら楽しそうだと妄想が捗ります(笑




【火野研】

『さてと。機嫌直ったですかストーンマン? 次行くですよ』

 

「ゴゴゴ……迷惑カケタナ、了解ダ」

 

『えーもう行っちまうの? どこに?』

 

『科学省エリアの一つ【火野研究所の電脳】ですよー』

 

『えぇーヒノケンん所ー?』

 

「熱斗くん、そんな顔したらダメだよ」

 

 ソウルユニゾンの試運転を終え、拗ねたストーンマンの機嫌も直った頃。ストンナとストーンマンの次の目的地に嫌な顔を浮かべる熱斗。これには光裕一郎も苦笑いだ。

 

 火野ケンイチ。元WWW幹部でありながら、現在は科学省の研究者という訳が分からない経歴を持つ熱き漢である。

 彼の更生プログラム受講期間は、態度はアレだが真面目に依頼をこなし、科学省暴走事件の際には危険も承知の上で光裕一郎を救出した事もある。その経歴を評価したオフィシャルは彼を釈放、当人の希望により科学省で研究者見習いとして働いている。

 あのWWWで幹部をやっていただけあって能力が高く、炎属性のウィルスとネットナビに詳しい事もあって裕一郎含む科学者の評価も上々、小さな研究所を預かる大出世を遂げたのだ。

 

『ヒノケンとストンナが揃って化学反応起こしても怖いし、オレも行くよ。いいよなロックマン?』

 

「化学反応ってそんな熱斗くん―――」

 

『こら熱斗、火野くんもストンナちゃんも悪い子じゃ―――』

 

 

―光家族は想像した。燃える漢ヒノケンと改造大好きストンナの化学反応を。

 

 

『熱斗、ロックマン。火野くんもトーナメントに出るみたいだし、挨拶ぐらいはしておきなさい』

 

「解ったよパパ。どっちに出るかだけでも聞いておいた方が良いよね」

 

『よし、行こうぜロックマン』

 

『光ファミリーの信頼の厚さが悲しいのです』

 

「当然ノ結果ダナ」

 

 因みに火野ケンイチが更生した切欠がストンナであったことを熱斗とロックマンは知らない……。

 

 

 

―――

 

 火野研究所を訪れようとした熱斗は―――番長と対面していた。

 

「おう、なんでぇおめぇさんは?」

 

「え、えっと……オレは光熱斗―――です」

 

―番長だ! マンガで見た番長そのまままだ!

 

 顔の怖さや体格の大きさより、番長という言葉を体現したような容姿に感動する光熱斗。

 呆然と見上げる姿を見てを怖がらせたと思ったのか、番長は屈んで視線を合わせニカっと笑う。

 

「ほー、お前さんが熱斗か! 有名人とご対面たぁワシもついとるのぉ!」

 

「オレの事知ってるの?」

 

「そりゃのぉ。イレハン動画もバッチリ観とるぞ、ワシもイレハンプレイヤーなんでな!」

 

「え、イレハンしてるの? 好きなレプリロイドスキンってある?」

 

鋼鉄の甲弾闘士(アーマー・アルマージ)じゃ! ぶっちゃけイシモト先生のマンガの影響じゃき」

 

原作ファン(ロックマン)と話が合いそう……」

 

 強面な面構えに反して気さくに接し、【WorldTube】の趣味を切欠に徐々に距離が近くなっていく。

 ガラの悪い大柄な不良と少年がゲーム談話するという奇妙な光景が広がる中、果敢にも声を掛ける男が居た。

 

「おいオメェら、駄弁ってるのは良いが人様の研究所の出入り口塞いてんじゃねーぞ」

 

「あ、ヒノケンちーっす」

 

「なんだ熱斗か。敵情視察か?」

 

「そんなんじゃねーって」

 

 火野ケンイチである。白衣と赤いフレームのメガネをかけて科学者っぽくなっている。

 しかし猫背になって熱斗を見下ろしニヤリと笑い、それに反発する熱斗を見て楽しむ所を見ると中身は変わらないようだ。

 

 父・裕一郎を救出した恩人でありWWWに立ち向かう勇気を与えてくれた大人だが、それを忘れさせるぐらいには熱斗にとっての悪友。それがヒノケンだった。

 

「おうヒノケン! 例の件が終わったと聞いてやってきたぞ!」

 

「おうガンテツ! 仕上がりは完璧よぉ!」

 

(あ、似た者同士だ)

 

 どうやらこの番長……ガンテツとヒノケンは知り合いらしいが、出会って数秒で拳を打ち合う姿はとても様になっており、一目で熱い漢繋がりだと悟った熱斗。

 

