常識という概念をなくしたぼっちちゃん   作:餡 子太郎

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今回は少しオリジナル展開があります。


陰キャレベル120ぼっちちゃんとナンパ野郎の末路

 

星歌「諸君、お待ちかねの給料だ」

 

ひとり「っ!」

 

季節は夏、すっかり暑さが続く日に店長さんが茶封筒を持ってひらひらと揺らしながら私達に話しかけると、どうやら今日は給料日のようだ。

初めてのバイトでの給料........!すっかり忘れていたからタダ働きかと思っていた。良かった...、最近金欠気味だったから本当に有難い、ナイスタイミングだ。

 

へへっ........、このお金何に使おうかな〜...。折角だから霧影さん達にケーキでも買って一緒に食べるとか、後住宅街で散歩したりとか、あぁ^〜夢がひろがるなぁ〜。

 

虹夏「はーい、皆んなー!ライブ代徴収するね!」

 

ひとり「グッバイ諭吉先生........」

 

虹夏「ごめんって〜!私だって心苦しいんだよ〜!」

 

ライブ代回収する事をすっかり忘れていた私は、失った諭吉先生に涙した。折角の給料が........。

 

郁代「え〜〜〜!アルバム作るのってそんなにお金が掛かるんですか!?」

 

すると喜多さんが驚いた様子で虹夏ちゃんと話ししていた。アルバムが作るのにお金が掛かるって言っていたけど.......。

 

虹夏「そうだよ〜。あとMV撮影も結構お金掛かるよ〜」

 

郁代「じゃあ夏休みは別のバイトも増やさないとですね」

 

なん、だと........。金が掛かる........?それってもしかして私の財布は経済破綻してしまうという事か!?冗談じゃない!だったら前に拒絶された結婚費を無理矢理渡せば良かった!

 

い、今の時代人間の臓器って幾らで売れるかな...?

 

リョウ「ぼっち」

 

ひとり「ひゃい!?」ビクッ

 

リョウ「曲作ってきたんだけど」

 

ひとり「ひゃい...?」

 

いきなり声掛けられたから変な声が出てしまった。恥ずかしい........。それからリョウさんの手にはUSBメモリをノートパソコンに差し込み、リョウさんの作った曲を皆んなで聴く事になった。

 

虹夏「...かなり良くない!?」

 

喜多「はい!とっても!」

 

リョウ「ぼっちの書いた歌詞見てたら浮かんできた」

 

マジっすか........。私の歌詞で此処まで良さげな曲が作れるとは...。天晴れです、リョウさん。

 

虹夏「よし、じゃあお姉ちゃんに来月ライブ出来るよう頼んでくるね!」

 

え?待って?そんなトントン拍子に上手くいく筈ないでしょ?

 

喜多「え?まだ言ってなかったんですか?」

 

虹夏「大丈夫、こないだも直ぐに出してくれたし、ね?お姉ちゃん!」

 

星歌「あ?出す気無いけど」

 

「「「え?」」」

 

ほら言わんこっちゃない(遠い目)

 

虹夏「なんで?オリジナル曲も出来たのに」

 

星歌「それはこっちに関係ない」

 

虹夏「集客できなかったときのノルマなら払えるよ?」

 

星歌「お金の問題じゃなくて実力的に。出たいならまずはオーディションな」

 

虹夏「この前そんな事しなかったじゃん」

 

星歌「あれはお前の思い出作りの為に特別にな。普段はデモCD審査とかしてんだよ。4月のライブみたいなクオリティだったら出せないから、一生仲間うちで楽しく放課後やっとけよ」

 

そりゃそうだ、バンドマンは売れなきゃ意味がない。特に最初の方はとても苦労する。実力が無ければ日を重ねるごとにバンドは分裂していってしまう、リョウさんみたいな経験をする事になるのだ。なんとも残酷だ。残酷だけどこれ、ロックなのよね。

 

虹夏「今だにぬいぐるみ抱かないと寝れないくせに〜!!」

 

