とある魔術の禁書目録外伝IF〜とあるフレンダの救済計画〜   作:死徒

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久しぶりにとある更新になります。

色々滅茶苦茶かもしれませんがご了承下さい。


第三次世界大戦篇
抹殺指令


 

 

学園都市最深部・窓のないビル

 

オビトとアックアとの激闘から数日後、オビトは冥土返しからの退院許可が降りるや否やアレイスターから呼び出しを受けていた。

 

「…来たか、うちはオビト」

 

アレイスターの声が無感情に響く。

 

「何の用だアレイスター…生憎とこちらはアックアとの戦いでの余波でまだ本調子ではない…無理な命令は勘弁して欲しいんだが?」

 

「成る程…ならばこちらとしても都合が良い……暗部暁に対し【学園都市統括理事長としての命令だ】″浜面仕上の抹殺を命じる。 アイテム残党の粛清も含めてな″」

 

「っ!?」

 

「聖人であり、神の右席随一の武闘派を退けた君にとっては無理な命令ではないだろう? 寧ろ片手間で片付く仕事の筈だ」

 

「…了解した。 ちなみに拒否権はあるのか?」

 

オビトは動揺を隠し、仮面を被った姿のまま、冷たく答える。

 

オビトの問いにアレイスターは意味深に笑みを浮かべるとそれ以上何も言わず、画面が暗くなり姿を消した。

 

オビトは仮面の下で舌打ちすると踵を返し、神威を使いその場を後にした。

 

 

 

 

数時間後

 

様々な機器に囲まれた地下の隠れ家で、オビトはとある人物と向かい合っていた。

 

その人物とは布束砥信。

 

学園都市第一位のレベル5…一方通行を使い、第三位…御坂美琴のクローンである妹達を2万人殺し、彼をレベル6に至らせるという狂気の計画…レベル6シフト計画の課程の中でオビトが助けた女性であった。

 

布束はオビトと自身の紅茶を淹れると一口それを飲み、淡々と話し始める。

 

「妹達の一件…そしてフェブリを秘密裏に裏から助けてくれた…貴方への恩は忘れてないわ。

学園都市の監視網をすり抜ける移動ルート、車両や武器、弾薬は私が用意してる…情報操作もね…ロシアでの彼らの落ち延びる先も確保済み」

 

オビトは頷いた。

 

「ありがとう布束」

 

「No problem 気にしないで。 貴方には多大な恩があるのだから…でも私が出来るのはここまで…戦闘で私は足手纏いになるわ…後は貴方達自身で」

 

「充分だよ、本当にありがとう布束。 君も見つからないでくれ」

 

「自分の身くらいは自分で守れるわ…気をつけて」

 

「お互いにな」

 

オビトと布束は互いに握手をしてその場を後にする。

 

布束の協力でアイテムの面々の脱出支援計画、及びオビト達暁の逃亡も上手く行くだろう。

 

偽の輸送データ、写輪眼幻術を用いた衛星の死角をついた動きなどさまざまな手段による情報操作により学園都市の機能の大部分が一時的にではあるが、暁の掌の上となっていた。

 

敢えて窓のないビルやその周辺、アレイスターが頻繁に確認するであろう場所は操作せずに捨て置いてある…流石のアレイスターも自分の本拠地の機能がここまで乱されているとは早々には気付かないだろう。

 

奴に勘付かれる前に学園都市…いや、日本から脱出する。

 

そうオビトは思考すると神威を使用して更に別の場所へと転移していった。

 

 

 

夜の空港貨物エリア

 

 

オビトとは別にアレイスターから放たれた彼子飼いの暗部の追手が冥土返しの病院へと迫り、アイテムメンバーは冥土返しの計らいで何とか病院を離脱、現在空港の貨物エリアを急ぎ、背を向け走っていた。

 

「滝壺! 大丈夫か!?」

 

「う、うん…へ、平気…だよ?…」

 

体晶の酷使により体調の優れない滝壺をおんぶして抱える浜面が彼女に声を掛ける。

 

彼女は平気というものの顔色は悪く、額からは冷や汗が流れており、明らかに無理をしている様子だった…

 

