「真実の“アイ”は、いつも一つ!!」   作:あるく天然記念物

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「遂にアイたち『B小町』はドームライブ当日を迎えた」
「しかし、それは不幸を知らせるカラスを伴っていた」
「ついにオールスター集結。果たしてアイは無事にドームライブを終える事ができるのか?」
「たった一つの真実を見抜く。見た目は青年、頭脳は明晰。その名は、名探偵────」

※今後の展開の為に少しだけ加筆を加えました。


『俺は高校生探偵、工藤晋一』後編

《物語は名探偵が子供となり、アイドルの妊娠が発覚した時より、数年先へと進む》

 

……………

 

………

 

 

 星野アイがアイドルグループ『B小町』のセンターとして活動し、約5年の月日が流れていた。

 一時期は“体調不良”として一年近くアイはアイドル活動を休止していたが、復帰後は休止前と比べて格段に精力的に活動に専念。それにより今や『B小町』は沖野 ヨーコと並ぶほどの知らない人の方が少ないレベルで人気となっていた。

 そして某月某日。『B小町』は全てのアイドル達の夢の舞台、ドームライブが開催されることとなった。

 この日、星野アイと彼女が産んだ双子、アクアとルビーは、忘れることのない出来事に襲われた。

 

 ────《ピンポーン》────。

 

「ん? 社長たちかな。はーい、今いきまーす。ごめんね、アクア、ルビー。ちょっと行ってくるね」

 

 そう言い残し、二人の元から離れ、来訪者を知らせるチャイムが鳴った玄関へと向かっていく母。

 その背中を見送ったアイの産んだ双子の兄であるアクア。そんな彼の頭に嫌な予感がよぎった。

 それは“父親譲り”の洞察力故のものであった。

(あれ、おかしくないか?)

 アクアが時計を見れば、社長が事前に連絡していた時間よりも大分早い時間だ。

(何かライブの予定が変更となって迎えにくるのが早くなったとしても、当事者のアイに一つの連絡もしないで来ることはあり得えるのか?)

 普通だったら考えすぎの一言で済ませてしまうだろう。

 加え、アクアには生前の医者としての知識はあるが、芸能界の知識はない。故に、この事が芸能界における当たり前なのか、そうでないのかの判断がつかない。

 しかしながら、譲り受けた類いまれなる洞察力が、その普通を見過ごすことができないでいた。

(…………もしかしたら、本当に社長が急な用事で来たのかもしない。一応、様子だけは伺っておこう)

 そう結論付けしたアクアは、ダイニングと廊下を繋ぐ扉を少し開けた。

 そして母の様子を見ようとしたところで、

 

「………お兄ちゃん、どうしたの?」

「ルビーか」

 

 妹であるルビーが後ろからやって来た。

 まだ4歳の身体ゆえか、眠り眼を擦りながら心配そうにアクアを見つめていた。

 

「ルビー、少しの間だけソファーの所で静かにできるか?」

「うっ、うん。それはいいけど、何かあったの? 予定の時間より早いのにママが居ないんだけど?」

「あぁ、もう迎えが来たみたいなんだが、ちょっとな。…………俺の考えすぎならいいんだが」

 

 ルビーを安心させるために軽く頭をなで、ソファーの所までつれていく。

 ソファーまで来たルビーは、やはり幼い体に精神が引っ張られたようで、すぐに眠り始めた。

(これで万が一の時が来ても、ルビーが叫んだりして俺たちの事がバレずに済む)

 身バレ防止対策はバッチリだとアクアは思った。

 まさに、その時だった。

 アクアの予想を遥かに越える事態が起こったのは。

 

────『双子のお子さん。元気そうですね』────

 

(ッ?!)

 アクアの背筋に、ヒヤリとし刃物が突きつけかれたかのような感覚がした。

 急ぎ扉の隙間に向かい、そこからアイの様子を見ると、そこには────。

 黒いフードを被った男が、アイへ白のバラの花束を差し出していた。

 ファン────ではない。ファンであればライブ会場であるドームにいるはず。

 ではスタッフか? ファンからの花束を持ってきてくれたのか?

 いや、そんなことを気にしている場合ではない。

 今しがた、あの男は何と言った?

(双子────双子だって?! アイに対して言ったのか?! 世間では誰も知らない事を、あの男は知っている!!)

 アクアの中で、アイと対峙している男の危険度が跳ね上がる。

 ────いや、それも重要だが、それだけではないだろ、アクア。

 脳内に誰かが語りかけてくる。

 ────フードに隠れているあの男の顔を、お前は知っているだろう。

 脳内の言葉に導かれるように、フードを被った男を注視する。

 答えはすぐに出た。

(あの男だ─────俺を“殺した”男だ!!)

 気づいたアクアは急いでアイを守るために動こうとしたが、身体が思うように動かない。

 子供の身体に慣れていないから?

 ────違う。それであれば乳児でありながら条件反射でヲタ芸などできるはずもない。

 それは一重に、

(…………何で。何で俺の身体は震えているんだ!!)

 アクアが自分を殺した男に恐怖していたからであった。

 自身を傷つけられただけならまだしも、殺した相手ともなればその恐怖は計り知れない。

 少なくともこの瞬間。この瞬間においては、アクアはとてつもない恐怖に陥っていた。

 そしてこの場に居ない“人物”に対して場違いな苛立ちが募った。

(どうして───どうしてこんな時に限ってコナン────“兄さん”は居ないんだ!!)

 アクアは生まれてから妹と同じぐらいの時間を共に過ごしてきた兄────江戸川コナンが居ないことに、これまでの二回ある人生で感じたことのない歯がゆさを感じた。

 アクアにとって、江戸川コナンは推しの母であるアイや妹のルビーと並ぶほどに大切であり、誰よりも頼りになる兄であった。

 アクアとルビーが生まれたときからアイの遠い親戚の子とのことで同じ家で過ごし、小学生でありながら社長夫人であるミヤコさんよりも献身的に自分たち双子の世話をしてくれた。

 時にはアクアやルビーがアイの子供だとバレそうになるのを防いだり、アイを厄介ヲタクから守っていたりしてくれていた。ルビーがアイのライブに行きたいとゴネたときなどは、アイの知り合いである阿笠博士と一緒にライブの付き添い(ルビーの引率)までしてくれた。

 そんな兄さんは数日前から“体調を崩し”病院で検査入院をしている。

 コナンが居ない今、自分だけでどうにかしなければならない。しかし、肝心のアクア自身が、震えて動くことができない。

 

────『お前が…………お前がファンを──』────

 

(やっ…………やめてくれ)

 黒いフードの男がアイへと近づく。

 バラの花束の影から、ナイフが見えた。

(逃げてくれ、アイ)

 二人の距離が、重なってしまう。

(…………助けてくれ、コナン────兄さんッ!!!!)

