基本週一更新を目指しつつ、時にはお休みさせてもらう事にしました。
因みに今日遅れたのはリアルで色々あったものでして……多分来週も遅れると思います(汗
伊集院炎山にとって光熱斗という人物は「優秀と無謀と豪運が合わさった、何を起こすか解らない友人」だと思っている。
一般的な知能や知識は年相応……より若干低めだが、その勇気とオペレーション技術、高いコミュニケーション能力は素直に尊敬できる。
そんな熱斗を炎山が苦手としている最大の理由にして彼の長所は「桁違いに高い行動力」だろう。
何せオフィシャルとして捜査を進めれば、不思議と
『それにしても、よく私がまもるのナビだと見抜けましたね』
「まもるがバラードって言うナビを貰う前にセレナードの事を話してたんだけど、メイルが慈悲深いナビだって評価してたのを思い出して、もしかして~って思ったんだ」
「覚えていたんだね、目敏いというか勘が鋭いというか……」
『熱斗くんは変な所で勘が良いからね』
「変な所ってなんだよロックマン!」
『ふむ、堅気にしておくには勿体ない人材よの』
『止しなさいヤマトマン。この直感と行動力は彼の善性あってこそですよ』
だからこそ、この和やかな雰囲気に持って行ける
そもそも、偶々メガトが浦川旅館に居たからスムーズに進んだものの、メガトと浦川カンジが繋がっていたのなら彼にアポイントを取っていたというのに……。
しかめっ面を浮かべる炎山の心情を察したメガトは気遣うように彼の肩をポンと叩き、咳払いで注目を集める。
「ゴホン……雑談中悪いが、ここは秘匿された場所で、今は緊急時なのだがネ?」
無表情のメガトに睨まれた熱斗とまもるはばつが悪そうに目を反らし、フロストマンにジーッと見られたロックマンは苦笑いを浮かべている。
しかしセレナードだけは楽しそうに笑っている。
では改めて、とロックマンは意気込み―――ウラインターネットの王に願う。
『セレナード、ボク達はWWWの野望を阻止する為に禁断のプログラム……ギガフリーズを授かりに来た!』
するとセレナードは先程とは打って変わり、真剣な表情で2人を睨みつける。
再び襲い掛かる威圧感に潰れそうになりながらも、ロックマンとブルースは立ち続け、セレナードの次の行動を待つ。今度は震えもせず立ち続ける2人を、ヤマトマンとミストマンは素直に感心する。
暫し沈黙が続き―――セレナードは胸に手を添え、ゆっくりと何かを引き抜く。
それは青い炎だった。火の玉と言える形状で炎がユラユラと揺れている。
『ええ、どうぞ』
「軽い!」
にこやかに青い炎……ギガフリリーズを差し出すセレナードに反射的に熱斗が突っ込む。
威圧感が消えた事もあり、ロックマンどころかブルースですら気が抜けて肩を落とす。
「ず、随分とあっさりと渡すんだな……」
歴戦のオフィシャルネットバトラーである炎山ですら唖然としてしまったほどだ。
まもるは当然として隣のメガトも事情を知っているのか「まぁ仕方ない」と肩を竦めている。
『シークレットエリア二代目管理人の許可を得た上に私のプレッシャーに耐えきったのです。加えて2人は世界一位と二位を争った実力者で、片方は紛う事なき善性の持ち主……ギガフリーズを授かる資格は十分あります』
そもそもこの時の為のギガフリーズですし、とセレナードは付け足す。
青い炎をポンと放り投げ、それがロックマンの胸に触れると炎は瞬時に溶け込んでいく。
あまりの呆気なさに「え? え?」と自分の胸元や体を何度も触って確かめ始める。
「だ、大丈夫なのかロックマン?」
『強いて言えばちょっと寒気が……あ、確かにギガフリーズのデータが入ってる』
恐る恐る尋ねる熱斗を安心させる意味も込めて、ロックマンは自身のデータをグラフ化したものをモニターに表示させる。
PET画面を確認すると確かに【GIGA_FRIEZE】と書かれたデータファイルがロックマンのプログラムに割り込まれている。一回限りの出力式のようだ。
『因みにどちらも優れたナビには違いないのでどちらに譲渡してもいいのですが、ロックマンに渡したのは私情です』
『……そうか』
まぁギガフリーズが手に入るならどちらでもいいが……とブルースは頷く。決してウラの王の雑さに複雑な気持ちを抱いたわけではない。
「これでギガフリーズは正式に受理されたけど、まずは科学省に向かった方が良いね。プロトは復活させない事に越したことはないから」
「そうだな! まもるにセレナード、ありがとうな!」
まもるの言う通りだとプラグアウトしようとした熱斗を炎山の手が止めさせる。