「…このままでは超マズいですね…」

 

「…仕方ないわね…此処でアイツらを潰すわよ!」

 

「…やるしかねえか! 滝壺、俺の後ろへ退がってくれ!」

 

 

 

滝壺の状態を考え、アイテムメンバーは全力疾走での逃走が出来ずこのまま逃げ切るのは無理と判断して攻勢に出ようと立ち止まり振り返る。

 

麦野はメルトダウナーを発現させて構え、絹旗は窒素を全身に纏わせ攻防一体の窒素装甲(オフェンスアーマー)状態となり、浜面の背中から降ろされ、彼の背に守られる状態となった滝壺は浜面の名を一言口にすると静かに彼の手を握る。

 

浜面は滝壺の手を握りながら空いている手で懐から拳銃を取り出し、臨戦態勢に入る。

 

そんな時…

 

「「「「!?」」」」

 

ズズッという音と共に突如空間が渦巻き、神威空間からオビトが姿を現した。

 

現れたのは、オビトただ一人

 

フレンダも猟虎も、この場にはいない。

 

二人は裏でアイテムの脱出路の別ルート…この場を離脱した先…空港の滑走路の安全を確保する為、二人で独自に動いている。

 

オビトは低く告げた。

 

「行くなら早く行け。 殿は俺が務めてやる。」

 

その言葉と同時に、神威空間から脱出用のトラックを出現させる。

 

直後、暗部の追撃部隊が雪崩れ込んできた。

 

銃撃、能力者、魔術師混じりの見境なしの猛攻。

 

オビトは仮面の下で冷笑を浮かべ、写輪眼を即座に輪廻眼へと切り替えると神羅天征を一瞬だけ発動。

 

追撃の弾幕をすべて弾き返し、更に木遁で周囲の地面を巨大な根で封鎖、これにより追手はオビトを越えなければアイテムの元に辿り着くのが不可能となった。

 

「さっさと乗れ! そのままそのトラックを走らせた先の滑走路に小型ジェット機を用意してある! それで学園都市から離脱すれば少なくとも今より追手は減るだろう。 滑走路は俺の仲間が確保している筈だ」

 

絹旗が警戒しながら叫ぶ。

 

「……超怪しいですね……そこまでして貴方が私達を助けて何の得があるんです?」

 

「待ちなさい絹旗」

 

「麦野?」

 

麦野が即座に手で制した。

 

普段なら自身を止めるどころか率先して向かっていくであろう彼女の不思議な行動に絹旗は目を丸くして止まる。

 

「今はコイツが何を考えてるとか気にせず此処から逃げることだけ考えなさい…コイツの援護は正直言って有難いわ…確かに今のままじゃ私達は…詰みよ…」

 

麦野に静かにそう言われ絹旗は今にも倒れそうな滝壺を一見し、彼女を守りながら戦闘した場合の勝算を考え「……仕方ありませんね」と渋々ながら了承する。

 

浜面は「…暁のトビ…ありがとう……」と礼を言うと、拳銃を仕舞い、滝壺を再び背中に抱えるとトラックに飛び乗る。

 

浜面に抱えられ、共にトラックに乗り込む時、滝壺も小さく「…あり…がとう…」と消え去るような声量で礼を言い、中に入って入った。

 

「…私は超借りを作りたくありません。 ですから今度会う時…貴方がピンチになっていれば超助けに入らせてもらいます」

 

「私も絹旗と同じよ…アンタに借りを作ったままは私のプライドが許さない…覚悟しておくことね」

 

「フン…良いから早く行け。 俺の気が変わるかもしれんぞ?」

 

絹旗と麦野の捨て台詞にオビトは不敵に返すと彼女達もトラックに乗り込む。

 

そしてアイテムメンバーを乗せたトラックは浜面運転の元、猛スピードで走り去っていった。

 

「さて砂利共…さぞや愉快に踊ってくれるのだろうな?」

 

オビトはその場に一人残り、続々と姿を現す夥しい数の追手を相手にアイテム逃走の殿を始めた。

 

