ストーンマン拾ったんで魔改造するです!   作:ヤトラ

57 / 112
漸くここまできました。
書いてみたかったストーンマンVSメタルマンが実現しました。
色々とご都合主義やニワカ知識が目立つでしょうがお許しください。

書きたいシーンを書ける時が来ると滾るものですね(笑


【ストーンマンVSメタルマン】

 

 様々な国の料理が並べられた昼食を終えて……ついにベスト4決定戦が始まるです。

 

 第一試合、つまり一番手は私ことストンナ・キロクラムと、白泉たま子さんです。

 扉を潜った先に広がるのは、角のように立つ二本の電波塔を挟むように置かれたネットバトルマシン。一目見ただけで最新型だって解ったです。

 

 PETのメール着信音が鳴ったのでストーンマンに開いて貰うと。

 

―――

 

【FROM:プライド】

【TO:ストンナ・キロクラム】

【SUBJECT:いよいよですね】

 ベスト4決定戦、友達と一緒に観ています。ですが多くは語りません。

 いつも通り、アナタとストーンマンらしく戦ってね。

 

―――

 

【FROM:アケート・フィギュス】

【TO:ストンナ・キロクラム】

【SUBJECT:応援したいけど】

 君とストーンマンに勝ちたかったという想いをミスたま子に託している。

 プライド様らはキミが勝つと信じてるだろうけど、ボクはどっちが勝っても不思議じゃないと思っている。

 ツンドラマンと一緒に見守っています。頑張って。

 

―――

 

 私達の勝利を確信しているプライド様と、たま子さんに想いを託したアケートくんの2通のメール。律儀なアケートくんらしいですね。

 けど見てくれているって改めて解ったので、やる気がモリモリ出るのですよ! 表情筋は相変わらず動かないですけど、気合入ったです!

 

 ストーンマンと互いに頷き合った後、ネットバトルマシンの前に立つ。その向かい側に立つは、不敵に笑うたま子さん。

 

『それでは、ベスト4決定戦・第一試合を開始いたします!』

 

 私達の間に立つ実況者のケロさんがマイク片手に叫ぶ。

 外周には次の試合を待つ選手の皆さんが並んでいるですが、私とたま子さんは互いの顔しか見えていない。

 

『誰が呼んだかクリームランドの巨壁! ストンナ・キロクラム&ストーンマン!』

 

『冷たいボディに熱いハートを持った鋼鉄の闘士! 白泉たま子&メタルマン!』

 

 折角なのでカメラ目線でダブルピースサイン。リラックスのコツなのです。

 硬く重く考えず、頭は柔らかく心は軽やかに行く為に。

 

「あはは、可愛らしいね。緊張が解れたよ」

 

「どうもなのです、お堅くやるのは苦手なのですよ」

 

 キリっとしていたたま子さんですが、私のダブルピースを見て楽し気に笑ってくれたです。

 それでいいのです。私達は本気こそ出せど、緊張する必要はないのですから!

 

『それでは両者、ネットナビをプラグインしてください!』

 

 ケロさんに従い、ネットバトルマシンにプラグインしてナビを転送する。

 PET画面だけでなくネットバトルマシンのモニターにも、ストーンマンの大きな後ろ姿と、奥で仁王立ちしているメタルマンが表示される。

 私達が潜った扉の壁の上に埋め込まれた巨大モニターにも、ストーンマンとメタルマンが対峙しているのが映っているです。

 

『ストーンマンVSメタルマン! バトルオペレーション・セット!』

 

「「イン!」」

 

『ゴゴゴ!』

 

『拳よ唸れぃ!』

 

 開始の合図と共に―――ストーンマンとメタルマンの間に巨大な歯車が二つ重なるように並ぶ。

 

『コンナモノ!』

 

 迫りくる歯車を『ストーンフィスト』で粉砕。石とはいえ分銅の如き形状と質量に押し潰されれば鋼鉄の歯車だって壊せるです。

 その直後にストーンマンの頭上へ降り注ぐは数発のミサイル。メタルマンの『メタルミサイル』が全弾命中して煙に包まれる。

 

 勿論この程度で倒れるストーンマンではない。晴れた煙から煤けただけの巨体が現れるです。

 

「流石に硬いね」

 

 発射したメタルマンは当然と言わんばかりなのに対し、たま子さんは眉を歪めているです。

 

 『メタルミサイル』でHPの削れ具合を確かめ、予想以上に効いていないと解ったからでしょう。何せHPアップ系プログラムパーツをなるべく詰め込みましたからね!

