常識という概念をなくしたぼっちちゃん   作:餡 子太郎

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東方龍優録のお気に入りが350件いったので、ちょっとした短編です。

ちなみにこれは東方龍優録の続きでもあるので、本編を軽く読んでから見るとより楽しめます。


ぼっちちゃん、幻想郷へ行く

 

私、後藤ひとりはダメ人間である。

 

勉強も運動はダメダメ、人と話す時も必ず『あっ』と言ってしまう程の極度なコミュ障。

 

日々が身の丈に合って、このままで良いんだろうかって思ってた時に、私はとあるテレビを見て、聞いてしまった。

 

『まぁ、バンドは陰キャでも輝けるんで』

 

その時、私に電流が走る。それを聞いて私はソファから立ち上がった。

 

「おう!?...どうした?」

 

「お父さん!ギター貸して!」

 

「え?...いいよ」

 

「あ、ありがとう!」

 

私はお父さんが頷いたのを見てから、ギターの有る二階へと向かった。

 

バンド組んだら...、もしかしたら私みたいな人間でも輝ける?とか考えながら、二階にあるギターを見つけて、私の部屋で持ってみた。

 

「わ~...わはぁ」

 

生まれて初めて持ってみたギター、そして私はギターを持った私の姿を見て、カッコイイと思った。

 

だから決めた!ギターうまくなる!そして、学校でバンド組んで、私もいつか上手くなって、それで文化祭でライブして、みんなからちやほやされるんだ!

 

それから私はギターに熱を注ぎ込んだ...。

 

 

 

そんなある日...。

 

ひとり「......え?」

 

私は目の前に映っている景色に呆然としていた。

 

何故かというと、私の目の前には『博麗』と書かれた鳥居の奥に、ボロボロの賽銭箱があった。

 

気のせいでなければ、私は日課であるギターを六時間練習した後、少し疲れたから横になってひと眠りしようと意識を手放した。其処まではいい、私もはっきりと覚えている。という事はこれは...、夢?

 

夢にしてはリアル過ぎでは...?其れこそVRゲームの世界な感じだ。

 

ひとり(ど、何処なの此処......?絶対に私の知ってる所じゃない...!もしかして遂に社会から見放されて神様が異世界転生みたいに見知らぬ所へ飛ばされた...!?あぁ...、私の人生もこれまでは...。お母さん、お父さん、ふたり、ジミヘン...。先立つ不孝をお許し下さい...)

 

?「......あれ?」

 

ひとり「ピアァ!」

 

悪い癖である妄想世界に浸ってる中、一人の若い男性の声がした。私はすかさず土下座をした。

 

ひとり「すすすすすすみません!!おおおお金は今はないんです!!どうか!どうか命だけは!!」

 

?「初対面なのにカツアゲと間違われた!?俺ってそんなヤグザみたいな顔してる!?」

 

ショックだったのか、『嘘だろ...?高一の時に中二と間違われたのに...』とぶつぶつと独り言を言い出した。

 

ひとり「ご、ごめんなさい!へ、変な事言って............」

 

 

 

そう言いながら私は顔を上げた瞬間。時が...、止まったような気がした。

 

小顔で艶やかで後ろに纏めた長い髪。

 

右目だけが真っ黒に染まった瞳。

 

小顔で細身でありながら、身長は170cmぐらいだろうか...。まさにスポーツマンと呼んでもいいぐらいの鍛えられた身体。

 

そして何よりも......。

 

 

 

ひとり(い、イケメェェェェェェェン~~~~~~!!)( イケдメン)

 

 

 

男の人の全てが思いっきり心にナイフでぶっ刺さる感覚に襲われる。

 

いや!ナイフとか包丁とか刀とかそんなちゃっちぃレベルじゃない!!例えるなら...、バ、()()()()()()()?並みの威力だ。

 

?「(だ、大丈夫かこの子?いきなり目はスロットみたいに縦回転したぞ?)え、えぇと...。しもしも?」

 

ひとり「え、あ、お、おはようございます...」

 

?「おはよう、正確に言うとこんにちはなんだけどね」

 

ひとり「す、すみません...」

 

?「......ふむ、服装からして、君は此処が何処か分からないみたいだね」

 

ひとり「アッハイ」

 

やっぱりか、と言わんばかりの顔をした男の人は、顎に手を当てて数秒考えこむと、よしっ、と軽く頷いた。

 

?「取り合えず、色々説明するから、着いてきてくれないか?」

 

ひとり「そ、そう言ってひ、酷い事するんですよね......」

 

?「エ〇同人じゃなんだからそんな事しないって!したらロリコン認定待ったなしだわ!」

 

それから男の人が賽銭箱の隣に座ると、私も男の人の隣に座る。

 

?「........あの〜、遠過ぎじゃね?三メートル程離れてるけどさ、ソーシャルディスタンスでも気にしてるの?」

 

ひとり「あ、いえ...。すみません........」

 

座れる訳無いでしょ!?こんなイケメンの隣なんか!!なんて言える筈もなく、私はちょっとずつ男の人との距離を縮めながら、一メートル程で止まる。お願いしますこれで勘弁して下さい...。

 

?「えぇ~、説明する前に、まず自己紹介といこうか。俺は霧影龍騎≪きりかげ りゅうき≫、二十歳の何処にでも居る男さ。霧影でも龍騎でも適当に呼んでくれ」

 

ひとり「ご、後藤ひとりです...。中学一年です...」

 

何とか嚙まずに自己紹介すると、男の人...。霧影さんは何かを察したかのような顔をした。え、何...?