 自分ではどうにもできないと、アクアがこの場に居ない兄へ声なき声で助けを求めた。

 その時────祈りが通じた。

 

「────すみません」

 

 凛とした男の声が、部屋全体に響いた。

 あまりの突然の声に、黒いフードの男は視線をアイから声の主の方へ向けた。

 アクアとアイからは見えないが、黒いフードの男は自身から三歩ほど離れた位置に、一人の男が立っていたのを確認した。

 メガネをかけ緑色のスーツを身に付けている短髪の男が、黒いフードの男を見ていた。

 いつからいたんだ? 黒いフードの男が自身の近くまで来ていた男に疑問を抱き、目的を達成するか、それとも一時仕切り直しを図るか考えている最中、男が黒いフードの男に話しかけてきた。

 

「夜分遅く申し訳ありません。実は最近、このマンションの付近に変質者が出ているとの通報がありまして。申し訳ありませんが、少しお話を聞かせてもらってもよろしいでしょうか?」

「へっ変質者か。みみ、見てないな。だから、おっ………お前なんかに話すことはない。はっ、早くあっちへ行け!!」

 

(いや、変質者はお前だろうが!!)

 アクアが内心そう思う程度に、黒いフードの男は取り乱していた。

 それよりも、誰かが来てくれたのか? 話の内容からして警察か? だったら──と、アクアが声の主へ助けを求めようとアイへ近づこうとする最中、男はさらに黒いフードの男へと話しかけた。

 

「いえいえ、そうはいきません。何しろ“彼から”情報は得ています。それとも、こう言い変えましょうか────篠原 良介さん。貴方には雨宮 吾郎殺害の容疑が掛けられている。任意同行を願えますか?」

「なッ?!」

(雨宮 吾郎って、生前の俺じゃねぇか?! 容疑ってマジかよ?!)

 

 黒いフードの男とアクアは空いた口が開かなかった。

 特にアクアは自分が殺されてから約三年間報道含め何一つ音沙汰もなかった自分の殺害事件の容疑が目の前の犯人に掛けられた事に純粋に驚愕していた。

 また、アクアと同様に驚いていた黒いフードの男────良介は、選択の答えを迫られていた。

(────何故雨宮吾郎殺害がバレた? あれは“彼”が事故として処理をしてくれたはず。世間も行方不明で終わったじゃないか。というか、今日も事前準備を含めて誰も来ないと“彼は言ってた”じゃないか!!  それがどうして警察と思われるヤツから俺が容疑者として任意同行を求められているんだ!! どうしてだよぉ!! それに…………まだアイを…………ファンを裏切ったアイツを────殺せていない!! …………無理かッ!!)

 目的を達成するにしても警察と思われるヤツの目の前での犯行はリスクが高すぎる。

 そう判断した良介は、

 

「くそがッ!!」

「ッ!! 貴様、待て!!」

 

 持っていたバラの花束を男へ向けて投げ捨て、男のいる方とは逆方向へと逃げ出した。

 一瞬視界が遮られた男は良介の逃走を阻むことができず、取り逃してしまう。

 男とアイのもとから逃げ出した良介は、大声で叫んだ。

 

「アイ!! お前はファンを裏切った!! 必ず報いを受けさせてやる!!」

 

 その声を最後に、良介の声は聞こえなくなった。

 

「星野さん、大丈夫ですかッ!!」

 

 アクアとアイの目の前から居なくなった良介と入れ替わるように、男が玄関へと入ってきた。

 どうやら男は良介を追うことよりも、室内にいる人間の安全を確認を優先したのだろうと、アクアは思った。

 

「本当に、無事で何よりです」

 

 入ってきた男はアイとアクア、そしてドアの向こうにいるルビーの三人の姿を確認し、ホッと胸を撫で下ろす。

 

「あっ、あの────」

 

 入ってきた男の姿を見たアクアとアイ。アクアが警察と思われる男へ助けを求めようと声をかけようとするが「あー!!」と、なにかを思い出したかのような大きな声を出したアイに遮られてしまった。

 

「風間刑事だ!! 風間刑事、どうしてここに?」

「私は風見です、星野さん。そしてここに来たのは、“彼”から貴方の身が危ないと教えられたからです。というより、なぜドアにチェーンを掛けていないのですか!! 私が来るのが遅れていたら、貴方だけでなく、子供たちも殺されていたかもしれないんですよ、ご自身の立場が分かっているんですか?!」

「あっ、アハハ…………施設で教えてもらえなかったもので────って、“彼”? もしかして………」

 

 アイが風見へ訪ねるも、風見は「失礼」と言い、胸元から携帯を取り出すと、誰かと通話を始めた。

 

「降谷さん………はい。…………はい。…………ですが…………。えっ、FBIが、ですか。しかし…………」

 

 その様子を見ていたアクアは、風見の電話が長くなりそうだと思い、知り合いだと思われるアイへ話しかけた。

 

「母さん、あの人……風見さんって?」

「あー、アクア。ごめんねぇ、怖かったでしょう? 私がドアチェーン忘れたばっかりに。今後は気を付けるね~。でも、さっきの男の人と違って、風間さんは大丈夫だよ。なんと風間さんは警察は警察でも、公安だから、安心なのです!!」

「………え゛っ?」

 

 アイはアクアを安心させるように抱き締めながら風見の事を説明する。

 アイの告げる目の前の風見という男の正体に、アクアはアイの交遊関係に驚く。

 どうしてアイドルであるアイと公安が知り合いなのだろうか、と。

 おそらく。

 恐らくであるが、アクアにはその理由に検討がついていた。

 アイと風見さんが言っていた“彼”。その人物こそがアイを影から守り、風見さんとアイの二人と接点がある人物であると。

 

「ねぇ、母さん。母さんと風見さんが言っていた“彼”って────」

 

 アクアがアイへ“彼”について聞こうとした時であった、

 

「“彼”については、聞くよりも直接見た方がいいのではないかね、坊や」

「「ッ?!」」

 

 風見が現れたときと同じ様に、突然第三者の声が部屋に響いた。

 ちょうど電話終えた風見とアクアは声のする方を向くと、そこには黒いニット帽を被った男がいた。

 この男は誰なのかと、アクアは思うが、答えはすぐに出た。

 

「…………FBI」

(──ははっ、もう笑うしかねぇや)

 

 風見から告げられる男の正体に、もはやアクアは驚く気力すらわかなかった。

 先ほどまでアイが襲われていたというのに、今はむしろ興味まで沸いてきた。

 アイドル、公安、FBIの三者と関係のある“彼”とやらが。

 そんな中、

 

「あー!! 赤座さん!! 赤座さんも来てくれたんですね」

「おっ、お兄ちゃん、この人たち誰?! ていうか、どういう状況?! なんで知らない男の人が二人もいるの?!」

 

 やはり知り合いであったアイが、男へと話しかけた。

 それと同時に目が覚めてから一向に戻ってこないアクアを心配してルビーまでやって来た。

 そしてアクアは思った。(俺も教えてくれ)と。

 

「君は相変わらずだね、星野君。それと風見裕也君、君の上司と同じ様に私を邪険にしないでくれないか。今回の件は、“彼”から既に公安(君たち)とFBI(私たち)に話が行っている筈だろ?」

「……………確かに。そうでした」

「では、君たちは君たちの仕事を全うしたまえ。護衛は我々が引き継ごう」

「……………わかりました」

 

