とある魔術の禁書目録外伝IF〜とあるフレンダの救済計画〜   作:死徒

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展開的にグダグダで、しかも無理やりですがご了承下さい。


和解

 

「こ、此処は…」

 

目が覚めると先ず俺の視界には見覚えの無い白一色の天井が映り、更に周りに視線を向けるとカエルのような顔をした初老の男がこちらを見ていた。

 

「おや、目が覚めたようだね?」

 

「ああ。 此処は病院か? 俺は何日寝てた?」

 

「勿論此処は病院だね。 君はざっと二日は眠っていたよ」

 

俺の問いにカエル顔の医者は即座にそう答える。

 

二日間も寝ていたのか…

 

柱間細胞もあるのにそこまで昏睡状態だったとは…

 

輪廻眼を開眼したばかりで無理し過ぎたな。

 

「…二日も寝てたのか…アンタが俺の治療をしてくれたみたいだな、ありがとう」

 

「礼には及ばないよ。 僕は医者だ、怪我人を助けるのが仕事だからね」

 

「それでも言わせてくれ、ありがとう」

 

「…なら受け取っておくことにしよう」

 

「! そういえばフレンダと猟虎は!?」

 

俺はフレンダと猟虎の姿が無いことに気付くとカエル顔の医者に問いかける。

 

まさか俺が寝ている間に何か良からぬことが起きて…二人の身に何ががあったのでは…

 

最悪の事態を想定し、冷静さを失いかける俺だったが

 

「ん?…ああ、君を連れて来た女の子達かい? 彼女達なら二人でちょっと買い出しに行くから席を離すって言ってたね?」

 

「そうか…二人共無事だったか…良かった…」

 

カエル顔の医者曰くフレンダと猟虎は二人で買い物に行っているらしく、二人が無事なことに俺はホッと胸を撫で下ろす。

 

「あの二人、君にとって余程大切な娘達のようだね?」

 

「ああ…フレンダと猟虎は二人共俺の大切な人だ…命を賭けても良い程の」

 

「…彼女達を守る為に命を賭けるか…大した決意だとは思うが、命を軽々と捨てるものじゃない…君が死んであの娘達が喜ぶとでも?」

 

「…だが本当にどうしようもなく追い詰められたら俺はそうする…俺が死んで、その後二人に恨まれる結果になろうと…二人を失うよりは良い」

 

「偽善だね?」

 

「何だと!?」

 

カエル顔の医者の聞き捨てならない一言に俺は怒りを露わにする。

 

「君の言うことは偽善でしかないね? 残された彼女達のことを何も考えていない…自分の命と引き換えにただ彼女達を救えて良かったと思い上がる…自己満足の塊だよ」

 

「ア、アンタに何がわかる!」

 

「わからないさ…ただ、これだけは言える…君が死んだ後、彼女達がどうするか…確実に君を追って自殺、或いは君を死に追いやった存在に対して玉砕覚悟で立ち向かい殺される…結論として君が死ねば彼女達はどの道命を落とすことになるだろう」

 

「!?」

 

「二日前、君を運んで来たあの娘達は必死そのものだった。 心の底から君を救いたいと願っているのが初見で伝わってきたよ。 そしてこの二日間、彼女達と何度かこの場で会話する機会があってね…二人共素直でとても良い娘達だ。 そんな彼女達を君は守ると言いながら最終的に殺してしまうことになるんだ…皮肉としか言いようが無いね?」

 

「…俺はフレンダと猟虎を失いたくない…だが、俺が命を賭けて守っても結局二人は死んでしまう…なら…なら俺はどうすれば良いんだ!!」

 

俺の心からの叫びにカエル顔の医者…否…冥土返し(ヘブンキャンセラー)は一度そっと目を伏せると、再びその目を開ける。

 

「…死んでいなければ僕は例えどんな状態だろうと治す」

 

「……」

 

