とある魔術の禁書目録外伝IF〜とあるフレンダの救済計画〜 作:死徒
オビト(本体)がフレンダ達の居る施設に向かった後のオビト(分身)の話となります。
発言的に汚い+下ネタのような部分があるので、苦手な方は飛ばして下さい。
本体が原作で御坂美琴が向かったであろう施設に行った為、影分身体である俺はもう一ヶ所…布束砥信(ぬのたばしのぶ)が独断で向かい、アイテムの一人…絹旗最愛(きぬはたさいあい)が待ち受けるであろう施設に神威を使用して到着していた。
「…よし、誰も居ない場所に上手く移動出来たな、先ずは地下に向かうか」
原作通りの展開ならば特に問題ないだろうが、出来れば布束を救っておきたい。
彼女はあの歳で相当な技術者だ。
暁に入れる必要は無いにせよ、此処で助けて後々裏で技術的に手助けして貰うことが出来れば色々と有難いからな。
レールガンSでのフェブリの話はあくまでアニメオリジナルのもの…此処で彼女を助けても特に問題はないだろうし、後にあの話の出来事が起きたとしても俺が影ながら介入すれば何とかなるだろう。
俺は方針を決めると施設の地下へと進み、どんどん奥に向かっていく。
そんな時
「…!?」
闇に紛れて突き進んでいた俺を不意に拳が襲い掛かる。
不意なこともあり神威が間に合わず、俺は紙一重で拳を回避し、その勢いのまま後ろに退がり、襲撃者との距離をとる。
俺は暗闇を見渡し、襲撃者の姿を確認する。
その人物は下はグレーの短パンで、上は白いシャツの上にオレンジ色のパーカーを重ね着し、フードを深々と被った姿をしていた。
「!?…超完全に不意をついた筈だったのですが…かわされるとは超予想外です…」
襲撃者の正体はやはりとは思ったが、絹旗最愛であった。
まさかこんなところで絹旗と遭遇するとはな…
まあ、下部組織の人間と一緒に居ないのは寧ろ好都合だ。
「…い、いきなり不意に有無も言わさずに攻撃してくるとか鬼畜! 鬼畜の極みっスよ!? というかアンタ何者っスか!?」
俺はナルトの例のトビ口調で絹旗に非難の声を上げる。
…なんか自分で言ってて悲しくなるが…
「…侵入者排除が私の任務ですから…それに、何者ってそれはこっちの台詞なんですが? 超悪趣味な変な仮面付けて恥ずかしくないんですか?」
「悪趣味って酷いっスよ!? 僕はコレ気に入ってるんスからね!? アンタこそ”男の癖に”そんな生足見せつけちゃダメっスよ! 特定の性癖の奴にしか需要ないっスから!」
俺がそう言った直後、明らかに”ビキッ!”とした音が周囲に鳴り響いた。
「…あァ!? 誰が男だァ!? 私は女だァー!! 見てわからねェのか!? 私の胸がねェからってふざけたことぬかしてんじゃねェぞこのクソ野郎がァー!!!」
フードを脱ぎ、青筋を浮かべ、あまりの怒りに口調を一方通行(アクセラレーター)のように豹変させ、叫び声を上げる絹旗。
正直めちゃくちゃ怖いが…冷静さを欠いた今の絹旗は最早脅威に成り得ないな。
窒素装甲(オフェンスアーマー)は厄介といえば厄介だが、所詮は一方通行の下位互換のようなもの。
基本冷静な絹旗が使用するからこそ、その真の力を発揮するのだ。
今のブチ切れ状態の絹旗では動きが単調になり、容易く倒すことが可能だろう。
「ア、アンタ、お、女だったんスか…フード被ってたから分からなかったっスねー……あ、あちゃー……も、もしかしなくても僕とんでもない地雷踏んじゃったみたいっスね…あ、謝ったら許してくれる…」
俺がそこまで言ったのと同時に絹旗の拳が先程まで俺の頭があった場所を通り抜けていった。
煽っておいて言うのも何だが、完全に殺しにかかってるな…
「訳ないっスよねー!?」
俺は踵を返すと絹旗に背を向けてダッシュで逃げ出す。
「当たり前だクソ野郎がァー!! テメェはミンチになるまで粉々に殴り殺してやるから覚悟しとけ!!」
「ヒ、ヒィー!? こ、怖いっス!! 勘弁して欲しいっスー!!」
「待てやコラァ!!」
逃げながらふと背後を見ると、絹旗が恐ろしい形相で拳を振り上げながらこちらに超速で迫ってくるのが見えた。
薄暗いのも相まってさながらホラーだな…
というか演技をしながら逃げてるのもあるが、やはり素の状態では完全に速度で負けてるな。
このままだと追いつかれるのも時間の問題だ。
「ヤ、ヤバイっス!! このままじゃ僕殺されちゃうっス!! ってうわぁ!!?」
俺は足元の段差に躓き、転倒した。
…勿論演技だぞ?
決してガチ転びした訳じゃないからな?
