ストーンマン拾ったんで魔改造するです!   作:ヤトラ

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チサオ君とストンナに一体何が起こったのか。


【ストンナとチサオ(真)】

 どうも、ストンナ・キロクラムなのです。

 

 私は鉄塔の頂上で、同い年(8歳)のチサオ君に飛行機事件の全容を語っているのです。

 自分でも何を言っているのか分からないのですが、そういう事になってしまったのです。犯人はロリショタコンドル。

 

「そうして自棄になったガウスおじさまは、マグネットマンに自爆せよと命じ、自分ごと飛行機を落とそうとしました!」

 

「それでそれで? どうやって助かったんでちゅか?」

 

「マグネットマンは静かに一言申し上げたのです……『断る』と!」

 

「えーっ!? いくら自爆を命じられたとはいえ、今まで忠実だったネットナビがオペレーターの命令を拒否したんでちゅか!?」

 

「マグネットマンにとって自爆自体は問題ではなかったのです。自爆することでオペレーターが死んでしまうことがダメなのですよ」

 

「えっと……どういうことでちゅ?」

 

「それが『忠義』ってヤツなのです……要するに、例え命令でもオペレーターを死なせたくなかったのですよ」

 

「……プリンセス・プライドとナイトマンのような?」

 

「凡そ似ているですね。これもまたオペレーターとネットナビの絆ってやつなのです」

 

 そう締めくくると「ほへー」と感心するチサオ君。チサオバイブレーション(仮)も収まったようでなによりなのです。

 高い所怖い→ここよりもっと高い所で落ちかけたことがある→飛行機事件の話へと切り替えて良かったですよ。

 折角マグネットマンとナイトマンの話に触れたし、まだネットナビを持っていないチサオ君に理想のナビでも聞いてみようか……そう思っていると。

 

「ねぇ、ストンナちゃんはガウス会長の事をどう思っているんでちゅか?」

 

 なんでガウスおじさまの話をチサオ君が振るですか? そう思ったですが、んー、と答えを纏めておく。

 

「ガウスおじさまは社会が憎くてゴスペルなんかに入ったですが、魔が差しただけで、普段は立派で偉大なおじさまなのです。ちょっと意地悪ですが、視野が広くて真っすぐで……私の憧れなのです」

 

 勿論、一番の憧れはプライド様なのですが。大事な事なのでそう付け足すのです。

 するとチサオ君もまた何かを考え出し……はぁ、とため息を零す。下を向いちゃ駄目ですよ、また怖くなっちゃうから。

 

「……ボクは兄ちゃんみたいな強い男になるのが夢なんでちゅ。憧れの兄ちゃんに近づきたくて」

 

 ぽつぽつと語り出すチサオ君の顔は、迷っているような、諦めているような、そんな複雑な感情を浮かべているです。

 

「けどストンナちゃんが憧れているのは、大企業の会長さんにクリームランドのお姫様……凄い人ばかりで、ボクじゃとてもなれそうにないでちゅ」

 

 ふむふむ……まぁそれは環境がそうさせているから仕方ないのです。

 

 私はクリームランドでも有数のお金持ちで、クリームランド王家にも近しい科学者の娘……自分で言うのもなんですが一般人とは言い難いです。

 そんな私の周りには、いつだって凄い人達で囲まれていたです。お父さんにお母さん、アケート君は将来有望のフィギュアスケーター、クリス君は硝子職人見習い、ボンキュッボンなバストちゃん、膨大な数の羊を操るウールちゃん等々。

 

「ボク……ストンナちゃんを振り向けるような男になれるんでちょうか」

 

「なれるなれないんじゃなくて、なる努力をすればいいじゃないですか」

 

 こういう所はまだまだお子様なのですねチサオ君も。

 その小さなお目目をパチクリさせているチサオ君に言ってやるとしましょう―――プライド様をも変えさせてみせた、私の意志を!

