ストーンマン拾ったんで魔改造するです!   作:ヤトラ

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〇前回のあらすじ:(((そんなこと言っている場合じゃないでしょ!)))

※ガウス会長にエグゼアニメ要素が入ります。オネェ口調のイケオジってキャラ好きなんです。



【ロックマンとマグネットマン】

 

 ど、どうも、息苦しくなってきたストンナなのです……!

 

『キングダム……クラッシャー!』

 

 ナイトマンが射出した鉄球が、ハルドボルズ2の鋼鉄の球体を凹ませてデリートして。

 

「今だリチャード!」

 

『アクアブレード!』

 

 着地点を狙った水属性の斬撃が最後のポワルド2を切り伏せるです。

 残るはこれらのウィルスを送り付けた青いヒールナビなんですが……!

 

『くそっ、撤退だ! 我らの恨みはこんなものではないぞ!』

 

 さっきの赤いヒールナビ同様、青いヒールナビも捨て台詞を吐いて逃げていくです!

 悔し気に呻くナイトマンを他所にリチャードが気圧調整プログラムを操作、バグを取り除く。

 

「……よし、気圧調整プログラム正常に作動!」

 

「ふぅ、息が詰まるかと思ったぜ……」

 

「しかしこのままではキリがありません、」

 

「今の回復でサブチップも使い切りました。皆さんは……同じようですね……」

 

 ほっと息をつく我々ですが、プライド様の言う通りキリがなくて困るのです……。

 

 さっきのマグニッカー達はストーンマンとロックマンの二人掛かりで倒したのですが、ウィルスを送り付けた赤いヒールナビに逃げられてしまったです。

 右翼エンジンプログラムは正常化しましたが、その直後に同じゴスペルの手先である青いヒールナビが気圧調整プログラムにバグを植え付け、気圧が下がって息苦しい目にあったですよ。

 幸いにも後に続いてくれたナイトマンとリチャードさんが駆けつけ、今に至るです。因みにナイトマンとリチャードは磁極が正反対だったので二手に分かれて行動していました。

 

 ちょこまか動くウィルスに手古摺って、倒しても寸前で逃げられる……めんどうくさい!

 

「連中の出所を探すにも時間がありません、次こそあのヒールナビ2人をデリートしませんと!」

 

 いくら自立型ナビとはいえやつらを手引きした人がいるはずですが、こちらは4人しかいないですから、乗客全員から探し出すとなると時間がかかるです……ここはお兄さんの言う通り、次こそはヒールナビの二人をデリートしないと!

 

―ごごごごご……!

 

 うひぃ、また揺れるですっ!?

 

「今度はなんだ!?」

 

「高度が落ちています! 更にギア……飛行機のタイヤが出せません! このままでは墜落、良くて不時着せざるを得ません!」

 

「なんだと、スロットルプログラムとギア制御プログラムを同時にか!?」

 

「本気で私達の事を落としにかかってるですぅっ!?」

 

 もしエンジンを即座に爆発させるような事が出来ていたらあの世行きだったですよ!?

 

「ナビの磁極化も弱まっていますし、引き続き二手に分かれて進みましょう!」

 

「オッケー! 頼むぜロックマン、ストーンマン!」

 

『うん! ストーンマンお願い!』

 

『ゴゴゴ……任セロ!』

 

 プライド様に同意して、ロックマンを乗せたストーンマンが発進!

 

 後になって気づいたんですが、別にウィルスバスティングしなくても爆走しているストーンマンならウィルスを跳ね飛ばせたです。ユラユラやポワルド2といった面倒なウィルスはロックマンさんが『ハイキャノン』などで撃ち落としてくれるです。

 まるで戦車みたい……皆様の視線が痛々しいので言うのを止めるです。そんなこと言っている場合じゃないのは解っているんですがねぇ……。

 ロックマンとストーンマン、そしてナイトマンとリチャードが、磁力消去装置も作動させつつ目的のプログラムがある場所へと向かわせるです。

 

 そして私達が一足先にギア制御プログラムに駆けつけ―――え、そこに居るのは……!?

 

『来たな。ストーンマンに……ロックマンだったか』

 

「「「「マグネットマン(です)!?」」」」

 

 私と熱斗さんのPET画面に映る姿は、間違いなくガウスおじさまのマグネットマン!

 悠然と佇む彼を見た私は「既にマグネットマンが解決した」と一瞬思ったですが……隣に平然と居る赤いヒールナビがそれを許さなかったです。

 

『申し訳ありませんマグネットマン様、連中をデリート出来ず……』

 

『時間稼ぎと体力の消耗が目的だ。端から期待などしていない』

 

 我々から逃げ出した事を謝罪する赤いヒールナビなど眼中になく、マグネットマンはロックマンとストーンマンを見据えるです。

 マグネットマンが言ったことを裏付けるように、プライド様とオフィシャルのお兄さんのPET画面にはスロットルプログラムの前に陣取る青いヒールナビの姿があった。分散が目的ですか!