「終わりだなァ…精々楽に死ねるよう祈っておくんだな!!」
転倒してうつ伏せ状態の俺目掛けて絹旗は、走る勢いのまま跳び上がり、右手を振りかぶる。
どうやら落下の力も利用した一撃を俺に食らわせる気らしい。
…これは食らえばただでは済まないな。
「ギ、ギャー!!」
強烈な一撃が俺の背中に直撃し、俺は断末魔の叫びを上げ
「なーんちゃってー!」
「な、なっ!!?」
次の瞬間にはグルグル仮面ごしにヘラヘラ笑いながら絹旗を更に煽っていた。
絹旗の拳は確かに俺の背中に直撃した。
だが実際にはしたように見えただけで、絹旗の拳は俺の身体をすり抜け、地面に突き刺さっていた。
この原因の正体は勿論神威のすり抜けによるものだ。
今まで数々の裏の人間を屠ってきた自身の拳が相手に当たらずすり抜けていくという未知の現象に絹旗は驚愕のあまり目を見開いていた。
「どれだけ強力な一撃でも当たらなきゃどうということは無いっスねー!」
「…拳が身体を超すり抜けていくなんて…あなた一体何の能力者ですか?」
今の出来事により逆に冷静さを取り戻したのか、絹旗は普段の言葉遣いで話し掛けてくる。
「僕の能力のこと聞きたいっスか? 聞きたいのなら一つ僕からも聞きたいんスけど良いっスか?」
俺は神威を維持したまま立ち上がると数歩歩き、絹旗の方を向き、問い掛ける。
「…内容によりますが…何ですか?」
とりあえず絹旗をまだブチ切れ状態にしておいた方が都合が良いか。
「便意」
「…べ、べんい?」
「そう便意っス! 簡単に言うと、つまりうんこする時ってどんな気分っスか?」
「……は、はい?…」
理解が追いつかないのか絹旗はキレるよりも困惑していた。
俺も自分で言っといて何だが訳がわからない。
口調は正体を現す前のトビを名乗っていた時の原作オビト、ヤバイ発言はグルグルを元にしているが…正直グルグルではなく、もっとまともなキャラの感じで話すべきだったと後悔している…
…だが、こうなればヤケだ。
意味不明な奴という烙印を押されようが何だろうが気にしない。
それだけ本体と同一人物と思われないだろうからな。
正直泣きたい気持ちを押し殺しながら俺はひたすらヤバイ奴を演じる。
「あら? 聞こえなかったっスか? しょうがないっスね〜 もう一度言うから良く聞いて欲しいっス! うんこをする時のアンタの気持ちを教えて欲しいんスよ! 僕って特殊な身体の造りしてるんで、うんこをすることが出来ないんスよ〜 だからうんこする時の気分とか気持ちとかを色々教えて欲しいんス!」
…我ながらはっきり言って終わっている…まさにクソのような発言をしているのは重々承知しているがやるしかない…
そう…グルグルになりきるしかないのだ…
「……」
そんな俺を絹旗は怒るどころか呆れた目というか可哀想な奴を見る目で見ていた…
「…何か貴方…超可哀想な奴ですね…こんな奴にガチギレしてた自分が何だか超情けなくなってきました…」
「可哀想な奴って酷いっス! 僕はただ純粋にうんこをする気持ちが知りたいだけなのに! 教えてるくらい良いじゃないっスか!!」
「…はぁー…」
必死に力説する俺を冷めた目で見ながら溜め息までつく絹旗。
…やめてくれ絹旗、その行為は俺に良く効く…
「絹旗さん!」
俺の精神がどんどんダメージを蓄積していく中、二人の男が現れ絹旗に声をかける。
どうやらアイテムの下部組織の人間らしい。
「どうかしましたか?」
「侵入者がこの施設のデータにアクセスしているとの連絡が!」
布束が動き出したらしいな。
妹達(シスターズ)に感情プログラムをインプットするつもりだろうが、原作同様なら既に打ち止め(ラストオーダー)が誕生している為、それは弾かれ失敗に終わることになる…
「侵入者? 侵入者…というより変質者なら此処で超対峙中ですが?」
「いえ、データにアクセスしているのは防犯カメラからの映像によると白衣を着た女とのこと」
「こんな変な仮面を付けてる奴ではありません!」
「ちょっと! さっきから僕の仮面を変とか悪趣味とか失礼過ぎるっスよ! 僕はコレを気に入ってるんスから!」
「…成る程、この変質者は私達を足止めする為の陽動という訳ですか…本命はその女でデータにアクセスして何かしら超小細工をしようと…やられましたね…」
「僕のこと無視しないで欲しいんスけど!?」
「…はぁー…貴方達、この変質者のこと任せました…私は女のところへ超急行します」
「「了解しました」」
下部組織の男達の返事を聞くや否や絹旗は走り去っていった。
どうやら布束の元へ向かったらしいな。
「さて、二対一だが悪く思うなよ?」
「何、直ぐに楽にしてやる」
数的有利な状況からか男達は不敵に笑いながら懐から拳銃を取り出す。
「ふーん…あんたら二人だけで僕を何とか出来ると思ってるんスか?」
「「なっ!?」」
俺は超速で男達に襲い掛かり、打撃を連続で繰り出す。
まさか俺がこんなスピードで襲ってくるなど夢にも思っていなかったのか、男達は驚き、初動が遅れた為、俺の拳は面白い程男達にヒットしていった。
そして遂には両者共意識を失い、拳銃を落としてしまった。
それを俺が見逃す筈はなく、素早く印を結ぶと木遁で二人を縛り上げ、そのまま首を掴むと神威で吸い込み、時空間へと飛ばした。
「…これで良し…さて、絹旗より先に布束の元へ辿り着かなければな…神威!」
原作通りなら例の地下研究室に布束は居る筈だ。
そう判断した俺は神威で先回りすることにし、その場から姿を消した。
ちょっと短いですが、此処で区切っておかないと長くなりそうだったので前後編に分けることにしました。
グルグル口調というかあのキャラ濃すぎてどうしても台詞が長くなってしまいますね…汗
でもやってる本人は最早ヤケクソでやってるというカオスっぷり…
とりあえず次回へ続きますのでよろしくお願いします!