常識という概念をなくしたぼっちちゃん   作:餡 子太郎

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隠キャレベル120ぼっちちゃん 初バイト

 

虹夏「それでは!早速結束バンドの今後の活動について皆んなで話し合おう!」

 

ひとり「................」

 

ライブから1日が経過して、虹夏ちゃんの連絡通りにスターリーに入って虹夏ちゃんに案内されて椅子に座ると、早速ミーティングが始まった。正直、乗り気じゃない。確かにこう言ったレクレーションは必要だろうが、それをやるぐらいならバンド練習するか、霧影さんとお茶飲みたい。

 

虹夏「........って言いたい所なんだけど、思えばあんまり仲良くないから何話せばいいかよく分かんない...」

 

身も蓋もない...。

 

リョウ「そんな時の為にこんなものを」

 

そう言ってリョウちゃんが取り出したのは一つのサイコロだった。

 

虹夏「何が出るかな♪ 何が出るかな♪」

 

リズムに乗りながら虹夏ちゃんはサイコロを振ると『学校の話』と書かれた目になった。ほんと元気ですね、少し分けて欲しいです。

 

虹夏「学校の話~略してガコバナ~!」

 

学校の話しか......。話す事がない(遠い目)

 

ひとり「あっ、そういえば二人共同じ学校なんですよね...?.」

 

虹夏「そう、下高!」

 

リョウ「二人共下北沢に住んでるから近い所選んだ」

 

やはりか、この二人なら私と違って青春を謳歌してそうだし。

 

虹夏「ぼっちちゃんは秀華高って事は家は此処ら辺なの?」

 

ひとり「県外で片道2時間です」

 

虹夏「2時間!?なんで!?」

 

ひとり「高校は誰も過去の自分を知らない所にしたくて.」

 

虹夏「学校の話終了ー!」

 

これ以上はまずいと判断したのか、虹夏ちゃんはすぐに学校の話を切り上げて、次の話しを持ち掛けるべく、再びサイコロを振る。お次は『好きな音楽の話』と書かれていた。

 

虹夏「次は好きな音楽の話〜!あたしはメロコアとかジャパニーズパンクかな?」

 

リョウ「私はテクノ歌謡とかサウジアラビアのヒットチャートを........」

 

結束バンドとして虹夏ちゃんとリョウさんの好みがバラバラなんですね。よく結束バンドなんて名前出せましたね。まぁ人の好みだろうけどツッコまない。

 

虹夏「絶対嘘!」

 

リョウ「ほんとだもん」

 

喧嘩するなら出で行っていいですか?

 

虹夏「ちなみにぼっちちゃんは?」

 

ひとり「........青春コンプレックスを刺激しない歌ならなんでも」

 

虹夏「青春コンプレックスって何!?」

 

ググりなさい。ネット社会を有効しなさい。

 

ひとり「あ、あと知り合いの草笛が一番好きですね」

 

虹夏「草笛?」

 

草笛、それは霧影さんの特技の一つ。

 

当時学生時代の霧影さんが特技の一つが欲しかったらしく、偶々公園で草笛を吹いていた老人に頼んで覚えたようだ。私も実際に聴いてみたら、私のギターの過激的な音色と比べて、霧影さんの草笛の優しく包んでくれるような綺麗な音色、とても穏やかで心地良いメロディーだった。一回だけスマホで録音して睡眠用に活用しております。

 

ちなみに一回だけ霧影さんとセッションしてみたけど、それはあまりにも酷過ぎた。

 

霧影さんの穏やかな草笛の音色...。

 

私の過激的なロックなギターの音色...。

 

ま さ し く 不 協 和 音

 

セッションし始めて直ぐに私は吹き出し、霧影さんはお腹を抱えて笑いながら転がっていた。

 

虹夏「ま、まぁ草笛の事は一旦置いといて、昨日インストだったけど、次はボーカル入れたいんだよね」

 

ひとり「........リョウさんは出来ないんですか?」

 

リョウ「フロントマンまでしたら私のワンマンバンドになってバンドを潰してしまう」

 

ひとり「その湧き出る自信の源は何ですか?」

 

虹夏「よし曲も作っていこうよ!リョウ作曲できるし。歌詞に禁句多いならぼっちちゃんが書けばいいじゃん!」

 

は?

 

ひとり「は?」

 

何勝手に決めてるんですか、馬鹿なんですかアホなんですか死ぬんですか?