 

「チサオ君、やる前から弱気になって止めるのは腰抜けがすることなのです。私は腰抜けだけは嫌いなのです。なんでもいいからやってみて踏み出すんです!」

 

「やってやってやりまくって、もうダメだと思っても這い上がって、それでも力尽きたら諦めればいいんです!」

 

「休んでも止まってもいい、なんなら新しい夢を見つけてもいい。また歩き出して、限界までやればいいのです!」

 

「少なくとも私は理想(ストーンマン)を掴めました!」

 

「だから理想を、夢を、決して無くしちゃいけないのです!」

 

「理想を! 自分で!! 叶えるために!!!」

 

 熱くなっちゃったみたいで、いつの間にかチサオ君の顔が目と鼻の先にありました。

 顔を赤くしているですが、その小さなお目目をパッチリ開いて、私を見てくれています。

 この調子なら伝わったようですね……顔を離し、チサオ君の隣に座り直すです。

 

「まぁ、私みたいな変人に、惚れたって言ってくれて、嬉しかったので」

 

―――がんばるですよ。

 

 ちょっと恥ずかしくなったので地平線の彼方へと顔を向けるです。ちょっと顔熱いので……。

 チサオ君がしたような激しいラブコールを受けたことなんて、今まで一度もなかったですからね。転生した身ですが、これでも心も体も女の子なので。

 

 暫し沈黙……とても気まずい。

 

「―――そ、そういえばチサオ君は、まだネットナビを持っていないんですよね!?」

 

「ひゃっひゃい、そうでしゅっ!?」

 

 強引にでも空気を変えようと私の得意分野でお話してみるです。

 何それっぽい空気になっているんですか! 私達、まだ8歳! 未来はまだ分からない!

 

 そんなわけでチサオ君の理想のネットナビについて語ってみた。

 

 ガッツマンみたいなナビが欲しいとのことですが、まんま同じはつまらないのです。

 なので私が昔アイディアとして貯めておいた(という設定の)無印ロックマンシリーズのナンバーズをリメイクしたナビを幾つか上げてみる。

 ガッツマンに似せたパワー特化ナビ・コンクリートマン。男の子のロマン・合体機能を持つブロックマン。Xシリーズより参戦・巨象モチーフのナウマンダー等々。

 パワー系ナビを夢見るチサオ君のお目目がキラキラと輝いていたです。ふはは、ロックマンシリーズのロボットはいいぞぉ!

 

 しかし話していればいる程……意外とバブルマンと相性良さそうですね。オペレーター候補として頭のメモに入れておくのです。

 

「おーいチサオー! ストンナー!」

 

 むむ? 足元からデカオさんの声が。 思わずといった感じに私達は下を向く。

 鉄塔の近くに消防車があって、そこから伸びる梯子の先にデカオさんとオフィシャルの腕章を付けた大人が乗っていました。

 

「あ、兄ちゃん!」

 

「熱斗が解決してくれたぜ! 助けに来たぞ!」

 

「落ち着いて待っていてくれ!」

 

「はいなのですー」

 

 ゆるゆるとこちらへと近づいてくる梯子を見て、ようやく息を吐く私とチサオ君。

 そういえば、ここが高所だってことをすっかり忘れていましたね。そう思ってチサオ君の顔を見たら、彼も私の方へ振り向いたのです。

 きっと同じことを考えていたのでしょう。思わず私達は笑っちゃいました。

 

 怖い所でも、友達といると安心できるですね!