星歌「それは関係ないだろ!」

 

悔しかったのか、虹夏ちゃんは泣きながら捨て台詞を吐いてライブハウスから出て行ってしまった。それしても、店長さんって今もぬいぐるみ抱いてるのか...。ちょっと意外。

 

リョウ「ぬいぐるみってこのパンダとウサギの事?」

 

そして店長さんを煽るかのようにスマホで一枚の写真を見せてくるリョウさん。それはパジャマ姿にぬいぐるみを抱きしめて寝ている店長さんの写真だった。

 

PAさん「あら、可愛い。」

 

星歌「ちょっ!? その画像消せ!!」

 

郁代「何してるんですか、追いかけますよ!? ほら、後藤さんも!!」

 

ひとり「あっはい」

 

星歌「ぼっちちゃん、ちょっと待った」

 

喜多さんの指示に従おうとしたら、店長さんに引き止められた。そして店長さんからある事を告げられ、虹夏ちゃんに伝えて欲しいと頼まれた。

 

ひとり「........店長さんって、ツンデレ屋さんですか?」

 

星歌「うっさい、早く行け」

 

やれやれ、これだからツンデレ屋さんはめんど........。素直じゃない。仕方ないので私は虹夏ちゃんを探しに行った。

 

 

 

そして案の定、公園のブランコに乗って分かり易く拗ねていた虹夏ちゃんが居た。

 

ひとり「皆さん」

 

虹夏「あ、ぼっちちゃん........」

 

ひとり「朗報です。ライブはまずオーディション、1週間後の土曜に演奏見て決めるからって、店長さんから伝言を預かってます」

 

虹夏「てことはつまり...!」

 

郁代「それに合格すればライブに出られるって事ですね!」

 

虹夏「なら最初からそう言えばいいのに〜」

 

全くです、とうんうんと頷く。

 

郁代「あとは頑張るってことだけですもんね!」

 

虹夏「あ、うん、そうだね...」

 

ひとり「絶対私と喜多さんが1番心配してますよね?」

 

虹夏「うぐっ...」

 

まぁ仕方ないと言っちゃあ仕方ない。私は外の世界での舞台は慣れてないし、喜多さんは初めて、不安になる気持ちも分かる。

 

リョウ「じゃあ2人のパートはオケ流しておくから、当て振りの練習だけしっかりしてくるように」

 

衣玖「はい!!」

 

ひとり「結束バンドってエアバンドだったんですか?」

 

リョウ「でも1週間しかない」

 

虹夏「下手でも頑張れば熱意は伝わるって!」

 

郁代「下手...」

 

悪うございましたね、下手くそで!

 

虹夏「ああっ!?でも2人とも最初よりは上手くなってるし!ね?リョウ!?」

 

リョウ「う〜ん...」

 

虹夏「ちょっとフォローしてよ!」

 

なんだかんだ言って、虹夏ちゃんもすっかり元に戻ったし、オーディションに合格すればライブにも出れるって事なので今はこれで良しとしよう。後はオーディションに向けて練習するのみ、なので早速ライブハウスに戻ろうとしたら........。

 

?「おっ、君達もしかして暇?」

 

漫画みたいな展開になった。えぇ........(困惑)

 

郁代「い、いえ暇じゃないです...」

 

?「君達中々可愛いね〜、お兄さんが奢ってあげるよ」

 

リョウ「なら遠慮なく」

 

虹夏「騙されるなアホー!」

 

こんな状況でも全くぶれないのか...(困惑)面倒くさくならないうちにさっさと退散せねば........。

 

ひとり「すみません、これから用事があるで失礼します」

 

虹夏(ぼっちちゃんナイス!)

