ストーンマン拾ったんで魔改造するです!   作:ヤトラ

13 / 70
前回のあらすじ:ガウスおじさまと一緒

思いついたネタの為にかなりガバ設定が入ります。原作に近い流れにはなりますのでご了承ください。
また前話の感想版で話題になっていた事に関して触れておきます。気にしすぎかな?

いつも誤字報告ありがとうございます。読者の皆様にはお世話になっています。
更新の度に感想と報告が増えるのは、色んな方が読んでくれてるって証拠。嬉しい。


【オフィシャル組と飛行機電脳】

 

 どうも、実はクモが苦手で内心ヒヤヒヤしていたストンナです。

 

 恐怖のメアカモッサドクグモは昆虫博士の機転によって無事捕獲完了。感謝のハグをお見舞いしてやったのです。私がクモ苦手なのをプライド様がバラした時は恥ずかしかったです……。

 座席に座っていたガウスおじさまにもご報告した後、おじさまは頷いてマグネットマンをPETを戻そうとし、暫くしてからマグネットマンが戻られました。

 

『妙なウィルスを見掛けたのでデリートしましたが、手こずりました』

 

 そう言ってマグネットマンは対峙したというウィルス『チュートン3』のデータを、その場に居たオフィシャルのお兄さんに提供したです。

 出てきたのは1匹だけだったですが、チュートン系の最上種が出たのは確かに妙ですね。オフィシャルのお兄さんは念のためにと機長さんの許可を取って、監視対象であるプライド様を側に置いてウィルスバスティングに励んだです。

 因みに彼のノーマルナビこと水色がベースカラーの『リチャード』は、速度重視カスタマイズで水属性。

 機内の電脳をチェックした所、ちらほらいたキャノーダム2といったウィルスをデリートした程度で、飛行機の電脳に大きな問題は発見されず。

 

 一件落着と各々の席に戻ったのです。後はデンサン空港に着くまでのんびりするです~。

 

 

 

―ごごごごご……!

 

「おわっとと!」

 

『熱斗君、操縦席までもう少しだよ!』

 

「お二人とも足元に御気をつけて!」

 

「あばばばば、ですぅ……!」

 

「す、ストンナしっかり!」

 

 どうしてこうなったですか!?

 

 あれから一時間後。デンサン空港までまだまだかかるというのに飛行機が大きく揺れ始めたです。

 何事かと動揺する中、機内アナウンスでネットバトラーが居れば操縦席までお願いしますと言われたので、熱斗さん・オフィシャルのお兄さん・プライド様・そして私ことストンナが向かっているです。

 

 ガウスおじさまにも声をかけたのですが、マグネットマンは先のウィルスバスティングでダメージを負っていて、回復系のサブチップも切れているから足手纏いになりかねないと断られたです。

 けどガウスおじさまは「これだけのネットバトラーが揃っていれば問題なかろう」と楽観視……いえ、ゴスペルを退けた我々の腕を信頼しているのですかね?

 

 いつもみたいにガシガシと強く撫でて「頼んだぞ」と一言。やる気出たです!

 

 それでも8歳児には厳しい揺れの中を歩き、やっとこさ操縦席にたどり着いたです。まずはネットバトラー代表としてオフィシャルのお兄さんが前に出る。

 

「オフィシャルの者です、如何なさいましたか!?」

 

「左翼エンジンプログラムに異常が起きている! 電脳内で何かが起きているんだ!」

 

「一時間程前にオフィシャルの方がウィルスバスティングを済ませたばかりですのに……?」

 

「もしかしたらゴスペルの仕業かも!」

 

 プライド様の疑惑に熱斗さんが推測するです。

 マグネットマンがデリートしたチュートン3のこともあるですし、可能性としてありえるです。

 既に客として潜り込んだものの、この場にはオフィシャルのお兄さんがいる上、電脳ではマグネットマンにオフィシャルナビが姿を現したことで迂闊に動けず。そして今になって行動を始めたと考えれば……!

 

「とにかく私のナビが先行して左翼エンジンプログラムをチェックします! もしもの場合はロックマン、ストーンマン、緊急事態ということでナイトマンにもご協力をお願いします!」

 

 流石はオフィシャルに属するネットバトラー、さっきまでの気弱さが嘘のように頼もしいのです。いざとなったらやるタイプってやつですね。

 我々が頷くとお兄さんは操縦席の端末にプラグインするですが。

 

『うわっ?!』

 

「どうしたリチャード!?」

 

『先程まで何もなかったはずの電脳に物凄い磁力が発生しています! ダメージや異常はありませんが、身体に磁力を帯びてしまったようです!』

 

 リチャードの報告に眉を顰める私達。どうしてそのようなことに?