 チャクラムのように投げた『メタルブレード』も嫌な音を立てて弾き、『クエイクストーン』で反撃。それに合わせて私はバトルチップ『マグナム2』を転送。

 メタルマンの退路を断つようにして三発の弾丸が床を割り、巨腕が空から降ってくる……それらをメタルマンは前進へダッシュして避ける。

 

 『エリアスチール』による加速を受け―――ストーンマンの眼前で拳を振りかぶる!

 

ごごぉんっ!

 

 めっちゃくちゃ痛そうな音を立ててストーンマンのボディに直撃。両者微動だにせず。

 拳を押し当てた状態が暫く―本来なら数秒程度なのでしょうが、私達には数分程に感じた―動かずにいると。

 

『―――マダマダ、ダナ』

 

 ストーンマンの言葉に含まれるのは、自身の防御力の勝利。メタルマンの答えは舌打ちでした。

 そのまま片腕を振り上げる間にメタルマンはバックステップ、『ストーンフィスト』を避けるも、降りかかる落石に直撃。

 おほほ、表には出しませんが動揺していますねぇ。確かにダメージは入っているのに、平気だぜアピールされたらそうなるですよね!

 

「どんどん攻めるですよストーンマン! 『ヘビーシェイク』『ストーンアーム2』スロットイン!」

 

 落ちてきたクエイクダバがハンマーを打ち付け衝撃波を放ち、メタルマンの横からヘビーアレイが突っ込んでくる。

 ネットバトルはまだまだこれからなのです!

 

 

 

―――

 

 アタシこと白泉たま子は今、取り乱しつつあるメタルマンを鎮めるので精いっぱいだった。

 

「落ち着け、落ち着くんだよメタルマン―――『マグナム2』が来る!」

 

「くっ!」

 

 地面に浮かぶカーソルに気づいたメタルマン跳躍、直後に三発の弾丸がパネルを穿つ。

 当たれば大ダメージだったろうが、本来のメタルマンならカーソルを目敏く見つけて回避できる。

 勿論、今さっき転送した『エリアスチール』の加速力を得なくてもできることだ……普段なら。

 

「逃がさないのですーっ! 『トーテム』『エリアスチール』スロットイン!」

 

『ゴゴゴ!』

 

 『オウエンカ』で召喚したララパッパの旋律でメタルマンの体制を整えようとするが『クエイクストーン』で潰される。

 その間にストーンマンは前進。更に隣に立つトトポールが火を噴いてメタルマンを追い詰め、顔が回転してストーンマンを回復させる。

 むろんメタルマンも『メタルミサイル』や『メタルブレード』、地中から這い出る歯車で応戦するも、トトポールは兎も角ストーンマンには少量HPを削る程度。

 

 ストーンマンの防御力は、アタシとメタルマンを揺るがす程に高かった。グレネードマンの爆撃をモロに受けても物ともしなかったんだ、当然だろうさ。

 だがメタルマンの鍛えに鍛えた拳を受けても、ダメージは入れど痛がる素振りも揺れる素振りも見せなかった。それがショックだったんだろうね……メタルマンは動揺し続けていた。

 

 更に拙いのは、ストンナのオペレートだ。

 

(ゴリ押しがすぎるね……っ!)

 

 『ヘビーシェイク』に『ストーンアーム2』、『マグナム2』に『トーテム』。

 

 コードが共通しているからあんな連続でスロットインが可能なのか。そこそこレアなチップをコード統一させるとか、金と労力かけているじゃないかい。

 ストーンマン自身の防御力と範囲攻撃に、ストンナのバトルチップで火力支援。やっていることはゴリ押しだが、至って効率的なゴリ押しだ。

 

 『クエイクストーン』含め、いずれも癖のある軌道だが攻撃範囲が広い。それらを重ね合わせ逃げ道を塞ぎ、確実に当てに来るのが彼女らの戦法だろう。

 更に『ストーンキューブ』で障害物を増やし、ストーンマン自らが前進すればより逃げ道は塞がれる。メタルマンにフロート機能を持たせなければ、罅割れや穴で身動きがとれなかったろうね。

  

 無論、アタシ達だって黙ってはいられないさ。

 『オウエンカ』『エリアスチール』『リカバリー』でメタルマンをサポートしつつ、メタルマン本来の武装でHPを削っていく。

 その甲斐あってメタルマンも落ち着きを取り戻しつつあった。自分でカスタムしたとはいえ、熱くなりやすい彼を鎮めるのもアタシの役目さ。

 

