私の救世主としての仕事は終わった。
オルステッド、ルディ、アキト、ナナホシを無の世界、
いや、「夢(厶)の世界」に送り届けるまでが私の仕事だったのだから。
私達は龍神孔からケイオスブレイカーに戻るとペルギウス様に全てを話した。
ヒトガミの事
ラプラスの事
ペルギウスの母、ドーラ
異世界転生の事
共に戦うと決めたのだ。隠し事はするまい。
無論、ルディがルーデウスの頃にナナホシとも話をしている。ケイオスブレイカー内の会話は全てペルギウスに筒抜けなはず、話したことのいくつか、もしかしたら殆どは既にペルギウス様はご存知だったのかもしれない。
しかし、その話を我々からペルギウス様にしていない以上、干渉する事も助言する事もされなかった。
相談されるまでペルギウス様はお待ちになっていたのだ。
龍の秘宝についてはそれを仕組んだ技神がルディの中にいるのだ。どこにあるかは明確だった。
ケイオスブレイカーの動力源だったのだ。
魔神ラプラス討伐後にケイオスブレイカーはリングス海に着底され、そのまま闘神鎧を封印する結界とする事とした。
甲龍暦487年、神子は産まれては来なかった。
彼女の履歴はオルステッドが詳しい。
しかし、その記憶の場所から彼女は誕生してこなかった。
それから5年の後、ルディの魔力、ナナホシのスクロールにて篠原秋人は転移を遂げる。
ナナホシは、いや、七星静香さんは秋人に駆け寄った。
具体的な事を言うのは避けよう。
野暮というものである。
秋人は静香同様魔力を持たなかった。
以前の記憶によれば7年後、彼は戦場に立つ。
比較的安全なケイオスブレイカーにて彼と静香はその時を待った。
彼が前回為すすべもなく討ち取られたのは異世界特有の倫理観のためだとルディは皆に答えた。
ルディも人を殺す事に躊躇していた。
秋人も同様だったのである。
では、人を殺すことに慣れさせるか。私達は協議した。
結論としてはルディによりその線は却下される。
嘗てルディ達がいた世界でも戦争はあり、戦争後に不安定な症状に落ちた兵士が多くいたようだ。
彼は静香と一緒に異世界に帰さないといけない。ここで死ぬ覚悟を決めた自分とは違うのだと。
秋人自身は本来の責任感からこの地へ飛ばされた理由に悩んでいた。
それを支えたのは静香である。
静香はラプラスの記憶と知恵のあるルディを交え話し合った。
そこで秋人は疑問を口にした。
別のターンでルディがオルステッドに説明した、あちらの言葉と、ヒトガミが使ったトリックの共通点について。
ようは6面世界における人界(ジンカイ)も人神(ジンシン)
人神をヒトガミと信じ込ませるトリック。
またヒトガミというのは夢で人を操ろうとする。
夢の世界の神。夢は(ゆめ)であり(む)。
無の世界とは夢の世界なのか。
果たして偶然と言えるのか。
ヒトガミもまた転移者であり、しかもルディ達の世界と同じ世界から来たのではないか。
ルディと静香はその説にとびついた。
あくまで仮説である。
しかし、3人には腑に落ちる所があったのだ。
ルディは秋人に再度剣技を教えた。
人を殺す剣ではなく、静香と自分を守る剣を。
秋人と静香はヒトガミ戦のみの参加。それまではケイオスブレイカーでエリナリーゼと待機させることとした。
甲龍暦500年、ついに事件は起きた。
鬼神帝国の盟主として鬼神ラプラスが行動を開始したのである。
鬼神帝国はシーローンを放置し王竜王国との間に障壁を作りアスラ王国へ、竜の下顎へ侵攻した。
そこには王竜王国の飛び地、黒騎士領があった。
両国は対峙するかに見えた。
しかし、両国は合流し、合同でアスラ王国へ侵攻を開始したのだ。
ヒトガミはここで二人の使徒を使った。
一人は鬼神となったラプラス、
もう一人は黒騎士団の重鎮、ジークハルト・サラディンだった。
彼は既にグレイラットとは名乗らず、自らをジークハルト・サラディンと名乗っている。
彼はルーデウスの妨げの為に立ち上がったわけではない。
あくまでパックスjrの為に戦っていた。
また、子供の中でも年少な彼はヒトガミの脅威をほぼ知らない。
ギースとルーデウスの戦いは彼らが産まれるより早い時期に終わっている。アレクの武勇伝を聞き育ったもののヒトガミの話題はほぼない。
アスラ王国は国王エドワードの指揮によりこれを迎え撃った。
先陣はルロイ・グレイラットと
