エグゼ6まで頑張れなくても、最低限エグゼ4までは頑張りたい。
Dr.ワイリーが設立した「プロト計画」における最大の障害はオフィシャルでも
ワイリーは、今は亡きバグ専門科学者の息子を誑かしてネットマフィア『ゴスペル』を設立、裏で操り『バグ融合による疑似ネットナビ生成』という博打をしてまでフォルテの力を欲してた。
ネットワークに繋がるあらゆる電子機器を取り込む初期型ネットワーク『プロト』を復活させるには、封印を解く鍵である『テトラコード』と、プロト本体を封印する強固なプログラム『ガーディアン』の破壊が不可欠。
『ゴスペル』設立時にも破壊能力に秀でていたドリルマンを騙し、更なる特化改造を施すも『ガーディアン』の破壊は理論上不可能という結果となり、仕方なくフォルテ本人を誘ったのだ。
危険なのは承知の上だったが、只管に人間を憎み力を欲するフォルテを誘い込むのは権謀術数を得意とするワイリーにとっては御茶の子さいさいだった。
同時にワイリーはフォルテを利用した『ガーディアン』破壊後の計画も頭の中で構築していた……それが「プロトにフォルテを取り込ませる」というものだった。
『くはははは! よくぞフォルテを追い詰めてくれた、ワシの計画通りにな!』
『「計画ってなんだよ、お前ら仲間じゃなかったのか!?」』
最後の計画が目の前で達成できた事を喜ぶあまり、Dr.ワイリーはワイリーマシン1号の上で高らかに笑い、自らの計画を話す決意をした。
だが目の前でフォルテがパネルから伸びるナニカー恐らく復活してしまったプロト本体だろうーに飲み込まれたのを見た
フォルテはWWWと手を取り合った仲間だと思っていた。その仲間を助けたのではなく裏切ったワイリーに怒っていたのだが、それをワイリー当人が鼻で笑う。
『ワシ以外のあらゆる存在は、ネットワーク社会を破壊する為の道具にすぎん! フォルテも、キサマらもな!』
『このクソジジイ!』
ワイリーマシン1号が立ち止まったのを良い事にドリルマンが変形し『ドリルドライブ』で突っ込むも、ワイリーを覆うガラスドームは穴どころか傷一つつかない。
ギャリギャリと嫌な音が響くのみの状況にドリルマンは悔し気に、ワイリーはガラスドームに阻まれ1mmも進めないドリルマンを一瞥するだけで、直ぐに眼下―――CFロックマンとCFストーンマンを見下す。
『そもそも、ワシともあろう者がどうして、侵入者を想定して基地及びネットワークをシャットアウトしなかったと思っとる―――侵入者の中からフォルテを追い詰める精鋭を絞り出すためじゃ!』
もぞもぞと蠢く赤い物体を他所に、ワイリーは有頂天のあまり自慢げに語り出す。
上位ネットバトラーであるWWW幹部や幹部級ネットナビに究極プログラムのコピーを与え全員で掛かっても、フォルテを追い詰めるどころか碌にHPを削れないままデリートされるのがオチだと解りきっている。
味方が頼りないのならは敵を利用すればいい……正義感とネットバトルが強いだけでWWW基地に突入するような侵入者どもを。
結果は上々。予測以上の援軍が来て次々にセキュリティと幹部を踏み越えてきたとはいえ、突破口を開いたのは常に2組のネットバトラーとネットナビだった。
オフィシャルのエースオブエース。伊集院炎山&ブルースが最適解と思っていたが、2度に渡り犯罪組織を潰してきた光熱斗とロックマン……かつてのライバル・光正の子孫が先頭だった。
更に
ドリルマンまで此処へ来たのは想定外だったが、フォルテを追い詰めるには十分な戦力だった。
『
『「えさ、ですカ?」』
ネットナビを物扱いするワイリーへの怒りに震えるCFロックマンだが、CFストーンマンは意外にも冷静で、ワイリーの言葉を反芻する。
『初期型ネットワーク・プロトはデータと呼べるものを片っ端から吸収する怪物じゃ! それは当時未発達じゃったネットナビとて例外ではない! そんなプロトが究極と名高きネットナビを吸収すれば……来よった!』
突如として襲い掛かる地鳴り。
慌てて体制を立て直すCFロックマンと、元々重心が安定しているので少し驚く程度で済んだCFストーンマン、そして何かヤバいと察し仕方なく突進を諦めCFコンビの下へ戻るドリルマン。