「(ヒソヒソ)お兄ちゃん、あの二人って誰なの? というか、この状況見られたら不味いでしょ。殺る?」

「(ヒソヒソ)アイの知り合いである公安とFBIだから大丈夫ってさ。殺ろうとしたら俺らが殺られるぞ。それに聞いた感じ、俺たちの事情も知ってるみたいだ」

「(ヒソヒソ)はっ? いやいや、流石のママでもそんな映画のような人たちと知り合いであるなんて────あー、マジ?」

「(ヒソヒソ)大マジ」

「(ヒソヒソ)…………流石は超絶アイドルのママだね、人気が天井知らず!!」

「(ヒソヒソ)おう、せやな」

 

 いつの間にかアイに抱きついているルビーへ事の顛末を大部分省いて説明しながら、取り敢えず、アイとルビーが無事でよかったと、アイの交遊関係については深く考えないようにしたアクアであった。

 

「さて、星野君。この場は公安に任せるとして、我々は少し出掛けるとしよう」

「えっ、赤座さん。この後、私ドームライブがあるんですけど、もしかして赤座さんが送迎してくれるんですか?」

「あぁ、それもあるのだが、公演までまだ時間があるだろう。せっかく“彼”が帰ってきてるのだ。なぁ、坊やとお嬢さん」

「はっ、はい「はひ」」

 

 赤座とアイに呼ばれた男はしゃがみ込み、 アクアとルビーと目線を合わせる。

((やばい、とてつもないプレッシャーを感じる!!))

 風見さんの言う通りであればこの男の人はFBIであるため、見つめられたことにより、まるで取調室で問い詰められる犯人の気持ちになってしまうアクアとルビー。特にルビーはアイの子供であることを隠すために冗談とはいえ殺害が一瞬頭によぎったため、その気持ちは人一倍であった。思わずアイではなく、アクアの背後へと移動していた。

 そんな二人の様子を見た男は「あぁ、すまない。驚かせてしまったね」と言って軽い笑みを浮かべた。

((こっ、怖ぇええええっ!!!!))

 場を和ませようとしたのだろう。しかしながら、アクアとルビーにとっては男の笑みは獲物を見つけた捕食者のように見えてしまった。

 そんな子供たちの姿を見たアイは声を荒げた。

 

「ちょっと赤座さん? アクアとルビーは初対面なので、こわーい顔しないでくださーい」

「ふむ、生まれついての顔故に申し訳ないとしか言えないな。しかし、それであれば星野君、君は私と初対面となる子供たちに、間違った名前を教えないでくれたまえ」

「………エヘヘ~」

 

 アイの人の名前を間違って覚える癖を男は指摘するも、アイは笑うだけであった。その様子に男は「やれやれ」と頭を抱えていた。

「全く。“彼”の苦労が目に浮かぶな。さて、改めて自己紹介をしよう。私は赤井 秀一という」

「おっ、俺は愛久愛海と言います。アクアと呼んでください」

「わっ、私は瑠美衣と言いましゅ」

 

 赤井の自己紹介に合わせ、アクアとルビーも自己紹介を行う。

 普段であればルビーが噛んでしまった事をアクアが冷やかすのだが、今回ばかりはしなかった。

 むしろ、よく自己紹介したと褒めてあげたいとアクアは思っていた。

 

「ふむ。アクア君、そしてルビー君。その年でしっかりとした自己紹介ができるとは、“彼”が言うように利発そうな子たちだ」

「えへん。私と“彼”の可愛い子供たちですので」

「親バカ、というヤツかなアイ君。さて、二人に聞きたいが、私や公安、そしてアイくんが言う“彼”を見に行かないか? この時間であれば、社会科見学をしても十分にアイくんのドームライブには余裕をもって間に合う。どうだろうか?」

 

 赤井の問いに対し、アクアとルビー、二人の答えは決まっていた。

 

「「────はいっ!!」」

「言い返事だ。少しだけ待っていてくれ────私だ、キャメル。車を回してくれ。なに……………そうか。その件はジョディを……」

 

 アクアとルビーの返事を聞いた赤井は携帯を取り出し、誰かと通話を始めた。

 

「ねぇ、アクア」

 

 その間に、ルビーはアクアへと話しかけた。

 

「どうした?」

「あの男の人──赤井さん……だっけ。赤井さんが言ってた“彼”って誰の事? 私、赤井さんの目が怖すぎて条件反射で返事しちゃったんだけど」

「あぁ───俺もよく分からないけど、アイと公安、そしてFBIの共通の知り合いみたいだ」

「は? なにそのザ・マンガの主人公ってみたいな人物設定。そんな人実在するの?」

「らしいぞ。少なくとも、アイは知ってるみたいだし」

「ふーん、じゃあママに聞こーっと。ねぇ、ママー!!」 「ん? なぁに、ルビー」

「ママや風見さん? あと赤井さんが言ってた“彼”って、誰の事?」

「んー、間違いなく“彼”の事だけど……………」

「だけど?」

 

 ルビーの問いかけにアイは「んー、どうしよっかな~。二人はもう会ってはいるんだよね~。でも実際には会っていないとも言えるし~。んー……」と、何やら要領を得ない自問自答を繰り返していた。

(会っている? えっ、俺とルビーは既にその“彼”と会っているのか!? けど、公安やFBIと繋がった人間なんていなかった……はず。斎藤夫妻…………いや、流石に社長夫婦ってだけで、警察とコネがあるとは思えない。だったらファンか? いやいやいや、流石にライブ会場に居ただけで会ったとは言えないだろ。それにアイは会っていないとも言えると言っていたのが引っ掛かる…………マジでどういう意味なんだ??)

 

 アイの言葉に、アクアは生まれてきてからの記憶を漁ってみるも、答えは出てこなかった。

 そんな自問自答を繰り返すアイと、「あれでもない。これでもない」と頭を悩ませるアクアを見ながら、ルビーは(悩む姿のママ………マジ尊み秀吉!!)などと、意味もないことを考えていた。

 三者三様に悩んでいる事数分、

 

「よし、車の準備ができた。三人とも、意味のない事で悩むより、実物を見に行くとしよう」

 

 電話を終えた赤井が三人へ話かけてきた。

 結局アイは「説明するよりも、本物が一番カッコいいから、見に行こっかアクア、ルビー」とアクアとルビーへ話し、出発することとなった。

 出発前、赤井が風見へ話しかける。

 

「さて、では風見裕也君。後は任せた」

「分かりました。三人の護衛をお願いします。くれぐれも、怪我をさせないようにお願いします」

「あぁ。……しかし、驚いたな」

「なにか?」

「いや、これから“彼”に三人を会わせに行くというのに、止めないのか、とね」

「………普通であれば、止めるのが正しいでしょう。事が起こっては大変なことになる。ですが、“彼”はようやく子供たちと星野さんに会えるのです。それであれば一秒でも早い方がいい。そう思ってはいけませんか?」

「ふむ。確かに、公安としてはダメだろうな。だが、人としては満点の回答だ」

「それに、護衛のFBIによる独断ですので、万が一の事故が起きても公安は無関係ですから」

「くっ───ハハハ、君も言うじゃないか。では、安全に三人を“彼”に会わせると約束しよう」

「そうしてください。では、申し訳ありませんが、星野さん。家の鍵をお預かりさせてください。現場を含めた確認を行う必要があるので」

 