 

ひとり「逆に虹夏ちゃんは何するんですか?」

 

虹夏「........えいっ。次はノルマの話〜」

 

私の質問を受けた虹夏ちゃんはサイコロを振って強引に話題を切り替えてきた。それは卑怯なんじゃないですか?きっと自分が何かやることは考えてなかったんだろうとは思うけど。

 

虹夏「昨日出たライブはブッキングライブって言うんだけど、バンド側には動員の保証する為のチケットノルマが課せられてて、集客出来なかったら自腹なんだ。ノルマ以上売れた分はバンド側に50%入ってくるよ!半分はライブハウスだけど」

 

ひとり「つまりお金が必要だと...?」

 

虹夏「ざっくり言うとね。昨日のライブはあたしらの友達が来てくれたからチケット結構はけたんだけと........、二回目は来てくれないたろうし。リョウは友達居ないから集客あてに出来ないし...ぼっちちゃんは?」

 

ひとり「すみません、(学校内では)居ません」

 

此処で幻想郷の人達を連れてくるのは良くない。霧影さんならまだしも、霊夢さんも魔理沙さんは絶対に難しい。

 

虹夏「まあ、そんな訳でライブ代機材代諸々稼ぐ為にバイトしよう!」

 

................バイトだと?

 

ひとり「あ、私知り合いの人の神社でバイトしてるんで無理です」

 

虹夏「嘘つかないの!」

 

ちっ、バレたか。昔の私だったら社会が怖いだのと言って怖気ついていたが、今の私は違う。ただ単に面倒臭い。その一言だけだ!かといって許して貰える訳がないので買収する事にしました。

 

虹夏「........何これ?」

 

ひとり「お母さんが私の結婚費用にと貯めてくれてるお金です。全額支払うのでバイトは勘弁して下さい」

 

虹夏「キリッとして言ってるけどあたし達を鬼にする気!?」

 

トートバッグから豚の貯金箱を差し出して、交渉開始。

 

リョウ「分かった、では有難く...」

 

虹夏「受け取るんじゃない!」

 

交渉失敗、ガッテム。

 

虹夏「大丈夫だって!ぼっちちゃんも此処でバイトすれば良いんだから!」

 

そういう問題じゃないんです。霧影さんとの過ごす時間が無くなっちゃうでしょ!

 

虹夏「内容もドリンクスタッフとか掃除だし!いろんなバンド見れるよ〜!」

 

リョウ「アットホームで和気あいあいとした職場です」

 

リョウさん、それはブラックな会社が言ってそうな台詞です。更にやる気がなくなってしまいます。

 

ひとり「そうですか、だがことわ」

 

虹夏「それと、バンドの経費は私が管理するからね」

 

虹夏ちゃん?(威圧)

 

ひとり「...リョウさんは?」

 

虹夏「それどう意味だ?」

 

声が少しだけ圧が掛かってましたけど全然怖くありません。続けて下さい。

 

虹夏「リョウはこう見えて無茶苦茶お金遣いが荒いの。お金持ちでお小遣いたくさん貰ってるけど、楽器に注ぎ込むから常に金欠だよ。とても任せられないのよ」

 

リョウ「それ程でも........」テレッ

 

褒めてません。

 

 

 

 

虹夏「じゃあバイトは来週からね〜、学校終わったらうちに直行ね!」

 

リョウ「ぼっち、ばいばい」

 

ひとり「はい...」

 

結局バイトする事になってしまった私は、重い足で駅に向かっていた。まぁ宝石があるので直ぐに帰れるけど...。はぁ~、溜め息を零す。

 

嫌だな...、こうなるんだったら紅魔館で本格的にバイトすれば良かったと思ってしまう。あそこなら咲夜さんに修行して貰った内容とほぼ変わらないし、何より同じ人(妖怪)と会話すだけなので、飲食店ではないので接客する必要もない。最初こそは嫌だって思っていたけど、続けていくうちに褒めてくれたりと私の承認欲求が満たされていくし、何よりもこんな私を頼ってくれてる...。

 

うん...。改めて思うと幻想郷に来て本当に良かったと思う。余計なものまで覚えてしまったが、何も無かった中学時代と比べれば全然楽しい。

 

ひとり「......よし、今日も幻想郷に行こう」

 

私はポケットから宝石を取り出し、博麗神社をイメージして幻想郷へ......。

 

 

 

 

 

 

 

そして一週間が過ぎ、バイト初日を迎えました。

 

はぁ........。行きたくない、行きたくないよぉ...。昨日までは霧影さんの前でギター弾いてたり、草笛聴いたり、時には緩やかな曲でセッションしたりして楽しかったのに、時間経つの早すぎる...!あとちょっとだげでいい!ざっと半世紀ぐらい時間が欲しい!!

