とある魔術の禁書目録外伝IF〜とあるフレンダの救済計画〜   作:死徒

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ちょっといつもより長くなりました。


原子崩し

 

あれから少し経ち、超電磁砲…御坂美琴とフレンダは激突した。

 

俺はそれを上階の物陰から遠目に見ていた。

 

フレンダは俺の話を聞いてくれたようで殺傷力がほぼ皆無な爆弾や閃光弾で御坂を攻撃、あわよくば自身の得意な接近戦に持ち込む構えのようだ。

 

しかし相手はレベル5の第三位…そう上手くはいかず電撃での攻撃や回避、防御と応用を効かせた組み合わせにジリ貧状態となっていた。

 

だがそれでもレベル0(無能力者)のフレンダがレベル5の御坂相手に此処までの戦いを見せるとは…

 

やはり上条を筆頭にレベル0は戦闘民族が多過ぎだろ…

 

絶対出る作品間違ってる奴いるもんな

 

某木原神拳のひ◯しとか…

 

何アレ? あんなんで普通一方通行圧倒出来ないだろ?

 

しかもアイツあれで本業科学者って…

 

人相からしてヤクザの方が性に合ってるだろ…

 

…それはさておき、場合は移り、原作同様フレンダは話術を使ったハッタリにより御坂の電撃を封じ、肉弾戦に持ち込んでいた。

 

だがやはり殺してはいけないという枷がある為か、フレンダの動きにキレが無く、連撃を繰り出すもその全てが悉く回避される。

 

余計なことを言ったか…

 

原作通りならフレンダが殺す気で御坂に向かっていっても最終的には傷は負わせたものの撃退されたわけだしな…

 

まあどの道この後、麦野が滝壺と共に現れるわけだからフレンダが負けても特に問題はないか

 

相手がレベル5の中でも性格が特に常識的でまともな御坂ならば万が一にも殺される心配はないしな

 

考えに耽っていると戦況に変化が現れる。

 

フレンダがミスを犯し、自身の仕掛けていた導火線に爆弾が引火、咄嗟に回避したものの危うく自らの手で自分自身に引導を渡してしまいそうになる。

 

フレンダは顔を青くしながら焦った表情を見せつつ御坂に向き直ろうとするが、今の流れでフレンダのハッタリがバレてしまい、形勢が完全に逆転…電撃を使えるようになった御坂に対し、フレンダにはもう手段が無く、舌を出し、可愛くウインクをした瞬間に放たれた電撃によりあっさり敗北する運びとなった。

 

さて、そろそろ出るか。

 

原作では電撃により舌が痺れて仲間の情報を喋ることが出来ず、結果的にそれが功を奏してこの場では麦野から粛清されることが無かったフレンダだったが、今回もそうとは限らない。

 

舌が痺れておらず、もし仲間の情報をそのまま御坂に話したら最後…間違いなくフレンダは麦野に粛正されてしまうだろう…

 

それは何があっても防がなければならない。

 

俺は上階から飛び降り、二人の元へと降り立った。

 

 

「アンタが知ってる情報…全部吐いてもらうわよ…こうなりたくなかったらね!」

 

御坂は近くの瓦礫を電撃により黒焦げにし、フレンダを脅しながらそう言い放つ。

 

「(ち、ちょっと…こっちは殺せないって制限あるってのにあっちは殺す気満々なんだけど!?……は、話すしかないよね? 話したって麦野達なら負ける訳ないし…よ、よーし)は、はらふ !? (舌が痺れて喋れない!?)」

 

考えを巡らせた結果、御坂に仲間の情報を話そうとしたフレンダだったが、先程の電撃が強力だったのかそれは彼女の舌にまで影響を及ぼしており、舌が痺れて話すことが出来なかった…

 

フレンダはその事実に気付くと目を見開く。

 

「?…何?……そう…仲間は売れないってことね…そういうの嫌いじゃないけど…」

 

