とある魔術の禁書目録外伝IF〜とあるフレンダの救済計画〜 作:死徒
フレンダにオビトが正体を現します。
「終わったぞ」
麦野を幻術に掛け、浜面達に預けた俺はフレンダを飛ばした時空間へとやって来る。
しかし、そこでは…
「なんですかこの金髪リア充(ゴールド)! わたくしとあの方の世界に土足で入り込まないで下さい!」
「そんなの知らないって訳よ! 私はアイツに吸い込まれて気付いたら此処に居たんだから!」
「あの方をアイツ呼ばわりとは…フフッ…この金髪リア充には厳しい躾が必要なようですね…」
フレンダとヤンデレボッチこと猟虎が言い争いをしていた…
「お前達…何をしているんだ?」
「あっ! オ…じゃなくトビさん! 何でこの金髪リア充が此処にいるんですか!? 此処は貴方様とわたくし二人だけの世界の筈です!」
「ちょっと暁のトビ! 何なのよこの女は! ムカつく訳なんだけど!」
「ハァ…兎に角順を追って説明する…落ちついて聞けフレンダ。 猟虎、そもそもこの神威空間は俺とお前の世界じゃない…その暴走癖もう少し何とかしてくれ」
「わ、分かった訳よ…」
「ご、ごめんなさい!…あ、謝りますから…わ、わたくしを嫌わないで下さい!」
「嫌わないから先ず落ち着け猟虎」
「は、はい! トビさんがわたくしを嫌っていない…ということは好きということですね////! トビさんはわたくしのことが好き////! フフッ…フフフフ…」
「…な、何この女…キモい…」
何を妄想したのか突如ヤンデレ、メンヘラモードに入った猟虎を見てドン引きするフレンダ。
「ハァ……」
俺も無意識に思わず溜め息を吐く。
此処までヤンデレ具合が常軌を逸しているとマジで疲れる…
確かに猟虎は外見は可愛く、普段の性格も良く、家事も万能、スナイパーとしての技量や戦闘能力も高いから殆どが完璧なんだ。
しかし、それらを全て打ち消すレベルでヤンデレ、メンヘラ度合いが最高レベルに高すぎる…
助けたことに後悔は無い…無い筈なんだが…何だか最近猟虎を助けたの間違いだったかと若干思い始めてきた俺だった…
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「ーーという訳だ」
「暁のトビ…なんで私を助けたの? アンタが麦野から私を助けることに意味なんて無い筈…」
「ふむ…確かに暁のトビとしてはお前を助ける意味は無いな」
「だったら何でt「だがこの俺」えっ!? その声って!?」
俺はフレンダの話を遮ると声をマダラのものから通常のものへと変える。
フレンダはその変化に気付くと驚きのあまり目を丸くしていた。
それを見た俺は続いて仮面を外し、素顔を見せた。
「うちはオビトとしては君を助けることに意味があるんだよ」
「オビト!? えっ!? 暁のトビがオビトでオビトが暁のトビで……け、結局、ど、どういう訳なのよー!!?」
暁のトビの正体が自分の知る友人のうちはオビトと知り、驚きと動揺のあまり声を荒げるフレンダ。
「金髪リア充うるさいです! 貴女のその耳障りな奇声を聞いていると撃ち殺したくなってきます…狙撃しちゃいますよ?」
「はぁ!? アンタは一々癪にさわるわね! デンジャラスクラッカーで爆殺されたい訳!?」
そんな彼女を案の定煽る猟虎の言葉を皮切りにギャーギャーとまたしても口論を始める二人…
「君達…ケンカばっかされたら話が進まないからやめてくれ…猟虎はフレンダを一々煽らない。フレンダ、動揺するのはわかるけど落ち着いてくれ今から順に説明するからさ」
「!? オビトさんごめんなさい!」
「う、うん…」
二人共マジでもう少し仲良くしてくれ…
疲れるし、胃が痛くなってくる…
俺はキリキリ痛む胃痛を我慢しながら再び説明を開始した。
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説明を終えるとフレンダは複雑な表情をしていた。
当たり前だ、今まで騙してきたようなものだからな…
絶交されても仕方ないだろう…
「どうだ? 軽蔑したか?」
「? 何でアンタを軽蔑すんのよ??」
「いやさ、今まで君を騙していたみたいなもんだしよ」
「…アンタが今まで正体を隠してきたことに関しては正直ムカつくけど…命を助けられてそんなことする程私も落ちぶれてないって訳よ」
「ありがとな」
「お礼を言うのはこっちな訳よ…その…ありがとね…そ、それと…」
「それと?」
「け、結局! 何でもないって訳よ!!////(私を助ける為に今まで行動してたなんて言われて嬉しいなんて面と向かって言える筈がないって訳よ…)」
「むぅ……」
顔を赤くしてソッポを向くフレンダ。
