「じゃあな」
俺はあいつの横を通りすぎた。
振り返る事もなく、真直ぐと・・・
まぶしい光に包まれて視界が効かない。
このまま光の粒子になって先に行った皆と一緒になるのかもしれない。
パウロ、ゼニス、リーニャ、ギース・・そしてエリスと一緒に・・・
成仏ってやつかな?
「もう、いいかな。さすがに巻き返せないだろうし・・・」
感慨深げな俺の背中に向かってあいつは愉快そうに声をかけてきた。
「まさか救世主様がやらかしてくれるとは思わなかったよ」
ん?ララが何かしたのか?
「僕が活動できるのは、君たちの夢の中だけだけど。でも、夢の中では何でもできるんだよ」
まぁ、俺が知る限り、お前はその空間にしかいないからな。しかも油断すれば勝手に夢に現れるし
「バラバラにして封印したって、僕の行動を制限できるわけではないじゃないか、それに」
背中かゆい時にかけないだろう?なんて冗談はともかく、空間に幽閉されているのも、封印されているのも変わらないのか。
「僕を殺さない限り、オルステッドはまた200年前に戻るのさ、そうしたらどうなる?僕も元通りさ」
そういえば、オルステッドのループを止める方法は「ヒトガミを殺せ」だったじゃないか!
『ヒトガミ死んだら人間界どうなるの?』
『殺すと世界が終わるかもしれないから封印で勘弁してあげてくんない?』
うん、俺がそこにいても言いそうだ。気づかないで殺しちゃう可能性も高いけど。
「その時に君はいるのかい?君がいなければ救世主は現れないんだよ」
俺が34歳の時、ララが腕輪を外そうとした。
その時俺はヒトガミを封印した夢を見た。
いや、見せられた。
その夢の内容をオルステッドに、いや、ロキシーでもいい。誰かに話したか?
この二人ならこの予想にたどり着いたかもしれない。
でも、俺はどうした?
パウロの墓で話しかけただけだった。
今際の際で言ったかもしれない。
でも、これは逆効果だ。
疑う前に、死に際の家族が、盟友が残した遺言だ。
むしろ、そういった終わり方を目指してしまうかもしれない。
何てこった。40年もチャンスがあったのに最悪のタイミングで言っちまったんだ。
ついさっきまで感じていた達成感は吹き飛んでしまった。
「子供にしろ、孫にしろ、後はなんとかするだろう」なんて余裕は吹き飛んでしまった。
同時に想像してしまった。
仲間に囲まれたオルステッドが突然時空の割れ目に吸い込まれる様を
記憶があり、絶望した顔の赤子のオルステッドを
負けてのやり直しではない。
勝っていたのに
100回以上負け続けて、うまくいかなかったのはラプラスの復活場所が不明になったくらいか。
今回は勝ち戦だった。そして振り出しに戻ってしまったら
俺だったら心が折れる。
しかし、焦っている心とは裏腹に自分の存在が段々希薄になっているのがわかる。
「いいじゃないか、今世ではロキシーもシルフィーも嫁にできて、子供が6人、友達もたくさん。
死に際に大勢の家族に看取られて大往生ってやつさ。満足だろう?」
そうだ、俺は家族は守りきれた。封印止まりでも家族に危害はない。
オルステッドには申し訳ないが、まぁ、満足した人生だった・・・はずだ。
その証拠に、ルーディウス・グレイラットの魂は薄く、儚くなっている。
もうすぐ消えてしまうかもしれない。
「駄目だ!駄目だ!駄目だ!」
薄れていく自分とは裏腹に何か胸のあたりが熱くなっている。
存在が薄くなっているのに熱い
ルーディウスだった俺が、別のものに変わっているみたいだ。
気づけば、俺は日本人だった俺に戻っていた・・・
この話は如何でしたか?
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ありきたりだった。予想の範疇
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構成に難があった、こじつけすぎ
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意外と頷けた、検証としては適切
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文章勉強しろ。
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いや、面白かったよ(棒読み)