御坂はフレンダの舌が痺れていることに気付かず、彼女の反応に対し仲間を売らない為に話さないのだと判断する。

 

そして、目を伏せると右手に電撃を込める。

 

「少し手荒になるけど…覚悟しなさい!」

 

「!!? はらひ△◯✖️※〜〜!(は、話したいのに舌が痺れて話せないのよ! た、助けて〜!)」

 

そこへ

 

「待ってもらおうか?」

 

上階から降り立ったオビトが二人の間に割って入った。

 

「っ!?(新手!?)」

 

「!?(暁のトビ!? なんで私を助けたの!?)」

 

奇妙な出立ちのオビトに御坂は警戒心を剥き出しにし、後方に跳び、距離をとる。

 

同じ暗部とはいえ、自分達アイテムとは任務上敵対組織である筈の暁のオビトが自身を救ったことにフレンダは懐疑に思う。

 

「…何よアンタ…この爆弾女の仲間?」

 

「仲間ではない。 が、まあ、所属が違うとはいえ同じような組織に身を置くのだ…そのよしみとして気まぐれに助けてやろうと思っただけだ」

 

「…成る程ね…なら纏めてぶっ飛ばして知ってる情報を洗いざらい吐いてもらうわ!」

 

オビトが自分の敵だと悟ると、御坂は電撃を放出し、それはオビトとその背後にいるフレンダに迫る。

 

「無駄なことを…」

 

するとオビトの左眼の写輪眼が形を変え…万華鏡写輪眼へと変貌する。

 

そしてその能力である神威の吸い込みにより、電撃は全て飲み込まれ消え去った。

 

「「!?」」

 

その光景に御坂とフレンダは驚愕する。

 

「れ、れんれひは…ひ、ひれは!?…(で、電撃が…消えた)!?」

 

「ア、アンタ…何の能力者?…」

 

「さあな?…俺の能力が知りたければ力ずくで聞き出してみるんだな?……まあ、生憎と時間切れのようだが」

 

「?…どういう意味よ?」

 

「直ぐ解る……そら来たぞ」

 

「っ!!?」

 

オビトがそう口にした数秒後、御坂の背後の鉄の壁が黄緑色の閃光により吹き飛ぶ。

 

咄嗟に回避した御坂だったが、閃光のあまりの破壊力にその額からは冷や汗が流れ落ちる。

 

「あら? フレンダ生きてたんだぁ? さっきまでずっと鳴ってた爆発音が無くなったからてっきり殺られちゃったのかと思ったわ」

 

先程の閃光により溶け崩れ、ポッカリと穴の空いた鉄の壁から暗部・アイテムのリーダー”麦野沈利”とフレンダと同じくそのメンバーの一人”滝壺理后”が現れた。

 

「う、うぎゅも〜 ほぁ、✖️□△◯〜(む、麦野ぉ〜 た、助かった〜)!」

 

「…で、アンタは誰?」

 

自分を麦野見るフレンダを一瞥するとオビトに問いかける。

 

「俺は暗部・暁のトビだ」

 

「…暁?…ああ、数ヶ月前急に設立された新設の暗部ね? その暁がこの場に何の用?」

 

「こちらの依頼主からお前達がやり過ぎるようなら止めろと指示を出されてな」

 

「やり過ぎ?」

 

「ようは俺の依頼主はお前達がそこの小娘を殺すことを危惧しているんだ」

 

「へぇ〜…このガキはそんなに価値があるってこと?」

 

オビトの発言に麦野は御坂に興味を持ったのか目を細める。

 

「レベル5・原子崩し(メルトダウナー)麦野沈利、お前と同じ次元に立つ電撃使いといえばこの小娘が誰か…分かるだろう?」

 

「っ!?……成る程ね〜…このクソガキが私を差し置いて第三位の座に座ってる御坂美琴かー……ブチ殺してやる!」

 

