常識という概念をなくしたぼっちちゃん   作:餡 子太郎

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隠キャLv120ぼっちちゃんと逃げたギター

 

ひとり「................」

 

バイトを初めて一週間、ちょっとずつではあるが業務に慣れてきたのは良いものの、現在机の上でコンコンと、人差し指で叩きながらスマホを眺めている非常識で隠キャLv120のぼっちは一体誰でしょう........。

 

そう、私だ。

 

誰に言ってるんだ?

 

そんな事はどうでも良い。私は今、物凄く機嫌が悪い。ある文字と数字を目にするだけでイライラが溜り、意識しないようにしても頭の中が自然的に例の文字と数字が脳裏に焼きつく。

 

アカント名【クサブエちゃんねる】

 

チャンネル登録者数【22,110】

 

うp主、霧影龍騎

 

何故だ........、何故なんだアアアアアアアアアアアアア!!

 

何故霧影さんのチャンネルが此処まで伸びてるんだ!?設立してまだ一週間で二万人ってどゆこと!?一体何が私と違うって言うんだ!?

 

何かヒントがあると思って私は霧影さんのチャンネルの動画を適当に選んで、コメント欄を開く。

 

『え........何この音色........』

『令和の吟遊詩人降臨』

『睡眠用として使わせて頂きます。おやすみなさい』

『いきなりお気に入りで上がってたから開いたら一気に意識失った...。これは麻薬並みやで...』

『正直、草笛を馬鹿にしてた』

『フード被ってて顔全体は見れないけど、口からしてイケメンと見た』

『俺、草笛始めるわ...』

『あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

俺は奴のチャンネルで草笛を聴いていたと思ったらいつのまにか朝を迎えていた...。

な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった…

催眠術だとか睡眠薬だとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ…

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ… 』

 

『セクハラが原因で会社を辞めて絶望しきった時にこのチャンネルを見つけました、嫌な事で埋め尽くされた私の心が草笛の優しい音色で嫌な事で埋め尽くされていた心が晴れて涙が止まりませんでした。お陰で今は新しい会社に勤めて、睡眠用として聴かせて貰ってます。このチャンネルを立ててくれてありがとうございます。今後の活動も応援しております』

 

これだぁぁぁぁ........!明らかにこれだぁぁぁ!!

 

草笛でセクハラOLをちゃっかり助けてるからなのか........!しかも続きのコメントで同情のコメントが書かれてるしぃ〜!!

 

................そうか、一旦ロックな曲はやめて切ない感じの曲を弾けばいいのか。ずっと流行りの曲ばっかり弾いてたからロックばっかり突っ走ってたのか...。なぁんだ!難しく考え過ぎだったんだ〜!じゃあ早速曲探しを........ん?

 

龍騎『ねねね、今どんな気持ち?』

 

龍騎『あんだけ自信たっぷりに潰す宣言しておいて差が開くどころか詰められてるのどんな気持ち?ねねねねねねねねねねねねねねね.........』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとり「くたばれぇぇぇぇ!!クソな親父ぃぃぃぃぃ!!ひれ伏せぇぇぇぇぇ!!クソな親父ィィィィィィ!!」

 

昼休み、私は階段裏でギターを弾きながら絶唱していた。休み時間にロインで煽ってきた霧影さんに対して怒りがエクスプロージョン(爆裂魔法)したので耐えに耐えきれず自慢のギターで八つ当たり満載な(絶望的な)歌詞で怪獣の鳴き声の如く叫び散らす。

 

ひとり「私はぁさぁ〜いきょおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

........最後の部分だけ丸パクリだったけど、まぁ発散出来たのでよしとしよう...。ネットで出す訳でもないし、誰かに聴かれてる訳じゃないし。ってかさっきからピコンピコンってアホ毛センサーがうるさい.......。

 

「凄ーい!感動!ギター上手いのね!」

 

ひとり「             」

 

「あ、ごめんさないね。私は喜多って言うの、貴女は二組の後藤さんよね?」

 

ひとり「             」

 

郁代「確か後藤さんってギター得意って聞いてたけど、本当だったのね!」

 

ひとり「..............ぁ」

 

郁代「...後藤さん?」

 

ひとり「........後藤?誰ですかそれ?」

 

郁代「えっ?」

 

ひとり「私は霧影龍騎です、特技は草笛です」

 

郁代「龍騎って絶対男の人の名前よね!?特技が草笛ならなんでギター弾いてるの!?」

 

ひとり「私は霧影龍騎です、それ以上でも以下でも御座いません」

 

郁代「段々とロボットみたいな返事になってきている!?ごめんね後藤さん!お願いだから戻ってきてー!」

 

 

 

 

ひとり「すみません...、トリップしてました...」

 

郁代「お、落ち着いたならいいんだけど...」

 

急に喜多さんが声を掛けられた瞬間、一分程心臓が停止して死神様であろう女の人に会ってきました。というか寝てました。そしたら意識が急に失って現世へ戻ってきました。いや~危なかった...。

 

郁代「後藤さんって、バンドやってるの?」

 

ひとり「アッハイ」

 

郁代「ねえ、他にも何か弾けるの? 弾いて?」キターン!

 

ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!

 

目が、目が焼けるぅぅぅぅぅ!!なんだこのオーラは!?まさか陽キャ特有の対隠キャ用太陽拳だというのか!?溶ける!溶けてしまう~~~!