 風見がそう言うと、アイはポケットから自宅の鍵を取り出し、風見へ預けた。

 その後、風見一人を家に残し、赤井とアイ、アクア、ルビーの四人はマンションの駐車場へと向かった。

 

 マンションの駐車場には、一台の外車が止まっており、その側には体格のいい男性が一人いた。

 男性は赤井の姿を確認すると、赤井の方へ近寄ってきた。

 

「赤井さん、お疲れ様です」

「すまないな、キャメル」

「いえ。それより、後ろの三人が“彼”の」

「あぁ。今回の護衛対象だ。すまないがキャメル、先にドームの方へ向かってくれるか?」

「分かりました。では、お気をつけて」

「お前もな、キャメル」

 

 赤井がキャメルから車の鍵を受けとると、キャメルはドームの方へ走っていった。

 赤井はキャメルを見送ると車に乗り込み、エンジンをかける。

 

「時間が押してきている。さぁ、乗ってくれ」

「はーい。それじゃあアクア、ルビー。行こっか」

「はーい!! あっ、私はママの隣~!!」

「ハイハイ。あぁー、でもそれだとアクアが………」

「…………俺は助手席に座るよ」

「あれ、お兄ちゃん珍しい」

 

 できることならアクアも推しの隣に座りたい。だが、今はそんなことよりも“彼”という存在の方が気になっているアクアはアイの隣をルビーに譲り、急いで助手先へと座った。

 

「三人ともシートベルトはしたな? では、急ぐとしよう」

 

 三人が乗り込むのを確認した赤井は車のエンジンを吹かせ、マンションから出発した。

 “彼”とはどのような人物だろうか。

 出発してからのアクアの脳内はそれが殆どを占めていた。

 またそれと同時に、

 (アイや俺たちとって重要な人なら、アイの親戚でもあるコナンにも合わせてあげたかったな)  

 アクアは何故か兄の事が頭から離れなかった。

 

 アクアが悩むなか、車は《劇団ララライ》の事務所がある方向へと向かって行った。

 

……………

 

………

 

 

 場面が移り、ここは都内のとある埠頭。

 その埠頭の中にある一つの倉庫。

 その中に、一人の男が逃げ込んでいた。

 

「くそ──くそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそ…………くそがぁっ!!!!」

 

 倉庫の壁を思い切り殴り付ける。

 ガァン、と。無機質な音が倉庫内に虚しく響いた。

 彼は黒いフードを被った男────篠原良介であった。

 彼は星野アイの殺害を邪魔され、急いで事前に準備してもらった車でマンションから逃走した。

 本来であれば準備をしてくれた人物によって問題なく逃げ切れる筈であった。

 そして逃走後、再び機を狙い、アイへ復讐をする予定であった。

 だが、予定はすべて水の泡となっていた。

 

「何で…………なんで警察が既に網を張ってんだよ!! バレないハズだったろ?! あの男はそう言ってたし、雨宮のヤツを殺したときも大丈夫だったのに、どうして今回は追われてんだよ!?」

 

 それは篠原が車でマンションから逃走を行って数分後の出来事であった。

 

『そこの前を走っている車、路肩に停車してください!! 車両ナンバー《東都599 あ 20ー21》の車、今すぐ停車しなさい!!』

「はぁ?!」

 

 逃走を開始して数分後にはパトカーから停車を求められ、

 

『すみませーん。只今交通安全強化期間につき、免許証の確認を行っていまーす!!』

「なんでこんな時に免許証開示の検問してんだよ!!」

 

 行く先々で検問が張られていたことにより、良介は都心部からの脱出が不可能となった。

 そして極めつけは、

 

「あっ、見つけたぞ!! 目暮警部、高木君!! ホシを見つけました!!」

「なに!! 白鳥君、本当かね!!」

「白鳥さん、今すぐ向かいます!!」

 

 既に警察から倉庫に逃げ込むのが見つかっている始末だ。

 逃げ込んだ倉庫の出入り口は一つしかなく、その出入り口からもう間もなく警察がやって来る。

 

「ハハ…………ちくしょう………」

 

 逃げ切ることは叶わない。

 もうどうしようもないその現実を前に、良介は力が抜け、その場に座り込んだ。

(────一体全体、何がどうなってやがる。俺はただ、ファンを裏切ったアイに報いを受けさせたいだけだってのに……)

 それがどうして、こんな大事になってしまったのだろうか。と、良介が考えたところで、

 

「動くな!! 両手を頭の上に上げなさい!!」

「…………最悪だ」

 

 ついに警察が倉庫に入ってきた。

 三つの懐中電灯の明かりが良介に殺到する。

 良介は大きく抵抗することなく、気だるげに両手をあげた。

 その様子を確認後、入ってきた警察の内の一人は良介の元にたどり着き、

 

「篠原良介。雨宮吾郎殺害、ならびに星野アイ殺害未遂の容疑で逮捕する」

「……………くそが」

 

 良介の腕に手錠をかけた。

 それから警察は良介を立たせ、残る二人の警察の元へと良介と共に向かう。

 

「目暮警部、犯人を確保しました」

「うむ。ご苦労、白鳥君」

「お疲れ様です、白鳥さん」

「…………んで……」

「ん?」

「なんでなんだよぉ!!」

 

 後はパトカーに乗せられ、連行されるだけ。

 そんな自分の姿を容易に想像できた彼──良介は、今後行き場のない苛立ちを言葉にしていく。

 もうどうしようもないのなら、せめて全て吐き出そう、と。

 

「どうしてファンを裏切ったアイに報いを与える俺が捕まり、ファンを騙し、裏切り、のうのうとガキこさえて生きているアイは何にもねぇんだよッ!!」

「………………それで?」

 

 良介の叫びに、帽子を被った恰幅のいい刑事───目暮警部は表情を一つも変えることなく、彼に聞き返した。

 その目暮の様子に、良介の怒りは更に高まった。

 

「それでぇ……? それでだと?! お前たち警察は可笑しいと思わねぇのかよ?! 詐偽の被害者が捕まり、実行犯がのうのうと犯行を続けている現状によぉ!! 誰も動けない。警察も何もしねぇって言うんなら、俺が殺るしかねぇえだろうが!!」

「このっ、静かにしな──」

「いいんだ、高木くん」

「めっ、目暮警部………ですが」

「いいんだ、高木くん。それで、君はアイ君のファンを代表者として雨宮氏を。そして星野アイ氏を殺す権利があると?」

「あぁ。あの日、俺にだけ真実が告げられた。体調不良ではなく、アイがガキを作り、入院しているってなぁ!! だから、俺がファンの代表としてアイがガキを産む手伝いをした産婦人科医とアイに報いを────」

 

 良介がそこまで言った時であった。

 

「バカものォオオオッ!!!!」

「ッ?!」

「ヒイィィィ!」

「めっ、目暮警部?」

 

 良介の身勝手な物言いに、遂に目暮の堪忍袋の緒が切れた。

 腰を抜かす男───高木刑事と、驚いている白鳥を横目に、目暮は鬼のような形相を浮かべ、良介を睨んだ。

 