 

 磁力付与以外は問題がないということでリチャードを進ませると、電脳エリアはマグネパネルやマグニッカーで一杯!

 更にはより強い磁力の流れが青と赤の2種類出ており、それぞれ方向性が真逆なので移動が困難になるです。この磁力を取り除く為には各エリアにあるという『磁力消去装置』をナビの手によって作動する必要があるのですが……めんどうくさい!

 

『グ、グァァっ!』

 

「リチャード!」

 

 出てくるウィルスはマグニッカーだけでない。ただでさえマグネットパネルで動きにくいのに、面倒な軌道で体当たりを仕掛るユラユラや足の速いチュートンもいて、水属性かつ速度重視のリチャードには荷が重いのです。

 これではリチャードが危ういと感じたお兄さんは彼をプラグアウト。だめじゃん!という気持ちを抑えるですが我々の視線がそう言っているのでしょう……済まなさそうにお兄さんは熱斗さんにタッチするです。

 

 こんな時に限ってなんでマグネットマンが居ないんですか、もう!

 

「よ、よし! 頼むぞロックマン、アクアカスタムだから不安だけど……」

 

『僕は大丈夫! バトルチップで一気にデリートしながら進もう!』

 

 オープンフォルダの枚数が多く複数のバトルチップを送信できるアクアカスタムは、上手く行けば一気にデリートまで持っていける爆発力を持つです。熱斗さんの心配も解りますが、ロックマンの言う通り墜落を避ける為に速攻で進むのが得策なのです……なので!

 

「ここはナビ手を増やすです、いくですよストーンマン!」

 

『ゴゴゴ、了解ダ!』

 

 私達の命が掛かっているからか、ストーンマンもやる気です! 戦闘時は遅いですがエリア移動速度ならストーンマンに分があるですよ!

 

「プラグイン! ロックマン.EXE、トランスミッション!」

 

「プラグイン! ストーンマン.EXE、トランスミッションです!」

 

 電脳に降り立った2人に磁力が付与されるですが、いきなりロックマンがストーンマンに引き寄せられたです。藻掻くロックマンですが、ストーンマンから離れる事ができないみたいです……これはかなり拙いですよ!?

 

「どうしたんだロックマン!?」

 

『急にストーンマンに引き寄せられて……凄い力だ!』

 

『ゴゴゴ……ドウヤラなびノ大キサニ比例シテ、体ニ帯ビル磁力ガ強マルヨウダ……!』

 

「なんと! 今のストーンマンはまさしくマグネ()ストーン()マンになったわけですか!?

 

 

 

 

「ロックマン、ストーンマン、プラグアウトできるか!?」

 

『……ダメだ、磁力が強すぎてPETに戻れそうにないよ!』

 

『おれモダ、スマナイろっくまん!』

 

「どうやらストーンマンに帯びた磁力が強すぎて電脳から離れられないようですね」

 

「無理にプラグアウトしてしまうと2人のデータが破損してしまう可能性があるわ」

 

『ですがこのままでは、ストーンマンはともかくロックマンが!』

 

「あの、スルーは流石に寂しいのですよ……?」

 

 思いついたことを直ぐ口走っちゃった私も悪かったですよ……。

 

『仕方ナイ。ろっくまん、おれノ上ニヨジ登レルカ?』

 

 こんな所でストーンマンに搭載したローラー移動プログラムが役に立つとは。しかしそれを知らない熱斗さんは少し渋い顔をするです。

 

「悪いけどストーンマンの足の遅さじゃ……」

 

『熱斗君、ここはストーンマンを信じるしかなさそうだよ。よいしょっと……』

 

 案ずるより先にロックマンはストーンマンによじ登り、平らな頭頂部(?)で中間姿勢になるです。磁力で体が引き寄せられるですが、これなら膝撃ちぐらいはできそうです!

 

 ストーンマンの上にロックマン……。

 

「これぞロック()ストーン()マンですね!