「浦川まもる、セレナード。ここからは一人のオフィシャルネットバトラーとして依頼したい―――WWWの打倒に協力してくれないか?」
ギガフリーズが渡った以上、セレナードは護り手としての責務から解放された……そう
一瞬の沈黙。直ぐに頷かないだろうとも思っていた炎山に代わってブルースが一歩前に出てセレナードに説明する。
『オレと炎山様の権限ならセレナードは当然の事、シークレットエリアや
貸してくれないか―――その返答は、刃と拳だった。
「「『ブ、ブルース!?』」」
熱斗、炎山、ロックマンが叫ぶ。ほんの僅かな、それこそ瞬きした瞬間だったはずだ。
その間にヤマトマンとミストマンはブルースに肉薄し、槍を首元に、拳を鳩尾に突きつけていた。
一触即発……オフィシャルのエースに構える暇も与えぬ程の硬直状態。
『キサマら……セレナード殿の事を何も知らぬ癖に、厚顔無恥にも程があろう!』
『よくもまぁ抜け抜けとそのような事を……!』
何よりも、ヤマトマンとミストマンの怒気が、ブルースの体と心を縫い付けていた。
何に怒ってるのか分からずワタワタする熱斗とロックマン、当然だと言わんばかりにこめかみに指を添えるまもるとメガト。フロストマンはボーっとしてた。
ウラランカーNo.2とNo.3を止めるのは、やはりというかNo.1たるセレナードだった。
『お止しなさい2人とも』
『しかしセレナード殿!』
『2人の忠義は胸が痛む程に解っています―――下がりなさい』
セレナードが声色を強めたことで、漸く殺意を鎮めてブルースから離れる。
それでも怒気は未だ健在で、2人が睨みつけばブルースが思わず一歩後退る……下手すればデリートされていたと確信しながら。
ブルースが助かった事や、踏み込んではいけない秘密があったと確信した事も有り、炎山は深く頭を下げる。
「……すまなかったセレナード、それにまもる。良ければ訳を聞かせてくれないか?」
炎山だけでなく、熱斗もまもるとセレナードに話して欲しいと視線で訴えてくる。
憧れだった炎山だから……ではなく。友人にして恩人である熱斗だから……でもなく。その真摯な姿勢に「やっぱり善い人達だ」と思えた。
だからまもるはモニター……正確にはセレナードを見やる。話して欲しい、と。
『……解りました。イメージで伝えた方が早いですね』
何も言わずとも伝わるのは、新たなナビを授けたとはいえ、かつてのオペレーターとネットナビという絆が両者にあったからだろう。
セレナードが目を閉じると、データの粒子が形を象っていく。
徐々に形が正確になっていくに連れて……堅気の少年らの顔が驚愕と焦燥に染まっていく。
それは太く長い鎖だった。地面から伸びているであろうそれらは、セレナードの首・手首・足首の分厚く頑丈そうな枷に繋がっている。
拘束……それも「決してここから逃がさない」と言う意図を感じさせる、露骨すぎる束縛。
『私はウラインターネットから出られないのです。この部屋全てのサーバーが、私そのものなのだから』
じゃらり、と音を立てて胸元に手を添えるセレナードの顔は……些細な失敗をしてしまった時のような、ちっぽけな苦笑いだった。
「―――ひっでぇ……なんでこんなことを!?」
やはりというか、先に反応を示したのは光熱斗。誰よりも素直に怒り、悲しんでくれた。
「……このサーバーそのものがセレナードというなら……世界中のインターネットを凍結させるプログラムの護り手にしては過剰すぎる」
次いで炎山が冷静に分析する。この部屋全てのサーバーがセレナードに直結しているのなら、あの威圧感や今の地位を考えても過剰とも考えて。
感情に素直な少年と、高い頭脳と冷静さを持ち合わせた少年。
セレナードは改めて、この二人なら出来ると確信した―――たとえギガフリーズが不発に思っても、彼らならプロトそのものを止められると。
『心配してくれてありがとうございます、熱斗に炎山。私は気にしていませんので―――それに』
『それに?』
穏やかに微笑むセレナードに首を傾げるロックマン。
するとセレナードは手を扇状に振り、あるものを束で見せつける。
『灼熱!ジゴク島!ハプニング集その2』
『自費でNAVIREステージ作ってみた』
『NDMYが行くイレハン!』
そのほか、様々なWorldTube動画ファイルの数々が空間に浮かぶ。
『まだ見たいわーつべ動画が山のようにありますからね!』
「「『『ズッコー!!!』』」」
大量の動画ファイルを自慢げにドヤる