 

龍騎「ひとりだな...。『ウェ!?』どうした?」

 

ひとり「え、あ、いや...。か、家族以外の人にな、名前呼ばれた事が無かったので......」

 

龍騎「あっ(察し)ふ~ん...。苗字呼びの方がいい?」

 

ひとり「い、いえ!お気遣いなく!」

 

初めてひとりって呼んでくれた人が居た!初めてひとりって呼んでくれた人が居た!初めてひとりって呼んでくれた人が居た!初めてひとりって呼んでくれた人が居た!初めてひとりって呼んでくれた人が居た!初めてひとりって呼んでくれた人が居た!初めてひとりって呼んでくれた人が居た!

 

龍騎「あ~、本題に入っても、いいかな~?」

 

ひとり「アッハイ」

 

龍騎「其処はいいとも~って返して欲しかった......」

 

あ...。す、すみません......。

 

龍騎「それじゃあ説明するけど、質問があったら質問してくれ」

 

ひとり「は、はい」

 

龍騎「まず、今ひとりが此処に居るのは、分かってるとは思うけど、此処はひとりが知っている世界じゃない。まぁ異世界とでも思ってくれ」

 

ひとり「あ、やっぱりなんですね...。やっぱり社会から見放されて神様が異世界転生みたいに見知らぬ所へ飛ばされたって訳ですね...」

 

龍騎「うん、全然違うよ?」

 

......ぱーどぅん?

 

龍騎「いいか?まずこの世界は『幻想郷』と呼んでな...。簡単に説明すると、妖怪とか妖精とか吸血鬼とか天狗とか亡霊とか月の兎とかext...。まぁRPGゲームでありそうな世界だと思ってくれればいいや。あ、妖怪とか言っても皆んな人間の姿だから警戒しなくてもいいぞ」

 

やっぱりVRゲームの世界じゃないですか...。こういうのは一ミリも関わらずにさっさと帰る方法を知って、今日の事は忘れよう!

 

龍騎「言っとくけど直ぐには帰れないからな?」

 

ひとり「え」

 

龍騎「だってひとりがどうして幻想郷に来たのか分かんないし、帰れるとしても幻想郷と外の世界を行き来する人に連絡しなくちゃいけない訳だから時間が掛かる。最悪此処で住む事になるぞ?」

 

ひとり「ど、どうすれは良いんですか!?は、ハラキリショーでもすれば良いんですか!?」

 

龍騎「え?オ◯ギ◯ジ◯ー?(難聴)」

 

私はどうしても帰りたいので事情を説明する事にした。すると霧影さんはふむふむと頷くと、ある答えを出した。

 

龍騎「........率直に言うと、帰れなくはないな。この神社の巫女に聞いた事があるんだ。寝ている間に幻想郷に来れる事が出来る外来人が少なからず居るって...。恐らくひとりもその一人だろうな」

 

ひとり「あ、あの......。外来人って........?」

 

龍騎「幻想郷の外から来る者を外来人って呼ぶんだ。俺も一応、元々は外来人なんだぜ?」

 

ひとり「そ、そうなんですか...?」

 

龍騎「あぁ、実は幻想郷へ入るには色々パターンがあってな...。一つはひとりと同じように、寝ている間に幻想郷に入れるパターンと、事故とかで死んで魂とかこっちに流れ着いたパターン、そしてこの幻想郷の創造主の神隠しにあうパターンだな」

 

つ、つまり現実世界の私が目が覚めれば元の世界に戻れると........。

 

よ、良かった〜〜〜!!

 

龍騎「だからって油断するなよ?こっちで怪我したら外の世界にも反映されるから充分に気をつける事」

 

ひとり「アッハイ」

 

危ない危ない........。またイキる所だった...。

 

龍騎「........?身体が透け始めてる...」

 

ひとり「え........?」

 

霧影さんが私のお腹辺りに視線を向けると、私の足が透け始めていた。え!?何!?私成仏されちゃうの!?