それを見て何故か猟虎が不機嫌そうに頬を膨らませる。
「? まあ良いか。 それでこれからどうする?」
「…情報を吐かされたとはいえ、結果として私は麦野達を裏切った訳だからもうアイテムには戻れないわ…」
「行く宛が無いのなら暁に入るというのも…一つの手だよ?」
「えっ!? い、良いの?」
俺の提案が意外だったのかフレンダは目を丸くする。
「構わないさ…というか構成員なんて俺と猟虎しかいないしな」
「えっ!? 構成員がアンタとこの女だけー!? そ、そんな訳ないでしょ!? だってオレンジ色のグルグル仮面付けた変な奴もいたじゃない!?」
「へ、変な奴って言われると地味にショックだな…」
影分身による分身体による演技とはいえ、自分自身が変な奴と言われたようなものなので俺はちょっとナーバスになる。
「金髪リア充…またオビトさんを馬鹿にするなんて…本当に狙撃しちゃいますよ?」
「? なんでアンタがショックを受けるって訳よ? というかメンヘラ女、殺るなら望むところよ!」
「いつでも受けて立ちますよ! この金髪リア充!」
再度険悪な雰囲気となるフレンダと猟虎。
どんだけ仲悪いんだって…
「だから君達ケンカするなって……ハァ…アイツも俺だからだよ」
「俺って…それどういう訳よ!?」
「こういう訳だよ」
「!!?」
俺はそう言うと影分身で二人に増える。
「オ、オビトが……二人ぃーー!!?」
それを見たフレンダは俺と分身を忙しなく交互に見比べ、目を見開き一瞬固まると次の瞬間絶叫する。
そして分身体はグルグル仮面を顔に付け
「どうっすかフレンダ? こんな感じで別人になりすましてた訳っすよ」
例の口調で話始めた。
…確かにこの外見と話し方では変な奴扱いされるのも無理はないか…
「驚かせてごめんな」
「…ほ、ほんとに驚いた訳よ…で、でも暁の構成員がオビトとこのメンヘラ女だけっていうのが良くわかったわ」
「分かってもらえて何よりだ」
そう言うと分身体は煙と共に消え去った。
「!? き、消えた!?…」
「まあ、これが影分身の術というものだ」
「影分身の術…ようは実体を持った分身を作り出せるって訳ね……す、凄いわね…」
「そうです! オビトさんはとても凄い方なんです!」
猟虎…何で自分のことじゃないのにそんなに誇らしげなんだよ…
褒めてくれるのは嬉しいけどさ。
「…分かってもらったところで改めて聞かせてくれ。 フレンダ、君はうちの組織…暁に来るか?」
俺は再びフレンダに問い掛ける。
「…さっきも言ったけど私はもうアイテムには戻れない…オビト、アンタが誘ってくれるのなら…その誘い喜んで受けさせてもらうって訳よ」
「…本当に良いのか? さっきは暁に入るのも手だとは言ったが、君はこれを機に裏の世界から足を洗い、フレメアと共に学園都市外に逃れて生活することもやる気になれば出来るんだぞ?」
「…フレメアと一緒に学園都市外で生活かー…それも良いかもしれない…でもさ、やっぱり私は暁に入る」
「…逃げるチャンスは今しか無いかもしれないぞ? 後悔しないな?」
「ニヒヒ! 私は後悔なんてしないっての! それに……アンタのことも放っておけない訳よ…」
「…全く君は…というか最後なんて言ったんだ? 良く聞こえなかったんだけど…」
「ニヒヒ! さぁーねー?」
良く聞こえなかった為フレンダに聞き返すが、彼女ははぐらかすだけだった。
正直フレンダにはこの機会に暗部を抜けてフレメアと共に表の世界で真っ当に生きて欲しかったが、本人の意思を曲げてまで無理強いはしたくない…
今回は麦野からの粛清を防ぐことが出来ただけでも良かったと思うことにしよう。
この瞬間、暗部組織・暁に三人目の構成員…フレンダ=セイヴェルンが加入したのだった。
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〜幕話〜
オビトが神威空間から去った後、バチバチと二人の少女が火花を散らしていた。
「…金髪リア充…オビトさんは渡しませんよ…」
「フン! 結局、メンヘラ女なんか眼中に無い訳よ。 アイツは私がもらうっての!」
「…フフッ…撃ち抜いてあげます…覚悟は良いですね?」
「ニヒヒ! アンタこそ私の爆弾の餌食になる準備は出来てるんでしょうね?」
互いにエアライフルと小型手榴弾を構える二人。
その後、殺し合いに発展した二人だったが、終わった後には奇妙な友情が芽生えていたとか何とか…
当の本人達は全力で否定していたようだが…
という訳でフレンダも暁に加入しました。
オビトとしては裏の世界から解放したかったのですが、当のフレンダがそんなオビトを支えたいと思っていたので無理でした。
いつかは解放されると思うのでよろしくお願いします。