事情を知っているまもるとメガトは苦笑いし、ヤマトマンとミストマンは「あーあ」と困ったように首を振っている。フロストマンは寝てた。
『良いですよねWorldTube。ここ数年はウラインターネットの監視だけでは物足りなかったのですが、最近は楽しみがいっぱいでして』
あまりにも残念な事実に暫く起きれない彼らを差し置いてウキウキ気分。
そんなセレナードをオペレーターとして敢えて放っておき、まもるが説明する。
「科学省は恐れているんだよ。ギガフリーズの護り手として作られたセレナードが第二のフォルテとして反旗を翻すことを」
「だ、第二のフォルテ?」
なんとか起き上がった熱斗の脳裏には、ロックマンをデリートしようとした強大なナビの姿が浮かぶ。
「ギガフリーズ及びセレナードを作った際、対フォルテを想定していたのだ。他ならぬ科学省がネ」
「科学省が?」
よっこいしょ、と立ち上がった炎山がメガトに尋ねる。
「なにせプロトを作って
メガトの言葉に炎山と熱斗は驚く―――更なる真実を再度問おうとしたその時。
―びーっ! びーっ! びーっ!
突然鳴り響く警報。赤いランプが点灯し部屋全体が赤く染まり、事の危険度を示していた。
『緊急事態発生! てとらげーと ニ 侵入者有リ!』
「いけない、プロトが!」
慌てふためくのは熱斗だけだが、落ち着いているように見えて全員が焦りを感じている。
更に炎山のPETが鳴り響き、咄嗟にテレビ電話を繋げる。
『炎山さん、こちら水野です! 今どこにいますか!?』
「こちらはギガフリーズを確保した、何かあったのか!?」
―――
鳴り響く警報。迎撃態勢を敷く科学省とオフィシャルのネットナビ達。
そしてクリームランドが、ニホンの科学省の交渉の末に送り付けた、最大の切り札が現れる。
巨大なカメのような大型ウィルス・ガメライザー。
巨大で分厚い泡に包まれた一つ目の大型ウィルス・CWU-01P。
大きな翼をはばたかせて浮遊するドラゴン型ウィルス・メカドラゴン。
そしてクリームランドの隠し玉……クリームデビルの改良型・クリームデビルMarkⅡ。
その他にも、防御に特化したクリームランド産ガードウィルスを多数配置。
皆、テトラコードを死守すべく配置された強者ばかり。
それらの前に立ちはだかるのは……。
―――
『ふぉ、フォルテです! WWWの配下を連れて科学省エリアを襲って来たんです!』
・ギガフリーズ
原作では選ばれし者しか持てない仕組みだが、当作では誰でも渡せる。
ただしシークレットエリアを見つけ出し、かつセレナードのプレッシャーに耐え、王の観察眼で認めた相手にしか渡さない。
今回は光熱斗の善性を見抜き、実力も申し分ないと言う事でロックマンに委ねた。
・セレナード=サーバーそのもの
セレナードの強大な力は「慈悲の心」に加え、シークレットエリアのサーバーそのものと繋がっているというイメージ。
これはセレナードが反旗を翻すことを恐れた科学省の差し金でもあるが、同時にサーバーに直接接続されたから行動範囲が狭くなっている。
・セレナード=引きこもりオタク
わーつべのおかげで若干オタクになったウラの王。これが最大の原作破壊にしてキャラ崩壊だと作者は思っている。
けど仕方ないやん?10年以上ウラインターネットに縛られた王様に娯楽ぐらい与えてもいいと思うやん?(ぉ
因みに熱斗・デカオ・メイル・やいとのイレハン実況動画のファンでリスナーだったりする(勿論秘密
・フォルテ襲撃
クリームランドが盛りに盛った防衛線を砕きに来た。テトラコード奪取はWWWの仕事。
次回、テトラコード強奪編。ドリルマンの出番あるよ!
いつも感想や誤字報告ありがとうございます。
更新速度について(6/11締め切り
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今のままでもいいから週一で
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もう少ししっかり書いて欲しいので月一で
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遅くていいから設定をしっかり練るべき
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気が向いた時でいいよ(完全にランダム)
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前のように1か月週一投稿して1か月休むで