 

?「そう言って俺から逃げる策だろ?わっかりやすいな〜」

 

チッ、ダメか。さてどうするか........、此処には虹夏ちゃん、リョウさん、喜多さんが居るから下手に幻想郷で培ってきた経験を活かす訳にはいかない。何分、私は喧嘩は滅法に弱いので尚更だ。仕方ない........、賭けになるけど、三人の体力を信じよう。

 

ひとり「あっ、お巡りさん」

 

?「なっ........!?なーんて、騙される訳...」

 

ひとり「オラァ!」

 

?「がっ...」

 

ひとり「今です、走って!」

 

「「「えっ、ちょ!?」」」

 

私は簡単な方法でナンパ野郎を油断させ、金的目掛けて蹴り上げると、見事にクリーンヒットして男は前屈みになって悶絶し出す。私は三人の手を引っ張って走り出し、その場を後にした。そしてある程度距離を離した後に三人の手を離した。

 

ひとり「........これで一先ず大丈夫でしょう」

 

虹夏「あ、ありがとうぼっちちゃん........」

 

虹夏ちゃんが息を切らしながら感謝の言葉を送ると、私の肌にゾクッと感じた。危ない危ない、承認欲求モンスターが曝け出す所だった。

 

ひとり「所でお怪我はありませんか?」

 

郁代「えぇ........、助かったわ........」

 

リョウ「走ったからお腹空いた」

 

ひとり「其処まで走ってないでしょう」

 

でも事なきを終えたので良しとしよう。とホッと一安心すると、微笑むように自然と口の筋肉が緩む。

 

「「「........!」」」

 

ん?なんか皆んな私の顔を見て驚いてるけど、何か着いてるのかな........。何か虫でも着いてたのかな?

 

虹夏「........今のぼっちちゃんの顔見た?」ボソッ

郁代「いつもクールな後藤さんが少し微笑んだ顔...」ボソッ

リョウ「くっそ、今の顔写真に撮っておけば良かった」ボソッ

虹夏・郁代「「それは分かる(分かります)」」ボソッ

リョウ「そしてmy new gear...に載せればバカ受け間違いなしだったのに」ボソッ

虹夏「アホかお前は」ボソッ

 

あの........、私を置いてそんなボソボソと会話しないで下さいよ...。いじめですか?

 

ひとり「ごほんっ........、そろそろライブハウスに帰りませんか?」

 

虹夏「あ、そ、そうだね!お姉ちゃんも心配してると思うし!」

 

それから虹夏ちゃんと喜多さんは顔を赤くしながら、リョウさんは無表情のままスターリーへと戻り、オーディションに向けて練習を開始した。

 

 

 

 

〜数日後・幻想郷〜

 

ひとり「って事がありました」

 

龍騎「ふ〜ん、音楽に関しては全く分からなかったから知らなかったわ。意外と面倒くさいんだな」

 

ひとり「オーディションは明後日ですからね」

 

霊夢「ってか貴女、その格好どうしたの?」

 

オーディションの二日前に、私は幻想郷にやってきて霧影さんと霊夢さんにこれまでの出来事を報告しながらお茶の啜っていた。霧影さんは音楽は好きとはいえ、ガチの内容までは分からなかったのか意外そうな顔をしていたけど、霊夢さんは今の私の格好にツッコミを入れてきた。

 

何故なら今の私はマッシュヘアと黒スーツに身を包んでいるのだ。

 

ひとり「バンドマンとしての成長を見た目で表現だそうです」

 

龍騎「またリョウって子が原因だな?」

 

ひとり「飲酒、喫煙、女遊び、そして髪型をキノコヘア、これがバンドマンって言ってました」

 

霊夢「イメージ濃過ぎじゃない?」

 

ひとり「どうですか?バンドマンっぽいですか?」

 

龍騎「一発芸狙ってる奴にしか見えない」

 

ひとり「ちなみに髪型ってショートかロング、どっちが好きですか?」

 

龍騎「ありのままのひとりが俺は好きだよ」

 

そう言われた瞬間、私はマッシュヘアのカツラを投げ捨てた。





イケメンぼっちちゃんにするの難しい...。

大人組の中で誰が霧影龍騎に惚れやすいか

  • 伊知地星歌
  • PAさん
  • 廣井きくり
  • 岩下志麻
  • 清水イライザ
  • 佐藤愛子
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