 

「チケットの販売は5時からですよ、まだ準備中なんで」

 

私がスターリーの入り口前でウロチョロしてると、後ろから女性に声を掛けられた。振り向くと、スタッフさんなのかジーッと見ていた。

 

あれ?この人........、金髪に小さなアホ毛........。

 

ひとり「......虹夏ちゃん?」

 

「は?」

 

ひとり「いつの間にこんなに大人になっちゃって...。もしかして永琳さんのお薬で大きくなったの?」

 

「(こいつ警察い突き出そうかな...)虹夏の知り合い?」

 

ひとり「知り合いもなにも、貴女が虹夏ちゃんでしょ?」

 

「姉の星歌だけど...」

 

.........姉?確か虹夏ちゃんにお姉さんが居るって...、しかもスターリーの店長もしてるって...。

 

ひとり「あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

星歌「!?な、なんだ!?」

 

ひとり「この度は私の勘違いで誠に申し訳ございませんでした!!お、お金でも臓器でもいくらでも差し上げますのでどうかご勘弁をぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星歌「ふーん、新しいバイトね。そう言えば虹夏がそんな事言ってたわ」

 

あれから虹夏ちゃんのお姉さん、もとい店長さんに許して貰い、改めてバイトとして雇って貰うよう頼んでいます。どうやら虹夏ちゃんから話しは聞いてたみたいで、詳しい説明する手間が省けた。

 

星歌「ひとりちゃん、だっけ?確か前に段ボールに入ってライブしたマンゴー仮面だっけ?」

 

マンゴー仮面?一体何の事...?ライブの日を思い返してみる。

........あぁ、そういえば私、頭に段ボール被ってたんだっけ...。

 

ひとり「そ、そうです!私がマンゴー仮面です!」

 

星歌「えっ、本当にそんな名前なの...?あと私が変なおじさんですみたいな言い方やめーや」

 

まさか外の世界で二つ目のあだ名を貰えるとは...。感動の嵐!店長さん好き!

 

虹夏「おっ、ぼっちちゃんと早いね〜。お姉さんおは〜」

 

虹夏ちゃんのお姉さんが何か言ってる途中に、虹夏ちゃんがやって来た。虹夏ちゃんが私服を着ているが、このお店って私服でオッケーなのだろうか?

 

星歌「此処では店長って呼べよ」

 

虹夏「えへへ〜、ごめーん。じゃあぼっちちゃん、早速お仕事しよっか〜。このテーブル片して、それが終わったら拭き掃除、それが終わったらドリンク覚えよっか〜」

 

あの...、採用されたどうかも聞いてないのに勝手に始めていいんですか?

 

それから虹夏ちゃんの指示通りにテーブルを片して拭き掃除、そしてドリンクを覚えるべく、ドリンクコーナーに向かい虹夏ちゃんがドリンクコーナーのご教授が始まる。

 

虹夏「まずはトニック水が此処からで、ビールはこのサーバーからね。カクテルは後ろの棚の........」

 

待て待て待て、そんな一片に言ったって覚えられる訳ないじゃないですか。えぇと、此処がビールサーバーで、カクテルが裏の棚........。

 

いや分かるか!!

 

やっぱり見て覚えるより、身体で覚えた方が早い!ってか私って実際にやって身体で覚えるタイプだし!あと、声に出して作業すると更に覚え易くなる。

 

ひとり「カクテルは〜棚右端からてき〜ら〜うぉっか〜〜〜♪」

 

虹夏「急に歌い出した!?」

 

私は歌いながら覚える事にした。ってか分かり辛い、文字の書いてるテープ貼っておいた方が良いでしょ。

 

 

 

ドリンクのご教授を終えて、今度はドリンクスタッフの説明を受けています。虹夏ちゃんが取り出したのは、小さな三角形のチケットだった。

 

虹夏「ドリンクスタッフは注文されたドリンク注いで渡すだけだから、チケット代金とは別に500円払うと貰える、これがドリンクチケットね」

 

........これ一枚で500円...。ぼったくりじゃん。

 

虹夏「ぼったという顔してるな?ライブハウスは一応、飲食店って扱いなんだよ。よく分からないけど興行場で営業許可貰おうとすると飲食店に比べて条件が厳しんだって」

 

........................い、いいいいい飲食店!!!??

 

ば、馬鹿な!?ライブハウスが飲食店扱いだと!?いつの間にかハードルの高い飲食店デビューまでするとは...!?私には飲食店でバイトしていける程度の能力が目覚めたのか!?

