ストーンマン拾ったんで魔改造するです!   作:ヤトラ

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※プログレスペットとかビーストリンクゲートとか、まだまだ知らないことだらけです。アドコレちまちまとでも楽しんで進めたいものです←まだエグゼ2。

フリーズマンとの戦闘はバッサリカット。ストンナが中心になります。


【ストンナと祐一朗】

 

「こーら。勝手にプログラムの強度を上げようとしない」

 

「はいなのですー……」

 

 ほんのちょっと装甲を強化してあげようとしたらバレたです。流石はDr.ヒカリ、目敏い。

 

 私達開発班+1は祐一朗さんの研究室、熱斗さん達ネットバトラー組はオフィシャルのサーバー前に居るので別行動中なのです。

 

 今頃はロックマンとブルースがゴスペルサイトに突入したり、ナイトマンとガッツマンが氷ウィルスをガンガン壊したりしている間に、私ことストンナとDr.ヒカリこと祐一朗さんは科学省でお留守番です。

 勿論只のお留守番ではなく、ガッツマンの強化プログラムを参考に「オフィシャルのノーマルナビを対象とした強化プログラム」を作成しているのです。ストーンマンもモニター内で手伝ってくれているですよ。

 

「あ、その出力値はオフィシャル的に見てアウトです。高ければ良いってわけじゃないんです」

 

「ダメですかー……」

 

 オフィシャルのお兄さんことヨウ太さんも目敏い……流石はオフィシャルというですか。

 

 因みにヨウ太さんが居るのは、いくら祐一朗さんと私が良い人だからといって強化プログラムという劇薬(炎山さん談)を任せるのはオフィシャルとして見逃せないとのこと。

 まぁ先の氷ウィルス騒動でリチャードが大破して修復中なので(ナビ用ギプスとか巻いてました)、出動したくても出来ないってのが事実ですけどね。

 

 それにしても……。

 

「むー……自分の思う様に改造できないって意外と辛いのです……」

 

「完全にマッドサイエンティストの発言だね……」

 

 ヨウ太さんの言う事はご尤もですが、こればかりは性分なので何とも言えないです。

 

 この【グレートHDD】もそうなのですが、私がネットナビの魔改造を得意としているのは趣味の為だからなのです。重装甲ハイパワーは浪漫なのです。

 しかしDr.ヒカリや炎山さんに指摘されるまで、ガッツマンGの『ガッツアーム』の危険性を全く考えてなかったのです。氷ウィルスの時は周りにナビが居なかったから良かったものの、見られて真似されたらどうなったことか。

 

 プライド様に怒られたのも、一人で勝手にニホンのあっちこっち行ってしまった事でした。

 私はやりたいと思ったら止まる気になれないのです。そこは自分でも短所だと解っているのですが、それを直そうと思う事はあまりないのです。

 防犯意識だとか、この間誘拐されたばかりだとか、心配かけたのはプライド様だけでなく家族友達やストーンマンにも……。

 

「……ストーンマン」

 

『―――ゴ? 呼ンダカすとんな』

 

 モニター内で外装プログラムの強度数値を弄っていたストーンマンが振り返るです。

 

 忘れていたです……ストーンマンは元々WWWに所属していた自律型ネットナビだったのです。

 彼のデータが消失しかけた所を修復した際にWWWが施されたデータは殆ど取り除いたですが……ゴスペル同様に社会をデリートしようとした悪の組織のネットナビを置いといて大丈夫なのでしょうか?

 

 勿論ストーンマンの事は信頼しているのです……ですが……もしも……。

 

 そう悩んでいた所へ、Dr.ヒカリの大きな手が私の頭にポンと置かれたです。

 

「何を悩んでいるのか話してごらん?」

 

「……解るですか?」

 

「僕も息子を持つ父親だからね。確かにストンナちゃんは顔に出しにくいだろうけど、なんとなく解ってしまうものなんだよ」

 

 私の父と同じように、大きくて暖かな手が優しく撫でてくれる。それだけで安心してしまうとか、ひょっとして私はチョロインなのかと疑ってしまうのですよ。

 ここにはオフィシャルの人ことヨウ太さんもいらっしゃいます。熱斗さんは対峙したことがありますが、知らない2人にストーンマンの事を話すことに少し抵抗はありますが……。

 

『すとんな』

 

 モニターからの声に顔を上げる。見ればストーンマンが真っ直ぐとこちら側を……恐らくは私の事を見てくれて言うです。

 お互い感情が読めないけど、Dr.ヒカリが言ったように、なんとなく解るです。ストーンマンは私の不安を理解してくれて、話して構わないと。

 

「……ストーンマンは、元はWWWのネットナビなのですよ」

 

 予想外な答えに目を見開くDr.ヒカリとヨウ太さん。けど私は話続けたのですよ。

 