アレクサンダー・カールマン・ライバック
シャンドル・カールマン・ライバック
彼等は先行隊を指揮し下顎の地形をうまく利用しながら侵入を阻んだ。
ルーデウスの次男と孫は初めて身内同士で剣を交わすこととなる。
最後はアレクとジーク、七大列強である二人、師弟が対峙し、最終的にアレクはシャンドルと共に戦いジークは戦死している。
アスラ王国王妃クリスティーナは甥の無事を喜びながらも兄の死を嘆いた。
さて、一方の鬼神ラプラスのほうであるが、先陣を黒騎士団に任せた為に後詰めを余儀なくされていた。
そこに、ペルギウスはケイオスブレイカーで強襲をかける。
同時に転移陣で奇襲をかけた。
奇襲をかけたのは
オルステッド
ルディ
ルイジェルド
ララ・グレイラット
レオ
フェリス・グレイラット
上空からの砲撃と背後からの奇襲。
ルディは技神の知恵と技を有しており、且つラプラスと、同等の魔力を持っている。完全な上位互換だ。
鬼神帝国は総崩れとなりラプラスも討たれる。
後に第二次ラプラス戦役と呼ばれるこの戦争は、
初めて種族間の抗争ではなく同一種族が敵味方に分かれての戦争であると後世の歴史家達は分析したという。
龍の秘宝が揃ったオルステッドは
ルディを介しエリナリーゼから魔力を補給してもらった。
初のヒトガミとの全力戦争である。
秘宝を使い無の世界へと向かったのは
オルステッド
ペルギウス
ルディ
ララ・グレイラット
レオ
それに篠原秋人と七星静香
そこにある人物がいないことをヒトガミは意外に思った。
ルイジェルド、アレク、フェリスさえもいないのである。
ルディは3人目の使徒を警戒していた。
また、無の世界は他の6面世界と異なる。
剣技より魔力を優先した人選だった。
使徒の支援を得られないと察したヒトガミは更に奥へと消えた。
これこそが篠原秋人と七星静香が転移してきた必然性だった。
ペルギウスとララは転移の魔法陣にありったけの魔力を注いだ。
そして送り先は彼等のいた世界。
彼等の望郷の念はきっと夢の世界の先へとナビゲートしてくれるだろう。
そしてその途中にきっとヒトガミはいる。
ララとペルギウスはそう信じて無の世界から去った。
無事に帰還したときにレオは力尽きた。
怪我をしていたわけではない。まさに寿命を迎えたのである。
そしてそれは救世主を守るために産まれてきた、
彼の使命の終わりを示していた。
「レオ、パパ、お疲れ様・・赤ママと仲良くね。」
いや、あれからアイシャ、ノルン、アルスも旅立っている。
それにジークも一緒になるだろう。
「ジーク、赤ママにお尻叩かれなさい。」
もし、この本と違うララ・グレイラットの記録があればそれはきっとこの戦いは失敗し、もう一度やり直したことなのだろう。
甲龍暦501年 ララ・グレイラット著
「神々の闘い」より。
連載漫画打ち切りエンド「俺たちの戦いはまだこれからだ!」的な終わり方ですが今回はこれで終になります。
文才の無さに呆れながらも、書き始めた以上は書ききらないと。
一番難産だったのはやはり秋人の転生理由でした。
原作でも戦うことに慣れていませんでしたし、あくまで二人は日本に帰るのがハッピーエンドだと思うと、フラッシュバックしかねない殺人の訓練はさせたくありませんでした。
なのでヒトガミへ到達する道案内くらいしか想定できるルートが思いつきませんでした。
如何でしたでしょう。皆さんが納得した終わり方でしたでしょうか?
それではまたどこかで・・
この話は如何でしたか?
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ありきたりだった。予想の範疇
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構成に難があった、こじつけすぎ
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意外と頷けた、検証としては適切
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文章勉強しろ。
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いや、面白かったよ(棒読み)