 

『まさかだと思うけど、君は……!』

 

『ご明察。オレはゴスペルの為、この飛行機に搭載しているハイパワーシステムを頂いた所だ』

 

 いつものように不敵に笑うマグネットマンに動揺や罪悪感は感じられないです、いやそれより!

 

「待つですよマグネットマン! アナタがそこにいるということは!」

 

『その通りだよ、キロクラムの娘』

 

 私の淡い希望を打ち砕くように、私のPET画面にガウスおじさまの顔が映し出されるです。

 

『改めて名乗ろう。私はガウス・マグネッツ……ゴスペルの幹部にして、此度のハイジャックを計画した犯人だ』

 

 ガウスおじさまの淡々とした自己紹介(じじつ)が、体感したことのない、しかし死刑宣告のような衝撃を受けたです。

 頭の整理が追いつくより先に、私の身体から力が抜ける。プライド様が支えてくれたので、なんとかか踏み止まる……です。

 私が呆けている間にも、皆様がガウスおじさまに問いかける。

 

「さっきのおじさん!? 今すぐバグを取り除かないと、このままじゃアンタまで落っこちるんだぞ!?」

 

『ご心配なく、既に脱出の準備は整えてあるのでね……扉は全てロックしたから探そうとしても無駄だ。ハイパワーシステムが手に入った以上、後はオフィシャル本部一掃作戦を邪魔した貴様らを、飛行機ごと落とすだけだ』

 

「そんな……どうしてそのような事をするのですマグネッツ会長! 貴方も私のように、ゴスペルに脅迫されているのですか!?」

 

『……墜落まで時間はある。冥途の土産に聞かせてやろう』

 

 そうしてガウスおじさまは語る。

 

 とても貧しい家庭に生まれた事。弟が裕福な家庭に引き取られた事。両親が病死した事。

 必死に働き今の地位と権力を手にして……求めていた物ではないと気づいて絶望した事。

 

『人が憎かった……社会が憎かった! そして貴様もだよ、キロクラムの娘!!!』

 

 怒りの矛先を向けられ、ピッと情けない声を上げて震え上がる。

 

『富、才能、人望、天運……全てが幼い頃より恵まれた、クリームランドが誇る天才! 貴様という存在は、私が憎む世界の理不尽そのものなのだよ!』

 

 ガウスおじさまの怒りと妬み―――それを理解できた……できてしまった。

 

 世界の理不尽そのもの……当然だ。私は前世のゲーム知識を使ってプライド様を救い、前世で人気だった知識を使ってクリームランドを潤したのだから。

 そんな私の才能を妬む人は、クリームランドにすら沢山いる。それを上回る、私を好いてくれる人々や友達が支えてくれて、キロクラム家で育って得た肝っ玉のおかげで気にも留めなかった。

 

 だけど、ガウスおじさまを理解したつもりで全く理解できていなくて。

 おじさまの半生ともいえる社会への憎しみが、自分と重ねていたなんて全く気づかなくて。

 

「そんなのストンナが羨ましいだけだろ!」

 

知っている!! これが醜い嫉妬だということはな! 憎いあまり、あのチンピラ(アラシ)に誘拐を唆し、オフィシャルの本部ごと葬るよう促したというのに……!』

 

「そんなことまでして……なら私やストンナと過ごした日々はなんだったと言うんですか!?」

 

『君になら私の憎しみが解ると思いゴスペルに勧誘しに来たのだよプリンセス・プライド……世界に置き去りにされた小国の王女よ!

 そんな小国が、たった一つのサイトで莫大なゼニーと情報を得て先進国へ舞い戻った! その秘密を探る為、貴様らとお友達ごっこを続けてやったのだ!

 それなのに、それなのにぃ……キーーーッ!! 悔しいワーっ!!

 

「うわ!? おじさんまさかオカマだったの!?」

 

『失礼ね、これはオネェ口調ヨ! アタシはね、昔からストレスが溜まり過ぎるとこんな口調になっちゃうのヨォ! 知られたからには生かして帰さないわ! キロクラムの娘と共に落ちればいいのヨ!』

 

 次々と明かされる事実。大好きだったガウスおじさまが、私の中でガラガラと崩れていく。

 

 嫌いだとか生意気だとか色々な人に正面から言われてきたのに……ガウスおじさまに面向かって言われるのが、こんなに辛いだなんて。

 

「―――ふぐっ……う゛、う゛う゛ぅぅぅ……!」

 

 声を押し殺して泣くしか、私にはできないです……!