 ストーンマンと出会った日の事。修理した事。彼の了承を得た上で持ちナビとして受け入れた事。彼を魔改造した事。色んな人とネットバトルした事。誘拐された私を探してアメロッパ中を駆け巡った事。

 

 私が最も信頼している相棒であるストーンマン……そんな彼を、元WWWという理由だけで危険だと判断される事を恐れているのです。

 

「Dr……いえ、裕一郎さん。私は……ストーンマンを拾ったのは、間違い、だったり、するですかね……?」

 

 震える私の身体と声。未だ私の頭には祐一朗さんの手が乗っているですが動いていない。顔を見上げるのが怖くて俯き続けると。

 

『間違イナンカジャナイ!!』

 

 雷が落ちたかのような音と振動がモニターから響いて、私達三人は跳び上がる。

 モニターにはストーンマンしか居ない……両腕を振り下ろしていて、そこを中心にエリア中に罅が入っていて……かなりの力を込めて叩きつけたのが解るです。

 

『すとんなガおれヲ信ジテイルノハ解ッテイルガ、不安ダヨナ。Dr.わいりーガおれノぼでぃニ何ヲ仕掛ケテイルカナンテ、オ前モおれモ解ラナイカラナ……ダガナ!』

 

 もう一度、ドゴン、と地面を両腕で叩きつけるストーンマン。

 けど私には解るです。ストーンマンのしている事は、怒りの為の主張ではなく、正しさの主張だって。

 

『おれト出会ッタアノ日ヲ……オ前ノなびニナッタアノ日ヲ! 間違イダッタダナンテ、言ワナイデクレ!』

 

 ストーンマンと(ストンナ)が出会った事は正しいんだと。(ストンナ)のナビになった事は間違いなんかんじゃいと。

 それを言葉と身体で示してくれたストーンマンが嬉しくて、嬉しくて……再び小刻みに震えている私の頭を、裕一郎さんの大きな手が再び撫でてくれた。

 

「……実はね、私と熱斗とロックマンはアジーナ国の国宝『チェンジ.bat』を無断で拝借しちゃったんだよ」

 

「え、それ借りパクじゃないですか!?」

 

 祐一朗さんの唐突な独白にいの一番に驚いたのはヨウ太さんでした。

 

 国際問題に発展しかねない爆弾発言をオフィシャルとして放っておけるわけがないので……私も目を丸くして驚いたらしく『す、すとんなガ目ヲ見開イタ!?』とストーンマンが驚愕してたです。マジか。

 私達の反応は祐一朗さんにとっては想定内だったらしく「だよねぇ」と困ったように笑顔を浮かべているです。この肝の据わり具合は熱斗さんに受け継がれたのですかね……。

 

「事が終わったら返すのは勿論、オフィシャルやアジーナ国から処罰を受ける覚悟はあるよ。最悪辞職も視野に入れているが、そうならないよう最大限務めるつもりだ」

 

 もちろん熱斗とロックマンの事が最優先だけどね、と口足す祐一朗さんには、罪悪感こそあれど後悔は感じさせなかったです。いやそれはそれで問題なのでしょうが……。

 ヨウ太さんも腕を組んで悩んでいるのを他所に、裕一郎さんは「だからね」と私の肩に手を乗せる。

 

「私も、熱斗とロックマンですら、正しいと思って悪い事をしてしまう。だけど正してくれる人だって周りに大勢いる。ママや友達、炎山君だって、熱斗を正す為に咎めてくれる」

 

「君とデカオ君が良いと思って作った強化プログラムだって、周りの人が危ない使い方もあるぞって気づかせてくれたじゃないか。炎山君や私のようにね」

 

「もしストンナちゃんかストーンマン……或いは両方とも暴走したとしても、止めたり正したりしてくれる人がきっと居るはずだ」

 

 微笑む祐一朗さんの顔を見ながら、彼の言う「止めたり正したりしてくれる人」……プライド様やアケートを始めとした友達、両親とネットナビ達……それにストーンマンが思い浮かんだ。

 もう一度モニターのストーンマンを見る。あまり動きが見られないが、その無機質な目の光は私を見つめていて、お互い様だと言ってくれているように感じられるのです。

 

「そうですよ。あなた方の家族や友達も当然ですが、我々オフィシャルだっています。人々がネット犯罪を起こさないよう指導するのだって我々の役目なんですから!」

 

 張った胸を叩くヨウ太さん。普段は大人しい彼ですが、やるときはやるお兄さんなのですよ。

 そうなのです。世の中は善悪の差が激しいですが、良い人やしっかりした人だって沢山いるのですよ。ストンナはまだ子供ですし、これから色々な事を学んでいくです!