 

 

 

 

―ゴーッ

 

『うわぁー、速いねストーンマン!』

 

「ストーンマンにこんな機能があったなんて!」

 

『ゴゴゴ……すとんなガ開発シタろーらー移動ぷろぐらむだ。移動ナラ任セロ!』

 

「私達も後でプラグインします。先行はお願いしますね二人とも」

 

「リチャードを『フルエネルギー』で回復させ次第、ナイトマンに続きます!」

 

『頼むぞロックマン、ストーンマン!』

 

『ラジャー!』

 

『ゴゴゴ!』

 

「お~い、そろそろストンナ泣くですよ~……?」

 

 止める気ですらしないってどれだけ嫌なんですか私のセンス……。

 

 ともかく赤と青の磁力消去装置を起動し、左翼エンジンプログラムの異常を取り除くのがロックマンとストーンマンの役目です。

 青と赤の磁力の流れはストーンマンが主に受けているらしく、ロックマンを乗せたまま流れていくです。ストーンマンの移動速度はロックマンが走るより早いので楽々です。

 またウィルスとの戦闘に入るとネットナビに帯びた磁力が弱まるらしく、戦闘はロックマンとストーンマンが交互に行うです。ロックマンは豊富なバトルチップで一気に、ストーンマンは『ヘビーシェイク』や『レーザーゴーレム』の広範囲攻撃で片付けるです。

 

 移動速度ならストーンマン、ウィルスバスティング速度ならロックマンと、意外にも効率的にエリアを攻略していくです。

 遅れてナイトマン、次いでリチャードがプラグインし、その間にも磁力消去装置を作動して(その際に帯びた磁力が弱まり、引き合う力も弱まったです)先に進むです。

 

 そして左翼エンジンプログラムの前にたどり着き―――赤いヒールナビが立ち塞がったです。

 

『来たな……』

 

『お前は誰だ!?』

 

『オレはゴスペルに属する、社会から捨てられた自立型ナビさ……貴様らを始末する為のな!』

 

 肩にゴスペルのマークである「輪を描く猛犬」が刻まれている赤のヒールナビは、マグニッカー2体とその上位種であるマグニルド1体繰り出したです。

 

「いつの間に飛行機の電脳に入って来たんだ!」

 

『我らゴスペルの情報収集力を侮るな。しかし他愛もない! たった1体のチュートン3を放っただけで、無駄に警戒し居ないと解ると一気に緩むのだからな!』

 

 熱斗の問いに答える赤いヒールナビ。彼の言う通りなら、オフィシャルのお兄さんが警戒を緩んだ隙に、乗客に紛れて入ったゴスペルのオペレーターが彼を電脳に送り、このように磁力を発生させてプログラムをバグらせたんですね。

 

『今すぐプログラムのバグを取り除くんだ! 君のやっていることは自滅も同じなんだぞ!』

 

『自滅だと? 構うものか! 新たなる秩序の為、喜んでこの身を捧げよう!』

 

『ゴゴゴ……ドウデモイイ、邪魔スル奴ラハ踏ミ潰ス!』

 

 揺るぎない意志を感じるですが、私達の命が掛かっているです。

 まずはウィルスを蹴散らし、この赤いヒールナビを倒してプログラムのバグを取り除くですよ!

 

 

 

 

 

「そうだ、争うのだ同志達よ。もうすぐハイパワーシステムはゴスペルの物となる……私は脱出の準備に入る。

 手段は問わん。必ず奴らにトドメを刺すのだ、マグネットマンよ」

 

『仰せのままに……』

 




ボスラッシュ(ロックマン・オフィシャル・ストーンマン・ナイトマン)を避ける為に磁力の設定を弄りました。磁極も帯びて複数人ほど不利になる現象。

〇磁石マン+岩石マン
浮かんだダジャレ。これがやりたくてここでロックマンとストーンマンを同時にプラグインさせた。

〇磁石化
磁力を帯びる設定を利用した、付与する磁極はランダムだという設定。
今回はロックマンにS極(青)、ストーンマンにN極(赤)が付与。
ロックマンを乗せた状態のストーンマンが進むので、ゲーム通りに流されます。

〇リチャード
水属性のオフィシャル所属のノーマルナビ。数合わせなので名前は適当。

〇赤のヒールナビ
この後青いヒールナビも出ます。マグネットマンみたくN極とS極を意識。消耗作戦。
社会に見捨てられた自律ナビの1人で、社会を憎むガウスに共感して此度の作戦に協力。
またマグネットマンの能力により磁極を受け付けず、マグネットパネルの効力も無効化。
彼の言った台詞の元ネタはロックマンX8のバーン・コケコッカー。

○ガウスとゴスペル首領
前話の感想版で触れてた内容。本当にどうするつもりだったんだろう原作の2人。
ということで、この作品のガウスは独自の脱出手段を用意しています。ゴスペル首領に関しては後ほど。


後編に続きます。次回にマグネットマンとガウスに遭遇させたい。
いつも感想や誤字報告ありがとうございます!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。