御坂の正体がわかると麦野は額に青筋を浮かべ、原子崩しを自身の周りに発現させる。

 

「おいおい…さっきも言ったが、今回の俺の任務はその小娘を死なせんことだ。 殺すようなら…覚悟は出来ているな?」

 

「!?…へぇ〜……」

 

オビトは麦野に対し制止の意味を込め、先程フレンダにしたように殺気を飛ばす。

 

それに対し目を見開く麦野だったが、直ぐに立ち直り、好戦的な笑みを浮かべる。

 

「フッ…大した殺気ね…てめえと殺りあっても面白そうだけど…気に入ったわ…てめえに免じてこのクソガキは半殺しで勘弁してやるよ!」

 

「賢明な判断感謝する。 俺としてもお前達と戦い、そのことで依頼主にグチグチ小言を言われたくは無かったのでな……それと、俺が受けた任務はお前達のやり過ぎを防ぐこと…やり過ぎなければ俺がお前達を止める理由はない…多少過激なものだとしてもな?」

 

「!…成る程。 ようはこのクソガキを”殺しさえしなければ良い”ってことね?」

 

「ああ。 依頼主からはその小娘を五体満足で生かせという指示までは受けていないからな」

 

「フフッ!…アンタ良い性格してんじゃない。 さぁて…滝壺、やるわよ?」

 

「うん」

 

「…」

 

戦闘態勢に入る麦野と滝壺を油断なく見据える御坂。

 

 

それを見届けるとオビトはフレンダの元へと歩み寄る。

 

「その様子だとあの小娘から受けた電撃で舌が痺れているのだろう? コレを飲んでみろ」

 

「…ほ、ほれは(こ、これは)?」

 

「痺れなどに効果がある即効性の薬だ。 飲めば少しはマシになるだろう」

 

「……」

 

「安心しろ、毒など入ってない。 心配なら試しに俺が飲んでやる」

 

オビトはそう言うと口元の面をずらし、フレンダに渡そうとした薬を飲む。

 

「どうだ? 何ともあるまい?」

 

「……」

 

オビトはフレンダが頷くのを見ると、先程と同じ薬を彼女に手渡す。

 

フレンダは薬を受け取ると少しの時間逡巡した後、意を決して薬を飲み込む。

 

すると…

 

「あ、あ〜 !? ら、楽になってきたし…しゃ、喋れるようになった!?」

 

痺れが取れてきたのかフレンダは話せる状態にまで回復した。

 

「ほう、直ぐに効いたか? まあ、そこまで酷い痺れではないようだったから飲まずとも直に良くなっていただろうがな」

 

「…とりあえず感謝はしておくわ…そ、その…ありがと……で、でも…何で私を助ける訳よ?…暗部なんてものは敵対するもんって相場は決まってる訳でしょ?…敵の私をアンタが助けることに何のメリットがあんの?」

 

オビトが自分を助ける意味がわからず、怪訝な表情をして問うフレンダ。

 

「お前を助けるメリットか…それを聞き出したいのなら実力行使で無理矢理にでも俺から聞き出してみるんだな?」

 

「なっ!? や、やっぱアンタムカつく訳よ! さっきのお礼返しなさいよ!!」

 

しかしオビトにはぐらかされ、フレンダは地団駄を踏む。

 

「お礼? 先程困惑しながらも顔を赤くして俺に言ってきたアレか? 存外可愛らしかったぞ?」

 

「っ!?//// そ、そんなことまで言う必要ないって訳よ! 良いから取り消しなさいよ!!」

 

無意識にやっていたことがあろうことが可愛らしいと言われ、フレンダは瞬時に顔を真っ赤に染め上げると恥ずかしさのあまり叫ぶように言う。

 

「そら、始まったぞ」

 

「ス、スルーするとか酷くない!?」

 

最終的に無視されたことで喚き立てるフレンダだが、それを面越しに見るオビトの雰囲気はとても優しげなものだった。

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