推しの子 ヒロイン全員好感度100達成RTA 作:重曹ちゃんかわいい
アイさんがアクアくんとルビーちゃんの本当のお母さんなのではないか?
そう仮定すると一見分からなかったアクアくんの行動に合理性が見られる気がした。
アクアくんは初めての作品で五反田監督の下で、アイさんの仕事を貰うために役をこなして、その結果として、かなちゃんと共演した「美しい雨」へのオファーが来て、そこで結果を残してブレイクした。
アイさんの知名度が一気に上がったのもその頃で、アクアくんがアイさんの為に手に入れた役で知名度を獲得してアイドルだけでなく役者としても評価されて、バラエティーとかにも出て、マルチタレントとして活躍するようになったらしい。
こういった経験をしたアクアくんは自分の影響力が高くなれば、役者として価値があれば、アイさんやルビーちゃんをサポートできると確信したんだと思う。
アクアくんは役者の世界で結果を出して、自分の主演作品で、ルビーちゃんやアイさんをメインキャストにできるくらいまで影響力、実力をつけた上で、主題歌に自分とルビーちゃんのユニットを当てる事で価値を一気に高めてアイドルとしても結果を残している。
もちろん、アクアくんを高く評価する五反田監督だからこそっていうのもあるけど、そういうキャストを出資者の人達を納得させるくらいの力を持っていたし、アクアくんがそういう行動をする人っていう事を認識というか、許容した上でアクアくんを使いたいと思ってる人が出資していたって事なんだと思う。
周りの人にアイさんとルビーちゃんにいい仕事をくれれば、自分は損得関係なく仕事をする。それに見合うだけの仕事をするってアピールして、結果を出してきたことで、アイさんとルビーちゃんのサポートをするっていう第一目標を達成してきたし、これからもそうしていくと行動で示してきた。
ここまでなら母親でも義理の姉に対するものでも違和感はない。
でも、アイドル活動から役者への復帰後の行動からはそういった方針を明らかに変えている。
アイさんやルビーちゃんの為にならないようなおかしい行動が多い。合理的に動こうとするアクアくんらしくない。
そして、明らかに違和感があるのは私への態度。
アクアくんは自分の影響力や人脈をアイさんとルビーちゃんの為に使う人だ。もちろん、同じ事務所のB小町の人への仕事の斡旋というか脇役として出演番組の監督に勧めるとかはしていたり、そのサポートとかもしているけど、これもB小町の成功がアイさんの為になるという目的の為の行動で、部外者だった私に対して、その力を使うのはアクアくんらしくない。アイさんの為にもルビーちゃんの為にもならない事をアクアくんが積極的にするのはおかしい。
アクアくんはアイさんとルビーちゃんを最優先にして行動をしているのは、ずっと一緒に居たからわかる。もちろん、私に好意があってというなら嬉しいけど、多分、そうじゃない。私が、アイさんやルビーちゃんにとって必要な存在でないと、こんな事にならないはず。
私を苺プロに誘ったタイミングで、なにかアクアくんが興味を持ちそうなこと。同じ学校を志望していた事、そして、ララライに声をかけられて居た事のどちらか。学校は正直、アクアくんやルビーちゃんなら簡単に受かる。なら、答えはララライに声をかけられていた事なんだろう。
金田一さんがアクアくんを見た時に零した「ヒカル……」という言葉。この人物が鍵を握っている気がした私は、練習で先輩たちに声をかけて話を聞く事にした。
すると、16歳の頃に退団している人で、小さい子には聞かせられない話だからと言われたけど、相当に素行の悪い人だった事が分かった。15歳の頃に大きな問題を起こしているらしいけど、詳しくは聞けなくて、技巧派の役者だったけど、メディア受けとかせずに売れなかったのもあって辞めてしまったらしい。という事だけ聞けた。
そして、写真や動画を見ると、アクアくんに似ていると思った。特に10歳の頃の姿なんて、アクアくんそっくりだった。顔が似ているだけならともかく、そしてアイさんの演技を真似たと言っていたアクアくんの演技の仕方にそっくりだった。もちろん、アクアくんの方が演技力や表現力では遙かに上なんだけど、基礎といえる部分は同じような演技だった。
私の演技は元々はかなちゃんとアクアくんの真似をしたものだし、苺プロにお世話になるようになってからはアクアくんの影響をすごく受けていることもあって、比較する名前としてカミキさんの名前はよく出てくる。なので、アイさんとアクアくんの名前を出して、その影響を受けているというと、口ごもる。そして、カミキさんが起こしたという事件の反応と一緒だった。
アイさんとカミキさんは大人の人が口ごもるような事件を15歳のときに起こしていているのではないか。と考えると、関係性は見えてきた。この二人は恋人同士だったんだ。そして、それが周囲にバレたんだと思う。
アクアくんはララライで自分の父親を探していた。もしくはアイさんのスキャンダルになるような事がどのように扱われているのか、調べに来たなんてこともあるかもしれない。
アイさんが義姉だった場合、昔、恋人が居たという話にすぎないけど、子供まで居たのなら一気に仕事が無くなるのもわかる。B小町だけでなく、アクアくんとルビーちゃんの契約を変えるのも理解できる。
でも、私をそういった事を調べるのに利用するために近づいたのなら、私にそういった事を言ってこないのもおかしいと思った。来年になったら、入るかもしれないって話はしていたけど、カミキさんやアイさんの事を調べるくらいなら私にも出来るから、聞いてくると思う。
もしかしたら、アイさんに対して、カミキさんが真実を話すみたいに脅迫している。なんて事態になっているなら、ララライの事を今更調べる事に意味が無い。もしくは優先順位が下がったのかもしれないけど、それなら、一年後か二年後の話なんて事にはならないはず。
「わからないなぁ。アクアくんも相談してくれればいいのに」
例え、利用する為に近づいてきたのだとしても、力になってあげたい。
アクアくんは本当に一生懸命にアイさんとルビーちゃんの為に動いている。自分の為になにかをするって事を忘れてしまったみたいに働くアクアくんの必死な姿、悩んでいる姿、それをアイさんやルビーちゃんには悟らせないようにする姿。ずっと見てきたから報われて欲しい。
完璧で何でも出来る格好いい男の子だとかつては思っていたけど、それは嘘で、目の前に居たのは、家族の為に一生懸命になっている頑張り屋さんの男の子だった。
私なんかが出来る事は少ないけど少しでも力になってあげたい。
アクアくんのサポートが要らないくらい上手くなる。ルビーちゃんの受験をサポートする。ララライでカミキさんの話を集めて、日常会話として話したりくらいしか出来ない。
ララライの話をする時は少し苦笑していたから、私が気がついている事も鋭いアクア君なら察してしまっていただろうけど、あえて言わずに伝え続けていた。
「俺は、過去、アイとルビーに対して、取り返しの付かない失敗をしたんだよ。今があるのは奇跡に奇跡が重なったからであって・・・・・・本来ならひどい事になっていた。だから、もうそんな事が起こらないようにしたい。俺の全てを使っても二人には幸せになってほしい」
そんな弱音を吐くアクアくんの姿は、小さい体がより小さく見えた。
なにか出来る事を探して、アクアくんのサポートが出来るように頑張って…………
でも私は、それだけしか考えられなくて…………友達が苦境に立たされていたにも関わらず、相談も出来ないくらい思い詰めていたと理解したのは、SNSから来た「親と喧嘩したから泊めて欲しい」というメッセージが一分もしないうちに消えた時だった。