「っ、てめぇ」

「さっきから聞いていれば何だ!! 裏切られた? 報いを受けて当然? どんな理由があろうとも、殺人は殺人だ!!」

「だが、事実アイはファンを裏切────」

「君が星野氏から裏切られたのなら、君は星野氏のファン全員を裏切ったのだと、なぜ気づかない!!!!」

「なッ……?! おっ、俺が裏切った、だと?」

 

 目暮の言葉に、良介はたじろぐ。

 それも無理はなかった。

 誰よりも裏切りが許せなかった自身が、誰かを裏切ったのだと、彼は気づいていないのだから。

 

「ファンであると言い訳をして、人を一人を殺して、その次は本人に報いを受けさせるだと? 一体それが何になると言うのだ!! 君の身勝手な振る舞いが、君を除く星野氏のファン全員を貶め、裏切ることになると、なぜ気づかんのだッ!!!!」

「おっ…………俺は………報いを……」

「その報いを、ファン全員が望んだのかね? 君に殺してくれと、本当に頼むと思って居るのかッ!!!!!」

「っ…………ぁぁ……………」

 

 目暮の指摘に、良介は言葉に詰まる。

 そして目暮は彼の行いに、最後の言葉を告げた。

 

「君の行いは、ファンの為でも何でもない。ただの…………身勝手な逆恨みだ」

「ぁぁ…………あぁああアぁぁあああぁッ──────!!!!!!」

 

 最後の目暮の指摘により、彼の身に纏っていた正当性という鎧は容易く砕け散り、残ったのは殺人という大きな罪と後悔に苛まれる年相応の少年だけであった。

 

「おぉ、俺は──おれは────あぁあぁ………うぅあぁあぁぁあ!!!!」

 

 償う術など知らない少年は、ただ泣き叫ぶ事しかできなかった。

 それで罪が消せるわけでもないが、彼にはそれしかできなかった。

 今までの怒り、焦燥、悲しみ。それらを全て混ぜ混んだ叫びが、倉庫内に木霊する。

 そんな少年の姿に目暮はそっと、羽織っていたジャケットを被せたのたであった。

 

……………

 

………

 

 

「こうして犯人は無事に捕まり、彼の物語は次へと進んでいく……………か」

 

 劇場のような場所に、一人の男がいた。

 誰もいない劇場。

 しかし、彼にはまるで満席であるかのように、観客席に向けて両の手を広げた。

 劇はまだまだ続く、と言うかのように、彼は悲壮の笑みを浮かべて。

 

「しかし、残念なのは公安や警視庁、果てにはFBIがでしゃばって来たことかな? 困るなぁ~。エキストラ風情が主役の活躍を遮るなんて、三文芝居にもならないよ。でも………」

 

 そう言って男は両腕を地面へと垂らし、そのまま顔を舞台袖へと向けた。

 その時には、彼の表情に悲壮感などはなかった。

 あるのはただ────

 

「君がここに来てくれたのは、嬉しい誤算だったよ───工藤晋一さん…………いや、“江戸川コナン君”?」

 

 推しの人を見つけたように頬を染め、“黒き星の輝き”を目に宿した、一人のファン(奴隷)の姿があった。

 そんな彼とは対照的に────

 

「そうかよ。けどおあいにく様、俺はちっとも嬉しくねぇよ。神木 煌君」

 

 舞台袖から出てきた名探偵は、昔と変わらず“どこまでも透き通るようような光”を瞳に宿して、彼を見つめていた。

 

○ ○ ○

 

「何時から、僕が仕組んでいたことに気づいていたんですか?」

 

 まるで憧れの人に初めて会えたかのような笑みを浮かべた神木が、俺に問いかけてきた。

 普通であれば、犯罪を犯した人間は罪を隠そうとする。だが、コイツは逆だった。“隠そうとせず”、むしろ“暴いて欲しい”と言うような様子である。

 …………いいぜ、そっちがその気なら暴いてやるよ。

 俺は彼が変な動きをしないよう注視しつつ、問いに答える。

 

「情けねぇ話だが、行方不明となった雨宮吾郎さんの捜索を行ったのが、全ての始まりだった」

 

 雨宮吾郎さん。宮崎県の産婦人科医。

 彼は星野アイが子供を出産する際の担当医であった。

  そんな彼は星野アイのファンの手によって“殺害”された。

 

「当時のマスコミは行方不明と片付けていた。だが、俺は事故ではなく“事件”だと考えていた」

「へぇ…………。あっ、そっかぁ。当時の君は彼女や彼の“近くに”いたんだっけ。いやはや、昔の事なのに二人に嫉妬してしまうなぁ──────殺したいぐらいに、ね」

「…………」

 

 …………何言ってやがる。殺したいぐらいに処か、てめぇは“それ以上の事”をしやがって。

 俺は腸が煮えくり返る思いを表に出さないように自制しつつ、話を続ける。

 

「当時の俺は急に居なくなった雨宮吾郎さんの捜索をしていた。数ヶ月探したが、遂に雨宮吾郎さんの姿は確認できなかった」

「そうだねぇ。マスコミが行方不明と片付けるくらいだからね」

「あぁ、不思議だったぜ────居なくなって“数日と経たずに”行方不明で片付けられちまったからなぁ」

「それのどこが可笑しいんだい? 居なくなって数日も経てば行方不明って誰もが判断するのでは?」

「あぁ。普通だったらそうだろうなぁ。けど、雨宮吾郎さんの産婦人科医院は“山奥に建てている”。そんな山奥の産婦人科医が居なくなってたのに“事故”って、どこもとり上げなかったのは可笑しいだろ?」

「…………へぇ? それで?」

「そこで俺は視点を変えた。雨宮吾郎さんの所在ではなく、どこのメディアが一番最初に“行方不明と言い始めたのか”を」

 

 雨宮吾郎さんが居なくなってから行方不明と事件が片付けられるまでの数日間の間に、東都内全てを対象に、事件を取り上げた報道局・出版社・マスコミ、それら全ての記事を確認して回った。

 当然ながら、その数は尋常ではなく、確認だけでも数ヶ月はかかった。だが、これで諦めたら、誰が事件を解決できるんだ、と。俺は時間を見つけては探し回った。

 そして────ついに。

「全国東都放送局が、一番最初に“行方不明”と取り上げていたのが分かった」

「…………なるほど。けど、それだけで僕が分かったのかい?」

「あぁ、分かんなかったよ。捜査が行き詰まっちまった。何しろ、放送局が分かった処で、そこから犯人に繋がる手がかりが何一つ無かったからな」

 

 全国東都放送局が怪しいとまで嗅ぎ付けた俺であったが、そこからの捜査は難航した。

 何しろ、その頃には世間は雨宮吾郎は行方不明で片付けられ、警察も捜査を打ち切ろうとしていた。

 そんな最中に、雨宮吾郎の捜査でと言って聞き取りに応じてくれる職員など一人も居なかった。

 しかし、そこで諦めることができなかった俺は、原点に戻り、次の一手に出た。

 

「だからしらみつぶしに探したさ」

「何をだい? まさか、局員全員を調べでもしたのかい?」

「いやいや。“星野アイの関係者”と“全国東都放送局”の2つに接点がある人物全員だよ」

 