 

「だからねストンナちゃん」

 

 祐一朗さんは良い笑顔を浮かべながらパネルを操作、ストーンマンの横に設計図のようなウィンドウが出てくるです。

 それは空飛ぶ赤いスケボー。ノーマルナビの容量ギリギリで作った、エリア移動に役立てるであろう強化プログラムなのですが……ストーンマンはその設計図をジト―っとみてから、私を見る。

 

「ダメですか?」

 

「ダメだよ」「ダメです」『だめダゾ』

 

 設計図ですら勝手に作っちゃダメですか。そうですか。

 

―ピリリリ!

 

 おっと? モニターに繋げていたPETが鳴ったので手に取り、メールを確認するです。

 

【FROM:プリンセス・プライド】

【TO:ストンナ・キロクラム】

【SUBJECT:氷ウィルスが】

 突如として一斉に砕けていきました! きっと熱斗と炎山がやってくれたんですね!

 

【FROM:イワン・コオリスキー】

【TO:ストンナ・キロクラム】

【SUBJECT:大寒波が止まったチョフ!】

 氷ウィルスが全部砕けて、クリームランドの環境維持システムが動き出したノフ!

 ちょっと名残惜しいチョフが、これでクリームランドは大丈夫チョフよ!

 早くプライドと一緒に帰ってきて、甥っ子と友達を安心させてやるんだスキー!

 オレがシャーロに帰る前にな!

 

「クリームランドの大寒波が消えたですって! 祐一朗さん!」

 

「こちらでも確認したが、世界中の環境維持システムが動き出している!」

 

 私がメールを見ている間に祐一朗博士とヨウ太さんもモニターで確認していたようです。

 ロックマンとブルースが、氷ウィルスの元凶をどうにかできたのですね! ぴょんぴょん跳んで喜んでいると祐一朗さんはほっと息をついたです。

 

「熱斗からメールが来たんだが……もう大丈夫だ。フリーズマンというナビを倒したことで、全ての氷ウィルスが砕け散ったのを見たそうだ」

 

 プライド様やコオリスキーおじさん、そして熱斗さんのメールが合わさった事で、自然災害の脅威は完全に消え去ったということが証明されたのです!

 祐一朗さんにとっては熱斗さんとロックマンの安否が確認できたのが大きいんでしょうけど、これで一安心なのですよ~!

 

 この後は研究室にプライド様を始めとしたネットバトラーの皆さんと合流、事件を解決できた事を喜び合ったです! 炎山さんはいつも通りクールに佇んでいるようで、少し嬉しそうな顔を浮かべていたのですよ。

 

 熱斗さんとは少し依頼をこなしてから(勤勉な事に依頼掲示板の依頼をチマチマやっているそうなのです)家に帰るとのこと。祐一朗さんも「一段落着いたから少しは寄り道しても大丈夫」と言っていました。

 

 炎山さんはオフィシャルからの連絡を受け、急遽アメロッパに向かう事になって走って行ってしまわれたです。自然災害が落ち着いた事で燻っていたネット犯罪者が動き出したんだろうと炎山さんは推測していたですが……。

 

 そして私とプライド様はと言えば。

 

『キングダム……クラッシャーッ!』

 

『ふんぬぅっ! でガッツ!』

 

 なんと! ナイトマンの鉄球を両手で受け止めてしまうとは! ガッツマン恐るべし、です!

 

「いっけぇガッツマン!」

 

「流石のパワーですね! ですがナイトマンは負けませんよ!」

 

 事情聴取も氷ウィルス騒動も終わりましたし、強化プログラムに関してはオフィシャルと連携して開発するよう炎山さんを通じて申請したのです。

 なのでクリームランドに帰る前にデカオさんとネットバトルしたいとプライド様が申し出たのですよ!

 

『ゴゴゴ、負ケルナないとまん!』

 

「ガッツマンも頑張るのですー!」

 

 そろそろ接近戦になるので佳境に入ると踏んだ私とストーンマンは一層応援するです!

 結果はナイトマンの勝利、割と優勢でした。クリームランド最強は伊達ではないのです!

 

「さぁストンナ、次はアナタが知り合ったというコマ職人に会いに行きますよ!」

 

「プ、プライド様、ちょっと待って……」

 

「気ぃ付けて行けよー」

 

 デカオさんに別れの挨拶を済ませた後、お気に入りの帽子を被り直して狩猟服のポケットにPETを入れてから駆け出したプライド様を追いかけるです。

 今度はストンナがプライド様の暴走を止めなくては……ああけど先にマサさん達に是非とも合わせてあげたく……!

 

 私達のニホン観光はこれからだ! なのです!

 




〇空飛ぶ赤いスケボー
言わずもがなアイテム2号。「シノビダッシュ」搭載のエリア高速移動アイテム。
これがあれば雑魚ウィルスとエンカウントせずスイスイ動ける……予定だった。

〇ニホン観光
プライド様「私だって少しでもいいからニホン巡りしたい!」

次回はストンナの日記編。ゴスペル編ラスト前の息抜き。
ちょっとニホン巡ってからクリームランドに帰ります。
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