 

 こうしてデカオさんとオフィシャルの方に助けられ、やっと地面に降りれた私とチサオ君。

 我慢出来て偉かったとデカオさんに頭を撫でられ、得意げになるチサオ君。単純ですねぇ。

 

「ストンナちゃんって頭いいなーと思ってまちたが、面白い人でもあるんでちゅね」

 

「おや、理想と違って幻滅したです?」

 

 いつしか素の私を曝け出したですが、それはそれで構わないのです。

 所詮「くーるびゅーてぃー」な私はハリボテも当然だったですし。けどチサオ君はブンブンと首を振る。

 

「くーるびゅーてぃじゃなかったでちゅが、ストンナちゃんに惚れ直したでちゅ……」

 

 にへ、と顔を赤くして笑顔を浮かべるチサオ君……なんか照れるですね。

 

「よせよ照れるぜべらんめぇ、です」

 

 表情こそ変わらないでしょうが、顔はきっと赤いんでしょうね。照れ照れ。

 だからなんで8歳児がこんなドキマキしているんですか。まだ私に恋愛は無理!

 

 

―――なんですか熱斗さん達、そんな目を点にして。助けてくれたことには感謝しているですよ?

 

 

「「ストンナーーー!!」」

 

「ごふっ」

 

 8歳児にアラフォー×2の体当たりはキツ過ぎる!!!

 

 突如として私に抱き着いてきたのは、私のお父さんとお母さんでした。

 しゃがんだ状態で両側から抱き着き、無表情でもオイオイと泣く両親に一同呆然。

 

「お父さんにお母さん、どうしてここに?」

 

「ニュースでよかよか動物園の騒動を知ってネ、仕事を放ってすっ飛んできたのだヨ!」

 

「良かったー! 無事で本当に良かったー!」

 

 私の柔らかな頬が変形する程に頬を摺り寄せるご両親。恥ずかしくて顔に熱が。

 

 ここでお父さん、チサオ君の存在に気づき―――何かを察したらしく。

 

「―――娘はやらんからナ!!

 

「気が早いのです!」

 

 食らうです必殺ストンナヘッドバッド!

 

 まぁ兎に角、動物達も大人しくなり、オフィシャルの皆さんも来て動物脱走事件は集結。あのカバさんもキャベツを食べて大人しくしてました。

 解決してくれた熱斗さん・ロックマン・ストーンマンから、犯人はWWWだという事が解りました。お父さんことメガト・キロクラムが配置した大型ウィルス『ガメライザー』はも役立ったそうです。

 念の為にとオフィシャルネットバトラーとお父さんが動物園のサーバーを調べた所、なりきりメットールが蹴散らされた事以外は問題ないとのこと。

 

 お父さんもホッとしてたですよ。ガメライザー役立てて良かったのです。

 ストーンマンもお疲れ様なのです。轢き逃げアタック(仮)、今回も大活躍でしたか!

 技プログラムとして採用するですかねぇ……熱斗さんとロックマンが微妙な目で見てきたから、今は止めておくですが。

 

 この後、お父さんお母さんも交えて再度動物園巡りしたです。コンドルさん行方不明なのが気になるですが。

 その間、お父さんバリアーでチサオ君を寄せ付けなかった。だから気が早いのですって。

 

 次のN1グランプリ最終予選、頑張らないと。




ちびっ子がドギマギしてるの書くの楽しかった(笑)

○ストンナ憧れの人
超有名人炎山や実の父親より、ガウスやプライドに憧れる幼女。

○チサオのナビ候補
アニメのカッツマン(偽)が印象深かくて、カッツマンでいいかなーって考えた時期があった。
けど折角だし、と頭に浮かんだチサオのリメイクナビを並べて見ました。
Xシリーズモチーフのネットナビを作中に出したいと日頃狙っております……クリス?それは置いといて。

○ストンナ父暗躍?
よかよか動物園の事件を知って駆けつけたり大型ウィルスを設置したりサーバーをチェックしたり安堵したり。
それはそれとして愛娘第一なんだけどネ! そんなナチュラル親バカ。

○轢き逃げアタック(仮)
感想板のドライブクラッシュという技名にときめいた(笑)

N1グランプリ最終予選まで一気に駆け抜けたい。てかさっさと本戦書きたい!
その前に近々IF魔改造ネタを放り込む予定です。

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