オフィシャルネットバトラー勢ぞろい(一名除く)に対してゴスペル側は一人と一体。
小便はすませたか?神様にお祈りは?塔の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?
※後書きに解説追加:ラットンはチュートン系が放つ誘導弾の事。
ジョンソンさんの悲鳴を聞いて駆けつける私達一同ですが……忘れがちですが8歳児の体力では走ったり登ったりするのはかなりの重労働なのです……。
大人な皆さんは元より小学5年生にすら置いてけぼり食らいそうだから必死で追いかけるです……熱斗君ローラーブレードしてますけど。よく走れますね?
勿論罠は再作動しますが、吊り天井は私とジェニファーさんが、炎はラウルさんとプライド様が一度見ているので引っかからず、熱斗さんとロックマンが素早くクリア。
そして地下牢の最奥にして侵入者迎撃システムの中枢がある「物見の塔」はすぐそこなのですが……ほらまた揺れどわっぷ!?
「ストンナ、大丈夫ですかっ?」
「な゛んどが……」
すみませんプライド様ウソ言いました、転んで地面におでこぶつけたですぅ……眼鏡は死守したです。眼鏡は眼鏡っ子の命です(キリッ
私が転ぶほどの強い揺れは収まったものの、揺れ自体は未だ続いているです。この異常事態に皆さんは揃って立ち止まり、プライド様はついでと言わんばかりに屈んで私のおでこを見るです。
「この揺れ……嫌な予感がするな」
「奇遇ねラウル、私もよ……まさかアメロッパ城ごと私達を潰すつもりかしら」
「それってヤバいじゃん! まだ炎山の奴が見つかってないのに!」
『熱斗君急ごう!』
ロックマンに賛同して再び走る私達。プライド様が手を繋いでくれたし、頑張って走るです。
外の光が差し込む階段を駆け上がって、ついに到着した私達を待っていたのは。
「だーかーらー! 繋がらないんだって! 離せあだだだ!」
「いいからナビを呼び戻せ! でないと貴様もタダではすまないぞ!」
システムの中枢であるモニターの前で、
体格差を物ともせず、背中を押さえ片腕を捻り上げている様は美しさですら感じられるです。流石はニホンのオフィシャルというか、護身術でも学ばれているのですか炎山さん。
「あれがニホンのカラテ……流石はニホンのネットバトラーね」
「いや違うって」
真顔で勘違いしているプライド様にツッコむ熱斗さん。予想外な光景の余りギャグ展開が。
落とし穴で穴だらけですが通れないレベルではないですし、揺れが続いているのに関わらず罠が発動しない。意を決してラウルさんが踏み出すも、やはり動かないです。
問題ないと判断したラウルさんが皆さんに振り向いて頷き、我々も後へ続いて炎山さんの元へ。
「無事なようだな、そいつがゴスペルの手の者か?」
「ジョンソンはどこなの!? まさか……」
「ああ、Mr.ジョンソンと協力して捕縛に成功した。彼は罠に掛かって落ちてしまったが……」
逃げようと藻掻くアラシの腕を更に捻って黙らせる炎山さん。中々に冷酷ですいいですもっとやれです。
「こいつを取っ捕まえたんなら、早くジョンソンさんを助け出そう!」
「それは出来ない。拙いことになっていてな」
「拙いこと……まさかこの揺れと関係が?」
ジョンソンさんには悪いですが、嫌な予感しかしないので後回しですよ。
プライド様が尋ねた直後、眼の前のモニターにナビの姿―――エアーマンが映し出されたです。
『その通りだー、ホアー』
「お前、エアーマンか!」
『あの時デリートしたはず!』
プライド様の言葉に肯定するエアーマンと、彼の姿を見て驚く熱斗さんとロックマン。
そういえば原作では秋原町のお友達が彼らの被害にあっていて、熱斗さんとロックマンがデリートしたんでしたね。
『ホアー、お前らバックアップ前の俺をデリートしたのかー。また邪魔しやがってー、ホアー。
だがここで終わりだぞー。さっき侵入迎撃システムの自壊装置を起動したぞー、10分もせずに城諸共お終いだー、ホアー』
「なんだと!?」
エアーマンの衝撃的な発言にラウルさんを始めとした、炎山さんとアラシ以外の皆が驚愕する。
ひぇぇ自壊とか最終手段じゃないですか、今から走って逃げても10分じゃとても間に合わないです!こんなチンピラがそんな強硬手段を……お?