 折角だからお前も見てけ、とヒノケンとガンテツに誘われて研究室にお邪魔する。

 研究チームの一員らしい男女スタッフ2人に挨拶した後、赤いデスクトップPCの前に立つ。そこにはヒノケン専用の赤いPET3台と、ガンテツの物らしい【人情】と描かれたシールが貼られた黒いPETが繋がれている。

 

 モニター内では……。

 

『ハイヤァァァッ!!』

 

『ナンノ、コレシキッ!』

 

 ストーンマンにライダーキックをお見舞いする赤いネットナビの熱い叫びが轟いていた。

 

「ス、ストーンマン?」

 

「ストンナとストーンマンにオレ新作の炎ネットナビ・トーチマンの試運転を頼んだのさ」

 

 呆然とする熱斗を他所にヒノケンが自慢げに言う。

 

 トーチマンという名のネットナビは、体格はグライド寄りの細身長身と割と普通だ。

 しかし両腕と両足、そして両肩のショルダーアーマーからして「赤い闘士」のイメージを強く植え付けている。背中には、恐らくガンテツとそのナビの趣味なのか「漢気」と金色の文字で書かれていた。

 特徴的なのは両肩のショルダーアーマーで、「松明(トーチ)」の名を示すように炎が揺らめいており、炎の勢いを増すことでライダーキックの加速にも役立っている様子。

 

『そ、そこまで! テストはもう良いでしょトーチマン!』

 

『んじゃい藪から棒に……まぁ流石にストーンマンに悪いわな、ありがとよ!』

 

 先に電脳を訪れ見学していたロックマンのストップで漸く落ち着いたトーチマン。マスクで覆うタイプの顔つきはガンテツに似て怖い。

 

『ゴゴゴ……おれッテ、コンナンバッカダナ』

 

『耐久特化ネットナビの宿命ですよストーンマン』

 

(ゴメン、オレもストーンマンほどテストに向いているネットナビ居ないなって思ってる……)

 

 しかもナイトマンよりフットワークが軽いので気軽に対戦を申し込める。尚プライドは「こっちも気軽に誘って欲しいのに」と不満を漏らしている様子。

 

「ええ喧嘩やったのぉ相棒……いやさトーチマン!」

 

『おうガンテツ! 正に生まれ変わった気分じゃき!』

 

「オレのナビほどじゃないが自信作だ、熱いバトルを楽しめよ!」

 

「生まれ変わったっていうとリメイクしたのか? どうしてヒノケンがガンテツさんのネットナビを?」

 

「たまたま出会ったんじゃが、まっこと熱い漢でな! 気が合って今じゃマブダチじゃけんのぉ!」

 

「んでネットナビのリテイクの相談を受けてな。ゴリゴリの格闘型ネットナビのデータも欲しかったし、まさにWIN-WINってやつだ!」

 

「暑苦しい奴ら……」

 

 だが火力ゴリ押しを好むようになった熱斗も微妙に毒されてるぞ。

 

「デンサントーナメントが楽しみじゃ、覚悟せぇよヒノケンにファイアマン!」

 

「へっ、それはトーナメントを勝ち抜いてからにするんだな。まぁオレとファイアマンならシティトーナメントなんざ楽勝だが!」

 

『あ、ヒノケンはシティトーナメントに出るんだ。ボクらガンテツさんと同じデンサントーナメントだけど』

 

「何ッ!? カーッ、外しちまったか! ならオレらの分まで熱斗とロックマンをボコボコにしてやれ、ガンテツにトーチマン!」

 

「N1グランプリ準優勝者が同じトーナメントに出るんか! こりゃええ、ワシらは逃げも隠れも騙し討ちもせん、楽しみにしとれよ光熱斗にロックマン!」

 

「おう! けどヒノケン、シティトーナメントにはデカオがいるんだ。アイツは強ぇーぜ!」

 

 いつの間にか熱血しだした熱斗。はロックマンとストーンマンとストンナから見ても、3人のガン飛ばしは中々に暑苦しかった。

 

 大山デカオと言えば炎山に次ぐ熱斗のライバルだが、ここ最近のデカオとガッツマンの成長は素晴らしいの一言だ。

 N1グランプリで開花した天性の才能【予測し先取る領域(ゾーン)】に磨きをかけ、戦略は苦手だが咄嗟の判断力と指示から繰り出す接近戦はあの炎山ですら梃子摺らせたという。

 

