常識という概念をなくしたぼっちちゃん   作:餡 子太郎

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隠キャLv120のぼっちちゃんと喜多さん

 

 

郁代「ドリンク代五百円です!今日はどのバンドを見に来られましたー? よかったらフライヤーもどうぞー!」

 

虹夏「そうそうそんな感じ!喜多ちゃんうまいねー」

 

郁代「私、人と関わるの大好きなんです」

 

 

喜多さんをスターリーに連れて来て数分後、喜多さんは接客の練習をしていました。しかもメイド服で(重要)

 

どうして喜多さんが接客の練習をやっているのかと言うと、事の発端は数分前の事です。

 

私が首を絞められて意識を失ってる間に、虹夏ちゃんが喜多さんの事を『逃げたギター』と叫び、リョウさんがエナジードリンクを飲みながらやって来た。すると喜多さんは涙目になって、突然土下座。『何でもしますからあの日の無礼をお許しください!どうぞ私を無茶苦茶にして下さい!』と誤解を招くような言い方で許しを問ってきたらしい。それから喜多さんをスターリーの中へ連れて行って、事情を説明。虹夏ちゃんとリョウさんは怒るどころか、凄く心配していたようだ。まぁ音信不通になってれば心配するのは当然である。中学時代の私ならドラえもんのように押し入れの中で引き篭もっているまでである。

 

でもリョウちゃんが喜多さんの事を死んだかと思ってお線香あげてた事言っていた。勝手に殺さないであげて下さい。

 

郁代「な、何か罪滅ぼしさせて下さい!私の気が収まりません!」

 

虹夏「そんな事言われてもなぁ........」

 

やっぱりまだ罪悪感か残ってるのか、喜多さんは罪滅ぼしを要求する。そしたら店長さんが『今日一日ライブハウス手伝ってくんない?忙しくなりそうだから』と手伝いを要求するが、喜多さんはそれだけでも物足りないらしい。ドMですか?

 

星歌「じゃあ恥ずかしい格好して貰おう」

 

そう言って店長さんが持って来たのは何故かメイド服だった。何でメイド服?

 

此処ってライブハウスだよね?メイド喫茶にジョブチェンジしちゃった?

 

それから喜多さんはメイド服に着替えて、虹夏ちゃんから接客の練習を受けて始めました。

 

 

そして私が目を覚ましたという訳です。いや起きるの遅すぎでしょ。

 

 

 

 

 

星歌「あいつ臨時なのに使えるな」

 

虹夏「喜多ちゃん手際良いね〜」

 

リョウ「惰眠に貪る時間まで出来てしまった」

 

星歌「時給から引いとくな」

 

喜多さんがメイド服でせっせと働く中、虹夏ちゃん達は喜多さんの働きっぷりに絶賛していた。

 

...あれ?私居る必要性なくない?

 

だって喜多さんが此処で正式にバイトしてしまえば私のアイデンティティが無くなって、此処でバイトする必要なくない?.........って思ってたけど、ノルマ代稼がなくちゃいけないからどちらにせよバイトしなくちゃいけないじゃん...。ガッテム!

 

 

ひとり「喜多さん、ドリンク教えますので」

 

郁代「あっ、うん!」

 

そして私がドリンクバーの前に立って、喜多さんにどれがどの飲み物なのかを説明していく。幻想郷に来てなかったら、見られてるだけでも上手くいかなかっただろうが、隠キャLv120の今の私にはどうって事はない。ほんとありがとう咲夜さん...、、霧影さんには感謝しないのかって?なんのこったよ?(すっとぼけ)

 

ひとり「これがコーヒーで、此処のボタンを押すと出てくる...あれ?」

 

コーヒーが出てくるドリンクバーの前に立って、試しにコップに注ごうとボタンを押すが、一滴も出てこなかった。故障か?と、何回かボタンを押すが何も起こらない。

 

......イラついたのでチョップしたら熱々のコーヒーが噴出した。

 

ひとり「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

郁代「後藤さん!!」

 

制服にあちこちコーヒーまみれになってしまい、喜多さんが慌ててハンカチで拭いてくれた。

何故だ...、どうしてこうなった...!?

 

郁代「大丈夫?大体分かったから、後藤さんはもう休んでて?」

 

チクショー――!!クリーニング代でお金が吹っ飛ぶ!!

 

ひとり(........?この指........?)

 

偶然にも喜多さんの手に触れて、違和感を覚えた。もしかして........。

 

 

 

 

 

それから私はトイレに篭って、霧影さんに貰った宝石で帰宅。久しぶりに着るピンクジャージでスターリーのトイレに戻ってきた。いや~、すっごい便利。

 

ひとり「そういえば、後藤さんって何でバンド始めよう思ったの?」

 

郁代「え........」

 

喜多さんの質問に言い淀んでしまう。インドア趣味なのに派手でカッコいいし、人気者になれるし........。動機が全部不純過ぎるなんて言えない!...昔の私ならな(ドヤ顔)

 

「...大した事じゃありません。最初はただ単に、己の承認欲求を満たす為です。でも、今は違います。そういう喜多さんはリョウさんに憧れて始めたんですよね...?」

 

郁代「え?あ、うん。先輩の路上ライブ見て一目惚れしたの。ちょっと浮世離れしてる雰囲気とか、ユニセックスな見た目とか、何より楽器が様になってるのよね」

 

中学時代だったら気持ち分かるけど、幻想郷に来てから別にどうでも良くなってしまったから共感出来ないでいる。まぁ気持ちは分かるけども...。

 

郁代「前のバンド抜けちゃったみたいで、今のバンドでメンバー募集してたから入ったんだ。バンド自体にも憧れあったし」

 

ひとり「憧れ........」

 

郁代「バンドって、第二の家族って感じしない?本当の家族以上にずっと一緒にいて、皆んなで同じ夢を追って...。友達とか恋人を超越した不思議な存在だと思うのよね」

 

第二の家族、か...。確かにその通りかもしれない。

 

「そう...、私は結束バンドに入って先輩の娘になりたかったのよ...。友達なんてイヤ!」

 

その気持ち分かるぅ↗」

 

郁代「え?」

 

ひとり「あ”っ!?...いえ、別に」

 

あっぶね!?危うくボロ出るところだった!!