「それと…君の治療をしていた時にその身体を診させてもらった…それで確信した…10月9日、あの日に警備員(アンチスキル)の女性と共に片腕を無くした重傷の女性と体調不良の女の子を連れて現れた金髪の青年…確か浜面仕上君だったかな? 彼が持っていた黒い袋の中身と君のその肉体…いや、細胞と呼びべきかな?…それらは同じもの…違うかい?」

 

「…そうだ…あの袋の中には俺の肉体の一部を入れていた…信じられない程の再生力を有し、暫くの間飲まず食わずでも生きていけるという有り得ない特性などを持った規格外な細胞…柱間細胞をな…俺の肉体はその細胞で構成されている…それがどうかしたのか?…」

 

「…やはりそうか……うちはオビト君、君のその細胞…解明すればもしかすると君を強化することが可能かもしれない」

 

「!? 俺を強化!? いくら柱間細胞とはいえ、そんなことが本当に出来るのか?」

 

冥土返しの驚愕の発言に俺は驚きのあまり声を上げる。

 

柱間細胞が存在するナルトの世界でなら分かるが、このとあるの世界でそのようなことが本当に可能なのか!?

 

…いや、良く良く考えれば此処は科学そのものである学園都市…しかもどれだけ重篤な負傷であろうと死んでさえいなければ必ず生存させる…嘗てはあのアレイスターを死の淵から救ったこともあるこの名医…冥土返しがそう言うのだから可能性はあるのだろう。

 

輪廻眼を開眼したとはいえ、俺はフレンダと猟虎の為にももっと力をつけなければならない…相手はこれからどんどん常識外れな人外ばかりになっていくのだ…柱間細胞を究明することで俺自身を強化することに繋がるのならその可能性に賭けてみたい。

 

「…断言は出来ない…出来ないが、これ程未知の物だ…試してみる価値はあると思うね?」

 

「頼む! 俺はフレンダと猟虎の為にももっと強くならなければならない! 俺に力を貸してくれ!」

 

「勿論そのつもりだ。 患者の希望に最大限応えるのが僕の役目だからね」

 

「ありがとう…冥土返し」

 

「!…そうか、君は暗部・暁の長、僕の二つ名を知っているのも当然か…君を見ていると嘗ての…若かりし時の友人を思い出す…君を彼のように変えてしまう訳にはいかない…彼女達を守りたいという君の願いに可能な限り力を貸そう」

 

「恩にきる…」

 

俺と冥土返しは互いに握手をする。

 

こうして、俺は自身の強化の足掛かりを得るのだった。

 

 

「待て麦野! あの変なもんで左腕が戻ったとはいえ、まだ動ける程には回復してねえだろ!」

 

「誰に物言ってんだ浜面ぁ! こんなもん唾でも付けてりゃ治る!…それに…私はやる事があんのよ…」

 

オビトから浜面を経由して冥土返しに渡された柱間細胞によって麦野の左腕は復活したものの、彼女はまだ万全には程遠く、ベッドから無理矢理起き上がると病室の手摺りを右手で掴みながら何とか室外に出ようとする。

 

それを浜面に止められるが、麦野は強い口調で彼を睨みつけ、フラフラとした足取りで再び動き出す。

 

その表情は喜怒哀楽といったものでは表現出来ない何とも言えないものであった。

 

麦野は何とか病室を出ると、重い足取りで外に出る為再度歩き出そうとする。

 

そんな時!

 

「にょわー!!? どいてどいてー!!」

 

「!?」

 

「ギャーー!!」

 

とある金髪の少女が通路の曲がり角から走って現れ、絶叫しながら辛くも麦野を避けたものの、その勢いを止めることは出来ず、そのまま壁に激突した。

 

「ふにゃー……」

 

「全く、何してるんですかフレンダさん…だから病院内では走らないで下さいとあれ程言ったんですよ…」

 

ズルズルと激突した壁から崩れ落ち、更に床に倒れ伏し、ピクピクと痙攣する西洋人形を彷彿とさせる見た目の長い金髪の美少女…フレンダ=セイヴェルンを、遅れてその場に現れた背中まで届く長い黒髪をツーサイドアップにした美少女…弓箭猟虎が呆れた目で溜め息混じりに見下ろす。