 

遂に私も能力持ち!?やったやった!霧影さんも霊夢さんも持っていて羨ましいって思ってたんだよね!遂に私も能力者かぁ〜、くぅぅぅ〜!

 

虹夏「お、いつの間にかお客さん入って来たね!ぼっちちゃん、今から忙しくなるよ~」

 

前言撤回、やっぱり能力なんていりません。

 

そう言って虹夏ちゃんはお店の入口を見ると、徐々にお客さんが増え始めていた。

 

ま、待って?何話したら言いのか分かんないんだけど!?な、何か役に立ちそうな物...!これだ!

 

ひとり「『本日はありがとうございました』」

 

虹夏「終了しちゃった!?」

 

許してくれ虹夏ちゃん、いくら隠キャレベル120の私でも接客をぶっつけ本番は無理だ!何かしらネタが無いと!

 

虹夏「大丈夫だって!目合わせなくていいから!」

 

それはそれで接客と言えるんですかね?

 

虹夏「それに、ライブハウスのスタッフがお客さんと関わるのって此処と受付くらいだし、いい箱だったと思って貰えるようにいつかは笑顔で接客できるようになろうね!まぁライブ始まったる暇になるし、今日のバンドはどれも人気あるし、勉強にもなるから、よく見てね!」

 

ひとり「は、はぁ...」

 

ということで今やってるバンドの演奏を見る事にしました。この間は初めて知らない人の前でやったから凄く緊張したけど、ライブを回数を重ねていったらはっちゃけられるんだろうな...。幻想郷でもそうだ、最初は5センチ程宙に浮いただけで満足してたのに、魔理沙さんの指導で今じゃ鳥がいつも飛んでる高度まで飛ぶようになった...。

 

あれ?これライブと空飛ぶのって基準おかしくない?

 

「すみません、オレンジジュース下さい」

 

Q.お客さんが来た。さて、どうするか........。

 

A.適当にやればいっか(思考停止)

 

 

ひとり「................お待たせしました。お嬢様」

 

「お、おじょ?」

 

ひとり「お、お客様...」

 

しまったあああああああああああああああああ!!

紅魔館風に言ったら無意識にお嬢様って呼んじゃったぁぁぁ!!

馬鹿野郎この野郎!!此処はメイド喫茶でも紅魔館でもないんだぞ!?しっかりしろ後藤ひとり!お前は幻想郷じゃなくて外の世界にいるんだぞ!?

 

虹夏「ぼ、ぼっちちゃん...?どうしてお嬢様なんて...?」

 

ひとり「................メイドになりきってる妄想してたら無意識に」

 

虹夏「変な方向にアクセル全開するのは止めようかぼっちちゃん」

 

すみません。

 

 

 

 

ひとり「それじゃあお疲れ様でした」

 

虹夏「ぼっちちゃんお疲れ〜」

 

何とか初日のバイトを終わった私は、スターリーの外へ出て帰路に着いていた。疲れた...、精神的に。まぁ幻想郷での修行と比べたらまだ可愛い方だ。魔理沙さんとパチュリーさんのスパルタ魔法教室なんて容赦無かったから、幾らお金が積まれても絶対にやってやんない。

 

よし、今日も幻想郷に行って霧影さんに褒めて貰おう!

 

 

 

龍騎「ひとり、俺外の世界に行きたいんだけどさ」

 

ひとり「はい」

 

龍騎「俺、外の世界の金が無いわけよ」

 

ひとり「たかる気ですか?」

 

龍騎「違う違う、俺そっちの動画サイトで草笛で動画投稿して小遣い稼ぎしようとしてるんよ」

 

ひとり「いいんじゃないですか?私も霧影さんと外の世界へお出かけしたいですし」

 

龍騎「嬉しい事言ってくれるじゃないの〜。でも俺、幻想郷に住み着いてからネットの使い方忘れちゃったから教えて欲しいんだ。頼めるか?」

 

ひとり「そのぐらいなら良いですよ」

 

 

〜数時間後〜

 

龍騎『やべぇ、16時間前に投稿したらウケちった』

 

ひとり『どのぐらいいったんですか?』

 

龍騎『再生回数10万、チャンネル登録者数も10,000いった』

 

ひとり『宣戦布告と見ました、潰してやりますから覚悟して下さいね』

 

龍騎『あらやだ新人潰し』

大人組の中で誰が霧影龍騎に惚れやすいか

  • 伊知地星歌
  • PAさん
  • 廣井きくり
  • 岩下志麻
  • 清水イライザ
  • 佐藤愛子
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