ルディ転生~魔導人形は人神打倒の夢を見るか   作:迷宮の迷子

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考察回、その1となります。評価、お気に入り、誤字指定ありがとうございます。
読んでくださる人いる事、嬉しく思います。


ルディの夢語り

「オルステッド様にお伝えするため戻りました。」

そこから彼は、彼が知り得た内容を語り始めた。

確かに龍神の世界の当時、オルステッドは赤子の状態で滅亡間際に現代に飛ばされている。

飛ばされた時に最低限の情報と使命は伝えられていた。

最低限というのは転生後「魔龍王ラプラス」が伝えてくれ、お膳立てをしてくれると考えたのだろう。

よって己の出自と使命程度だ。

その中でオルステッドが幾多の挑戦と同じ数の敗北を繰り返し、少しずつ力をつけてきたのだ。

本来ならラプラスによって伝えられるべき彼の記憶がルーデウスによって伝えられた。

その全てにオルステッドは耳を傾けた。そして、幾分かの内容に合点がいき、また、幾分かの知識は初めて知る内容だった。

続いてルーデウスは自分が死ぬ際に起きた事を話した。

ヒトガミを殺さない限りオルステッドのループが繰り返されること。

世界が滅亡しないために封印に留めるように進言したものがいる事。

残念ながらそれが身内である可能性も。

「まずはここまでは宜しいですか?」

ルーデウスが一旦言葉を切った。

 

「ああ、参考になった。感謝する。ルーデウス」

「オルステッド様」

ルーデウスは返した。

「私の目を覚ましたときにオルステッド様はルディとお呼びになりました。」

「う、うむ」

「で、あれば以後はルディとお呼びください。」

「あ、ああ、そうだな、すまない、ルディ。でもそうであれば」

「お前も俺の名に様をつけるのはやめろ。」

 

そうだった。うっかり元の呼び名に戻していたのは彼もだったのである。

 

「では、ここからは私の疑問の共有です。」

 

とりあえず最低限伝える事はできた。

続いて旅の間考えていた仮説をを告げることにした。

 

1つ目の疑問「この世界の構成」

人の言い伝えによればこの世界は

龍界

魔界

獣界

天界

海界

人界

無界

があり、それぞれに神がいるとされている。

しかし、実際に創世神が世界を作ったのは無界を除いた6つだ。

ルーデウスは土魔術で六面体の模型を作った。

まあ、サイコロですね。

「このような形で世界がくっついていると言われています。

この縁同士が隣り合っている世界、仮にここが人の世界で、隣が獣の世界だとすると・・・」

結界のようなもので阻まれない限り、いつかは他の世界を表側から行ける事になる。

「大航海時代」だ。

「しかし、こことここの世界はどうでしょう」

ルーデウスは六面の反対側の面を指差して言った。

サイコロならIと6などがその関係だ。

「この世界同士を行き来するには表面側からアプローチする限り他の世界を通過しない限り到達できません」

「だから、神達は神玉で無の世界を通ったのだろう。」

「仰る通りです」

「ですのでこのような感じになったと思います。」

ルーデウスは今度は土の棒を3本作り、それを十字に組み合わせた。

創造神はこの世界の行き来の為にサイコロの内側にトンネルを作った。

その結合部はいわゆる「ターミナル」となりそこを経由する事で神達は他の世界に行く事ができる。

「私は当初、この内側全てが無の世界だと思っていました。ただ、この理屈で言えば無の世界はこのターミナルを中心にした通路、及びそこに隣接している部屋のような空間と仮定できます。」

「そして、我々はそこにヒトガミがいると思っていました。」

 

2つ目の疑問 「神玉」

「続いてその空間を使用する為に使用されていたのが神玉です。」

「これが一つでも現存していれば我々はその空間へ入れるのではないでしょうか?」

「ルディの記憶ならそうなるな。でも、残っているのか?」

「それをこれからお話します。」

 

神玉はその名の通り神が持っている。

合計で6つあるはずであり、そのうち龍神側は五つまでを手にしていた。

行き先、使用先は判明している。

一つはヒトガミによって砕かれた「初代龍神のもの」

二つ目は初代龍神が人の世界に行くために持って行った。

三つ目はペルギウスを未来に送るために使用した。

四つ目はオルステッドが未来で戦えるよう転生と転移の為使用された。

五つ目はラプラスが人の世界に渡り復習の牙を研ぐ為に渡された。

「砕かれた一つ目と、転移に使われた三つ目と四つ目は消滅したと仮定します。転移の際のエネルギー源として破壊消滅したかと。」

では龍神が世界を渡るために使用した神玉は?