 

龍騎「言っとくけど成仏じゃないからな?」

 

ひとり「な、何で分かるんですか...?」

 

龍騎「いや、ただ単にポーカーフェイスが下手くそなだけ。壊滅的に」

 

なん........、だと........。

 

龍騎「ま、そのまま意識失って、多分家の中に戻るんじゃないか?」

 

ひとり「あ、あの........。また、会えたら出来ますか?」

 

私がそう言うと、霧影さんは腕を組んでう〜んと唸り始める。この様子だと無理そうだな...。神様、短いひと時をありがとう........。この後藤ひとり、この夢を一生忘れません...。

 

龍騎「........ならお前にこれを授けようではないか」

 

そう言って霧影さんが懐から取り出したのは、紫色に近い蒼色の宝石だった。

 

ひとり「綺麗........」

 

龍騎「それはな?俺が作った転移魔法を固体にした物だ。来たいと思った時に幻想郷へ、帰りたいと思った時に外の世界へ...。まぁ強く念じれば上手くいくと思うよ」

 

ひとり「い、良いんですか...?も、貰っちゃて........?」

 

龍騎「別に良いよ、作ろうと思えば幾らでも作れるしね、それに俺だって時々外の世界へ旅行しに行くし。それにそっちは予備で俺のもちゃんとあるから、お揃いのアクセだぜー?嬉しくないか!」

 

ひとり「そ、そそそそそそんな事ありません!!わ、私家族以外でプレゼント貰った事無いので...」

 

龍騎「........お前、本当に友達居ないんだな...」

 

ごふっ........。致命傷なポイントを........。

 

龍騎「あー、良かったらでいいんだけどさ........。俺と友達になるか?」

 

ひとり「................え?」

 

霧影さんからの言葉に思わず固まってしまった。い、今........、と、友達にならないかって...?霧影さんみたいなイケメンから...?

 

龍騎「ほら、お前はまだ中学生だし、勉強だって難しくなる訳だから、ある程度なら俺も教えられるし、暇つぶしには丁度........」

 

ひとり「ゲヘヘヘヘへ〜〜〜、グヘヘヘヘヘヘヘヘ〜〜〜」

 

龍騎「................俺とじゃ気持ち悪くて逆に嫌か...。すまん、今のは忘れてくれ」

 

ひとり「グヘッ!?ち、違います!!そんなんじゃないんです!!嬉しいです!!寧ろ霧影さんみたいなイケメンに声を掛けられただけでも嬉しくて三途の川自力で泳ぎ切れるぐらいです!!」

 

龍騎「三途の川渡り切ったらお陀仏だろうが!!それと首を絞めながら揺らすな!!ぐ、ぐるじぃ〜........」

 

 

 

龍騎「はぁ....、はぁ...。死ぬかと思った........」

 

ひとり「ご、ごめんなさい!!」

 

龍騎「いいよいいよ、それ以上に死に掛けた時があったから。ってかひとりって、握力凄いな」

 

ひとり「そ、そんな事ないです........。寧ろダメダメです...」

 

龍騎「いや、あれは滅茶苦茶ヤバかった。俺じゃなきゃ死んでたね。あ、そうそう。それ使うときは人目につかないようにな。後、もう一つ...」

 

『幻想郷は、全てを受け入れる』

 

ひとり「っ!」

 

龍騎「朝昼晩、いつでも気にせず来たい時に来るといい。あ、それとこの幻想郷の事は秘密な」

 

ひとり「え、何でですか?」

 

龍騎「頭が痛い子だと思われるぞ?」

 

ひとり「絶対言いません!」

 

うんうん、と頷く霧影さんを最後に、私の意識は暗転した...。

 

 

 

 

?「........ちゃ........、りちゃん........!ひとりちゃん!」

 

ひとり「................お母さん?」

 

微睡みから意識が浮上する...。重い瞼を開けて視線を上げると、お母さんが私の身体を揺らしながら呼んでいた。

 

お母さん「ご飯の時間よ、冷めないうちに早くリビングに来なさい」

 

ひとり「あ........、うん........」

 

寝起きのせいで頭がボーっとする。瞼を擦りながら立ち上がると、お母さんは先にリビングへと向かって行った。

 

あれは夢だったのだろうか........?さっきまでの出来事を思い出す。夢にしては霧影さんに抱きついた(首を絞めた)時の感触はしっかりしてたなぁ...。よくよく考えてみれば、私は他の男の人と触れたのは霧影さんが初めて........。

 

ひとり「ふへ、ふへへへへ................」

 

何で思い出したのか自分でも分からないけど、一人顔を赤らめてニヤニヤしていた姿は周りから見たら奇妙に映っただろう。........いや、霧影さんの言う通り、私はポーカーフェイスが下手だから奇妙なのはいつもの事だろう........。泣きたくなってきた........。

 

........考えるのはやめよう。お腹空いたし。そう思った私は、リビングに向かおうとすると、何かを落としたような音がなった。

 

ひとり「........あ」

 

私は気になって、落とした物を拾うと、それは先程の夢で貰った紫色に近い蒼色の宝石だった。

 

夢じゃ、なかったんだ........!

 

こんな事実に感激しつつ、先程の出会いが夢じゃなかったことに嬉しくなる。

 

ひとり(つ、次行く時はギターも持ってこよう!)

 

そんな期待を胸に、私はリビングへと向かった...。そして、この事がきっかけに、私の人生が大きく変わる事になるとは、その時の私は知る由も無かった........。

 

悪い意味で........。




感想、お気に入り、高評価次第で続くかもしれないです。

大人組の中で誰が霧影龍騎に惚れやすいか

  • 伊知地星歌
  • PAさん
  • 廣井きくり
  • 岩下志麻
  • 清水イライザ
  • 佐藤愛子
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