 『事件に行き詰まった時、一度後ろを見てみるといい、晋一。人間は“大きな穴”程、意図的に避けてしまうものだ。それは前からは見えにくいものの、後ろからは容易に見ることができる』と、ハワイで親父が俺に教えてくれた。

 どうして雨宮吾郎が行方不明、殺されてしまったのか。そもそも、ただの産婦人科医である雨宮吾郎が狙われる理由は何なのか。

 その答えは簡単だった。

 星野アイ。

 彼女が産婦人科へ入院したことが、彼の人生において一番の変化であるのは明白だった。

 亡くなった彼に申し訳ないが、彼の経歴をプロファイリングした結果、それと“彼女”の二つしか特出したものが見付からなかったのだ。

 

「そうして容疑者は三人程度に絞り込めた。一人は全国東都放送局局長の朝比奈 宗次郎さん。二人目は各メディアにも顔が利くとされるIT企業の女社長であり、アイの熱烈なファンでもある藤城 恵さん。そして────」

 

 俺は一呼吸おき、

 

「三人目は東都放送局が支援している《劇団ララライ》の若き天才役者───神木さん、貴方だった」

 

 力強く、彼を指名した。

 俺から容疑者として挙げられた神木は途端、

 

「んんぅ、なるほどねぇ。あの少ない状況から、貴方はそこまで真実を見つけることができるのかぁ。なんて────なんて素晴らしいんだ!!」

 

 目を思い切り開き、口の端からは涎を垂らしながら彼は、ここまでの推理をした俺を讃えてきた。

 その姿は、まるで神を狂信する信者のようだった。

 

「でも、君が絞り込んだ三人と雨宮吾郎殺害はどう結びつけるのかい? 少なくとも実行犯はいないけど??」

「あぁ。確かにおめぇが言うように、俺が絞り込んだ三人と雨宮吾郎殺害の接点が見付からなかった。だが、意外と思わぬ所に大きな穴はあるんだぜ、神木」

「…………大きなアな?」

 

 俺が絞り込んだ三人。

 確かにこの三人に雨宮吾郎殺害の動機がなければ、犯行を行う手段も無かった。

 しかし、視点を変えれば全員が怪しかった。

 何しろ────

 

「自分で犯行をする必要が無いと仮定すれば、全員が雨宮吾郎殺害の容疑者に早変わりだ」

 

 犯行を“誰かに”させれば、自分は怪しくないと見せかけることができる。

 そしてこれが最後の、事件を解く鍵であった。

 

「そして三人の中でも、神木さん。あなたは多かった」

「…………なにがだい?」

「わざわざ携帯を使わずに“公衆電話”に入った回数や、“短時間”のインターネットカフェ利用歴が、他の二人よりも群を抜いて多かったのさ」

「…………」

 

 特に公衆電話での通話履歴を“知り合いに調べてもらったら”、明らかに接点の無い人物へ掛けている事が判明。

 電話番号から割り出せば、星野アイだけでなく“数多くの芸能人のファン”がヒットした。

 そして彼が電話をかけたファンの推し達がもれなく“芸能界から居なくなっていた”。

 

「あなたは雨宮吾郎や星野アイだけでなく、ファンを利用して多くの国内外問わず芸能人を消していったってわけさ。今回の件も含めてな!!」

 

 俺は右腕をゆっくりと上げる。

 

「雨宮吾郎殺害事件、並びにこれまでの芸能人失踪の数々。それら全ての事件を裏で操ってきた」

 

 そして思い切り彼────

 

「真犯人は────貴方だ!!」

 

 神木煌を指差す。

 

「ハハ…………」

 

 指差された神木は一瞬目を見開いた。

 そして次の瞬間には────

 

「────大正解だよ、晋一さん!!」

 

 とびきりの笑顔を、見事な推理をした俺へと捧げてきた。

 奇しくもそれは、幼いときのアイと同じような表情であった。

 

「あぁ、その瞳だ。星野アイが独り占めして止まない光が、今この時だけは僕を、僕だけを見つめてくれているッ!!!!!!!!!!! あぁ、僕は今、生きていてよかったと心から言える!!!!」

 

 そう言って恍惚感に浸りきったような表情をしながら、両腕で体を抱き締める神木。

 そんな彼の様子を半ば無視するように、俺は彼に話しかける。

 

「お楽しみの最中申し訳ねぇが、もうすぐ警察がくる。大人しく自首しろ、神木」

「…………いや、まだだよ」

「なに? おい、変な真似は───」

 

 「するな」この一言が出なかった。

 目を離してはいなかった。どんなマジックを使いやがったのは定かではない。

 だが、確かに言えることがある。

 コイツは今────

 

「晋一さん…………僕はね、そうした輝きのある人が堕ちていくのが、堪らなく愛おしいんだ。だから晋一さん。貴方の瞳を────僕だけの物にしたいんだ」

 

 拳銃を握っていた。

 銃口はぶれることなく、真っ直ぐに俺の方を向いていた。

 …………おいおい、コイツはただの舞台俳優のはずだろ。

 

「おめぇ、その銃どっから出しやがった。手品師にでも転職したらどうだ?」

「話を逸らしても無駄だよ、晋一さん。僕はもう、貴方の瞳を僕だけのものにすることしか考えてないよ」

 

 そう言い、銃口を俺に向けながら俺の方へ近づいてくる神木。

 俺の手がギリギリ銃に届かない絶妙な距離で、彼は止まった。

 

「僕はねぇ、晋一さん。貴方の奴隷(ファン)だ。それこそ、高校生探偵として名を馳せる前から貴方に。そう、僕は貴方の瞳の奴隷だった」

「ハハッ、あんまり嬉しくねぇな」

「そう言わないでくださいよ。それでね、幼い頃から貴方の追っかけをしているうちに、遊園地の出来事を見たんだ。驚いたなぁ、高校生がまさか小学生になるなんて、思っても見なかったよ」

 

 …………コイツ、俺が黒づくめの男に毒薬を飲まされた場面を見てたってのかよ?!

 神木との因縁がまさか黒づくめの男と同程度だったことに驚きが隠せない。

 しかし、ここで動揺し、隙をさらすわけにはいかない。

 俺は震えそうになる声を圧し殺しながら、虚勢でも張るように大きめの声を出した。

 

「………へぇ、それは奇遇だな。俺もだよ」

「けどねぇ、そこから厄日の始まりだった。なにしろ、その後晋一さんは江戸川コナンとして星野アイの家に同棲を開始した。僕にとっては、大切なおもちゃを取られた気分だった。そして考えたんだ。どうすれば貴方の瞳を独り占めできるだろうかって」

「へぇ、なんか妙案でも思いついたのか?」

 

 俺の問いに、神木は頷いた。

 しかしそれは、

 

「うん!! 大事件を起こせば、嫌でも君は僕を探してくれるだろ? 犯人と探偵として、ね」

 

 俺の人生で最も最低な答えだった。

 そんな俺の気持ちを知るよしもない神木は、次々に聞いてもいない事件の動機を話し始めた。

 

 

「初めは適当な殺人でも起こそうかと考えた。けど、僕が殺人をしたら晋一さんではなく警察なんかが僕を探すことになる。それじゃあ意味がない。だから、僕は芸能界を裏で操ることにした。そうして晋一さんとは程遠いけど、輝きのある人たちが堕ちていくのを見るのを楽しめたし、最終的にはどうやってもとに戻ったのかは知りませんが、江戸川コナンではなく、こうして晋一さんは来てくれた」