 

「……フレンダ…」

 

そんなフレンダを麦野は無表情で見つめていた…

 

「痛つつ……!? む、麦野……」

 

壁に激突した部分を摩りながらフレンダは立ち上がるがその直後、麦野と目が合い、両者は硬直することとなった。

 

「麦野どうした!? ってフレンダ!?」

 

「? フレンダさん、この人達は貴女の知り合いの方々ですか?」

 

騒ぎを聞き、病室に1人残された滝壺に付き添っていた浜面が室外に飛び出してくるが、彼もフレンダを認識すると驚き、固まる。

 

フレンダと麦野達が知り合いだと判断した猟虎は彼女に問い掛けるが、麦野と硬直し合うフレンダからは当然返答は無い。

 

「……フレンダさん、無視とは良い度胸ですね…ならb「猟虎、悪いけどちょっと黙ってて…今はアンタに返答してる余裕ないから」!?」

 

フレンダから無視されたと思った猟虎は目のハイライトを消して、フレンダを物理的に振り向かせようとするが、それより先に彼女から圧の入った声を掛けられ、猟虎は目を見開き、逆に押し黙らせられる結果となる。

 

「…裏切り者が…良くもまあ、私の前に姿を見せられたもんね…」

 

その直後、不意に麦野がフレンダに話しかけてくる。

 

彼女の表情は先程同様無表情であり、全く感情が読めない。

 

「…裏切り者……そう…だね…事情はどうあれ、結果として私は麦野を…アイテムの皆を自分の保身の為にスクール…垣根提督に売った…許されることじゃない…殺されても何も文句は言えない…それは分かってる…分かってるよ……でも…でも私はまだ死ぬ訳にはいかない!」

 

「!……」

 

「フレンダ…」

 

「フレンダさん…」

 

強い目でそう言うフレンダに麦野は無意識に後ずさる。

 

そんなフレンダを浜面と猟虎は心配そうに見つめていた。

 

「私が暗部に居る訳…麦野達に言ってなかったよね?…私が暗部に居るのは妹…フレメアの為よ…私達は置き去り(チャイルドエラー)だった…生きていく為に、フレメアの為にお金が必要だった…でも誰も頼れず、ずっと苦しかった…そんな時ね、私に爆弾を作る才能があるって分かったの…レベル0の能力の無い私にもそういう才能があるって知って嬉しかった…嬉しかったけど…それは私が暗部…人殺しの道へ進み出した瞬間だった…爆弾を作る才能があるって分かった時、私は最初科学者になれるって思った…でもね、爆弾を作れるからって科学者になれる訳じゃない…私バカだしね…とある機関に爆弾が作れることを売り込みに行った時…案内されたのは暗部組織だった…アイテムやスクール、暁みたいな有名処じゃない名前も知らないような貧弱な組織だったわ…そこで私は葛藤しながら初めて爆弾で人を殺した…任務に成功したら高い報酬を渡すという甘い言葉に釣られてね…その後約束通り報酬は貰えたわ…フレメアに初めて贅沢もさせられた訳よ…でも思えばそこからね、私のタガが外れたのは…人を殺すのに初めは躊躇いがあったけど、殺せば高い報酬は貰えてフレメアに贅沢もさせられる…殺しが段々と悦楽に変わっていくのにそう時間は掛からなかったわ…それから少しして最初に所属していた暗部は内部分裂みたいな形でいつの間にか瓦解した…行き場を失った私だったけど、紆余曲折あってアイテムを紹介されて麦野達と一緒に行動することになった…その後は麦野も知ってる通りな訳よ」

 

「…それで?…アンタが暗部に居る理由を今更私に話してどうしようっていうんだ?」

 

フレンダが暗部に身を置く理由を聞き、麦野は複雑そうな表情を見せながら問い掛ける。

 