 

ダ、ダメだ勝てない!?私で例えるなら隠キャLv120に対して、喜多さんの場合は陽キャLv150~200、それどころかハイパームテキとかいう改造チートしたTASレベルだ!?

 

ひとり「そ、それよりも...。私に何かご用ですか...?」

 

それから喜多さんは説明に入ると、ある日に喜多さんは路上ライブしている人を見た時に一目惚れしまったらしく、その人の活動を追ってたんだけども、ライブ前に抜けてしまったようだ...。新しく結成されたバンドにその先輩がいることを知って、飛び入り参加...。肝心の喜多さんは全くギター弾けないのにだ...。

 

いや普通そんな事にはならないでしょ。喜多さんって諸突猛進タイプな人だった...?

 

郁代「私、このままバント抜けようと思うの...。これ以上は先輩達に迷惑をかけるわけにはいかないし...。そんな人間が、またバンドなんてやっちゃだめだと思うわ........。それに、嘘ついて入った私を出迎えてくれる筈...。まあ、そういう訳で私は一度逃げ出したのよ。そんな人間が、またバンドなんてやっちゃだめだと思うわ」

 

ひとり「......ここで辞めたら一生その事引き摺る事になりますよ?」

 

郁代「........ じゃあ、ギター教えてよ。私の先生になってくれないかな?」

 

.............What?

 

郁代「こんな上手い後藤さんが教えてくれたら頑張れるかも」

 

.....やっべ、これ面倒臭い状況になったかも。

 

郁代「こんな上手い後藤さんが教えてくれたら頑張れるかも...。いつ教えてもらえる?放課後とか......」

 

ひとり「ほ、放課後はライブハウスでバイトが........」

 

郁代「合間でもいいから!スタジオは併設されてる?ねっ?お願い。...ダメかな?」ウワメヅカイ

 

やめろおおおおおおおおおおおおおおお!!泣き目+上目遣い攻撃は私の弱点の一つ!そんな防御貫通攻撃(通称:あざとキターン光線)されたら死ぬぅぅぅぅぅぅぅ!!

 

ひとり「ワ、ワカリマシタ........」

 

そして私のライフは0となり、陰キャLv120の私が初めて黒星を飾った瞬間である...。

 

 

 

 

 

郁代「バイト先って下北だったのね...」

 

ひとり「えぇ、まぁ...」

 

放課後、バイト先のスターリーへ向かうべく、喜多さんと一緒に下北沢駅に到着しました。それから私は黙ったまま始めると、喜多さんも後に続くように歩いてくる。

 

郁代「後藤さんって普段ギター以外で何してるの?」

 

ひとり「......知り合いの家に行っては、お茶飲んだりしてのんびりしています」

 

郁代「知り合いってどんな人?」

 

ひとり「一言では言えませんが...。私は昔、今のような人間ではなかったんです」

 

郁代「...えっ!?そうだったの!?」

 

ひとり「はい...。私は中1の途中までは家族以外の人と話す事が苦手、必ず人と話す前に『あっ』って言っちゃうし、目を合わすのもダメだったんです」

 

郁代(嘘...、全然そうには見えない...)

 

ひとり「多分、さっき言った知り合いの人と出会わなければ、ずっと自虐的になっていたと思います。ある意味、感謝しているんです」

 

特に私の命の危険を晒された事に関してはなぁ!!

 

それからひたすら歩き続ける中、段々と喜多さんの歩くスピードが落ちて来ました。足が疲れたのだろうか?

 

郁代「な、なんかこの道、見覚えが...」

 

ひとり「気のせいですよ」

 

郁代「で、でもなんか此処通った記憶が」

 

ひとり「気のせいですよ」

 

さっきから何ですか?もう怖気ついたんですか?はっ!いくらハイパームテキな喜多さんとはいえ、非常識な私には結局は勝てなかったんですよ!(謎の強気)

 

郁代「...間違いない......!後藤さん、私急用を思い出したから帰るね!」

 

ひとり「逃しませんよ?」

 

何か焦ったのか喜多さんが帰ろうとするが、私はすかさず喜多さんの肩を掴む。言い出しっぺ、逃しはせんぞ......。

 

郁代「は、離して後藤さん!」

 

ひとり「だが断る!何をビビってるんですか?相手は霊夢さんでも魔理沙さんでもない、誰一人もいないんですよ?」

 

郁代「れいむとまりさって誰!?いやそんな事じゃなくて!」

 

すると、私の頬を挟もうとする喜多さんから少し距離を取ろうとしたら、首を掴まれました。

 

ま"、ま"っ"て"!?く"、く"る"し"ぃ"......!

 

「ぼっちちゃ〜ん!言われた通りエナドリ買って来たよ〜」

 

すると奥から虹夏ちゃんがエナドリを抱えてやってきました。いや多い、確かに『紹介したい人がいます。エナドリで乾杯しましょう』って連絡したけどそんなに大量摂取すると死にますよ?

 

「ってあ〜〜〜〜〜!逃げたギタ〜〜〜〜〜!!」

 

「あひいいいいいいい!!」

 

や"、や"め"ろ"ぉ"ぉ"ぉ"!!い"、い"き"か"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!

 

ア(窒息死)




ちなみに龍騎くんと霊夢は付き合ってますが、結婚はしていないどころか、子供まいません。

これが龍優録の霊夢ルートの違いです。

大人組の中で誰が霧影龍騎に惚れやすいか

  • 伊知地星歌
  • PAさん
  • 廣井きくり
  • 岩下志麻
  • 清水イライザ
  • 佐藤愛子
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