「…………そうかよ」

 

 恐らくだが、コイツは手遅れだ。

 犯罪者は、その罪を犯したとき予想外の行動を取る。

 だが、目の前の男は決定的に違う。

 犯罪に“慣れきっている”。そして、悪だと理解しながら悪行を行う下衆以下の畜生だ。

 俺が神木に対して怒りを覚えるなか、彼は時計を一目見た。

 そして名残惜しそうな声で、俺に話しかけてきた。

 

「さて、そろそろ警察も来るから、晋一さん。お別れですね」

「…………おめぇに、その引き金を引く覚悟があるのか?」

「えぇ、僕は自分の手で殺人を行うなら、晋一さんだと決めてましたから」

 

 神木はそう言いながら、拳銃の引き金に手を掛ける。

 着実に自分の死が近づいていく中、俺は不思議と落ち着いていた。

 …………理論上なら、できるはずなんだ。俺の予想が正しければ。

 

「ん? これから死ぬって言うのに、随分と落ち着いていますね、晋一さん」

「あぁ。恐怖が一周回って逆に笑えてきたんだよ」

「それはよかった。下手に泣き叫ばれて瞳の輝きが曇ってしまうのは、僕の趣味に反しますから────では」

 

 神木の親指が、拳銃の劇鉄を起こす。

 …………まだだ。まだ動いてはダメだ。

 俺は神木から一瞬足りもと目を離さない。

 一秒、或いは十秒だろうか。無言の状態が続いた後────

 

「さようなら───工藤晋一」

 

 パァン!!

 と、乾いた音が劇場に広がった。

 普通なら俺はここで死ぬのだろう。

 いくらライフルよりも速度が遅いとはいえ、拳銃の速度は350m/秒。俺と神木の距離が2メートル弱あるとしても、普通に考えて避けるなんて不可能だ。

 しかし、だ。

 逆を言えば、拳銃の弾よりも“ライフルの弾の方が早いのだ”。

 それに、神木の時計を盗み見した限りでは“もう間に合っている筈だ”

 つまり何が言いたいのかと言えば────。

 

「───ああぁあッ!!!!!!」

「サンキュー、赤井さん!!」

 

 拳銃を持っている手を、ライフルで撃ち抜かれるのを避けるのは、もっと無理だってことだ。

 撃たれた神木は腕から血を流し、銃口が俺から逸れた。

 その瞬間を逃しはしない!!

 俺は神木との距離を瞬く間に跳躍で潰す。そしてすれ違いざまに膝を神木の顎へと撃ちつけた。

 

「いっけぇえええええッ!!」

「っ?! ────ガバッ……」

 

 顎を思い切り強打されたことによって、神木は脳震盪を起こす。

 そして数歩後ろに下がったあと、そのまま意識を失い、地面へと倒れ込んでいった。

 

「ふぅ───ナイスショット、赤井さ───」

「晋一ッ!!!!」

「うおっ、と。あらッ?!」

 

 赤井さんのフォローに感謝を伝えようとした瞬間、一人の女性が俺の胸に飛び込んできた。

 俺はそれを避けることができず、飛び込んできた女性と共に地面に倒れ込んでしまう。

 そんな女性を、俺はよく知っていた。

 そして、その彼女に対して俺が言う言葉はたった一つだった。

 

「はぁ………ただいま、アイ」

「うん…………うん!! お帰り、晋一!!」

 

 アイは思い切り俺に抱きつき、顔を胸に埋めいった。

 そんなアイの頭を撫でつつ、舞台袖の方を見れば、ライフルを片手にする赤井さんと、小さな子供達が二人いた。

 子供たちは赤井さんに背を押され、こちらへと歩いてくる。

 俺はアイを起こし───起こし…………えっ、ちょっと待って。スッゴい力で押さえつけられてる!!

 

「ちょっとアイさん? ここは家族の再会をする場面では?」

「…………グリグリ」(顔をもっと擦り付ける音)

「いい加減にしろ」

 

 俺は軽くアイの頭を叩いた。全く、コアラかおめぇは。

 

「あいたッ! ぶった?! ねぇ晋一、今ぶった!!」

 

 アイのだだっ子パンチを受けながら上体を起こす。

 そしてその頃には、子供達が目の前に来ていた。

 本当に、数日前に会ったばかりだってのに、大きく見える。

 

「この姿だと、初めましてかな。工藤晋一、血縁上はアクアとルビーのお父さんだ」

「はっ、初めまして。俺はアクアと言います。それでこっちは──」

「いっ、妹のルビーです。えっと、工藤晋一さんって、あの高校生探偵の?」

「んー。今は学歴的には大学生探偵かな?」

「────やっば……ママが推しなだけでなく、パパも推しピだったなんてぇ~」

 

 何やらルビーがあ「いやん、いやん」と身体をくねらせて悶えている。

 そう言えば、アクアがルビーに対してアイ以外の推しがいるのか尋ねた際、嬉しいことに俺だって教えてくれたっけ。

 まあ、それはともかく。ようやく本当に会うことができたんだな、俺。

 

「本当に、大きくなったなぁ、二人とも」

 

 俺はアイを中心にアクアとルビーの二人を抱き締めた。

 

「きゃー、晋一ったら~」

「とっ──晋一さん?」

「えっ、なにこれ?! 推しと推しのサンドイッチ?! ……なにこの幸せトライアングル。私今日死ぬの?」

「ハハッ、相変わらずルビーは面白いな」

「えっ、晋一さん───パパは私とは初対面の筈じゃあ」

「ん? あぁ、この姿ならな。それともこう言った方がいいか────」

 

 俺はアクアとルビーの二人を見つめながら、あの言葉を言う。

 彼らの“兄”として過ごしていたように。

 

「江戸川コナン────探偵だよ」

「「えっ?! ──────エエエエエエエエえええぇえええッ??!!」」

「あっ、アハハハハッ!!」

 

 俺のカミングアウトに、アクアとルビーの叫びとアイの笑い声が劇場を駆け巡っていった。

 そんな最中、

 

「家族団欒、そしてとんでもないカミングアウトをしている最中申し訳ない」

 

 半分笑いながらギターケースを肩に背負った赤井さんがこちらにやって来た。

「あ、赤井さん。ごめんなさい、完全に忘れてました。それと、ありがとうございました」

「うむ。いつもは坊やに助けられてばかりだから、偶にはな。それにしても、坊やもそんな顔ができるんだな」

 

 どんな顔だよ、と言いたかったが。多分、今の俺はあまり人には見せられない“ぐちゃぐちゃな笑顔”なのだろう。

 

「あー……まあ、これでも一端の父親ですから」

「そうか。では、急いで出発するとしよう。このままでは間に合わなくなってしまう」

 

 ………間に合わなくなる? 何に? と俺は疑問を持ったが、その答えは子供達が教えてくれた。

 

「「あー!! ドームライブ!!」」

 