「おいエアーマンなに勝手な事しやがる!? オレが逃げるまで待てって言っただろうが!」
あれ、そういえばこの場にアラシが居ますよね。エアーマンのオペレーターなのに。
取り押さえられながらもアラシは画面のエアーマンにギャイギャイ怒鳴り散らすですが、エアーマンは肩を竦ませて面倒くさそうに言葉を紡ぐです。
『ホアー、俺の任務はオフィシャル共を一掃することだー、俺もお前もどうなろうが関係ないぞー。だからゴスペルは俺を自立型に改造してくれたんだー、ホアー』
「成程。PETの操作を受け付けなくなったのは、元からオペレーターが必要ないからか」
冷静に分析している場合ですか炎山さん。そっかストーンマンと同じ自立型ネットナビにされたからこのような荒業に乗り出したのですね……オペレーターなんて気にせずに。
オフィシャル本部の電脳にエアーマンを忍ばせた時点でアラシは用無し。だから本部丸ごと私達を潰すつもりなのですね……こんな変態親父と道連れなんて嫌すぎるですっ!
「だったらシステムを止めるまでだ! プラグイン! ロックマン.EXE、トランス――
『させないぞー、ホアー』
――うぉっと!?」
プラグを挿し込もうとした直後に熱斗さんが居た床が落ちるも、熱斗さんは何とか回避。
言葉使いとは裏腹に行動が速い。次々に床が落ちていき、私達は罠を避ける為に奔走するです。
「うわあぁぁぁぁっ!」
あ、
『ホアー、落ちろ落ちろー。どの道お前らは滅びるんだしなー、ホアー』
「まだだ! こっちにはワイヤレスプラグがあるんだ!」
走ったり跳んだりする中、熱斗さんはワイヤレスプラグを手に持って狙いを定め―――投げる。
え、えぇぇぇ……? こんな状況下であんな距離の差し込み口に差せるですか……!?
「あれはまさかニホンのシュリケン!? やはりニホンのネットバトラーは凄いわ!」
どうしよう、目を輝かせるプライド様の言葉を否定できない自分が居るです。
流石のエアーマンも人間が見せた絶技に動揺したのか、落とし穴が止まったです。
『ホアっ!?』
「プラグイン! ロックマン.EXE、トランスミッション!」
これ幸いとばかりにプラグインする熱斗さん。
今がチャンスですよ―――プライド様!
城の電脳に侵入したロックマンが最初に見たのは、ブルースの後ろ姿だった。
『ブルース!』
『ロックマンか、状況は拙い事になっている……見ろ』
「うげ、なんだこの数!?」
ブルースに促されて電脳全体を見渡すと、確かに大変な事が起こっていた。
これまでとは比べ物にならない数の【ゾンビ】・【キュウケツキ】・【トウゾク】が電脳全体に蔓延っていたのだ。これだけの数がいると避けて通るのは不可能に近い。
更にカーズ系・ダークシャドー系といった対処の難しいウィルスが出没することを考えると、とても7分弱でエアーマンまで突破できそうにない。
『ホアー、これだけのプログラムとウィルスを用意したのは苦労したぞー。諦めろー、ホアー』
モニターのエアーマンが嘲笑い悔しがるロックマンと熱斗だが―――突如としてプログラム達が消えていくではないか。
『ホ、ホア!?』
『プログラム達が消えていく……』
『だが好機だ、一気に進むぞ!』
動揺して眼前の操作ウィンドウを忙しなく見やるエアーマンだが、その間にもプログラム達は驚くべき早さで一匹ずつ消えていく。
やがてプログラムは綺麗さっぱり居なくなり、ブルースとロックマンは唖然とするも、是幸いとばかりにエリアを駆け抜ける。
熱斗は呆然と『ソード』でダークシャドーらを切り裂くナビ2人を画面越しに見やるが、ピポパポという電子音に気付いて顔を上げる。
そこには、モニターのタッチパネルを素早い手つきで操作しているプリンセス・プライドとストンナの姿があった。画面のエアーマンも慌てて2人に止めるよう叫ぶが、当然聞く耳は持たず。
「ふひひ、防衛プログラムなら我々の十八番なのです!」
「私達がプログラムを抑えます! 皆さんは早くエアーマンを!」
ストンナが得意げに笑い、プライドがこの場に居るオフィシャルネットバトラーにエールを送る。
「これがクリームランドの技術力か。流石だな」
「私、後で田舎だと思ってたことも謝らないとね……」
高度な技術力を目の当たりにしたラウルとジェニファーが思わず口走る。
しかし2人がしてることは時間稼ぎ。手を休めることなく、画面から眼を反らす事無く、クリームランドのネットバトラーは必死で中枢を抑えている。
炎山がモニター前に駆けつけたと同時にラウルとジェニファーは我に返って彼の後に続く。
『おのれー! 出番だお前たちー、憎きオフィシャル共を一網打尽にしろー! ホアー!』
しかしエアーマンは奥の手を引っ張り出す。アラシが独自のルートでかき集めた、オフィシャルネットバトラーに恨みを持つネットバトラー達のナビ軍団だ。
エアーマンがいる最奥までもう少しといった所で、ロックマンとブルースを挟み撃ちになるように彼らが出現する。多くの敵意に晒されたロックマンは思わず後退る。
『しまった、もう少しだっていうのに!』
『まだだ! まとめて斬り倒すまで!』
オフィシャルとして修羅場を潜り抜けたブルースにとっては造作もないが時間がない。
それを知ってか知らずかナビ達は奥にいるエアーマンと共に嘲笑ってにじり寄る―――しかし。
「裁きを与えよ、サンダーマン!」
「ホーネット、サンダーマンに合わせて追撃!」
「塞いでやるですよストーンマン!」
「ナイトマン、ストーンマンと共にロックマンとブルースを守って!」
――この場にいる各国のネットバトラーが黙っていない!