 布石も整えつつある―――同類がこの大会に居たおかげでね。 

 

 アタシ達は以前ネットバトルした、同じN1グランプリ選手であるデカオとガッツマンに、恥を忍んでナビカスタマイズを見せてもらったことがある。

 ガッツマンは徹底的なパワーファイターだから、メタルマンの参考になるかと思ったが……ナビカスタマイズを見て真髄というものを知ったよ。 

 

 アタシのメタルマンはフィジカルファイターと言われているが、鋼鉄のボディにフロートやスーパーアーマーといったプログラムを付け足したネットナビだ。

 対するガッツマンは、特別な機能を備えていない。あらゆるプログラムリソースをボディに注ぎ込み、外も中もガッチガチだった。

 

 メタルマンのパンチは強烈な鉄拳をお見舞いできるが、連続して放てる耐久性は意外とない。装甲に対し中身が釣り合っていないからだ。

 ガッツマンのパンチはパワーもスピードもあり、一発が重いのに連続で放てる。人間で言えば腕に筋肉がみっちり詰まっているからだ。皮も厚く、パンチに対する耐久性もピカイチ。

 

 だからガッツマンは一発が重いマシンガンパンチを可能とし、ストーンマン相手に勝利を収めた。 

 それがメタルマンには出来ない。一撃に集中力を必要とし、腕が壊れないようクールタイムを必要としているからだ。

 メタルマン自身は鍛え上げたというが、それは精神的な意味合いが強い。メンタルが拳に出やすいんだよねアイツは。

 

 

 ネットナビに精神論なんて馬鹿げていると、他人が聞けば思うだろう。だがアタシはそうは思えない。

 

 

―どごんっ! 

 

『ぐ―――おぉぉぉっ!』

 

 音と声にぼやけていた頭が覚める。思考に浸っていたが、どうやら数秒間だったみたいだ。

 巨石の片腕がメタルマンの頭上に直撃しているが、HPが半分を切っているにも関わらず、彼は膝を折らなかった。

 

『唸れ―――我がソウルよぉぉぉ!』

 

 それどころか、両腕で『ストーンフィスト』を持ち上げたじゃないか。

 

『ナン……ダト……!?』

 

 片腕だけでもメタルマンと同等かそれ以上の重量を持つ『ストーンフィスト』を直立して持ち上げてみせた。

 これにはアタシだけでなくストンナも、ストーンマンですら目の輝きを強め瞠目していた。

 

『折れぬ! 我が鋼の肉体は折れぬぞ!!』

 

 アチコチ罅割れている鋼の体から熱気が吹き出し、それを掻き消す程の大声量で叫ぶ。

 負けるものかという気合と熱い魂を現わしているかのように、メタルマンは咆哮を上げる。

 

 

『折れてたまるかぁぁぁ!!!』

 

 

 そのままメタルマンは自分以上の重量を持つはずの『ストーンフィスト』をストーンマン目掛けて投げ飛ばす。

 思わずと言った様子で動けぬ(元から動きは鈍いが)ストーンマンの顔面に直撃。『アダ』と痛がる素振りを見せて……メタルマンが笑った。

 

『漸く痛がる素振りを見せたな……まだまだこれからだ!』

 

『ゴゴゴ……ソノ意志、尊敬ニ値スルゾ!』

 

 ファイティングポーズで構えるメタルマンと、両の巨腕を地面に叩きつけるストーンマン。

 鼻息を荒げているストンナもそうだが、皆まぁ楽しそうにしちゃって。

 

―――出会ってからずっと我慢を強いられてきたね、メタルマン。

 

「いいさメタルマン―――やっちまいな!」

 

 だから―――今のメタルマンだからこそ、玉砕覚悟の全力を出させる!

 

 ミステリーデータを探したり交換したりして集めた『ガッツストレート』数枚を、コード順にスロットイン。

 デカオに教えてもらったプログラムアドバンス、その練習の成果を見せる時だ!

 

「融けちまう程に熱くおなり、メタルマン!!」

 

『応!!』

 

―プログラムアドバンス『ゼータストレート』!

 

『うおぉぉぉぉ!』

 

 プログラムアドバンスの補助を得る事で、自身の負荷を気にせず鉄拳を撃ち続けれる。

 

 だから殴る! とにかく殴る! ひたすら殴る!

