谷郷「合格です。明日からデビューをお願いします」
〇〇「え?ご、合格!?」
母「本当ですか?よろしいのでしょうか・・・」
CEO谷郷が若い女性とその母親に告げた。
他の試験官も困惑の症状を見せている。
試験官「よ、よろしいのでしょうか。こんな異例な採用は・・・」
谷郷「責任は私がすべて負いましょう。それよりもスタジオを押さえておくように。早急にマネージャーも手配も進めてください」
試験官「わかりました。全て手続きを致します」
試験官の女性は足早に部屋を出ていった。
〇〇「わ、私・・・あの・・」
谷郷「あなたにはやりたいことがあるのでしょう」
〇〇「はい」
谷郷「なら私の会社を利用してやろうという気持ちでのぞんでください」
〇〇「わ、わかりました!」
谷郷はあごに手を当てて軽く上を見上げる。
谷郷「ふむ、〇期生というくくりは相応しくないでしょうし、あなたも嫌でしょう」
〇〇「そうですね・・・それは」
谷郷「特待生と名乗ってください。今後はそのような制度もありかと思います。その第一人者として」
〇〇「特待生ですか・・・」
谷郷「名前は何にしましょう。デビュー名です。明日からですし今決めて・・・」
〇〇「朝日向 ケイコにします」
谷郷は少し驚いた顔をしたあとに納得した表情に変わる。
谷郷「・・・名前隠さなくていいんですね?」
ケイコ「はい、このままでいかせてください」
谷郷「責任をとるとは言った手前あれなんですが、荒れそうで今から心労が絶えませんよ」
ケイコ「す、すみません」
谷郷「いえいえ、気にしないでください。あなたを採用すると決めた時からあらゆるバッシングは受けるつもりです」
ケイコ「ありがとう・・・ございます」
ケイコの目に大量の涙がこぼれ落ちる。それを見た母親がやさしく彼女を抱きしめた。
谷郷「こちらもビジネスであり、あなたの信念に打たれてバックアップすることを決めただけです。気にしないでください」
ガチャリと先ほどの試験官が戻ってくる。
試験官「段取りが整いましたので、打ち合わせを行いたいと各部から」
谷郷「コンプライアンスなど機器の操作方法など覚えることがいっぱいですが、今日中に叩き込んでください」
ケイコ「わ、わかりました!お願いします!」
ケイコは緊張した様子で試験官のあとについていく。母親も頭を谷郷に下げ退室していった。
誰もいなくなった部屋で谷郷はドカリと椅子に腰を落とす。
谷郷「朝比奈ケイコさん・・・私ができるのはこんなつまらないことですが・・・あなたにとっては重要なんでしょうね」
谷郷「各マネージャーを通じてうちのものたちに通達しますか」
谷郷はスマフォを取り出して電話を掛ける。
谷郷「もしもし、Aさんですか。谷郷です。突然すみません。ええ・・・ええ・・・。ちょっと話がありまして。できればマネージャー越しではなく私から直接メンバーに伝えようかと・・・」
――――――――――
Aちゃん「えっと?〇期生ってことですか急ですね?違う?明日デビュー!?今日3次面接の日じゃなかったんですか?」
Aちゃん「そら達にですか?谷郷さんが直接?わかりました。事前にメンバーには話を通して・・・今日話したい?」
ガチャ
Aちゃん「どういうこと?こんなに急にデビューだなんて・・・何か急いでるみたいだったから話がちゃんと聞けなかった」
Aちゃん「てかメンバー全員のマネージャーに連絡をそ、それからーー今日も残業だぁぁぁぁぁぁぁ」
事務所にAちゃんの叫びが木霊した。
――――――――――
ときのそら「全然わかんないけど明日デビューの子がいるってことなんだぁ」
Aちゃん「そだね。私もさっき資料とかも人事から届いて見てるとこ」
ときのそらがスマフォをスピーカーにしてパソコンに向かって作業をしている。サムネイル作成をしつつAちゃんの話を聞いていた。
Aちゃん「なんか人事も混乱してて広報も絵師交渉の部署もてんやわんやだよ」
ときのそら「そんなに忙しいの?」
Aちゃん「なんか3Dも出すみたいでその用意もしてるみたい」