「…結局、私は妹の為にもまだ死ねないって訳よ…裏切り者が何言ってんだって麦野は思うと思う…だからあくまで”まだ死ねない”ってだけ…時が来たら…大体フレメアが成人してからかな?…フレメアが成人したら死ぬのに未練も無くなる筈だからさ…その時が来たら遠慮なく私を麦野の気の済むまま原子崩しで殺してもらって構わないわ…私は逃げも隠れもしないから」

 

「……」

 

麦野の目の前に原子崩しが発現する。

 

「…やっぱりそんなの自分勝手が過ぎるよね…私は麦野達にそれだけのことをした訳だし…良いよ…未練だらけだけど…大人しく殺されるわ…」

 

「フレンダさん! 先程の話の内容から察するに垣根さんにこの方達を売ったのは貴女の意思では無く、心理定規(メジャーハート)さんの能力によるものじゃないんですか!?」

 

「!?……」

 

猟虎の発言に麦野は目を見開く。

 

「良いのよ猟虎。 例えあの女の能力を受けたとはいえ、結局、私が麦野達を結果として売ったことに変わりは無い訳よ…罰は受けるべきなの…猟虎、フレメアのこと…そして…オビトのこと任せたわよ」

 

「フ、フレンダさん…あ、貴女何を…」

 

「フレンダお前……おい麦野! 本当はお前もフレンダを殺したくなんてないんだろ!? お前らあんな仲良かったじゃねえか!」

 

「っ!?」

 

「くっ!?」

 

浜面が大声で麦野を制した直後、彼に対して原子崩しが牙を剥き、浜面は尻餅をつきながらも何とかそれをかわす。

 

「浜面ぁ…ちょっと黙ってな…あんま煩いとアンタから先にブチ殺すわよ?」

 

「!?……!…麦野…お前…」

 

「猟虎、退がってなさい。 そこに居たらアンタまで巻き添えになるわ」

 

「…す……」

 

「えっ? 今なんt「嫌ですと言ったんです! 此処で貴女を見殺しにしたらわたくしはフレメアちゃんにも…オビトさんにも顔向け出来ません!!」 !!? 猟虎アンタ…」

 

「…チッ…」

 

麦野は舌打ちすると遂に原子崩しをフレンダとその前に立つ猟虎目掛けて放つ。

 

「猟虎! 私は良いからアンタだけでも避けなさい!」

 

「嫌です。 わたくしが何故貴女の言うことを聞かなければならないんですか?…それに先程も言った筈ですよ…此処で貴女を見殺しにしたらフレメアちゃんにもオビトさんにも顔向け出来ないと!」

 

「…私もバカだけど、結局、アンタも相当な大バカな訳よ」

 

「フフッ!」

 

「ニヒヒ!」

 

今際の際というのを悟り、フレンダと猟虎は互いに笑い合う。

 

そして二人は原子崩しの餌食となり、互いに真っ二つとなり、無残にもその屍を晒す事となってしまう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、その場に居た誰もが思ったが、原子崩しはフレンダと猟虎を器用に避けるとフレンダの背後に回り込み、彼女の長い金髪を肩口付近まで綺麗に消し飛ばした。

 

「…!?…なっ!? わ、わたくし…い、生きているんですか!?…ど、どうして!?」

 

走馬灯を見ながら確実に終わったと目を閉じていた猟虎は自身が生きていることを悟ると困惑し、驚愕の声を上げる。

 

「…えっ!?」

 

一方、フレンダはというと、命が助かったことよりも腰ほどにまで伸びていた自身の髪をあろうことか原子崩しによってバッサリと消し飛ばされたことで呆気にとられていた。

 

「…今回のことは頭に血が上って正常な判断が出来ていなかった私にも原因がある…垣根のクソ野郎のとこにあの厄介な女が居たのも失念してた…冷静に考えればアンタを一人にさせて奴等にアンタを拉致られたことがそもそもの原因…全部が全部フレンダ…アンタのせいじゃないってのも今なら分かるわ…でもアンタはあの女の能力とはいえ、私らを裏切る形になった…だからオシオキはオシオキ…アンタの自慢の髪…消し飛ばさせてもらったわ」