 

郁代(後藤さんって、結構ヤバイ人...?)

 

ひとり(今振り返ってみると、喜多さんって結構ヤバイ人だな...)

 

※似た者同士である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郁代「今日はありがとうございました。これからもバンド活動頑張って下さい。影ながら応援してます。それじゃ」

 

数時間後、今日のアルバイトが終わって、解散する時間になり、喜多さんは自分の荷物を持って、一礼してお店から出ようとすると、私は喜多さんの腕を掴んで引き止めた。

 

ひとり「...本当にそれで良いんですか...?さっき喜多さんに手当てして貰った時、指の先の皮が固くなってました。それはかなりギター練習しないとならない筈です...。逃げ出したって言ってるけど、本当は練習したいんですよね...?本当はバンド続けたかったんじゃないんですか...?」

 

郁代「........っ!」

 

ひとり「もしかしたら楽器を弾くのは人より苦手かもしれないけど、努力の才能は人一倍あるから大丈夫です...」

 

虹夏「私も喜多ちゃんにこのバンド盛り上げるの手伝って欲しいな!」

 

リョウ「ギターが二人に増えたら音が賑やかになるし、ノルマも四分割」

 

相変わらずリョウさんは素直な言い方はしないんですね。

 

郁代「先輩のノルマ...、貢ぎたい!」

 

虹夏「爛れた関係が爆誕しちゃうんだけど!?」

 

いや、既に手遅れなのでは?

 

郁代「あっ、でも私、ギター弾けないし...」

 

虹夏「大丈夫! ぼっちちゃんが先生してくれるよ!」

 

...................ハァ?(ちいかわのうさぎ)

 

郁代「いいの?」

 

ひとり「私でよければ...」

 

まぁ、こうなったのも私の原因だし、乗り掛かった船だ。最後までやってやんよ!!...屠自古さんみたいな感じじゃなかったな、難しい。

 

郁代「ありがとう....、私、頑張る...!結束バンドのギターとして...!」

 

喜多さんは涙ながらにそう語ってくれた。

 

郁代「あ、でも先輩達、今のパリピ路線バンドはやめた方がいいですよ? 毎晩、踊り狂ってるんですよね?」

 

虹夏「パリピ路線!?」

 

それ何処情報?こんな結束力ガバガバなバンドにパリピもクソも無いでしょ(辛辣)

 

........まぁ、喜多さんが戻ってきてくれて良かった...。

 

さて、私の役目は一旦此処までだ。このまま後藤ひとりはクールに去るぜ...。ふっ、決まった...!

 

虹夏「ぼっちちゃん!今日一番の功労者だよ!」

 

リョウ「ぼっちのお陰で復活出来た。よくやった」

 

郁代「後藤さんありがとう!」

 

ひとり「あっ、いや私なんか全然大した事........」

 

うぉーい!今いい感じに締められたじゃん!!なんで此処で私を呼び止めて褒めるんだ!?いや嬉しいよ?嬉しいけど空気読もうよ!?表情筋ゆるっゆるだったら明らかにニヤけてたからね!?

 

郁代「でも私いくら練習しても本当にギター弾けなかったの...。何かボンボンって低い音がするのよね...」

 

そう言って喜多さんはギターケースを開く。ボンボン......?

 

ひとり「喜多さん、それベースでは?」

 

郁代「私其処まで無知じゃないって!ベースって弦が4本のやつでしょ?」

 

ひとり「弦が6本のとかもあります...」

 

リョウ「それ多弦ベース」

 

私とリョウさんが同時に言うと、喜多さんの顔がどんどん絶望的になっていく。そのまま喜多さんは、後ろに倒れこんで意気消沈してしまった。

 

郁代「ロ、ローンあと30回残ってるのに........。あひゅう........」

 

虹夏「き、喜多ちゃああああん!!」

 

遂に頭から魂が出て来ちゃう始末。仕方ない、私がせめて最期にこの曲を送っておこう(弾くとは言ってない)

 

私はスマホを取り出して、霧影さんの草笛を録画したものを、喜多さんの耳元に置いて再生スタート。

 

 

~~~♪   ~~~♪

 

郁代「あぁ、あそこに居るのは七年前に亡くなったお祖母ちゃん...。今、郁代...」

 

虹夏「ぼっちちゃんストップストップ!!」

 

リョウ「郁代...、お前の事は忘れん...。安らかに眠れ...」

 

ひとり「来世でまた会いましょう...。そしたら盃を交わしましょう、その時は霧影さんと霊夢さんと魔理沙さんと一緒に夜を明かしましょう」

 

虹夏「いや何言ってるのぼっちちゃん!?ダメだ喜多ちゃん!逝くなーーー!」

 

そして、喜多さんが結束バンドに再加入しましたとさ。

 

おしまい

大人組の中で誰が霧影龍騎に惚れやすいか

  • 伊知地星歌
  • PAさん
  • 廣井きくり
  • 岩下志麻
  • 清水イライザ
  • 佐藤愛子
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