ときのそら「もうそんな段階なの!?私の時と全然違うね」
Aちゃん「いや普通はもっと数か月単位で行うことを1日でやってるから・・・」
ときのそら「あれ?Discordに通知・・・マネちゃんからだ」
Aちゃん「あ、たぶんさっきの話のことだと思うから連絡してみて」
ときのそら「わかったよー」
スマフォを切り、Discordの通知を見る。
ときのそら「通話可能ならサーバーに入ってくださいか・・・えっと」
パソコンを操作して通話サーバーに入る。サーバーには見慣れたマネージャーのアイコンと珍しい社長のアイコンだ」
ときのそら「もしもーし」
ときマネ「あ、お疲れ様です」
谷郷「お疲れ様です」
スピーカーからはいつものマネージャーの声と社長の声が響いた。
ときのそら「お久しぶりですー」
谷郷「久しぶりですね・・・すみませんが時間がないので手短にご説明いたしますね?」
ときのそら「は、はい」
谷郷は焦っているような口調でそう言った。
谷郷「明日、朝日向ケイコさんがホロライブよりデビューします」
ときのそら「さっきAちゃんからも聞きました」
谷郷「はい、でこの方は特待生として1人だけデビューします。そして最長2週間程度で研修終了という名前で引退します」
ときのそら「に・・2週間?試験採用みたいなことですか?」
谷郷「そう捉えてもらって構いません」
谷郷「そして私からお願いがあって直接メンバーに頼むため通話をかけさせていただきました」
ときのそら「お願いですか?」
谷郷「はい、明日から2週間は私用、仕事を極力断り朝日向ケイコによるコラボや企画に参加していただきたいのです」
ときのそら「え、いきなりコラボとか企画を任せちゃうんですか?いろいろと大変じゃないですか?」
谷郷「もろもろ、拙いところや粗は出ると思いますが、こちらも全力でバックアップします。そして2週間とはいえ、そちらの都合を無視したお願いをさせていただきたいのです」
無茶苦茶だと思ったがだからこそ社長直々にお願いしてきたのだと察した。
ときのそら「わかりました」
谷郷「ありがとうございます。無茶を言っているのが承知ですので胃や心臓が軋む思いで・・・」
ときのそら「いえいえ、にぎやかになるのは嬉しいですし、前例がないことなのでちょっとだけ楽しみです」
谷郷「では他のメンバーにも話さないといけませんので詳しい資料はマネージャーから受けとってください」
ときのそら「わかりました」
矢継早に谷郷は通話から退席した。残されたマネージャーから資料をもらい目を通していく。
朝日向ケイコさん・・・どんな人なんだろ・・・。
――――――――――
【速報】ホロライブ
Twitterの情報
5月9日よりホロライブから特待生としてデビュー決定!
朝日向ケイコ
2週間の研修後、研修終了としますのでメンバーシップ、スーパーチャットは解禁致しません。
2週間という短い期間のため初日以降からはコラボや企画にも随時参加しますのでお楽しみに!
120:ホロリスガチ勢
すごい試みがはじまった
121:トワ様TMT
2週間って短くね?
122:姉がホロメン
人気になったら更新契約で人気出なかったら切り捨てる感じ?
123:名無し
今のホロライブの勢いで人気出ないって何よ。1日で50万人登録いかないととかか?
124:七味な一味
いくら何でも都合よすぎでは?天狗になったかホロライブ
125:POPONがPON
異例ではあるが新しい試みだよな。無駄に人数増やさないで視聴者の求めた人だけ残す選抜感
126:全肯定BOT
2週間だけでもいいっていう人多そうだもんな。ホロライブに入れるなんて
124:クワガタ推し
残留できなくても逆特定されれば裏で細々と元ホロライバーとして活動できそうだし
125:名無し
でもめちゃくちゃ急だな。これ1か月後とかじゃなくて明日かwww
126:山田@山田
124>>それな
126:ホロリスガチ勢
明日のツイートを注意して放送時間見とかないと楽しみだ。