地震の震源地は、先程からモニョモニョと蠢いている赤く巨大な物体だ。フォルテを覆う程度の大きさだったものが、いつの間にか何倍にも膨れ上がり徐々に形を帯びていく。
徐々に輪郭がはっきりとしていき、薄い装甲で覆われていく様をワイリーは高笑いしながら見上げていた。
『これこそが 貪欲に電脳世界の全てを喰らい尽す怪物―――プロトじゃ!!』
ワイリーがそう叫ぶと、プロトの赤い単眼と貧弱な装甲で覆われた赤い球体が強く輝く。
『「デ、デッケェです、くりーむでびるヨリデッケェです!」』
そのあまりの大きさと迫力にCFストーンマンが驚く。ワイリーマシン1号にはときめいたが、不気味に佇むプロトは幼女に恐怖を与えていた。
『「遂に目覚めちゃったか……なら!」』
不気味なまでに動かないプロトを見上げながらCFロックマンは身構える。
フルシンクロによって、ロックマンの内部に埋め込まれた対プロト用凍結プログラム『ギガフリーズ』の使い方は理解している。
プロトが目覚めフォルテが居ない今、この凍結プログラムを……そう思っていた矢先に。
『待てロックマン!』
『「どうしてだよドリルマン!?」』
ドリルマンが両者の壁になるようCFロックマンに立ち塞がったのだ。彼の行動に目を点にして驚くCFロックマンだが、その答えを先に理解したワイリーが舌打ちする。
『フォルテが最強と言われているのはな、相手の能力を吸収するゲットアビリティプログラムがあるからだ! そのフォルテをプロトが取り込んだっつーんなら、禁断プログラムまで吸収されちまう可能性がある!』
フォルテの能力はウラを彷徨っていた時に、
それらを冷静に分析し検出したが故にドリルマンは即座に発動を阻止し、口早に説明できた。それを聞いたCFストーンマンは納得しCFロックマンは驚愕する。
『無駄に消費すれば良かったものを……兎も角ドリルマンの言う通り、フォルテを取り込んだプロトに最早ギガフリーズなど無力じゃ!』
Dr.ワイリーは禁断のプログラムことギガフリーズの存在も知っていた―――だがプログラムの型枠に収まっている以上はフォルテの『ゲットアビリティプログラム』の効果範囲内。
更に言えば、フォルテもロックマン同様に
【オ、オレは……食らう……ぜ、ぜんぶ……食らう】
『『「「しゃ、喋った!?」」』』
唐突に声を発したプロトにCFコンビがビビるが、当のプロトは無視して片腕をワイリーマシン1号に突き刺す……ドリルマンですら貫けない強固な戦車型プログラムを容易く。
だがワイリーは計算通りと言わんばかりにニヤリと笑い、ワイリーマシン1号から脱出。本体から切り離され、頭頂部も兼ねていた円盤が電脳空間の空を舞った。
『くははは、食らえ食らえ! そのワイリーマシン1号ですらプロト強化の栄養剤に過ぎん!』
青いUFOを操作しながら、ワイリーマシン1号を赤い本体に飲み込ませるプロトを見下ろしワイリーが笑う。プロト並みに巨大なプログラムは立ちどころにデータとして溶解し、プロトに吸収されていく。
貧弱だった鉛色の装甲は厚みを増し、両肩には機関銃が生成、腕は大きく手はトゲとなり、単眼はプロトバグのようなヘルメットが構築されていく。
更なる強化……進化を遂げるプロトを節目に、ワイリーはUFO型プログラムに搭載されたポータルの機能を発動、高笑いしながらパルスアウトを実行した。
『「ドドド、ドウスルですカ熱斗サン!?」』
装甲が黒く染まり黄色のラインが浮かんだことでフォルテを意識したカラーリングに変貌するプロトを前に、CFストーンマンは流石に狼狽する。
ドリルマンの言う事が本当なら、当てにしていた謎のプログラムは使用不能、フォルテの力をそのまま飲み込んだ怪物がネットワークに進出するかもしれない。
防御力が高いだけの自身ではどうしようもないと解りきってしまった為、頼みの綱である
CFロックマンは冷や汗こそ浮かんではいるし恐れこそ抱いているが……咆哮を轟かせるプロトを見上げる目には決意と炎が浮かんでいた。
『「どうするって―――やるしかないじゃないか!」』
つまりは―――プロトを完全デリートにする!