記憶によればヒトガミ自身の戦闘力が皆無なわけではない。

初代龍神の体を貫く技と力

龍の世界を破壊する白い光

怒り狂った初代龍神を人界と戦う力

少なくとも無力ではない。

しかし、ヒトガミは現在、物理的な干渉を人界にできないようになっている。

「恐らく初代龍神の神玉はヒトガミをいずれかに封印するために使用されたかと思います。」

ヒトガミの神玉で封印することも可能だ。しかし初代龍神は封印が目的ではなく、あくまでヒトガミ殺害が目的だ。

ヒトガミの神玉を手に入れられるくらい押していたなら殺害できただろう。

よって神玉はヒトガミの物理的活動を封じる為に使われたと。

現在、消滅していない可能性がある神玉は2つだ。

ヒトガミが所持している神玉

ラプラスが所持していた神玉である。

ラプラスがヒトガミに到達するための鍵として神玉は温存するだろうか?

普通は残すはずだ。自分の死後に転生するペルギウスを気遣う手紙を残すくらいだ。

己が到達できない時に残しておくだろう。

可能性として考慮するのは

「自分が死んだ際に、オルステッドの元に復帰できるよう自分に転生の呪いをかける。」

だろう。結果として「(龍)神に技のみを伝える技神」と「ヒト(カミ)を憎む魔神」に分離し、死すたびに転生をくり返している。

「ヒトガミに至る鍵を使用したという事はその後ヒトガミに至る可能性を無くすことになります。また、自分が死ぬことを想定していますので神玉を死後破壊されることも想定したと思います。

そうなると、神玉を使用せずにヒトガミに至る方法をラプラスは思いついていたと思います。」

「それが龍の秘宝ではないのか?」

「確かにそれも考えましたし、実際にはそうなのでしょう。しかし、問題は入手方法です。」

確かにリスクを分散し五龍将に持たせるのは有効だろう。

しかし、問題は入手方法だ。

全員と戦い、その体内から秘宝の欠片を手に入れなければならない。

「入手は楽でしたか?」

「いや、決して楽ではない。」

そうだろう、楽だったら先回りして使徒が五龍将を倒してしまえば良い。

「他の使徒に倒されず、オルステッドには容易に入手できる、これが理想ですね。」

「そして、これを容易に達成させるには本来なら転生させる五龍将にそれが彼等の使命だと認識させるのが一番です。しかし、それをしていない。」

 

3つ目の疑問 ケイオスブレイカー

「ケイオスブレイカーは本来は龍界に在りました。」

しかし、今は人界にあります。

本来ならこの移動は龍界の神殿から通路を渡り、人界に持ってこなくてはいけない。

他にできる方法は?

ラプラスが作ったのだ。対ヒトガミ用決戦兵器として。

そしてそれを龍人として、戦力として、敬愛する師「甲龍王ドーラ」の息子「二代目甲龍王ペルギウス」の転生場所に設定したのかもしれない。

どうやって、かは判らない。よって独自解釈の部分だ。

「恐らくケイオスブレイカーにはラプラスが残した研究結果が残っているはずです」

 

4つ目の方法 人の定義

「人界という言葉があり混乱したのですが」

6つの世界すべてで確認はできていないのだが。

龍神は神である。

一方、龍将は自らを人と評した。

人が初めて神に届き得た。と。

神は人、もしくは神と交配できる。

オルステッドの出自がこれだ。

魔神と魔人も交配ができる。

「魔帝キリシス」と魔神の間の子だ。

馬鹿ばかりだと本人の弁だが。

更に人は種別が異なっても交配ができる。

龍人の誰かと魔人のだれかの間に産まれた子がラプラスだからだ。

出産方法はその種別で異なる。

恐らくは人族、魔人、獣人は子宮内で育て出産するのだろう。

龍人は卵を産む。海人や、天人もその可能性があるか。

「まず、全ての、世界には神と神を模した人がいます。」

「そして全ての世界の神と人は交配、子を成すことが可能です。」

「ルディ」

「は、なんでしょう。オルステッド」

「久々にお前のその表情を見たぞ」

「な!そんなことは・・・ございませんよ」

ザノバ商会のオートマタには、その機能はついていないからね。去勢のルーデウスだ。

まあ、そこはいい。少し良くないけど・・俺は3人以外とはそういうのはしないから。

「それ自身はまあ構わないのですが」

卵を産む生物と子宮内で育てる「生物」は交配手段が少し異なるのだ。

もしかしたら卵を産む雌に対して子宮で育てる種族の雄は受精可能かもしれない。

しかし、子宮内で育てる雌に対して卵を産ませる雄の交配で子供を作れるのだろうか?

可能性として考えられるのは卵出産型の雄のメカニズムが俺のいた世界の常識と少し異なっている事がだ。

これは確認は簡単だ。オルステッドのズボンを下ろせばいい。

「ルディ」

「俺のズボンを下ろすことがヒトガミ打倒に必要な情報なのか?」

「いえ・・単に興味です。」

オルステッドが明らかに怒気を含み「ほお・・・」と口元を歪めた。

まあ、これは、生物学上の興味ですから。

 

「最後の疑問も含めてですが、この世界は一部に矛盾があります。」

 

 

 

 

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