 そう言えば、今日がアイのドームライブ当日だったっけ。

 伸びている神木については後から来たジョディさんが責任をもって連行してくれることとなり、俺たちは急いで《劇団ララライ》の劇場を後にし、ドームへと向かって行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一連の事件が終わった後、その影で不思議なことがあった。

 それは神木が警察によって移送されている最中の出来事だ。

 

「ほぉ、ついにあの小僧が長年の謎を解き明かしたか。火事場泥棒のようで申し訳無いが、生ゴミとして捨てられるくらいならば…………我輩が頂こう。では────────いただきます」

「貴方は何も─────ッ??!!」

「ふむ…………腹は大いに膨れたが、味は些かジャンクだな。やはり“あの時”のように質と量を兼ね備えた謎でなくては食べ応えがない。まあ、楽して食えただけマシとするか」

 

 移送される車両の中、人知れず静かに神木は何かを喰われた。

 それはまるで鳥類の補食のようであった。

 喰った青いスーツ姿の男は、もう用事は済んだとばかりに移送される神木に対して何も思うことなく、無関心に車両を見送る。

 また、その後の神木はまるで“大切な何かを失った”かのように、無気力な状態で取り調べに応じたという。

 なんて事はない。

 晋一が預かり知らぬ、ただの“魔人の食事”だ。

 

 

○ ○ ○

 

 そしてこの日、

 

「みんなー、アイだよー!!」

 

──ワァアアァァァアァアッ!!!!!!──

 

「「きゃああぁああぁあッ!!!!!! さいっ、高!!!!」」

「………ハハッ。本当にな」

 

 親子揃ってのライブ参加は、人生で最も短く感じた幸福な時間であった。

 

…………

 

………

 

 

 時は更に進む。

 劇団《ララライ》の神木煌が芸能界を震撼させる事件の解決から、3年の月日が流れた。

 

 場所は帝丹小学校。

 ここに、俺たち家族は全員でいた。

 理由? んなもん、簡単だ。

 

「よし、それじゃあ3人とも、写真撮るぞー」

「「はーい!!」」

「おっ、お願いします」

「あー、アクアったら、もしかして緊張してるのー?」

「うっ、うるさいぞ、ルビー」

「こーら、二人とも喧嘩しないの」

「ごめんなさい、ママ!!」

「………ごめんなさい」

「おいおい、二人とも、謝る相手が違うだろ?」

「……アクア、ごめん」

「こっちこそ、悪かった」

「んじゃ、気を取り直して撮るぞ。タイマーセット、よし」

「「「「チーズ!!」」」」

 

 今日はアクアとルビーの小学校入学式。

 俺とアイは、二人の晴れ姿を見に来ていた。

 そして、校門前にて家族全員で何枚か写真を撮った後の事であった。

 

「あのー、すみません。写真をお願いできませんでしょうか?」

「あっ、大丈──夫……で…………す」

 

 俺は声をかけてきた目の前の男性の姿を見て、声がでなかった。

 その男性は髪をオールバックにし、チョビヒゲが生えていながらもスーツ姿が似合う人だった。

 おいおい…………とんでもねぇサプライズだな。

 

「ん? どうかしましたかな?」

「あぁ、いえ。すみません、知り合いに似ていたもので、つい」

「そうだったのですか。それは私みたいにダンディな人なのでしょう」

「ハハッ、確かにそうですね。では、写真を撮りますので、並んでください」

「あっ、わざわざどうも。蘭、英理、撮るぞー!!」

「はーい!!」

「分かったから、あんまり大きな声出さないでちょうだい。本当に、主人が申し訳ありません」

「いえいえ、お気遣いなく」

 

 この時代にあまり見かけない髪のまとめ方をした娘さんを含めた三人の写真を撮る。

 撮影後、折角だからと俺たちは家族を紹介することとなった。

 

「改めまして。俺は工藤晋一と言います。こっちは妻のアイです」

「工藤アイでーす!! よろしくお願いします!!」

 

 俺とアイの自己紹介、特にアイの自己紹介のあと、“おっちゃん”の様子が急変した。

 

「あっ、アイ………ももも、もしかしてあの有名なアイドルの?!」

「あははは、やっぱりバレますよね」

「いやー。私は毛利小五郎と言います。お嬢さん、貴方のような可憐なアイドルとお近づきに───」

「ふん!!」

「にっぎぁー!!!!!!」

 

 案の定、嫁さんである英理さんから思い切り足を踏まれ悶絶する小五郎。

 そんな様子に、俺は思わず笑みを浮かかべてしまった。

 本当に、時間の流れが変わっても、おっちゃんは相変わらずのようだ。

 

「はぁ。まったく、主人がとんだご迷惑を。私は毛利英理と言います。何かあれば、私の事務所に相談してください」

「おおー、晋一。法律事務所だって」

「そうだな。あぁ、俺は一応、探偵をしています。今後ともよろしくお願いします」

 

 そう言って名刺を取り出し、英理さんと交換を行う。

 今のところは“毛利英理”法律事務所であるようだ。

 

「今後ともよろしくお願いします。そしてこっちが娘の毛利蘭です」

「はっ、始めまして。毛利蘭と言います」

「きゃわー!! 晋一晋一、あの子スッゴくきゃわーだよ!! こうなったら、私たちの子供も見せてあげないと」

「おいおい、何と張り合ってんだおめぇはよぉ。あぁ、すみません。ウチのアイは独特なもので」

「いえいえ、ウチの主人に比べたらマシですよ」

「あははは、それは何と言っていいのやら。それで、この子が双子の息子の愛久愛海で、隣が妹の瑠美衣です」

「あっ、アクアマリンと言います。アクアと呼んでください」

「ルビーと言います。これからよろしくね、蘭ちゃん!!」

「うっ、うん!! これからよろしく。アクア、ルビー」

「あっ、あぁ。よろしく」

 

 こうして俺たち家族は、図らずも毛利一家と知り合いになった。

 俺が会えなかった毛利蘭と共に過ごすアクアとルビー………か。

 この先、アクアとルビー、二人はどのような人生を歩んでいくのか。

 まっ、どんな人生であろうと、どんな事件が来ようとも、俺はそれを支えるとしよう。

 

「ねぇ晋一?」

「ん。どうした、アイ?」

 

 子供達が教室へと向かっていくのを見送ったあと、アイが俺に話しかけてきた。

 

「私の本当の“愛”って、見つけられた?」

「………さぁ? どうだろうな?」

「あー、誤魔化したー!!」

「さーてね。ほら、行くぞ、アイ」

「あっ………うん。エヘヘ」

 

 …………言えるわけねぇだろ。アイという迷宮に閉じ込められてしまったなんて。

 でも、安心しろアイ。一生かけて、その迷宮で一緒に過ごしてやるよ。

 結局は恥ずかしくなり、俺は適当な言葉を言いつつ、アイの手を握りって子供たちの入学式が行われる体育館へと向かうのであった。




next コナン,S ヒント!!

『ブーケトス』

「次回からは短編の連載がスタート(仮)」
「ところで、どうして晋一は大人に戻るのに三年もかかったの?」
「それは今後のお楽しみってことで…………」
「「俺(私)たちの少年探偵団編は?」」
「……………次回もおたのしみに!!」

※御愛読ありがとうございました。
短編集につきましてはぼちぼち書き進めていきます。
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