『ハッハァ! テメェ本当にイカれてやがんな、気に入ったゼ!』
見てわかる程の決意を示したCFロックマンをドリルマンは大層気に入り、助太刀すると言わんばかりに身構える。
『「マァソウナンデスケド……ヤッテヤルです、ヤッテヤルですヨ!」』
やるしかないと解っていたが、発破をかけてくれる友達が後ろに居ること……そして大事な
―――プロト戦、開始!
―――
目覚めたワイリーに襲い掛かったのは、全身の筋肉から生じる痛みと、激しい頭痛だった。
「ぐっ……想定よりパルストランスミッションの負荷が強かったか……じゃがどうでもいい!」
コードで繋がれたヘルメットを乱雑に脱ぎ捨て、疲労状態の体を無理やり覚醒させてパルストランスミッションシステムから起き上がる。
痛みでフラつきながらも背後にある、紫色の電流が内部で流れ続ける巨大な球体を見上げ、続いて独りでに天井から降りてきた巨大モニターを見上げる。
モニターに電源が入ると、プロトに対峙する三体のネットナビの姿が映っていた。
「さぁプロトよ、外部アンテナの電波に乗れ! そうすれば世界中の
今でこそプロトはWWW本拠地の電脳と一体化し、一見するとその場から動けないようにも見える。
しかし外部アンテナの電源を入れ世界中のネットワークと接続した以上、電波に乗ればあらゆるネットワークに侵入が可能となった。
これにより、貪欲の化身たるプロトは更なるデータを求めてネットワーク中を練り歩くはずなのだが―――様子が可笑しかった。
プロトはその場から動こうとせず、両腕を振るい両肩の機関銃を乱射させて2体のネットナビことCFコンビを狙い打ちにしていた。広範囲かつ強力な攻撃だ。
一体何をしている―――そう叫ぼうとして、プロトの攻撃の意図を察してしまった。
「―――しまった、フォルテが持つ憎しみのプログラムまでも取り込んでしまったのか!?」
プロトの狙いはCFしたネットナビ、つまりは光熱斗とストンナ・キロクラムだ。ドリルマンはあまりの広範囲故に巻き添えになっているだけに過ぎない。
プロトはフォルテを吸収したことにより人間への憎悪で満ち溢れ、眼前の人間を排除する事で頭がいっぱいだった。思えばワイリーマシン1号への攻撃も吸収ではなく、裏切った
「ええい、ならばさっさとソイツらをデリートしてしまえ!」
痛みと疲れを忘れる程の激情がワイリーの脳を焦がしモニターを凝視させる。
確かに、高性能なロックマンと鉄壁のストーンマンを最大限に強化するクロス・フュージョンを成した熱斗とストンナは強大な敵であろう。ドリルマンはオマケ程度でしか考えていない。
だがフォルテと、ワイリーマシン1号に搭載されたネットナビ及び戦闘データを取り込んだ今、プロトは最強の原子インターネット。大陸相手にスコップ一つで挑むようなものだ。
―Dr.ワイリーは天才だが、ウィルスバスティング及びネットバトルにおいては素人である。
昨今のネットナビはクリームランド産の重量級ネットナビが流行しており、その対策として高火力かつ対低機動用バトルチップが流行っている事を。
光熱斗は
そして「全く動けないという欠点は最低限取り除かなければならない」という概念を、ガウス&マグネットマン戦でストンナが嫌という程に学び、世間に広めている事を。
―――昨今のネットバトルは、固定砲台プロトに全くと言っていい程に優しくないことを……ワイリーは知らなかった。
〇プロト・暴食モード
フォルテを取り込んだことで人間への憎悪・力への執着心までもインストールしてしまった。カラーリングもフォルテ風にアレンジ。
元からあらゆるデータを吸収する貪欲さを持っていたので悪化し、暴食の怪物と化した。
台詞は「ゼルダの伝説・ムジュラの仮面」に登場する【月】のもの。言わせてみたかった。
〇ギガフリーズ対策
ぶっちゃけ原作でフォルテ相手に不発で終わるってのが個人的に納得できんくて。
次の回でギガフリーズを利用します。プロト封印以外にも使えるからね。
〇ワイリーの誤算
世の中には鈍重であればあるほど痛打になるバトルチップもあるんや……。
加えてレアチップとかPAとか当たり前に普及している世の中なんや…(犯人はデマス)
熱斗は対ストーンマン用にメテオとか鉄アレイとか仕込んでおるんや…。
次回、プロト戦カットマン(ヒデェ
いつも感想や誤字報告ありがとうございます!