 

「ふえっ!? 髪!! 私の髪がぁー!!?」

 

髪が肩口ほどまで消し飛ばされてしまったという事実にフレンダは動揺し、叫び声を上げる。

 

「くぅ!?……う、うるさいですよフレンダさん! 髪の毛ぐらいで騒がないで下さい。 命が助かっただけ良かったじゃないですか!?」

 

配置の問題により、至近距離からフレンダの叫びを聞くこととなってしまった猟虎は耳を押さえながら迷惑そうに顔を歪ませる。

 

「それとコレとは別な訳よ!? めちゃくちゃ手入れしてたんだからね!?」

 

「フレンダさん、煩いのでちょっと黙ってて下さい……ハァ…こんな人の為に何故わたくしは命を張ろうとしたんでしょうか?…自分自身不思議でなりません……」

 

先程のシリアスな展開は何処へやら…自慢の金のロングヘアーが短くされてしまったことで半泣き状態で喚くフレンダを、冷めた目で見ながら溜息をつき、右手で自身の額を押さえる猟虎。

 

 

「麦野…」

 

「…何キモいツラしてんのよ浜面」

 

「キモいツラは余計だ…麦野、お前最初からフレンダを殺す気無かっただろ?」

 

「!…何言ってんだか…現に私はあの暗部抗争の時フレンダを…「あの時じゃなくて今だよ」!?……」

 

「フレンダだけじゃない。 良く良く考えたら俺がお前の原子崩しを避けられるなんて可笑しいと思ったんだ。 それに…お前からは不思議と殺気を感じなかった…頭に血の上ったブチ切れ状態のお前は何をしでかすか分からねえけど、普段のお前は何だかんだ言いながら仲間は大切にするもんな」

 

「…ほんと浜面…アンタってキモいわね…キモ面(ヅラ)に改名したら?」

 

「うるせえ、誰がキモ面だ!」

 

「アンタよキモ面」

 

「麦野ぉ…お前って女は……」

 

ひたすらディスる麦野に浜面は青筋を浮かべる。

 

そんな時

 

「全く…むぎのは…相変わらず素直じゃないね?…」

 

病室で寝ていた筈の滝壺が手摺りを杖代わりにフラフラとした足取りでその場に現れた。

 

「滝壺!? 大丈夫なのか!?」

 

「うん…大丈夫…平気…だよ?…」

 

駆け寄る浜面に滝壺はぎこちない笑みを浮かべながら返事をする。

 

明らかに無理をしているが、同じ仲間の為に声を掛けずにいられなかったのだろう。

 

「何が平気よ、無理してるのが見え見えじゃない…早く病室に戻んなさい」

 

「それはむぎのも同じ…」

 

「!?…ハァ…滝壺に何言っても無駄か…変なとこで頑固だもんねアンタは…」

 

「た、滝壺…本当に大丈夫なの?」

 

髪が短くなったショックから立ち直ったフレンダが滝壺に声を掛ける。

 

「うん…この間より調子は良いから大丈夫…ふれんだも…生きてて良かった」

 

「!?…ニ、ニヒヒ! 私がそう簡単にくたばるなんて有り得ない訳よ!」

 

「フレンダ、一つ良い?」

 

和やかな雰囲気の中、麦野がフレンダに話し掛けてくる。

 

「? どうしたの麦野?」

 

「アンタ…アイテムに戻る気はある?」

 

「!!?」

 

突然の麦野の言葉にフレンダは驚愕のあまり固まる。

 

「さっきも言ったけど、今回はアンタに全て非があった訳じゃ無い…頭に血が上って周りが見えていなかった私にも責任がある…だから…その…アンタが良ければ戻って来ない?」

 

「…ごめん麦野…」

 

