と言っても三話で普通の人一回分くらいですけどね。
「アキトは本来なら後十年以内にこの世界に転移するはずだった。」
「だった?」
ナナホシが不安そうにララの言葉をリピートした。
「そう、本来なら転移の魔法陣はアイシャ伯母さんが完成させ、ある女の子の魔力によって召喚されたの。」
「転移?そうかあの娘の儀式か?!」
オルステッドには覚えがあるらしい。
「オルステッドの記憶にもあるのですか?」
ルディは尋ねた。
以下はオルステッドの弁である。
前回まではアスラ王国とシーローン共和国、王竜王国は三つ巴の戦争になっている。
シーローン共和国は以前ルーデウス達には話していた通り、ザノバの弟が王制を放棄した為に共和制として復興した国だ。
そして、そのシーローン共和国においてラプラスは復活する。
ラプラスは海を挟んだ魔大陸の魔族と手を組み紛争地帯を攻略、もしくは併呑し、結果的に中央大睦はこの三つの国が勢力を誇った。
アスラ王国が武力に力を入れるときはシーローン共和国によって滅ぼされ、魔法に力を入れたとき、即ちアイリスが王座に着いたときは拮抗し、結果としてラプラスの力を削ぐことはできた。
「前回もアイリスが王座に着き魔法の発展に努めた。但し前回だけある者が歴史に加わっている。」
ただ、オルステッドはその少年の名は知らなかった。
「その少年の死後、彼を呼び出した娘は嘆き悲しみ魔力暴走を起こし少年の亡骸と共に消滅した。」
「魔力暴走?転移事件の時のように?」
ルディとナナホシの表情が曇る。
「いや、彼女、リリアは彼女の魔力のみを使って転移をした。」
「恐らくは時間を遡っているはずだ。」
ルディは気づいた。
自分が死後の世界から逃れられた原因となった彗星のようなもの、それはリリアが時の流れに逆らって過去に進んでいた姿だったのだと。
「彼女はその少年を助ける為に時間を遡った。そしてナナホシ、貴方を見つけたの。そして、彼女は最後の力を使って触媒になったの。」
「触媒?」
ナナホシも、既に確認のために言葉を繰り返すことしかできないでいた。ファンタジーにも程があるじゃない。
同時に胸にチクリと痛みを感じる。
無理もない、リリアも秋人に好意を持っている。
言わばライバル?恋敵とは少し違うか。
「彼女は自分の力全てを使って時間を巻き戻したの。だからナナホシをこの世界に呼び出すほどの力はなかった。」
ララは続けた。
リリアは目印となって赤い星になった。
ここにナナホシが眠っていることの目印として、
そして、周囲の魔力総量が召喚できる総量に達した瞬間起動されるトリガーとして。
「転移事件はやはり私が原因だったのね。」
ナナホシはやはり悲しそうだ。無理もない。
「でも、それはアキトを思って彼女がやったこと。ナナホシも巻き込まれただけ・・・でも、できれば彼女も責めないで・・・」
「ください。」
「だって、そのおかげでパパがこの世界で産まれて、ママ達との間に私達を作ってくれたの。それに、ナナホシはアキトに必要な人だから彼女はそうしてくれたんだと・・・思います。」
ララは精一杯自らの心情を伝えた。
「私が、秋人に、何をしてあげられるの?・・・魔力もないし、剣だって振れない。・・・それに、この世界ではひとりで生きられないくらいひ弱だし。」
本当に何ができる?ナナホシは自分の中でその言葉を繰り返した。
「これが、リリアが託した全てではないかもしれないけど・・・」
「少なくとも私の魔力でパパを呼び出せたよ、
ナナホシのスクロールで。」
「彼女は時を遡って力を使い果たしてしまったの。例え転生できても以前の力を持っているのかは分からない。だから、今のままでは彼女はアキトを呼び出せない。」
彼女は続けた。それは彼女が旅立ったときに「見た未来」だ。
前回はアキトは残念だが敗れた。しかも瞬殺だった。
でも彼がいないと「最後の敵」に勝つのは難しい。
彼女が探していたのは夫ではない。「アキトを呼び出せる力を持つ男」を探していたのだ。
「結局、彼女と同じだけの魔力を持つ人は見つからなかった。でも、近い魔力量を持つ人に心当たりはあった。」
「それが、パパ」
彼女の数十年の旅で得た結論がそれだった。
「パパにまだ生きていて欲しい。」だ。
というわけで序盤の分かりやすい伏線を回収する回でした。
迷宮に行く前のケイオスブレイカー編をもう少し書きます。
この話は如何でしたか?
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ありきたりだった。予想の範疇
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構成に難があった、こじつけすぎ
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意外と頷けた、検証としては適切
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文章勉強しろ。
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いや、面白かったよ(棒読み)