 

「ストンナ!」

 

『すとんな! シッカリシロ!』

 

 プライド様が抱き締めストーンマンが呼びかけるですが、対応できないです……今は只々泣きたくて泣きたくて……っ!

 

「ストンナになんてこと言うんだ! 大体自分からオカマだってバラしたくせに!」

 

『うるさいうるさいうるさぁーい! マグネットマン、デリートしておやり!』

 

 熱斗さんが怒るも、それを上書きするようにガウスおじさまが甲高い声で喚く。

 

『というわけだストーンマン。マスターはああ言っているが、オレはお前とナイトマンの事は嫌いではなかったよ―――だからせめて、オレの手でデリートしてやる』

 

 こちらはこちらで衝撃の事実です……あんな態度を取っていたマグネットマンですが、ナイトマンとストーンマンの事を気に入っていたのですね。

 

『ゴゴゴ……まぐねっとまん……!』

 

『ストーンマン……。 マグネットマン、君はそれでいいの!?』

 

 戸惑うストーンマンを心配したロックマンがマグネットマンに問いかける。

 友達を手に掛ける事、ガウスおじさまはマグネットマンを置いて脱出する事、これが皆の為にならない事……それらを含めたロックマンの問いかけを、マグネットマンは鼻で笑って答える。

 

『オレのバックアップデータはマスターが保持している。何の問題も無い。それに情などより―――忠義が勝る!』

 

『微力ながらお手伝いします、マグネットマン様!』

 

 マグネットマンと赤いヒールナビが並び、戦闘態勢に入る。

 

「ロックマンにストーンマン、ここは戦うしかない!」

 

『解ったよ、熱斗君! ストーンマン、ストンナの為にも戦わないと!』

 

『ゴゴゴ、すとんな……!』

 

 私が泣いているからPET画面ではストーンマンが不安そうに振り向いて見てくるです。

 けどロックマンが気に掛けてくれたおかげで、ストーンマンはマグネットマンと向き合うです。

 

「ナイトマン、急いでスロットルプログラムを! マグネッツ会長を止める為に!」

 

『承知いたしました!』

 

「こちらの相手はナビ1体とウィルスが3匹だ、ナイトマンと連携して一気に畳みかける!」

 

『解りました!』

 

 プライド様とオフィシャルのお兄さんは、スロットルプログラムの前を陣取る青いヒールナビとウィルスに対峙するナイトマンとリチャードに激励を送るです。

 

 そんな中で私は泣いて泣いて……服の袖で涙をグシグシと拭うです。

 

「ふー……泣いて少しはスッキリしたのです……やるですよストーンマン!」

 

『ゴゴゴ!』

 

 ごめんストーンマン、まだ泣きそうです……けどこっちには乗客の命が掛かっているんです!

 

「「バトルオペレーション、セット!!」」

 

『『イン!!』』

 

『こんな所でチーム戦だなんてね……ゲーム開発前の試験には丁度いいワ!』

 

 熱斗さん、ロックマン! 力を合わせてゴスペルチームを倒し、プログラムを直すですよ!

 




ファーストクラスの客「変なおじさんに追い出されてしまったわ……」

〇ガウスの居場所
【操縦席】=【ファーストクラス(ココ)】=【一般席】=【トイレ等】
原作と違うのは扉をロックしたので邪魔者が入ってこないという所。
こじつけが強いでしょうが勘弁してください……。

〇オネェ口調
当作品のガウスはストレスが溜まるとこうなる。娘は行動で発散するタイプだし。
アニメエグゼの印象が強すぎてどうしても書きたかった。
アニメと違って女装の気はない。そこは次回に触れておきたい。

〇ナビ4体がかりじゃ普通勝てないでしょ
感想版で散々言っていますが、原作寄りにした結果こうなりますよね(当たり前だ
なのでヒールナビを添えて戦力を分散させました。こじつけです。

〇ストンナにとってのガウス
頼れるおじさま。社会を憎む心を徹底的に隠していたので気づかなかった。
アニメエグゼを見るとオカマであることを除いても良いキャラしていると思う。

〇ガウスにとってのストンナ
全てが恵まれた嫉妬の対象。ありのままに振る舞いありのままに才能を振るう才女。
しかも転生で前世持ちなので、得体のしれない相手だとガウスに思われても仕方ない。
それでもプライド様が変わった程だし、影響が全くないとは言い切れない。

そろそろ二日に1度更新が厳しくなったので、少し間が伸びるかもしれません。
いつも感想や誤字報告ありがとうございます!励みになっています。
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