「!?……そう…よね…殺しかけておいてそりゃ虫が良すぎる話よね…良いわ…このh「違うの! 最後まで聞いて!」 !?」

 

「麦野が許してくれるのなら本当は私もアイテムに戻りたい!…でもこんな私を助けてくれて…仲間にもしてくれた大切なヤツがいるの! ソイツはしっかりしてるように見えるけど何処か自分自身を犠牲にしてるみたいな感じで何か放っておけなくて…だから…だから結局、アイツを一人に出来ない訳よ」

 

 

「一人にって…フレンダさん、わたくしのこと忘れてませんか?」

 

フレンダの発言に猟虎は顔を俯かせながら雰囲気的に表立って言う訳にもいかず、一人ボソッと呟く。

 

「!?……ソイツはアンタの大切なヤツな訳ね?」

 

「うん! だから私はアイテムには戻れない…それにこれは私なりのけじめ… 心理定規の能力によるものとはいえ、結果として私は情報を喋ってアイテムの皆を裏切ることになったんだから…絹旗にも謝っといてね…」

 

「何で私がアンタの代わりに謝んのよ…そんなの自分でやりなさい…」

 

「!…ニ、ニヒヒ…相変わらず麦野は手厳しいなー……浜面」

 

「!? どうしたんだフレンダ?」

 

「私の代わり…任せたわよ」

 

「!! ああ! 任せとけ!」

 

「…張り切ってる浜面…顔も相まってキモい訳よ」

 

「フレンダ…お前な!」

 

「滝壺」

 

「って無視かよ!?」

 

フレンダに華麗にスルーされた浜面が嘆きの叫びを上げるが、その場に居る者達は誰も彼を気に掛けない…

 

唯一気に掛けるであろう滝壺がフレンダと会話をしているので当然なのだが…

 

「私が言っても聞くか分かんないけどさ…あんま無理しちゃダメだからね」

 

「…うん、ありがとう…やっぱりふれんだは優しいね…ふれんだも頑張り過ぎないでね」

 

「大丈夫! 結局、私は元気なことが取り柄な訳よ!……麦野」

 

滝壺との会話を終えたフレンダは再び麦野に声を掛ける。

 

「……」

 

次にフレンダが何を言うのかを察し、麦野は口を閉じ、目を伏せる。

 

「私は暗部のアイテムを抜ける」

 

「……「だけど」!?」

 

フレンダが自身の元を去るのを内心認めたくないのか麦野は俯きながら唇を噛む。

 

しかし、続けて話すフレンダを前に顔を上げる。

 

「麦野達がピンチになったら必ず駆け付けるから! 例え組織が変わっても私達は変わらず”アイテム”のまま! それだけは忘れないで欲しい訳よ!」

 

「!!?」

 

笑いながらそう言うフレンダに麦野は毒気が抜かれたのか表情を一変させ、優しく笑みを浮かべる。

 

「…そうね、私達は組織が変わってもアイテムのまま…フッ…まさかフレンダに気付かされる日が来るなんてね…明日は雨かしら?」

 

「何それ! 酷くない!?」

 

「冗談よ…ありがとねフレンダ……行ってらっしゃい、頑張るのよ」

 

「!?…う、うん、行ってきます!」

 

こうしてフレンダは正式に暗部組織・アイテムを抜けることになった。

 

しかしそれは麦野とフレンダが和解したこともあり、決して後味の悪い抜け方では無く、寧ろ微笑ましいものであった。

 

この後アイテムの面々とは暫くの別れとなる。

 

再びアイテムの面々と彼女達が再会するのはオビトを含めた暗部組織・暁として第三次世界大戦時…北の国ロシアであるのを皆はまだ知らない。





という訳でオビトとカエル顔の医者…冥土返しとの対面とオビト強化の伏線、そしてフレンダと麦野の和解の話でした。

正直上手く書けてないような感じがしますが中々投稿も出来ていないのでとりあえず投稿します。

何か足りないと思ったら付け足すかもしれませんのでよろしくお願いします。
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