 

『ゴゴゴゴ!?』

 

「うひぃぃゴリゴリ削れるですぅぅぅ!」

 

 流石のストーンマンとストンナも焦りが見えてきたね、石の巨体にも拳の跡が付き始めた。

 

 その間にもアタシは、『インビジブル』や『アンダーシャツ』で持ちこたえられたらどうするとか、『ゼータストレート』が切れた先はどうするかと不安が頭の中を過ぎる。

 

 だがもう関係ない!

 

「見せてやれ! アタシ達のソウルを!!」

 

『当たり前だぁぁぁぁ!!』

 

 これ程までに熱く滾るのは初めてだからねぇ!!

 これだから、バトルってのは理屈じゃないと思える!!

 

『グゴ……ゴ……ッ!』

 

 そろそろ効力が切れる頃になってストーンマンがよろめく―――『アンダーシャツ』が発動したか!

 あんたらの攻撃はどれもこれもタイムラグが生じるから、インビジブルが切れる前に!

 

「いっけぇメタルマン!!」

 

『これで終いだぁぁぁ!!』

 

 拳を振りかぶる! この一発で―――

 

 

 

 

 

「殴られ続けたから発動できなかったですよ」

 

 ストーンマンが目の前から消えて、代わりにメタルマンを包む影が生じる。

 その答えはメタルマンには分からないだろうが、アタシとストンナには分かる。

 

 

「『パワーストーン』!!」

 

 

 メタルマンの頭上から落ちてくるストーンマン。

 『ストーンフィスト』とは比べ物にならない質量により、メタルマンが押しつぶされた。

 当然『アンダーシャツ』が発動するが……ストンナは既にバトルチップを転送している。

 

 ストーンマンが消えた直後に降ってきた『スチールゼリー』により、メタルマンがデリート。

 

「―――負けたよ」

 

 熱した鉄に水を浴びされたように、先程まで滾っていた心が冷めていく。

 だが心地いい。全力を出し尽くしたが故の満足感がアタシのハートを満たしているからね。

 

 

『メタルマン、デリート! ベスト4最初の席を獲得したのは、鉄拳の猛攻を防ぎ切ったストーンマンです!!』

 

 

 熱の入った緑川ケロの叫びに、周りのネットバトラー達が拍手を送ってくる。

 特にデカオに至っては「感激したぜ」って言いながら涙を流している……すまないねぇ、奥の手を教えてもらったってのに。

 

 トテトテという足音に気づいて視線を下に向ければ、そこにはストンナが手を差し伸べていた。

 

「ありがとうございました! ナイトマンにも勝るとも劣らぬパワーだったです!」

 

 鉄のように無表情なくせして、ソワソワと体を震わせる彼女の熱いハートが伝わってくる。

 にしてもナイトマンか……確かクリームランドの王女にしてオフィシャルネットバトラーのネットナビだったよね。

 

「そんな有名人に勝るとも劣らないなんて、アタシも鼻が高いよ」

 

 カスタマイズした甲斐があったってもんだと思いながら、アタシはストンナの握手に応じた。

 

 小さい癖して器の大きい子だね、アンタは。

 

 

 

 

 因みにメタルマンを回収したら、真っ白に燃え尽きてた。

 

 なんて幸せそうな顔して燃え尽きてるんだい。




〇ストンナのバトルチップ
作者はロックマンエクゼのwikiサイトを参照にしてバトルチップを選んでます。
コード一覧もwiki頼りなので、原作を然程プレイしていないのが丸わかりに。
原作ではロックマン自ら発動していますが、ウィルスを短時間召喚して援護射撃ってのも面白そうですよね。

〇ガッツマンとメタルマン
メタルマンって浮いたりスーパーアーマーもって盛り沢山。
逆にガッツマンは腕がハンマーに変形する程度で、頻繁にパンチを繰り出してきます。
中身までしっかりしているイメージがあるんですよねガッツマンって。ほんと優秀。

〇燃えるメタルマン
〇国BASARAの幸村ァァァ!をイメージして書きました。
燃えに燃えるとたま子とフルシンクロしてたらカッコいいかなぁと。

次回以降の更新は来年になると思われます。
いつか書きたいと思っていたロックマンエクゼ二次小説ですが、少なくともエクゼ4まで書いていけたらいいなぁとは思っております。
今年は本当に多くの感想や誤字報告を頂きました、励みになっております。

皆様良いお年を。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。