 他にも戦略の幅を広げたトラキチ&キングマン、水属性の使い手・魚屋マサ&シャークマン、不気味なまでに高い対応力を持つ黒井みゆき&スカルマンなど、シティトーナメントにも強豪は大勢いる。

 

「へっ、強豪だらけなのは百も承知よ。オレとファイアマンなら話は別だがな!」

 

『いいよなーファイアマン。オレらは大人しくお留守番だぜ』

 

『ヴォ』

 

『当たり前だ! オメーらとはキャリアが違うんだよ、キャリアが!』

 

 それぞれの赤いPET内で盛り上がるヒートマン・フレイムマン・ファイアマンの三体。フレイムマンは以前フォルテにデリートされてしまったが、保存していたメモリーにより復帰できたようだ。

 

 それはそれとして、と話に割り込んできたのはストンナだ。

 

『盛り上がっているのはいいのですが、そろそろ本題に入るですよ』

 

「おっとそうだったな。つーわけだ、ここからはヒミツだからとっとと帰んな」

 

「おう、またなヒノケンよ」

 

「えー……変な事すんなよ二人とも」

 

「『変な事とはなんだ、変な事とは(です)!』」

 

 ガンテツは兎も角、熱斗はいい加減信用しろよと叫ぶヒノケンとストンナ。だが残念なことにロックマンやストーンマンは勿論の事、炎属性トリオですら黙って頷いているぞ!

 

 シッシッと手で追い払われ、漸く熱斗は渋々とロックマンをPET戻して研究所を出る。

 

『……で、例のネットナビは完成したですか?』

 

マグママンの事だな、ストーンマンを参考にテコ入れして作成中だ。耐久性とパワーの両立、何より大型ボディのプログラミングがキチぃんだわ」

 

『高防御に高火力……浪漫ある炎属性ナビだからストンナも楽しみなのですよ!』

 

 憐れなり光熱斗、火野ケンイチとストンナの化学反応によってトンデモネットナビが生まれようとしていたぞ!

 

「―――んでだ、お前に見せたいものがある。お前ら、プロジェクトFのフォルダを開けるぞ」

 

『?』

 

「アレをですか? つまりはその子が?」

 

「ああ……オレに熱い夢を見せてくれた恩人さ」

 

 どうやらヒノケンの言う「例のフォルダ」とはトップシークレットなものらしい。男性スタッフが驚いたように彼を見るが、告げられた言葉に頷いてコンソールを弄りだす。

 数多のパスワードとセキュリティによって開かれた赤いフォルダから膨大な情報が飛び出し、あるネットナビの設計図が浮かんでくる。

 

 

『―――おお』

 

 

「これがオレの……オレ()の夢だ。まだ設計段階だが、ファイアマンを始めとしたあらゆるデータを注いで完成する、オレが考える世界最強の炎属性ネットナビ」

 

 

 

「オレはコイツに英雄が梃子摺る程に強大な邪竜の名を与えた。その名もファーブニルだ」

 

 

 

 ストンナと出会った時から始まった火野ケンイチの夢。

 何の因果かWWWからニホンが誇る科学省に鞍替えし、同志も少しずつ集まってきた。

 その結晶こそがこのネットナビ……凹凸が減ってスマートとなったが、ストンナが記憶しているネオアルカディア四天王の一角そのままの姿だった。

 

 

 最強の炎ナビを作ると言う夢を叶えつつある元悪党の熱血漢を、ストンナはほんの僅かに笑みを浮かべてモニター越しに眺めていた。




・トーチマン
古風な番長ガンテツのネットナビをヒノケンが炎属性にリメイクした姿。
ガッツマンやメタルマンと同じ格闘重視カスタムだが、彼と違い細身でパワーよりテクニックで戦うタイプ。其処に炎属性を付与することで火力アップさせた。
元ネタはロックマン11のボスロボット。ライトシリーズでもワイリーナンバーズでもないロボット。

・マグママン
「ゴリゴリの超重量級ネットナビ」のデータが欲しくストーンマンのデータを参考に制作中のネットナビ。
元ネタはロックマン9のボスロボット。ぴょんと飛んでは3方向ショットを繰り返す。

・ファーブニル
ヒノケンがストンナと出会った事で生まれ変わった切欠。彼が描く「世界最強の炎属性ネットナビ」の設計図。
元ネタはロックマンゼロシリーズに登場するネオアルカディア四天王の一角。

次回は【オフィシャル】。お堅かった炎山もすっかり丸くなりました。残念な部分もありますが…。
その他にも帯広シュン、ミュージシャンズこと自律ネットナビ達、元悪党のネットナビの再就職など盛り沢山。

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