『神の裁きを受けよ!』
サンダーマンの雷雲が前方のヒールナビ達を薙ぎ払い。
『ホーネットチェイサーA、フルアタック!』
ホーネットのスズメバチウィルスが生き残ったヒールナビにトドメを刺す。
無論ヒールナビ達も黙っておらず、日頃の恨みだ!と叫んでありったけのバトルチップやウィルスをお見舞いする。
それらの攻撃に屈するほど、クリームランドの重量級ネットナビ達は甘くはない。
『ゴゴゴ……らっとん一匹通サン!』
『ここは某とストーンマンが引き受ける! そなたらは先へ行け!』
ストーンマンとナイトマンが容易く攻撃を受け止め、ヒールナビ達を戦慄させる。
前方のナビをデリートしたサンダーマンとホーネットも加わって激戦区と化すが、圧倒的に数で勝っているはずのヒールナビ達が押されているのは当然と言えよう。
残すはすぐそこに居るエアーマンのみ―――心強い味方の後押しに、赤と青のナビは力強く頷き合う。
『行くぞ!』
『うん! 皆の為にも!』
「ブルース、2分内に仕留めろ!」
「いっけぇロックマン! 何回やっても俺達は倒せないって教えてやれ!」
尚、エアーマンは1分以内にデリートされた。
〇護身術を発揮する炎山
防犯意識の高いニホンのオフィシャルなら簡単な護身術ぐらいは学んでいるという設定です。
ジョンソンの力も借りていたので風吹アラシぐらいなら取り押さえられるでしょう。
○ワイヤレスプラグ投擲
原作「ロックマンエクゼ2」で披露した絶技。二連続で成功している。
今作では罠を回避しながら狙いを定め一回で成功させています。
〇プライド様にとってのニホン
護身術をカラテと言ったり熱斗の絶技をシュリケンと言ったり。
ニホンのネットバトラーは化け物か!?
〇ジョンソン
原作でもやられたし、当作でも最後まで出番なし。一応アラシを捕らえる為に炎山に協力した。
彼のネットナビにグレネードマン(ロックマン8に登場)を当てようとしていた。ごめん。
〇エアーマン改
ナイトマンとプライドに代わってオフィシャルを滅ぼす大役を引き受けた。
実は自立型になった他、強力なチップフォルダを内蔵したりと魔改造を施されている。初戦と同じと思って侮ったら強力なバトルチップで手痛い反撃を受けるかも。
まぁロックマンとブルースの二人係されたら誰でも速攻デリートですが。
〇幼女と王女の高速ピポパ
クリームランドの技術力は世界一ィィ!
これをやりたくてストンナをアメロッパ城に誘拐してきた。
ナビ無しで操作ってインパクトある所業だと思う。プラグ投げには劣りますが。
〇変態親父
使い捨てにされてボッシュートされた人。次回は幼女と王女様の制裁が待っている!
◎ラットン
チュートン系ウィルスから入手できるバトルチップの名称。これを使ったプログラムアドバンスもあるなど割と優遇されている。
感想でも指摘がありましたが、ラットンはチュートン系が放つ小型誘導弾の事です。ロックマンが投げるのもこの誘導弾。
〇何回やっても俺達は倒せないって教えてやれ!
何回やっても何回やってもエアーマンが(熱斗達を)倒せないよ
これが書きたくて無理やり書き足した。
次回はアメロッパ編を終えてストンナの日記編。後日談として纏めます。
原作で言うマグネットマン編について考えている内容があります。
ネタバレになりますが、プライドはゴスペルを引き入れた罪状もあってオフィシャルに詰問される予定で、ゴスペルを退けた事で比較的安全な日本に送ろうというアイディアが浮かびました。原作に混ざる為の口実です。
マグネットマン編にストンナとプライドを交えるかのアンケートを実施します。良ければご協力をお願いします(5/19:23:59まで受け付け予定)
いつも感想や誤字報告ありがとうございます!