先ずは初手で神威の渦で何人かを異空間に飛ばし、忍術や六道の術により大多数を殲滅、相手に多大なる損害を与えるものの、犠牲を厭わない追手からの数えきれない攻勢の数々に殿を務める都合上、狭い空間というのも相まって捌ききれない一部の攻撃をその身に受けざる負えず何度か被弾してしまう。

 

しかし、致命傷には程遠いダメージと輪廻眼に目覚めた影響からか柱間細胞の再生速度が以前と比べ飛躍的に上がったことでその数々の傷は即座に癒されていき、流れるように次々と追手を屠っていく。

 

数分後には服はボロボロになったもののオビトは全くの無傷で立っていた。

 

追手はまだ残っては居るが、その悉くがオビトに殺され、無惨な屍を晒していた…

 

「行ったか…ロシアでまた会おう…さて、残ったお前達はそうだな……瓦礫の下敷きにでもなってみるか? 何、遠慮はいらん、俺なりの慈悲だ…痛みも感じぬ程一瞬で楽になるだろう」

 

トラックが走り去り、無事にその場を離脱したのを感知によって確認したオビトはそう言うと木遁の印を結ぶ。

 

「た、退避しろ! グズグズするな! は、早く!!」

 

それを本能的に危険と今更ながら理解した追手のリーダーらしき男が残った部下達に慌てて指示をとばすがもう何もかもが遅かった…

 

直後…

 

「一匹も逃さん…木遁・樹界降誕!」

 

オビトは残った追手に対し慈悲の無い一撃を放ち、辺り一面は一瞬にして木々の生い茂る樹海…否…樹界に飲み込まれ、その樹木の数々は追手の全てを生死問わず圧し、貫き、砕きながら侵食し、空港の貨物エリアは瞬く間に埋没していくのであった。

 

追手の断末魔を尻目にオビトは静かに神威で姿を消した。

 

 

 

翌朝

 

フレメア・セイヴェルンは、カエル顔の医者・冥土返しの病院に預けられた(フレンダと猟虎が裏で手配済み)

 

「ふむ、あの四人が無事逃げられたようで安心したね。 うちは君、君の実験の続きはまた今度、君達が帰ってきてからだね それまで君は僕と一緒に待っていよう」

 

冥土返しはいつもの調子でオビトに言うとフレメアに笑いかける。

 

「うん! 大体わかった! オビトお兄ちゃん、気をつけてにゃあ」

 

オビトはフレメアの頭を優しく撫でると仮面を外さず冥土返しに短く「頼む」とだけ言い残し、神威で病院を後にした。

 

 

 

 

空港・滑走路

 

 

オビト、フレンダ、そして猟虎の暁メンバー三人がようやく合流した。

 

追跡衛星の目を欺くため、オビトが写輪眼の幻術を発動。

 

これも輪廻眼開眼による影響か、機械類にも幻術が通すことが可能となっていた。

 

これにより監視を一時的に完全に無力化させることが出来た。

 

「これで良し……もう後戻りは出来ないな」

 

離脱準備を整えたオビトが静かに呟く。

 

「結局、今更でしょ? 遅かれ早かれアレイスターを裏切る訳だったんだし」

 

フレンダが隣で笑う。

 

「アックアの件で先に私達を裏切ったのはアレイスターなんですから恨まれる筋合いはありませんよオビトさん」

 

猟虎が冷静に続ける。

 

「……そうだな……俺達も行こうロシアへ」

 

オビトは仮面を軽く直し、頷いた。

 

「うん!」

 

フレンダが笑顔で元気に答え

 

「はい」

 

猟虎が静かに微笑む。

 

そして三人は布束の手配した貨物機に乗り込み扉が閉まる。

 

行き先はアイテムメンバーと同様…雪の国ロシア。

 

原作では死んでしまったフレンダ、猟虎の二人が生き、アイテムが全員揃い、本来は存在すらしない規格外…オビトが居る。

 

様々なイレギュラーを交え学園都市から舞台は変わる。

 

ここから、本当の戦争が始まる

 

第三次世界大戦へと…

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